【速報】ブルマ寝取ったったwww【悲報?】   作:粗品もんすたー

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自己紹介ターン

 

 

 

 

 

「ぐぅ………せ、センセぇ、この技………とんでもなく難しいなぁ………!」

 

 

 息も絶え絶えにそう言ったのは、三蔵法師の足元に倒れていた孫悟空である。

 その隣に倒れていたクリリンも、ようやく息が整いつつあるようだ。

 ソラへ飛び立ったスペースロケットを見上げていた三蔵は、視線を戻しさもありなんと頷きを返す。

 

 

「そりゃあそうだろう。自分(テメェ)が持つ氣の量を倍増させるんだ、簡単なわけねぇわな」

 

 

 悟空とクリリンが教えられたのは玄奘法、三蔵の奥義だ。

 氣の制御がバカみたいに難しい上に、体の頑健さも求められるアホみたいな技である。教えられた直後に実現できるわけがなく、今の悟空達では三蔵の補助がなかったら発動もできないだろう。

 とはいえ、だ。そんなものはなんの言い訳にもならない。それは悟空達も理解していた。

 

 

「つっても、ピッコロの奴はできんだろ? ならオラ達だって………!」

「ああ! いつまでも偉そうにされてちゃ、ムカッ腹が立ってしょうがねぇもんな!」

 

 

 悟空がライバル視するピッコロは、三蔵の養子らしく同じ屋根の下で生活している。

 と言ってもピッコロは寝る時以外に帰って来ないが、三蔵から直接指導される事は多かった。

 故に氣の制御や武術の腕の伸びは、同年代の者の中で図抜けており、その戦闘力は世代一と言えた。

 

 一時は勝ち越していたのに、最近になって力関係が逆転し負けが込みはじめた悟空は、ライバルの急成長の秘密は三蔵にあると見て、こうして師事を願いに来たわけである。

 一方のクリリンだって、まだまだ負けん気の強い少年だ。ピッコロはおろか、親友の悟空にも勝ってみせるという気合いに満ちており、過酷な修行にだって食らいついてやる気概を持っていた。

 

 

「………」

 

 

 少年達のフレッシュな意欲に三蔵は目を細めて微笑む。

 向上心のある若者を見ると、どうにも贔屓してやりたくなる。

 高校野球の甲子園とか、駅伝とかを好むオッサンオバサンの気持ちも今なら理解できた。

 

 まあそんな心情なんかなくても、三蔵にはハナから贔屓するつもりしかないわけだが。

 

 だからこうして氣のコントロールの極みに近い奥義を、時期尚早と切って捨てず教えている。

 今の悟空達の力量では、界王拳もどきの玄奘法の修行は無理難題を超えた命取りだ。ちょっとミスるだけで、体が破裂して死んでしまってもおかしくない。なのにそうなっていないのは、彼らの傍にいる三蔵が、常時回復術で癒やし続けているからだ。ピッコロにもしてやったように、玄奘法の鍛錬を力尽くで成立させているだけである。これに慣れるまでの補助輪に徹するだけで悟空達は強くなれるのだ。

 

 

「その意気だ。なぁに安心しろ、俺が傍にいる限り、お前らの体はブッ壊れたりしねえから」

「はいっ!」

「毎度思うけど、先生の回復(これ)スゲェよな。オラにもできっかな……」

 

 

 元気よく返事をするクリリンと、真似られんかなと首を捻る悟空に回復術を掛け全快させる。

 更に氣を分けてやり、その小さな体に宿る氣も満タンにしてやった。

 これで精神的な限界が来るまで修行ができる。ピッコロもそうだったが、悟空やクリリンのこの向上心の高さは、己の精神を操らないと自堕落になってしまいそうな三蔵にとって、とても眩しいものだ。

 

 回復術は超能力の類いだ、真似っこなんかできねえよ。三蔵はそう言いそうになって、はたと思う。

 

 知識の中の孫悟空は、人の頭に手を触れて記憶を読んだり、瞬間移動とかいう超能力を会得していたことを思い出したのだ。となると、案外超能力も後天的に習得できるのかもしれない。

 三蔵はその発想を掴んで気を良くした。伸び悩んでいた戦闘力を、超能力の習得という形で伸ばせるかもしれない可能性を見つけられたからだ。貪欲に強さを求める悟空の思想に学びを得た。

