【速報】ブルマ寝取ったったwww【悲報?】   作:粗品もんすたー

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おまたせ♡
たぶん今年度最後の投稿です。みなさま、良いお年を!


摩訶不思議ワールドは宇宙にあり

 

 

 

 

 

 

 レッドリボン軍の残党も根こそぎ掃討した後、ブルースカーフ軍の立ち位置は明確に変化した。

 

 BS軍の存在意義はRR軍への対抗。であればRR軍が壊滅したのなら、BS軍は無用の長物になるのは自明だろう。後はBS軍に属していた兵士や将校は、誉れを持って原隊復帰するのが正着である。

 しかしBS軍という存在の『立ち位置』の有用性は十分に証明されていた。

 かつて龍球の奇跡により世界の国々は一つになり、地球は史上初の統一国家を持つに至ったが、どうしても組織の肥大化に伴う組織構造の変化、そこから生じた歪さをカバーできてなかったからだ。

 

 例えば統一政府に君臨する国王がいるのに、他にも国王を号する奴がいたり。

 警察がまともに機能していなさそうな地域が色んなところにあったり。

 龍球が国家統合の奇跡を起こしても、残念ながら肝心の人自体が適応出来ていないのがよく分かる。

 最も分かりやすいのは、軍隊の存在だろう。あらゆる国、あらゆる民族が一つの国家の下に帰属する理想の世界である故に、外敵の脅威に対抗するための軍隊は不要とされて規模を縮小された。だからこそRR軍の跳梁を許してしまい、人々や政府はその脅威に怯えるばかりだった。

 

 しかしBS軍が誕生したことでRR軍は滅び、世界は改めて軍隊の重要性を痛感させられる。

 第二、第三のRR軍が現れてしまった時、対応する組織は必須だ。そうした論には説得力があった。

 

 その論説を声高に提唱し世間と政府に訴えたのは、BS軍の設立に寄与した“英雄”サンゾウだ。

 真摯に立ち回る英雄には多くのシンパがいた。英雄が声を上げれば呼応する者が数多いたのである。

 BS軍のトップの元帥号を有する老軍人をはじめ。政界の大物政治家達。財界に影響力のある大企業のトップ。科学者達に権威として重きを置かれる複数の天才科学者。数え上げればキリがなく、“悲劇の令嬢”として時の人になっていたバイオレットも同調して民意に賛同を求めた。

 

 BS軍が解体され、正規に新たな武装組織が創立されたのは自然だった。成るべくして成った。

 主題は外敵へのカウンター。地球圏静謐。

 何を大袈裟なと笑えはしない。RR軍の跳梁による傷跡はそれだけ根深く、有事の際に頼りなかった既存組織への信頼は失墜していた。地球の現国王は事態を重く捉え、英雄の提言を是としたのだ。

 

 犬の姿をした動物型地球人の国王が、英雄の論を意外とすんなり呑んだのは必然である。

 英雄自身による地道な広報活動、人脈の構築、実績の積み立ては実を結んでおり、地球における彼の人気は熱狂的な域に達していた。世論を味方につけるのが上手かったのだ。英雄たるサンゾウを無視するのは、まだ即位してそれらしい実績を上げていない国王には難しかったのである。

 

 斯くしてブルースカーフ軍の後身、ブルー・アース機関(BE機関)が創立された。

 

 BE機関は個人の生命、身体、財産を保護し犯罪の予防、捜査、鎮圧、被疑者の逮捕を通じて公共の安全と秩序を維持する、国家の行政機関だ。つまりは警察と同等の権限を、地球全土で振るえる。それだけでなく、政治的目的を達成するために、暗殺、殺害、破壊、監禁、拉致などの手段で無関係な一般市民や建造物を攻撃する者達⸺⸺テロリストやその集団に対して、あらゆる法的手続きを省略して対処する権限まで付与された。世界の警察、兼、攻撃的自衛隊というわけだ。

 

