【速報】ブルマ寝取ったったwww【悲報?】 作:粗品もんすたー
人造人間と化したバイオレットは、術後観察のために安静を余儀なくされている。
他に適任がいないとはいえ、ゲロを付きっきりにさせるのに不安がないとは言えなかった。
俺の催眠能力は相手を意のままに操れるものじゃない。感情の操作や意思の固定はできるが、融通は利かないんだ。相手の人間性、つまり言動の方向性までは自由にできなかった。
徹底的に人間的な感情を抑制し、俺への忠誠心を植え付け、主人の意向を最優先するように調整してさえ精神性は不変だったのだ。ゲロは骨の髄までマッドサイエンティストなのだと痛感させられた。
金剛圏で四六時中、365日24時間体制で監視していた時は、完全にロボットの如く忠実だった。だからゲロの人間性は破綻したと誤認し、監視を緩めてしまったのが最悪の失策だったんだろう。
だが俺の目が少し離れた途端にあれだ。ゲロへの監視を絶やしてはならない。金剛圏による監視を再びつけ、二度と同じ過ちを犯さないことを誓う。感情が無くても、俺に忠実でも、ゲロはゲロだ。
だが⸺⸺俺の中の冷徹な部分は違う見解を示唆していた。
バイオレットの暴走が、結果的に多大な利益を生んでいるのは事実だろう、と。
戦闘民族の肉体は科学的なトレーニングと、グリッチめいたインチキだけじゃ真価を発揮しない気がしている。近年俺の戦闘力が伸び悩んでいるのは、戦闘経験の薄さが原因だと睨んでいた。
そういう点を鑑みた時、変身無しの今の俺と、本気で戦いが成立する存在は貴重である。
後は純粋にゲロの理論を検証・実証できたのも大きい。発展性を多大に孕んだ人造人間を生み出せたのだから、俺の望む装備の開発にも現実味が帯びてきてる。バイオレットの自己犠牲は無駄じゃない。
フリーザすら射殺できる光線銃。人造人間の廉価版とはいえ、簡易な手段で戦闘力1000万の固定値を叩き出せる服用薬。これらはまだ、俺が思い描く理想には全然届いちゃいなかった。
俺がゲロに要求した最終的な目標は、人造人間16号のような完全なロボット・タイプを骨子とした強化外骨格の開発である。イメージとしては日本的にいうと仮面ライダー、ハリウッド的にいうとアイアンマンだろう。装備するだけで超人的な戦闘力を発揮できるだなんて、氣のコントロールと器用さしか売りがない地球人にとっては、足りない性能を埋めてくれる理想的な武器だと言えるはずだ。
発展型は装備者の氣に応じて、戦闘力が上がるようにしたい。ただの機械じゃなく、生体外皮骨格とでもいうような………この技術体系でいうと、漫画のセルに該当するポジションにしたかった。
無茶苦茶だと俺も思う。だがゲロに無理難題とも言えるこの理想論を押し付けると、莫大な研究資金と時間、十分なデータと素材があれば不可能ではないと、機械的に断言しやがった。
ならやってもらう。俺のいるこの世界でセルの名は、パワードスーツのものにするのだ。
こうした理想論の取っ掛かりに、バイオレットは自分でなってくれた。俺にとって悪い事じゃない。
「クズが……」
吐き捨てる。一人の女の自己犠牲を受け、得られた実益を見てよしとする自らの理性。これをクズと言わず、他の何をクズというのか。立場のある人間としてなら正解でも、人としては最低だろう。
⸺⸺ココロを操った。
自己嫌悪で沈みそうな心を強制的に引き上げ、正常値へ書き換えた。
正常じゃない心は判断を誤らせる。慙愧で目を曇らせてはそれこそ本末転倒だ。
自戒だけして、二度と同じ過ちを犯さないようにすればいい。バイオレットの重い自己犠牲は確かにメリットを生んでいるが、彼女には今後暴走はするなと厳命しよう。暴走に報いる気はないと伝えて。
うじうじ悩み自己嫌悪で停滞しそうな思考に手綱をつけ、確固とした結論を出した俺は自室を出た。
向かうのは広大な自宅の一角にある、人工重力発生装置がある部屋だ。
そこには三倍の重力負荷を掛けたまま、激しく動いて修行するピッコロがいる。超強化ガラスの向こう側からそれを観察しに到着し、苦悶の表情を浮かべながら汗を流す幼いナメック星人を見守る。
