【速報】ブルマ寝取ったったwww【悲報?】   作:粗品もんすたー

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お待たせしました。前話で高評価ありがとうございました!感想もいただけて嬉しいです!頑張ろって思えました!

それでは2部、開幕でございます!




2部・サイヤ人たち
オラ、ワクワクすっぞ!


 

 

 

 

 

 テレビに、あるいはラジオに。

 齎される映像に、もしくは流される音声に。

 

 地球の人々は、釘付けになっていた。

 

 

『ご覧ください! 宇宙にあったのは、新たな友との出会いだけではなかったのです……!!』

 

 

 ⸺夢と希望を載せたスペースロケットが、宇宙へ飛び立って僅か一年後。

 発見した惑星に知的生命体が存在し、高度な文明を築き上げていたのが発覚した。

 

 CC製の通信機でほぼラグもなく情報が伝達されると、現地の光景に地球人類は興奮を覚える。

 見たことのない姿形の生命、触れたことのない文化、地球に存在しない資源、歴史。それらの実在を知った地球人類は、まるで子供の頃のような童心を思い出し、胸を高鳴らせていたのだ。

 地球外生命体はどんな存在なのだろう、この宇宙にはいったい、何が待ち受けていたのだろう。子供達は無邪気に想像を膨らませ、大人達は時代が変わる予感を胸に続報を待ち続ける。

 

 宇宙開拓は地球統一国家の国王肝煎りのプロジェクトだ。

 

 故に飛び立ったスペースロケットには、全権を託された外交官も同乗しており、彼の外交官は未知の惑星の現地政府と接触するのに及び腰になることなく、果敢にも徒手空拳で挑みかかった。

 

 というのも初の宇宙進出にも関わらず、外交官などという場違いな人間がスペースロケットに乗り込んでいたのは対外的なポーズに過ぎず、ただ政府関係者が現場にいればいいだけだったのだ。

 政治的な建前という奴である。帰還した後、国王陛下に直接見聞したものを報告する立場の人間は、政府関係者だった方が都合が良いだけ。だからこそ外交官は地球外生命体の発見、未知の惑星の現地政府との接触という事態に直面すると高揚してしまったのである。地球外生命体とファースト・コンタクトを成し遂げた人間になれば、自らの名が歴史に刻まれると確信し功名心に駆られたのだ。

 だからこそ地球の外交官は、未知の惑星に自ら降り立ち、意気揚々と行動したのである。

 

 彼は経験豊富で、有能な外交官だった。彼の人柄とコミュニケーション能力は卓越しており、現地の人々から過剰な警戒心を向けられる事なく、するりと心の距離を詰め、友好を深めていった。

 現地の人々が元々温厚で、善良だったのがあるにしても、彼は初の地球外の交流を成功させたのだ。偉業だった。果たして地球人類は、宇宙人と友好的な交流を始めたという報せに浮足立った。

 

 一方で地球人にとって初の試みとなる、地球外生命体との公的な交流は様々な議論を生んだ。

 地球の存在を知られる事は、必ずしも良い事ではないのでは? 想像もできない何かが起こり、宇宙からの侵略に晒されてしまうのでは? と、そうした懸念を持つ者が一定数存在していた。

 しかし不安視する者達を置き去りにして、他文明との交流は順調過ぎるほど進展していく。

 運が良かったのだろう。地球人達がはじめて見つけ、交流を試みた相手は宇宙でも穏健な部類に入る宇宙人達だった。地球より文明が発達しており、自分達の後進にあたる地球の進歩を祝福してくれた。

 

 現地惑星に降り立った、先遣隊とも言える地球人類と宇宙人との交流は、つぶさに記録されて地球の人達に報される。彼らの交流は段階を踏んで順調な進捗をみせ、やがて地球とこの惑星の間で交易する約束を結ぶという成果を得られたと、地球で待つ全ての人々に報されると地球は湧き立った。

 

 だが。

 

 何もかもが奇跡的に噛み合い、地球と別の星が手を結んだこの時に。

 両者が育んだ友情の芽を踏み躙る、全宇宙へ蔓延る悪魔の手先が乗り込んできた。

 

 

『宣戦布告はありませんでした!

 如何なる倫理もありませんでした!

 奴らは⸺奴らは!

 この星に生きる全ての人々に要求しました!

 

 ()()と!!

 

 今すぐこの星から退去し、自分達()()()()()に明け渡せ。さもなくば殺すと!!