 こうまで強権を振るえて、暴走してしまえば取り返しがつきそうにない機関の設立には、良心的で慎重な人ほど反対しそうなものだろう。現に批判や懸念の声を上げる者は一定数存在した。

 そうした声を無視するのは簡単である。しかしサンゾウは懸念する者達を捨て置かず声明を発した。

 

『賢明な皆々様の御懸念、私もよくよく理解しております。悪逆の徒であったRR軍の再来を抑止する目的を持ちながら、とうのBE機関こそが脅威となるのではないかと不安に思うのは当然のこと』

 

 BS軍が解体された時、サンゾウは全ての肩書を返上している。故にサンゾウは国王にBE機関の設立を提言した時の身分は一般人だった。明け透けな物言いをするのも部外者になっていたからだ。

 いや、わざと一般人の立場に立っていた、と言った方が正確だろう。

 

『聡明な国王陛下も同様の不安を抱え、懸念しておられました。故に陛下は私に託したのです。BE機関の活動を監視し、時に助け、時に掣肘する特別顧問への就任を』

 

 実際は違うが、公に発信している声明は事前の取り決め通りである。

 

『皆々様、どうか私を信じてください。私は決して地球の人々の期待を裏切りません。敢えて断言しましょう⸺⸺この私がいる限り、BE機関の暴走は有り得ないと!』

 

 この声明を受けて地球国民は熱烈な支持を次々表明した。

 サンゾウという男が元々世界的なスターとして人気を博していた、というのもある。BS軍時代から実績があった、というのもある。だが最近、さらなる大事件を解決していたのだ。

 

 ()()()()()()()()()()()()()

 

 電子ジャーをどこかの誰か(サンゾウ)発見し(見つけ出し)、封印が解かれたのだ。

 御伽噺の存在だと思われていたピッコロ大魔王は、復活するなり行動を開始。

 多数の魔族を生み出し悪逆をなそうとして、あわや大惨事が起こる寸前で、駆けつけたサンゾウに、激戦を繰り広げた(マッチポンプをした)末に打倒されたのだ。多くの建物が破壊されたが人的被害はなかった。

 

 これを目撃した多くの人々は、その光景を動画撮影したり、写真を撮ったりしており、情報の拡散へ間接的に寄与していた。それによってサンゾウの英雄的な行いは周知の事実だったのである。

 そうしてBE機関の特別顧問に就いたサンゾウは法師の称号を頂戴した。BE機関の事実上のトップ扱いであるが、実務には直接関与しない、ある意味で気楽な立場へ移行したとも言えるかもしれない。

 

 

(⸺⸺ちょっと上手く行き過ぎじゃね?)

 

 

 サンゾウは内心戸惑っていた。

 狙ってやっていたとはいえ、こうまで上手くいくものなのか、と。

 第三者の作為的な干渉があるのではと、疑いそうになるほどに。

 

 近年。孫悟飯一家を招くまでのこと。

 流石にサンゾウという存在を無視できず、接触してきた地球の神と、彼は対談していた。

 そこでサンゾウは地球の人々や神に害をなすつもりは毛頭なく、逆に守りたい旨を熱く説いている。

 宇宙にいるサイヤ人やフリーザ軍、未知の存在への警戒心、これらを懇々と説いて、神からの理解と信頼を得ることに成功していた。今後の活動方針も説明し、変更があれば事前に話す約束をしたのも信用された理由の一端だろう。サンゾウの弁舌が、長年の経験で磨かれていたのもプラスに働いた。

 

 神にはカリンという仙猫の紹介を頼み、カリンから超神水、筋斗雲を譲ってもらっている。

 物語通りの展開への拘りを捨てていたサンゾウに、自重の二文字はない。ピッコロ大魔王を見つけ、適当に戦闘力を合わせて激戦を演じ、倒した時に卵を吐き出すよう誘導したのが拘らない証拠である。

 二代目ピッコロは地球側の有力な戦力に成り得る貴重な存在だ、確保できるならやる。生まれる時期が早いか遅いかなど、サンゾウからしてみればどうだってよかった。

 

