【速報】ブルマ寝取ったったwww【悲報?】 作:粗品もんすたー
軍の英雄? 正義の味方? 人気絶頂の色男?
ンなの関係ないわ。
俺には世間にそういう評価をされようって、意図して行動し実現できる能力があるってだけ。
その能力だって龍球を使ったズルの成果だし、顔とかその他諸々も三蔵のもの。
だから『俺は凄い! 俺は偉い!』なーんて自惚れられない。三蔵と龍球が凄いんであって、俺が凄くて偉いんじゃないんだ。社会人として常識的な行動をするのは当たり前である。
ポッドを入手して、善は急げとばかりにCC本社のある西の都に行こうとしていた俺だったが、はたと我に返って空中で静止した。軍の権威と俺の名声を利用して、急に訪ねても応対してもらえると決めつけていたが、これは余りに非常識な態度だと気づいたのだ。流石にそれは拙い。俺は一旦落ち着いた。
確かにBS軍の少将⸺⸺超有名なヒーロー様が訪ねてきたら、ブリーフ博士だって無下にはできないかもしれない。だが大上段に構えて来訪して、偉そうに協力してくれと頼まれては眉を顰めるだろう。
俺は良好な関係を築きたいんであって厄介客になりたいんじゃない。そもそも面識もないんだから、好印象を持ってもらって人間関係をスタートするためにも常識的な態度で行くべきだ。
俺は一度基地に帰ってから、CC本社の受付に電話した。できるだけ丁寧に話し、アポイントメントを取るのである。相手の都合を尊重して、ブリーフ博士と是非お話したいとお願いする。
あくまで俺はお願いする側だ、無理強いしようとしちゃいけない。まあ……向こうが俺の社会的な地位とか影響力を見て、おざなりな応対はできないと判断してくれたらいいなとは思う。一応仕事で依頼があると言ってはおいたから、最低限お客様として扱ってはくれるはず。
受付の女の人は俺の名前を聞いて、すぐ取り次ぎます! と言ってくれたが、ただの客だから特別扱いしなくていいと丁重に断っておいた。勿論こう言っておけば好印象かな? という打算全増しで。
果たして、上手くいったのかどうか。よく分からんが、一応アポイントメントは取れた。
博士は時間を空けてくれるらしく、指定された日程に合わせて、改めてCCの本社へと飛んでいった。
礼儀を守らないといけない手前、飛んでCCに行くのは憚られた俺は、本社敷地前に降りる。
そうしてポッドを担いだまま門を潜ると、わざわざエントランスまで出迎えに来てくれていたらしいブリーフ博士と、付き人らしい秘書の人が目を丸くして驚いていた。
「はじめまして、俺は三蔵です。ブリーフ博士ですね? お出迎えして下さりありがとうございます」
「お、おぉ……確かにわしがブリーフじゃ。……あんた、とんでもない力持ちなんじゃな」
力持ち? ああ……そういやそうだ、普通の人間はこんなポッドを持ち上げられないよな。
基地でも人間重機みたく力仕事ばっかりしてたもんで、すっかり失念しちまってた。
というかブリーフ博士、まだ若いのに一人称が『わし』なんだ。
歳食ってから一人称を『わし』に変える人もいるが、博士は素で年寄り口調みたいな感じなんだな。
ちょっとした発見に微笑を零してポッドをおろし、握手を求めて手を差し出す。
ブリーフ博士が応じてくれるのに、俺は謙遜しながら返答した。
「俺は特殊な人種でして、体の頑丈さと力だけは並外れてるんですよ。頭の方は普通ですけどね」
「なるほど」
ブリーフ博士は疑問も持たずに俺の言い分を信じた。
特殊な人種だからって、こんな怪力な人間は普通はいない。なのにすんなり受け入れた博士は、流石に柔軟な思考回路を持っている。いやドラゴンボールの世界だから簡単に呑み込める話だったのかな。
未だに元の世界と今の世界の、常識というか考え方のギャップを埋められん。何年も経ってんだからいい加減認識の齟齬を正したいもんだと固定観念の難儀さへ思いを馳せていると博士が咳払いをした。
客を前に相応しくない態度と言葉遣いだと思ったらしい、丁寧な物言いに変化させてくれるようだ。
「おほんっ! 改めて、はじめまして。ところで今日はどんな依頼でお越しになられたので?」
挨拶もそこそこに早速本題へ切り込んでくる博士に、俺はシンパシーを覚える。