 余りに無慈悲、余りに無道、余りに……もはや表現することすら悍ましい外道ぶり!!

 

 地球のみなさん、地球のみなさん! 我々は、逃げられません! フリーザ軍の第一波、ポッドのような宇宙船が、我らのスペースロケットに直撃し、爆散してしまったからです!

 ご覧ください、最後に……我らの最期で、地球のみなさんに報せようと思います! 宇宙には悪魔がいました! 血も涙もない、地獄に落ちるべき外道がいました!

 

 奴らの名はフリーザ軍! 平和と友好を足蹴にする悪鬼羅刹の集団! そしてその頭目こそが、虫の如く矮小な器でありながら帝王を自称する、糞尿よりなお汚らわしい侵略者フリーザ!

 

 備えて下さい、我々の得た情報は全て地球へ向けて発信しました! ふ、フリーザ軍の射程圏内に、地球は入ってしまっている! 奴らは恐ろしいほど強い……肉体のみで、地球兵器も、この星の兵器よりも、優越した戦闘能力を発揮しています! 掌から光を放って人々を虐殺しました! 私と共にいた地球人も、ほぼ全滅です! 備え、て⸺ひっ、ヒイイィィッッッ!?』

 

『貴様ぁ、フリーザ様を今なんて言いやがった? 死ねよ、雑魚が』

 

 

 異邦の景色が焼かれ、建物が崩れ、軍勢が滅ぼされた。

 地球人も諸共に殺されて、最後には血塗れの外交官がカメラの前で、カメラごと光で焼き殺された。

 

 全てを見届けていた地球の人達は、ただただ絶句している。

 

 宇宙には……希望があった。夢が、あった。

 だがそれ以上の悪夢があって、悪魔がいた。

 

 地球では政府、民間問わず議論が紛糾した。

 

 『あれはフェイク・ニュースだろう』『そんな馬鹿な、あれは事実だ』『現実に先遣隊からの連絡は途絶したそうじゃないか、真実から目を逸らすな』『宇宙人が手から出していた光はなんだ?』『バカ、気功波って奴だろ。BE機関が実在を証明した生体エネルギーだ』『BE機関?』『そうだBE機関だ! 俺たちの地球にはBE機関があるぞ!』『フリーザ軍だかなんだか知らねえけど、うちにはあの人が居るじゃないか!』『サンゾウだ! サンゾウ法師がいるなら大丈夫だ!』『あの星の奴らの軍隊じゃ歯が立たなくても、サンゾウ法師がいるこの地球は安全だろ!』

 

 

 悲観的な言論、現実的な見解を見据えた議論は⸺やがて一人の男の存在を導き出す。

 不安はあった。宇宙という途方もないスケールを前にすれば、心から信じ切れるわけでもなかった。

 だが、しかし、それでも民衆は縋れるものを欲している。統治者は民衆を宥められる材料を欲していた。それには地球の英雄という名声を持つ、あの男の存在は誰にとっても好都合だった。

 

 

 親愛なる地球の皆。

 視えているな?

 聞いているな?

 俺はBE機関顧問を務めている三蔵だ。

 』

 

 

 英雄は民間の声を受け、そして政府の要請を受けて表舞台に登場した。

 自らに向けられたカメラを見据え、全世界へと訥々と語りかけるために。

 

 

 我々BE機関は見守っていた。国王の描いた未来への航海図が、地球に住む全ての人々に、新たな出会いや更なる発展を齎そうとする様を。俺達の王が築きあげたであろう栄華を。

 』

 

 

 BE機関や英雄は、今回の宇宙進出に纏わる如何なる事業に関与していない。少なくとも表向きは。故に現在の事態は、彼にとっても予想だにもしない事件だったはずだ。だというのに⸺

 三蔵の纏う覇気には一切の乱れなく、地球全土を包み込むような、規格外の存在感があった。それは圧倒的な安心感を見る者に感じさせて、悲観的な空気を一掃する力強さに満ちていた。

 

 重厚で、巨大な柱。彼のエネルギーを間近に感じさせられた人々は、一気に沈静化する。

 大丈夫だ、地球には彼が居る。彼がいれば、フリーザ軍など恐るるに足らず。⸺まさか本当に三蔵が自身の氣を放ち、全地球人に触れて強制的に落ち着かせているとは想像もつくまい。

 

 