 

 物は試しだ。

 教え方は全然分からんから、悟空に回復術を掛け続け勝手に会得してくれるか実験してみよう。

 もし悟空が回復術を会得できればもうけもの。悟空が強化されるし、会得できなくても『悟空のセンスでものにならないなら、俺が修行しても無理だろうな』と見切りをつけられる。

 

 三蔵はそう考えた。

 

 

「⸺⸺⸺」

 

 

 タイミングで言えば、まさにその直後。

 

 この場で。

 否、現宇宙で随一の戦闘力を誇るのは三蔵だ。

 為に、真っ先に()()に気づいたのも三蔵だった。

 

 バッと体ごと背後へ振り返り、睨みつけるのは上空。師である三蔵が顔色を変え、緊迫感も露わにしている様子に訝しんだクリリンと悟空が、何事だと三蔵の視線の先を辿る。

 

 其処には、()()()()

 

 何を見てるんです? とクリリンが問う直前。

 何もなかったはずの空間が、突如として歪み、漆黒の渦となって上空に()()()()()

 ゾッ、と悟空とクリリンは総毛立つ。

 上空に開いた穴から溢れ出る、莫大で、()()()()に気圧されたのだ。

 さながら牙を剥き出しにした捕食者の前に身を晒してしまった、草食動物の幼体のように悟空達の体が勝手に震えはじめる。蟻の世界に突然恒星が降ってきたかのような、次元違いの存在感だ。

 

 体が固まる。息が止まる。心臓すら鼓動を止めてしまいそうな⸺⸺

 

 

「おい」

 

 

 と。

 黄金の氣が、クリリンと悟空を包み込んだ。

 

 三蔵によるバリアである。

 余りに桁違いな氣の多寡に、顔が土気色になっていた少年達の心を、氣の膜で覆って保護したのだ。

 

 未来においてはともかく。戦闘力が千程度の未熟な戦士達にとって、億を軽く超える戦闘力を持つ存在から、掛け値なし本気の殺気を向けられると、冗談抜きでショック死してもおかしくない。

 戦闘民族サイヤ人は頭がおかしいから、悟空は恐怖に震えても心が折れたりはしないかもだが、クリリンは純粋な地球人である。如何にクリリンが天才でも、未熟な時代にアホみたいな戦力差を叩きつけられて挫折されてしまっては、三蔵からすると笑えない損害だった。だから保護に手は抜かない。

 

 三蔵は上空に開いた穴を睨みながら、クリリンに懐に入れていた端末を投げ渡す。

 慌ててキャッチしたクリリンに、三蔵は端的に告げた。

 

 

「悟空にはまだ難しいかもだが、お前の成績ならソイツの操作もできるな? 内蔵してるカメラを起動して、今から起こることを全部映像データとして残しとけ」

「は………は、はいっ………!」

「悟空。お前はそこでジッとしてろ。何があっても絶対(ぜってぇ)動くな。邪魔だ」

「っ…………! わ、分かった、先生………!」

 

 

 子供と接している時にある、常の優しい語調は消え失せていた。

 三蔵の意識が切り替わっていたからだ。

 平時のそれではなく、戦場に立つ冷徹なものへと。

 

 端的に邪魔だと言われ、悟空は素直に指示を聞いたが、幼心に悔しさを覚えなかったわけではない。

 しかし戦闘民族の本能が、唐突ながらも戦いの予感を覚え、確かな興奮を覚えてもいた。

 強すぎて測れもしなかった師の実力。それを今から見られるのだと思うと、ワクワクしてくる。先生はどれほど強いのか、どれほどの高みにいるのか………そして、自分はそこまで強くなれるのか。

 恐怖に震える体とは別に、悟空の心に怯懦の色は一片もなかった。

 

 

「………いつまでそうしてるつもりだ? さっさと出て来いよ」

 

 

 意図的に戦闘に適した精神状態へ移行した三蔵は、瞬きの間も置かず超化していた。

 黄金の逆立つ髪、煌めく碧眼。肉体に収まりきらないほど膨大な氣が、黄金の炎となって燃え盛る。

 