「…………」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ………チッ」
ピッコロが俺に気づいた。露骨に舌打ちして、顔を背ける様子に苦笑する。
卵から孵化した時から面倒を見ているが、態度は一貫してこれ。相変わらず嫌われてんなと思うが、言ってみりゃあ俺は親の仇だ、憎まれていてしかるべきではある。いやこのピッコロは大魔王の分身、生まれ変わりみたいなもんだから、ピッコロ視点だと前世の自分を殺した宿敵なのか。
そんな奴に力で押さえつけられ、強引に身近に置かれ、修行させられてるとなったら嫌って当然だ。
「貴様、何を見てやがる。鬱陶しい、さっさと消えろ」
「そう邪険にするな。雑魚が粋がっても可愛らしいだけだって自覚した方がいい」
まあ、俺も元々嫌われてもいいと割り切っている。子供特有の高い声で凄まれても迫力は微塵もないし、煽るように憎まれ口を叩くと殺気を露わにして睨んできた。俺はそれを意に介さず笑顔で伝える。
「それより飯の時間だ。汗を流して、着替えをして、食堂に来い。30分以内に」
「ふざけるな、このピッコロ大魔王が貴様などの命令を聞くと思うなよ……!」
「聞いた方が身のためだ。文字通りな。栄養をたらふく蓄えたら、お前は数年以内に大人の体に成長できるんだぞ? 立派な体を早く作んねぇと、ライバルの悟空との差が広がり続けるぜ」
俺の知識だと、ピッコロは卵から孵化して三年で、青年期の体まで成長していた。ナメック星人ってどんな生態なんだよと呆れるが、体を成長させるのはピッコロにとっても大きなメリットだ。
俺の煽りに、ピッコロは額に青筋を浮かべる。
出会ってからというもの、ピッコロと悟空の実力は拮抗していた。
だが格上が身近にいる時、悟空はとんでもないスピードで強くなる傾向がある。
この場合、格上ってのは俺の事だな。
戦闘民族サイヤ人だからってのもあるんだろうが、悟空が本物の天才だってのが大きいんだと思う。んでピッコロっていう実力が拮抗したライバルもいるんだ、悟空が今の環境で強くならない訳がなく、結果として最近悟空との組手でピッコロは連敗を喫していた。
「……忌々しい野郎だ。今にみていろ、貴様はこのオレが絶対に殺してやる」
「はいはい、期待して待ってやってんだから早く強くなれよ」
何度目になるかも分からん殺害予告を雑に流すと、ピッコロはまた舌打ちした。
しかし根が真面目っぽい奴なせいで、俺を見る目には戸惑いの色が残り続けている。
ピッコロからしたら俺は本気で意味が分からん奴だろうからな、仕方ないっちゃ仕方ない。
料理人を複数人雇っている俺ん家の食堂は、飯も量と質を兼ね備えたものになっている。そこへシャワーを浴びてからやって来たピッコロの内心を想って、俺は苦笑いを深めた。
ピッコロから見た俺は、前世の自分を殺した宿敵なのに赤子の自分を拾って養育し、至れり尽くせりな環境で鍛えてくる奴だ。殺すと宣言している奴を鍛えるなんて、イカレてるとしか思えないだろう。
あまつさえ自分の技であるどどん波、舞空術、奥義の玄奘法まで教えてくるんだ。本気でどういうつもりなのか理解できず、心の底から不気味な奴に見えてしょうがないはずだ。
「………サンゾウ。いい加減にして、答えたらどうだ。貴様はこのオレ様を鍛えて、何がしたい?」
「さあ? 俺がお前をどうしたがってるかなんてどうだっていいだろ。お前にとって大事なのは、俺を超えることだけだ。違うか? 違わんなら、別に何も言うことはねぇと思うがな」
「………」
神様との約束通り、ピッコロを鍛えて悪の心を克服させ、立派な戦士にするつもりではある。
が、それを口にする気はない。
大魔王は悪党だったが、生まれ変わったこのピッコロは、どういうわけか根っからの悪党というわけでもない。知識の中のピッコロは、生まれた直後から修行して、悟空への復讐に向かった天下一武道会でも、わざわざルールに沿って戦っていたし、魔封波の対策までやっていた。