 だがそのはじめの第一歩は挫かれた。それが何故かは誰もが知るところだろう。

 太陽系を離れた先で出会った宇宙の友人達と諸共に、無惨にも先遣隊が殺されたからだ。

 

 誰に殺された。

 なぜ殺された。

 そして俺達の新たな友に成り得ていたはずの者達はどうなった。

 それすらも、地球に居る全ての同胞は知っているはずだ。

 

 地球に居る皆。お前達には俺がついている。何も心配しなくていい。だが考えてもみてくれ。

 お前達は許せるのか? 俺達は失ったぞ。奪われた。新たな友と築けていたはずの未来を。

 』

 

 

 ラフな物言いだった。乱暴とさえ言える。

 しかしこれまで取り繕っていた礼儀をかなぐり捨てた態度は、彼の怒りをダイレクトに伝えた。

 冷静になっていた人々は共感する。感情的な論法だから簡単に理解できた。そうだ、その通りだと。

 

 単純な語り口だからこそ、純粋な善を語る言葉に同調できて、義憤に燃えてしまえた。

 

 

 BE機関の設立理念は、知っての通り地球の安寧を守ることにある。

 俺は断言しよう。フリーザ軍を放置すれば、その脅威はいずれ、間違いなくこの地球を襲うと。

 何があろうと地球は俺が守る。だが、だからといって、脅威が迫るのを座して待つのは愚の骨頂だ。

 俺達には敵がいる。フリーザ軍という、全宇宙の善良な人達を脅かす敵がいる。

 敵は⸺倒さないといけない。駆逐しないといけない。

 なぜならば奴らが存在するだけで、俺達が得られるかもしれない友を、未来を奪われ続けるからだ。

 

 地球には俺がいる。

 俺がいる限り地球は安全だ。

 だが地球以外は? 遠く離れたあの悲劇の地に俺はいない。

 宇宙人の実在が証明された以上、他にもよき隣人、よき友人になれる星はあるはずだ。

 お前達はそんな彼らが討ち滅ぼされ、心身を踏み躙られてもいいのか?

 

 想像してほしい。

 もしフリーザ軍さえいなければ、と。

 

 もし奴らがいなければ、俺達はその星へ旅行にいけた。遊びにいけた。その逆もあっただろう。

 触れたことのない生命、見たことのない技術、話したことのない価値観。仕事。娯楽。心の拠り所。

 あらゆる可能性を秘めた存在を、俺達は迎え入れられたはずだ。

 

 宣言しよう。俺達は強い! BE機関はフリーザ軍の戦闘力の水準を凌駕している!

 ならば⸺守るべきじゃないか? 新しい未来を築くために、悪魔の手から世界を守るべきだ!

 

 今ここで俺は提言する。政府に、そしてお前達に!

 

 宇宙へと進出し、反フリーザの旗を掲げよう!

 外道共の所業に怯え、反発する全宇宙に呼びかけるんだ!

 フリーザを討とう! フリーザの手先を全て倒そう! そのために手を取り合い、連合を作る!

 銀河の全てで立ち向かい、銀河連合で世界を守り、そして肩を並べた全ての者と友になろう!

 

 賛同してくれ! 胸に宿る善なる心を信じて義憤を燃やしてくれ!

 BE機関の出動を、皆に後押ししてほしい。かつてRR軍を討つために立った俺を信じろ!

 』

 

 

 カメラに向けて差し出された手を、果たして地球人は取ることを選んだ。

 後に“青い星の義心”は、この英雄が発した演説と共に語り継がれる。

 

 地球は、宇宙の危機に立ち上がったのだ。

 

 歴史が動き出す。物語を紡ぐペンが誰かの手に執られ、壮大な運命をリアルに描き始めた。

 

 後世の歴史家は記し、名付けるだろう。

 

 あの時代の名は“ドラゴンボール”だ、と。

 

 

 舞台の()()は三蔵だ。

 

 そして物語の()()()は⸺孫悟空である。

 

 

 

 

 

 

 

 ⸺時は進み、エイジ752年7月10日。

 

 この日、七つ目のスペースロケットが宇宙に打ち上げられた。

 新たに発見された星、惑星シャーツへの親善大使を載せた大型の宇宙船である。

 そこにはBE機関の戦士達も同乗しており、その中には年端もいかない少年達の姿があった。

 

 

「スッゲェ……! 見ろよ悟空、オレたち今、宇宙にいるんだぜ!」

 

 