 BE機関の設立も、その後の立場も、何もかも順調に推移している。

 ゲロの研究も進んでいた。培養したサンゾウのS細胞は実用段階に。超神水による潜在能力の引き出し効果も自分で試した。ピッコロ大魔王の細胞も確保した。露見したら言い逃れできそうにないものには手を出してないが、なんでも上手く行く循環を作り出せている。

 

 悟飯と悟空を西の都に招く決断をしたのは、サンゾウ側の都合が固まったからだ。

 最適の環境を整えることに成功して、後はBE機関の存在意義が当初の目的に沿う形へ進めるだけ。

 

 CCのブリーフ博士に提案し、ゲロに意見書を提出させ、双方の頭脳を取り持つ形で宇宙船を完成させると、宇宙開発を掲げる国家機関、企業へと技術を流した。サンゾウの名を伏せた上で。

 そうすることで自然と宇宙の現状を地球人全体へ周知させ、BE機関の活動の幅を広げる。ここにまでサンゾウが関与していれば、流石に出来過ぎなので関わっていないフリをしておかなければならないが、この件は数年、数十年単位の事業なので気長に、かつ気楽にやればいい。

 

 その間に悟空やピッコロ、BE機関の地球人の戦士を鍛えて、超サイヤ人クラスのエネルギーを無尽蔵に扱える人造人間の炉心を完成させる。やることは山積みだが、焦らず確実にこなそう。

 

 サンゾウは周到だった。自分の頭で考えても分からないなら、分かる者に考えさせるのも厭わない。外付けの超頭脳の持ち主の助言を聞き、適切な行動を見極めながら取り続けている。

 BE機関、およびサンゾウが関与していない企業や政府の働きで、宇宙に地球人が進出する事。それにより地球人が宇宙の脅威に直面する事。そこまで持っていければ、大手を振って本格的に関われる。

 

 地球圏静謐という目的に嘘はない。

 

 それなりに長く立場のある人間になっていたからだろう、サンゾウのスタンスは変化していた。

 来ると分かっている敵を、わざわざ地球で迎え撃つ必要はないだろう、と。被害を被る前に、未然に地球外で対処してしまった方がいい。その方がよっぽど地球とそこに住まう全生命のためになる。

 

 例えばラディッツの後に来る、ナッパとベジータ。東の都に襲来し、挨拶で『クンッ』されて地球環境と人間たちに被害を及ぼす事件。これも、防げるなら防いだ方がいいに決まっていた。

 気にしたり、配慮してやる気は微塵もないが、もしもサンゾウの行いが物語として記されるならば、この物語は最初から宇宙を舞台にしてやる。演者側に甘んじて、無駄に被害にあう人々を見て見ぬふりなどしてやらない。仮に踊らねばならない役回りが来たとしても、踊る舞台ぐらい選んでやる。

 

 サンゾウの心境の変化による、スタンスの変更の背景には、こうした心情が根底にあった。

 現実にこの世界で生きている以上、劇的な展開は望まない。サンゾウに妥協するつもりはなかった。

 舞台が宇宙ならどうぞお好きになさってください、ってなもんだ。

 

 

「銀河パトロールに俺はなる、ってか?」

 

 

 やってることが、正にその方向性だ。

 まさかそういう組織がとっくの昔からあるとは知らないまま、サンゾウは軽口めいて諧謔する。

 まあ、知っていたとしても口にしたかもしれない。

 フリーザ軍を野放しにするような奴らを、最初からあてにする気になれなかっただろうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とぉーっ! やぁーっ! とりゃぁーっ!」

「グッ………! ダァっ!」

 

 

 特徴的なくせ毛の少年と、ターバンを頭に巻いた緑肌の少年が、激しく拳打を交わしていた。

 

 ⸺⸺晴天。青空にこだまする、青春の一幕といったところ。

 

 

 