長々と世間話をしたり、友好を深めようとしないで、端的にビジネスの話に踏み込むあたりに合理的な性格を感じたのだ。一代でカプセルコーポレーションを世界的大企業に成長させた傑物、宇宙全体を見渡しても五本の指に入りそうな超天才にこう思うのは恐縮なのだが⸺⸺波長が合いそうだなと感じた。
プライベートの個人的な時間ならともかく、ビジネスの場に無駄話は無用。
仕事で仲良くなれたなら、後から個人的に交友を持つのが社会人だ。
「実は貴方を世界最高峰の天才と見込み、是非これを見てほしくて依頼に来たのです」
「ふむ……この丸い機械か。これはなんなのか、お聞きしても?」
「宇宙船です」
「……宇宙船?」
「はい。俺は先日、これが宇宙から落ちてきたのを発見しました。中には赤ん坊が乗ってまして、宇宙船だろうと判断したんです」
俺がそう言うと、博士はまじまじとポッドを見た。秘書の人も信じ難いという表情で見ている。
博士はぽりぽりと頬を掻いた。
反応が今一なのは俺の言ってることが突拍子もないからか、それとも宇宙船に興味がなかったからか。
「依頼だと言うなら調べてみますがね……それだけでいいので?」
博士の台詞には熱意が感じられない。宇宙船は彼の心の琴線に触れなかった、というわけか。
無理もない。ブリーフ博士は天才だが、まだ宇宙人の存在を認知していないのである。こんなに小型化された宇宙船は確かに凄いが、自分にも作れると思ってその価値を軽視してしまうのが自然だ。
宇宙船に赤ん坊が乗せられていたというのは不可解だが、自分ならできなくはない。そもそもこれは本当に宇宙船なのか? 単なる飛行船なんじゃないか? そう思ってしまうものだろう。
まあ、今はそういう温度感でいてもらってもいい。どうせ調べ始めたらすぐに分かる。
訂正するべきなのは、依頼内容の方だ。
「いえ、これはあくまで博士への贈り物です。こちらでも未知の科学技術の結晶であるのは調べがついているのですが、我々では到底解析も叶わないので、依頼料の一部として提供させて頂くだけですよ」
「なに? では何を頼みたくてわしのところに来たのですかな?」
驚いた様子で聞いてくる博士に、俺は稚気を含めて返す。
「それは博士がこの宇宙船を調べた後にお話ししたい。これの解析を済ませた後でなければ、俺の依頼も手につかないでしょうからね」
「……随分と自信があるようですな。よろしい、これを解析した後、改めて連絡させて頂こう。別途料金を頂くことになりますが、それでも構いませんな」
「はい。博士の貴重な時間と頭脳をお借りするんです、提示された料金をお支払します」
俺の挑戦的な物言いに、やっと科学技術に携わる者として興味が湧いたのだろう。博士はポッドをチラ見して、俺に確認を取る。強気に返答されることで、博士は仄かに笑みを浮かべた。
今日はここでお開き。ポッドを博士が指定した場所に運んで、俺はCCからお暇した。
数日後。
非常に興奮した様子のブリーフ博士から電話が掛かってきた。
基地の内線で取り次いだ先、電話を受け取った俺は応対する。
「⸺⸺!! …………!! ⸺⸺………!!」
よく分からん専門用語を羅列しながら、あの宇宙船がどれだけとんでもないものだったか語る博士。凄い物なのは俺にも分かるが、具体的には何も分からん俺は曖昧に相槌を打つのに終止した。
そうしていながら、流石ブリーフ博士だなと頭の片隅で思う。
地球文明を超越した技術の結晶を、たった数日で解析して、こうも事細かに語れるのは⸺⸺それこそブリーフ博士や彼の娘ブルマ、ドクター・ゲロぐらいなもの。彼らは地球の生んだ奇跡そのものだろう。
宇宙船に使われている合金、未知の物質、複雑で芸術的なコンピュータを語る博士……聞き役に徹すること数十分、興奮が冷めて落ち着いてきたらしい博士が、唐突に静かな語調で呟いた。
「⸺⸺フゥ………サンゾウ少将閣下、あれを解析している中で、わしはとんでもないことに気づいてしまいましてな………今からそれを報告せねばなりません。荒唐無稽ですが、聞いていただきたい」
「是非お聞かせください、博士」
「……閣下。あれは、ただの宇宙船ではない。この宇宙のどこぞにある国……もしくは軍隊から差し向けられた侵略者の船ですぞ」
「ん……詳しく聞いても?」
急に核心をついた言葉に、俺の声も低くなる。
なんで分かった?