真面目なんだよな、ピッコロは。武術の鍛錬を重ねる内に悪の心は鳴りを潜めているし、悟空の息子の方の悟飯と一緒に過ごす内に、完全に悪から善側の存在になってる。理屈で言えば大魔王の生まれ変わりであっても、厳密には別人と見ていいわけだ。
分かりやすく言うと同じ記憶、姿、特性を持っているだけで、人格は別の奴ってわけなんだな。
このピッコロもそれと全く同じだ。
俺はピッコロを力で屈服させ、従わせてこそいるが、それは最初の内だけ。後は言葉でやり取りしてるし、手を出すのは修行の時と、大人として子供にやる必要がある躾けの時だけである。
そうしていると、ピッコロは憎しみを俺に向けてこそいるし、殺意を向けるのになんの躊躇いもないが、あっという間に距離感が縮まってきていた。気を許してくれてるんだ。こういうのを見ていて、俺は察した。
このピッコロ、あるいは幼年期の大魔王や神様も、父性っつーか親を求めてるらしいな、と。
本人は絶対に認めんだろうが、俺には分かる。ってか心理学者の権威も同意見だった。
伊達に何年も働いて経験を積んできてない。色んな人間を見てきたことで、相手が本当に望むものを見抜く眼力がついてきたってことなんだろうな。まだガキであるピッコロの深層心理は分かりやすい。
本気で殺したがってるし、憎んでこそいるが、ピッコロは俺を父親だと想ってくれている、と。
詳しいことは知らんが、地球に流れ着いた本来のナメック星人は、親ってもんに強い気持ちがあったんだろう。それが神様と大魔王に分離してからも残り続けていたのかもしれん。
そんなつもりじゃなかったとはいえ、そこを突いて利用してる形になってるのは、正直ゲスすぎる。流石に良心の呵責を無視できねえから、望まれてる内は親っぽく振る舞うのも吝かではなかった。
つっても俺の中の父親ってのは古いタイプだ。俺の親父は平気で殴る体罰主義者だったし、俺も親父をいつか殺してやると本気で恨んでた。今でこそ殺意はなくなってるが、普通に嫌いである。
んなもんで、俺にとって父親ってのは、子供に嫌われてなんぼの抑止力ってイメージがあった。
飯の好き嫌いは許さんし、勉強をサボるのも許さん。遊ぶのはいいが悪いことしたら殴るし、他人に迷惑を掛けたら泣いても殴るのをやめない。やるべきことは強制し、駄目なとこは矯正する。
……で、万が一にも子供がイジメられたり、理不尽な目にあったら、本気で戦い本気で守る。
心の底から恐れてた。嫌ってた。だが、だからこそ、味方として守られた時の安堵感は大きかった。
俺にとって親父ってのはそういうもんだ。だから、俺もそうする。令和じゃ暴力親父なんか取り締まられて終わりだろうが、この世界だと全然許容されてるようだし、今のスタンスで通していいだろう。
「ほらほら、さっさと食っちまえ。その後に軽く稽古をつけてやる。学校の宿題もやっちまおう」
「クッ……なぜピッコロ大魔王ともあろう者が、人間の学なんぞ身に着けねばならんのだ……!」
「お馬鹿な大魔王なんか恥ずかしいだけだぞ? 悪いこたぁ言わねえから、せめて一般教養ぐらい押さえとけよ。頭のデキ次第で戦いを有利に進められることもある、勉強ってのは頭の筋トレだ」
「尤もらしいことを言いやがる……いいか! 今だけだ、今だけは貴様の言うことを聞いてやる! オレはピッコロ大魔王として、いつか貴様に吠え面を掻かせてやるからな……!」
最低限のマナーを守りながら食事をしつつ、ピッコロは俺に悪態を吐く。
最初はガツガツと雑に食ってたのを、叩いて矯正されたのは屈辱だったんだろう。また無理矢理言うことを聞かされる屈辱を味わうぐらいなら、臥薪嘗胆の気持ちで従っていた方がマシだ。
そういうピッコロの負けん気も育てながら、俺はにこやかに、しかし本心から返答した。
「おう。早く俺を超えてくれよ、ピッコロ。その時を今から楽しみにしてるんだぜ、俺は」
コミュ回をあと数回挟んで、やっと本編()やな!
もう跡形もないけど……。
悟空達には早く宇宙に出てもらい、摩訶不思議な冒険をしてもらわんと。ライバルはサイヤ人軍団のベジータ・ナッパ・ラディッツ。ターレスとかもいいな。サイヤ人編、フリーザ編で悟空の少年期から青年期を纏められそうなのは胸が熱くなるわ。