 西の都にあるサンゾウ宅は、旧BS軍の基地跡地をそのまま流用したものだ。

 旧軍が解体された際、各地の主要な基地は殆どが施設ごと撤収されている。そうして不要になった土地を民間に下げ渡す必要が出た時、ここぞとばかりに俺が手を上げて購入を求めたのだ。

 有望な戦士を育成するためという名目があり、誓ってそこに嘘はない。だが、他の都合のために利用しないわけでもなく、広大な土地の地下にはゲロに使わせるための研究設備があり、俺が体を鍛えるための、人工重力発生装置つきの部屋も完備していた。至れり尽くせりな環境だろう。

 

 で。切り取れるパイがある時、俺はお行儀よく遠慮するような奴じゃない。

 俺は無駄に広い敷地を使って、学校を建てさせてもらった。は、学校? とゲロは呆気に取られていたが、俺にとっては重要なことだ。今後を見据えたなら絶対にいる。地球の神への言い訳に使えるし。

 

 この学校の名分は未来の戦士と裏方の養成。早い話がBE機関に属するエリート達の養成所だ。

 俺はここに、俺の知る才能のある奴らを掻き集めた。

 

 悟飯さんが教頭。教師陣にバイオレットと桃白白。一般教養に強い、誘ってみたらなぜか来てくれたタイツちゃん。任意で時々来てくれる臨時講師に鶴仙人。悟飯さんに頼んで招いた牛魔王。

 生徒に悟空。天津飯。チャオズ。ピッコロ、登録名はマジュニア。弟子入り志願してきたクリリン。ヤムチャやヤジロベーはまだ見つかってないからここにいないが、希望しないなら誘わないつもりだ。

 

 彼らを特別科として一般科もちゃんとある。そっちの先生がタイツちゃんで、生徒に転校を熱望してきたブルマちゃん、サタンくんの息子のマークくん、牛魔王の娘であるチチちゃんもいる。名前こそ数え上げたらキリがないから省略しているが、一般の大人の教師や、普通の子供達も相応数通っていた。

 

 軍隊の次は学校、兼、研究所、兼、自宅、兼、修行施設。土地が広いからこその無茶苦茶な詰め合わせセットだ。ゆくゆくは才能のある若者達が集う、地球随一の超エリート校を目指している。

 特別科は気功術を含む武術の鍛錬が必修項目に盛り込まれており、そうしたものを修めた生徒や教師が身近にいさせることで、子供達の意識改革に繋げていく狙いがあるからだ。

 

 

 校舎の屋上でのんびりくつろぎながら、今後のことをつらつら考えつつ校庭を眺める。

 そこでは悟空少年と、神様に『俺が良い奴に改心させてみせる』と約束して引き取ったピッコロが、決着をつけようと距離を取り氣を練りはじめた。

 

 

「かぁ、めぇ、はぁ、めぇ……!」

「カァァァ……!」

「波ぁっ!」

「魔貫光殺砲ォ⸺⸺ッ!」

 

 

 そして放たれる互いの必殺技。

 身体能力と氣の大きさは悟空が上。だが技の技量と氣のコントロールはピッコロが上だ。

 技の性質も計算に入れると互角ってとこか。

 

 激突した気功波が爆風を生むが、俺が無造作に氣の膜を校庭に落とし、爆風を綺麗に相殺した。

 しかしそんなことに気づけるほど、まだまだ成熟には程遠い子供達だ。ただ互角だったという結果だけに注目して、ピッコロと悟空が地団駄を踏んで悔しがった。

 

 

「な、なんだよピッコロ! 今の()()のどどん波だろ!? おめぇだけ教えて貰うとかズリぃぞ!」

「魔貫光殺砲だ、孫悟空! このオレさまが編み出した必殺技を、奴の技と間違うなど殺されたいか!」

「……へっへーん、そんな強がってっけどもう一回やるリキは残ってねぇだろ? オラはまだまだ元気だもんねー! っちゅー訳でオラの勝ち!」

「ナメやがって……! 貴様の祖父から教わったというかめはめ波で、貴様も氣が尽きかけているのは分かってるんだ、強がりで勝ち誇るんじゃあないっ!」

 