 眼光鋭く投げかけられた招待に応じたのか、暗黒の渦から現れたのは一組の男女だった。

 

 漂白されたように白い髪の、青い肌をした美女と偉丈夫。赤いボンデージと赤い戦闘服。色調が完全に統一されていながら、男女の性差に役割の分担がなされた組み合わせ。

 知性のある女、武闘派の男。一見してそれと分かる二人が露わにした姿に、三蔵は眉を顰めて呟く。

 

 

「魔族か」

 

 

 ピッコロ大魔王や、魔界から修行に来たと嘯く者を数人知っているが為の独語。

 

 そして、既視感。どこかでこの二人を見た事がある、気がする。

 面識はない。知識にもない。なのに感じるこの既視感はなんだ?

 魔族の気配を知ってはいた。だから氣の感じで魔族だと判じられたがそれ以外がまるで分からない。

 

 もしや………何年も前に、自身を脅かした何者かが、コイツらなのか? と三蔵は警戒する。

 

 仏頂面で虚空に静止する男を置いて、こちらを見下ろす女がいやらしく、見下しながら唇を歪めた。

 

 

「あら。流石は三蔵法師、一目で私達が魔族だって見分けがつくのね?」

「………招かれざる客って言葉は知ってっか? 偉そうに値踏みしてねぇで、ちったぁ礼を尽くして挨拶の一つでもしたらどうなんだよ。でねぇとお里が知れるってもんだぜ」

 

 

 値踏み。そう、値踏みだ。この女は三蔵を値踏みしている。上から目線で観察してやがるのだ。

 一見すると三蔵は苛ついているようだった。上から見下され、じろじろと品定めされて気に障った、ように見せかけていた。そうする裏で、三蔵もまた相手を逆に観察している。

 

 女と三蔵の視線が絡まり合う。数秒の交錯は、女がフッと相好を緩めたことで終わりを告げた。

 

 

「それもそうね。じゃあ、名乗らせてもらおうかしら。私はトワ、こっちはミラよ。よろしく、地球の英雄サマ?」

「よろしくしてやるにゃあ、ちっとばかし興が乗らねえな。手土産の一つでもくれたら話は変わるが」

「つれないわねぇ。ま、いいわ。元々そのつもりだったから」

 

 

 ふーっ、と露骨に溜め息を零す姿は様になっている。

 女は片手を虚空に掲げ、ホログラムのような球体を現像させた。

 なんのつもりだ、と目を尖らせる三蔵へ、彼女は朗々と告げる。

 

 

「私達は暗黒魔界から来たの。私の兄は魔界の王ダーブラ。そしてミラは私が作った人造人間。私達は三蔵法師、貴方に用があってこうしてやって来てあげたのよ」

「……暗黒魔界?」

 

 

 秘密文書に記録して、定期的に読み返している文書のお蔭で覚えている。

 魔人ブウ編で魔導士バビティの配下として現れた、魔界の王を自称するダーブラも。

 この女、トワはダーブラの妹だという。そしてミラは人造人間だ、と。にしては氣を感じられるが、こちら側の人造人間とは技術体系が全く異なるということなのだろう。

 セル並の戦闘力を持つダーブラの妹だということは、トワもそれに匹敵するかもしれない。そしてそのトワが作り上げたという人造人間ミラは、どれほどの脅威になるのだろうか。

 

 暗黒魔界。三蔵はそれを、あるかもしれない未知の続編への導線として、ありえるものと見ていた。

 しかしどうやればそこに行けるのか、その暗黒魔界にはどういう奴がいるのかは、どうやっても調べる手段を手に入れられなかった。⸺⸺それがこうして、想定外のタイミングで襲来したと。

 

 あたかも初耳のような反応をしてみせる三蔵へと、トワは蠱惑的に微笑みながら解説した。

 

 

「どうせ知らないだろうから教えてあげるわ。この宇宙の構造をね」

「……へぇ。押し掛けて来た分際で知識マウントを取ろうってか? 見上げた態度だな」

「フフフ。未だ宇宙の真理を知らない貴方達の星は、私達にとって発展途上の後進国に過ぎないもの。ありがたく拝聴していればいいのよ」

 

 

 軽口の応酬。裏で、三蔵は相手の狙いが見えず困惑していた。

 

 

(宇宙の真理? 構造? それに俺に用があるだと? 何が目的だ?)