 ロケットの窓ガラスに張り付いて、外を眺めているのは頭髪を剃った小柄な少年クリリンだ。

 興奮気味に眺めるのは母なる星、地球。

 今年で16歳になったクリリンは、一つ年下の親友と感動を共有したくて悟空に呼びかけた。

 

 

「ああ、すげぇな……ホンっトに綺麗だ……」

 

 

 しかしとうの悟空は心ここにあらずだ。親友のクリリンと同じく地球を眺め、確かに綺麗だと思うけれど。彼の心はここにはなく、まったく別の何かに向けられていたのである。

 

 

「なんだよ。せっかく学校を卒業してBE機関のエージェントになったんだ、初仕事でいきなり大役を任されたんだしテンション上げてこうぜ!」

 

 

 クリリンがやる気を燃やしているのはわかる。悟空だって同じ気持ちだった。

 だが。

 悟空は自らの額に嵌められている、黄金の円環に触れた。

 緊箍児……恩師の奥義、金剛圏による戒め。大猿化を封じ込める、特別な制御装置。

 これに触れる度に悟空は感じるようになっていた。恩師との、力の差を。自分の意志や力では、どう頑張っても傷一つ付けられない絶対の差を。そしてこれがあったからこそ得られたものを。

 

 祖父と一緒に秘境といえる山奥から出て、悟空は色んなものを見た。色んな人と出会った。

 

 そして、様々なことを学んだ。

 

 勉強は苦手だったが、勉強は脳の筋トレだという恩師の言を受けて真面目に取り組んだ。

 国語、数学、理科、歴史、社会、保健、道徳。成績はあまりよくなかったが、最低限の知識は頭に叩き込んでいる。学校という環境で育ち、都市の中で社会に触れ、友人やライバルを得た。

 そして……恋人も。

 チチという同い年の少女から告白されて、悟空もにくからず思っていたから、交際する意味を理解した末に告白を受け入れた。チチと時間を共有して、共に未来を考えて、共に決めた。

 

 この仕事から無事に帰ったら結婚しよう、と。

 

 悟空はまだ十五歳だったが、四年後に再会した暁には悟空からプロポーズする約束をした。

 

 地球に残していく大切な人達。チチと……そして、先月亡くなった祖父の孫悟飯。

 彼らとの思い出に想いを馳せると、悟空は今ある命や心の尊さを痛感する。

 

 ⸺そしてそれらを背にして、なおも悟空は全く別の予感に焦がれてしまうのだ。

 大切なもの、大事なこと、それら一切を小さな体に秘めながらも、悟空の芯はまったくブレてない。

 

 

「わりぃクリリン。オラ、どうにもさ……落ち着かねぇんだよ」

「うん?」

 

 

 ぶるりと悟空は体を震わせて、満面に笑みを浮かべて言った。

 

 

「おめぇと一緒に地球を出て、地球を見て、ソラを感じて、すげぇよかったと思う。ホントだぜ?

 ガッコーにいた時もだ、クリリンやチチと出会えてよかったって、腹の底から思う。

 じいちゃんが死んだ時、悲しかった。おめぇ達と遊んで、学んで、楽しかった。

 そこにウソはねぇ。けど……けどよ。なあクリリン、おめぇ覚えてっか? 先生は言ったよな」

 

「先生が言った……? ……ああ、そういうこと」

 

 

 クリリンは悟空の様子を見て、腰に手を当ててやれやれとばかりに嘆息した。

 苦笑してしまっているのは、悟空が何を思っているのか、何を感じているのか察したからだ。

 相変わらずだなと微笑む親友をよそに、悟空は正直に心の内を明らかにした。

 

 

「オラ達より強ぇ奴がこの宇宙には山ほどいるんだってさ。オラ達はまだまだ強くなれるんだってさ。

 なあクリリン、宇宙にゃどんな奴がいんだろうな。フリーザってどんだけ強ぇんだろうな。

 

 くぅぅぅ〜!! オラ、ワクワクすっぞ!!」

 

 

 

 

 

 




・原作との相違点
孫悟空『学がある。常識もある。対人経験値もある。恋愛経験もある。ついでに職もあって、地味に高給取り。普通に屈指のエリートとして待遇バッチシ。三蔵からのレベリングで超強化されている』
クリリン『ほぼ同上。ただし恋愛経験なし。ストイックに武道を学び、エージェントに必要なスキルを身に着け、武人でありながら軍人的な立ち振舞いも心得ている。優れた武装を使うことにも躊躇いはない』
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