 

 いがみ合う二人の様子を見て、俺は微笑する。

 またか。恒例の口喧嘩も、すっかり見慣れてしまった。

 そんなことをしてるから怒られるのに、学ばん二人だな……。

 

 

「コラーッ! また貴様らか、戯け共ォー!」

 

 

 ほら来た。

 脱サラして殺し屋、から軍人、から教師に転向した桃白白センセーがカミナリを落としに。

 すっかり毒気が抜けて、真面目に鍛錬を積み、俺と鶴印の修行法を重ねて強くなった男だ。

 桃白白は今の悟空とピッコロよりは強い。戦闘力数値にすると800ってとこだろう。悟空がその半分の400、ピッコロが300というのを見ると、もう暫くは重石になれるはず。

 

 

「げぇーっ! パイのおっちゃん!」

「チッ……」

「だぁれがパイのおっちゃんだクソガキ! 許可なく気功波を使うなと何度言えば解る!?」

 

 

 誰が荒れた土を戻してるか分からんか! と怒鳴る桃白白だが、妙に生き生きとしていた。

 なんだかんだ、やり甲斐とか色々あって、殺し屋時代なんぞより遥かに充実しているらしい。

 鬼教師っぽさが板についていて、一部から慕われるのも分からん話でもない。

 

 

「⸺⸺ね、ね! サンゾウさん!」

「ん?」

 

 

 やいのやいのと騒がしい校庭を眺めていると、授業から抜け出してきた少女が呼びかけてきた。

 振り返った先にいたのは、ちょっと前から成長して、さらに可愛くなったブルマちゃんだ。

 にこにこしながら後ろに手を組んで、俺の顔を覗き込んでくる様子は愛嬌たっぷり。近くにいたのには気づいていたが、わざわざ話しかけてくるとは思ってなかった。

 俺は表情を和らげて、ブルマちゃんを迎える。

 

 

「どうかしたかな、ブルマちゃん」

「ちょっと聞こえちゃったんだけど、銀河パトロールってなぁに?」

「……聞こえてたんだ。恥ずかしいな」

 

 

 苦笑する。でもまあ聞かれて困る話でもない。いずれ分かることだし、ブルマちゃんは無駄に吹聴して回る娘じゃない。むしろブルマちゃんほどの天才には、先に知ってもらってた方がいいかもしれん。

 

 

「俺の思い描いてる未来の構想ってとこだよ」

「どういうこと?」

「んー……話せば長くなるけど、ブルマちゃんは授業中じゃない?」

「あたしは別にサボっても平気! ここの授業、どれも最先端ので面白いけど、今やってるとこはもう知ってることだったから! それよりはあたし、サンゾウさんの話の方が楽しくて好きよ!」

「流石ブルマちゃん、天才中の天才だ。ブルマちゃんがいるクラスは地球最高の水準なのにな」

 

 

 ぶっちゃけ俺の頭じゃ、ここだと子供が学んでるレベルの話でもついて行けない。

 一般科って銘打たれちゃいるが、内実には天と地ほど離れたレベル分けがされている。例えばサタンくんの息子のマークや、チチちゃんのいるクラスは平均的な普通のレベルで。天才児と名高いエリートの卵がいる、特に優れた子供達がいるレベルのクラスもある。ブルマちゃんもそこのクラスに属してるが、この娘が一番優秀で天才なのは既に証明されていた。

 なお、そのクラスの担任は人造人間一号の複製体だ。ゲロの体の子機とも言える奴で、別のタスクをこなさせながら教師としても酷使している。人間性はアレだが、人に教えるスキルも学ばせたらあっさりやれるあたり、ホントにアレの性能はとびっきり優秀なんだなと思い知らされる。

 

 

「じゃ、長くなるから購買でご飯でもお菓子でも買っておいで。お小遣いをあげるから」

「やたっ! ちょっと待ってて! すぐ買ってくるわ!」

 