 

 

 内心の当惑をおくびにも出さず、三蔵は様子見も兼ねてトワのご高説に耳を傾けた。

 

 

「私達が生きるこの宇宙はね、球体なの。例えば私が出してるこの映像のような、ね」

「………なんだと?」

「下層、中層、上層。上層を神の世界とし、中層を貴方達の世界として、生と死の領域に別れている。そして暗黒魔界は下層に位置しているの。他にもあるけど………ざっくり言えばそうなるわ」

「………なるほどな。で? それを俺に教えて、お前らは何がしたい」

「急かさないで。いい子にしていれば、もう少しサービスしてあげるから」

 

 

 宇宙構造の簡易的な解説。それに少しの衝撃を覚えていた三蔵だったが、やはり精神的動揺は微塵も表に出さない。なぜならば………依然として、ミラが発する殺気が、自分に向けられている。

 一寸でも隙を晒す気になれない。明らかに超化している自分を凌駕する氣の圧を感じていた。

 トワがあたかも上位者のように振る舞っていられる余裕は、ミラの実力に絶対の自信があるからだろう。さもなくば科学者のような雰囲気があるこの女は、無駄口を叩いたりしない気がする。

 

 

「いい? 三蔵法師。宇宙は一つじゃないわ。私達の宇宙は第七宇宙と呼ばれ、第七を含む十二の宇宙が存在する。………賢い貴方なら分かるかもしれないけれど、これは途方もないことよね?」

「……………………」

「私達は未来から来た、貴方達からすると未来の人間よ。貴方には私の目的のため、貴方にこの宇宙の事、暗黒魔界の事を知ってほしかったのよ」

「……………………テメェの目的ってのはなんだ?」

「あら、ちょっとは興味を持ってくれたのね。けど残念、サービスタイムはたった今終わったわ」

 

 

 浮かべていたホログラムらしき球体が消える。トワが消した。

 

 宇宙が十二もある。自分達の宇宙は第七。途方もないスケールの大きさに頭が痛くなりそうだ。

 それに、ミラとトワは未来人だと? タイムマシンもなしに時間跳躍をしているのか?

 話の全てを鵜呑みにするのは馬鹿らしいが、かといって信じない理由も見当たらない。

 

 いやらしい笑みを浮かべたまま、トワが残忍な気配を漂わせはじめる。

 

 

「勝手で悪いけれど、そろそろ時間がなくなりそうなの。三蔵法師、貴方にはこれからミラと戦ってもらうわ」

「なんでだ。俺には戦う理由がねえぞ」

「だから、勝手で悪いって謝ったじゃない。貴方に拒否権はないし、戦う理由ならあるわよね。どうあれ襲い掛かるのは変わらないのだから、貴方は自衛のためにも戦わざるを得ないわ」

「チッ………」

 

 

 懇切丁寧に『今から攻撃する』と宣言するトワの狙いが、やはり三蔵には皆目見当もつかない。

 

 だが、うだうだ文句も言っていられなさそうだった。

 

 腕を組んでいたミラが、ゆっくりと両腕を伸ばし、発していた殺気に相応しい氣を纏ったのだ。

 

 

「もういいな、トワ」

「ええ、待たせて悪かったわね。存分にやりなさい、ただし………」

「解っている。時間は掛けられんのだろう」

 

 

 三蔵が宙に浮いていく。

 トワがミラから離れていくのを尻目に、ミラと三蔵の目線の高さが合致した。

 

 

「…………」

「…………」

 

 

 三蔵は戦いに際して無駄口を叩く男ではない。

 ミラもまたそうなのだろう、睨み合う両者の間に言葉はなかった。

 

 図るのは呼吸。意識。微細な挙動。視線。

 武の達人は、対峙しただけで、ある程度の力量を見抜く。

 三蔵もまた、経験値はともかく達人だった。

 故に、薄っすらと感じ取れるものがある。

 

 

「………行くぞ」

 

 

 端的な宣言はミラのもの。

 

 次の瞬間両雄が激突し⸺⸺地球が震撼した。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、三蔵の現状フルMAX初戦闘。別名主人公紹介。
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