幾ら博士が天才だって言っても、敵対的な宇宙人の実在と、その目的までわかるはずが……。
そう疑問を持ちながら聞いていると、そういうことかと納得した。
簡単な話。
あのポッドは、飛ばし子であるカカロットを惑星ベジータから運んできたものだ。
飛ばし子はフリーザの思惑で、サイヤ人を効率よく間引くための作戦だったんだろう……っていう俺の予想はさておく。カカロットは一旦度外視して、ここでは一般的な『飛ばし子』を例にしよう。
飛ばし子は洗脳に近いもので、飛ばされた先の星を制圧するように仕向けられているものだ。しかし仮に飛ばし子が星を制圧するのに成功したとしても、その成果を報せられなければ意味がない。フリーザ軍か惑星ベジータのどちらかへ、任務完了の報せを送れるように、頭にインプットされていて然るべきだ。
が、生まれて間もないまま飛ばされた子供に、高度なコンピュータを使うのは難しいだろう。
成長して知能が上がっても、知識がないなら無理なものは無理だ。
そこで、この非効率的な飛ばし子システムを成立させる仕組みが作られた。
ある程度コンピュータの使い方をインプットするのは前提条件として、そもそもの使用難易度を引き下げるのも必須だろう。コンピュータ側からの補助もつけておくべきだ。そして惑星ベジータへ帰還するために位置情報の登録をしておくのも絶対に必要になる。……それを解析できてしまったのだ、博士は。
博士はコンピュータの仕組みから逆算して、このポッドが輸送船であると結論していた。運ぶのは戦闘員であり、地球に対して攻撃的な目的を持った者達が宇宙のどこかにいる……天才的な頭脳の持ち主であるブリーフ博士は、その結論に慄然としていた。自分の手に負えない事態が迫ってるかも、と。
はて。
俺の知ってる範囲だと、このポッドを改造したブリーフ博士は、ここまで焦ってたりしなかったはず。
なのになんで博士は今、差し迫った危機に直面してしまったかのように話している?
俺は考えられる可能性を、脳内でザッと無数に挙げてみて、それっぽくこじつけてみた。
ポッドには敵地に到着後、一定期間搭乗者が操作しなければ、自動的にデータを削除する仕組みがあった可能性⸺⸺これなら筋は通る。カカロットが孫悟空になって数十年後、ポッドがブリーフ博士の手に渡った時には、どういう目的で製造された宇宙船なのか博士には知りようがなかったのなら理解できた。
これだな。たぶん、そうだ。もしくは敵勢力にポッドが鹵獲され、機密情報……母星の位置情報とかが漏洩するのを防ぐシステムが組まれていたが、それを今回ブリーフ博士が突破してしまった線もある。
正解は分からん。俺が見当違いな想像をしてる可能性の方が濃厚だ。
だが、博士がフリーザ軍の存在に勘づいたことは幸いだったと思うことにする。
「……なるほど。BS軍の立場からすると、博士の報せは無視できませんね」
「信じていただけるのですか」
「当然です。根拠は言えませんが、俺も個人的に宇宙人と縁がありますので」
深くは聞くなと暗に伝える。
いくら大企業の社長でも一般人なのだ、軍側から深入りを止められたら、博士といえど追求できない。
言葉に詰まった博士に、俺は粛々とした態度で続けた。
「博士。地球外生命体による脅威を、俺は認知しています。今回の件で博士に依頼したいのは、そうした脅威に対抗するべく、地球側に強い戦士を揃えるための装置の開発になります」
「………わしは何をすればよいのですかな?」
「三百倍までの重力を作れる、人工重力発生装置が組み込まれた特別な部屋の作成が一つ」
「さっ、三百倍ですと!?」
「心配無用。博士には信じがたいかもしれませんが、厳しい修行を積んだ武人なら耐えられます」
知らんけど。
ベジータとか悟空ぐらいしか使ってるとこ見たことないし。
でも魔人ブウ編のクリリンとかならワンチャンなんとか……無理か? 分からん……。
ともあれ人工重力発生装置は必須だ。いきなり三百倍は俺も耐えられんかもしれんが、最初から全開で使うつもりもない。徐々に慣らして、最終的に三百倍の重力下で修行するつもりだった。
「次に戦闘能力を数値化して把握できる、通信機能付きの観測機械の作成。敵の脅威度の正確な把握と味方との緊密な連携を取るための物です。仮称としてはスカウターとでも言いましょうか。例として、銃を持った成人男性の戦闘力が5ぐらいに設定されるのが望ましいですね」
スカウターほしい。本音はそれだ。
カッコイイからってのもあるし、ロマンもあるが、今の俺の数値がどんぐらいなのか知りたい。
超化してない素の戦闘力が分かれば、どれぐらい強いのか想像しやすいからだ。
「…………」
やけに具体的な要望に、博士は数秒沈黙した末に応えた。
「分かりました。わしにできる事はしましょう」
「お願いします。できる限りの事はこちらもしますので、要望がありましたらすぐ連絡してください」
それから二、三ほど言葉を交わして俺は電話を切った。
よしよし、なんか予想外のこともあったが、いい感じの出だしなんじゃなかろうか。
気というエネルギーの観測への協力が最初になる。そこを足掛かりにして博士と親密になろう。
頭いい人とは絶対に仲良くなっておきたい。そうすれば俺が知ってる限りのことを話せるし、俺が見落としてるもんがあったら指摘してくれるかもだ。安心材料を増やせるなら増やしたい。
打算塗れで申し訳ないが、地球の安全という面で捉えたら、博士にとっても悪くないはず。
Win-Winでいこう。相互に利益がある対等な感じがベストだ。