 

 財布を渡すと飛び跳ねて喜んで、ブルマちゃんが駆け去っていく。

 それを見送り、また校庭を見下ろした。

 クリリンや天津飯、チャオズが出てきていて、なぜかチチちゃんもいる。チチちゃんは何があったか知らんが、いつの間にか悟空にお熱になってるらしく、ぴたっと腕に張り付いて鬱陶しがられていた。

 

 

「お待たせ! サンゾウさん、早く教えて!」

「はいはい……」

 

 

 全身から好き好きビームを照射してくれる女の子はカワイイが、いったいいつまで続くやら。

 両手にいっぱいになったビニール袋をさげて走ってきた少女に、俺は相好を崩して話し始めた。

 

 宇宙のこと。地球のこと。地球の安全を確保するためにやらなきゃならんこと。気弾一発で星を吹き飛ばせるような奴らがいるから、そもそも地球自体に近づけさせないようにしなくては、危なくておちおち寝てもいられないこと。例えば俺が地面に手をつき気功波を放つだけで全部終わるってのに、そんな俺より強い奴がいるんだ。怖いだろそんなの。

 人造人間に関しては何も言わないでおいたが、普通なら信じられないような話だろう。

 だが、はじめはただ話を聞くのが楽しいといった様子のブルマちゃんは、俺の話を全面的に信じているようで、次第に真面目な表情へと変化していった。

 

 話し込んでいると、下校時間がきたらしい。生徒達が下校をはじめていて、悟空達も友人グループで固まって帰っていっている。

 

 

「………」

 

 

 ああいうのを見てると、普通のガキんちょなんだよなぁ。

 なんのけなしに視線を向けて眺めると、ブルマちゃんが急に黙った。

 ん、と思って視線を戻すと、なぜかボーッとした表情で俺を見ている。

 

 

「ブルマちゃん?」

「っ………」

「どうかした……ってのも違うな。流石に疲れたろ? 家まで送ってこうか」

「う……ううん! きょ、今日は一人で帰るから気を遣わなくていいわよ!」

「そ、そっか? じゃあ……気をつけて帰るんだよ。続きはまた今度、ってことで」

「う、うん! それじゃ! また明日ね、サンゾウさん!」

「はい、また明日な」

 

 

 ばいばい、と手を振るとブルマちゃんは急いだ様子で走り去っていく。

 ……おいおい食った弁当の空箱と、お菓子の袋がそのまんまだな。仕方ない、俺が片付けておくか。

 

 ゴミを気弾で焼滅させて、俺は伸びをする。

 

 

「んぅー……」

 

 

 平和だ。

 

 なんにもやる必要のない、なんでもない時間。

 忙しく駆け回り過ぎた十年間を思い返すと、こういう時間に癒やされてしまう。

 

 やっぱ、平和が一番だよな。

 

 でも平和云々はまだ確保できていない。気は抜けない。魔人ブウの封印されてる球は見つかっていないし、未知の脅威を迎え撃てる状態にもなれてなかった。休むのはまだまだ当分先だな。

 SS2は安定させられたし、3の方を早くなれるようになっときたい。玄奘法も安定させたとはいえ、倍率は10倍まで持っていけたがここらが頭打ちな気がしている。大猿の力も引き出せてるが超化しての安定化は依然として遠いままだ。独力で強くなるのはここらへんが限界なのだろうか。

 

 

「早く強くなってくれよ、孫悟空」

 

 

 悟空だけじゃない、ピッコロにも期待してる。

 知識の中のピッコロはなぜか界王拳を習得してなかったが、俺がいる世界だと玄奘法を教えられる。

 玄奘法を極めさせたら、最低でも素で超サイヤ人を超えられるピッコロの戦闘力が十倍になる。

 

 俺は臆病者なんだ。

 頼りになる戦士が早く隣に立って……あるいは俺より強くなってほしかった。

 

 

 

 

 

 

 

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