今日も今日とて暗殺だ。登校中にクラスメイト数人とすれ違ったが暗殺の計画の話をしている人達ばかりだった。何かを食べている奴にちょうだいといいながら殺しに行く計画を考えている磯貝や前原の話を通りすがりに軽く聞いたが暗殺に対しての想像力が恐らく無い俺からしたらよくそんな事思いつくなとしか思えない。
寺坂の渚を使った作戦が失敗して怒られたので自爆テロは無理 じゃあ遠くから機会を使って狙ってもいいけどそれで殺せるとは全くもって思わんし…
「どうするもんか…とりあえずしばらくは様子を見るか」
一人で呟きながら校舎裏を歩いていると、
「アメリカでも月の爆発の話題ばかり もっと楽しい1面記事が欲しいですねぇ」
そこにはトロピカルジュースを飲みながら英字新聞を読みくつろいでいるタコがいた。
「おはようございます琉生くん」
「…おはようございます。…朝からハワイでも行ってきたんですか…?」
「これは先生のHR前の日課でしてね ハワイに行って買ってきたジュースと新聞を読んでくつろぐ 良ければ君もどうですか? ジュースもありますよ?」
「…いただきます」
いつの間にか椅子も用意されていたので今回はご一緒することにした。せっかくなら暗殺対象の事を詳しく知っていても損は無いだろう。
「新聞も読みますか?」
「どうせ月の爆破の記事しかないからいいです。それにわざわざ昔から日本人が好きな月を壊した物を見ようと思わないです」
「にゅあ!?それってもしかして先生も…?」
「月を爆発した超本人なんだから当然でしょ。普段は視界に入れないようにしてるけど担任なので渋々見てるだけです」
「そ、それなら良かったです…授業もしっかりと参加してますが暗殺はあまり仕掛けて来ないので心配してたのです…」
「それはシンプルに暗殺の計画が思いつかないってのとあんたの弱点はなんだろうと思って」
「ほぅ 弱点ですか」
確かに暗殺計画は思い浮かばない。不意打ちや遠距離からの攻撃をしてもいいけどそれをしても失敗する確率の方が高いのを前提として動かないといけない。それだったら暗殺対象の事の弱点などを知ってから攻撃したら成功率は上がるんじゃないかと思って見てるんだけど…今のところ特に使えそうな物は無い。これに関しては同じ事を考えていた渚とも相談したが同じ意見だった。
「他の奴らと違ってバカ正直に殺しに行ってもあんたには通用はしない。それなら少しでも成功確率を上げる。勉強も同じ。何回も繰り返しもいいけど、しっかりと解き方を理解したらその問題は簡単に解けるでしょ?」
「確かにそうですね 君の考えは正しい ただ殺しに来てくれないのは先生も寂しいのでいつでも殺しに来てくださいね 」
「それだったら弱点を教えてくださいよ 」
どうせ教えてくれないのはわかっているが思い切って聞いてみる
「ヌルフフフ いいでしょ 君のその正直さに免じて先生最大の弱点を教えてあげましょう」
「は!? そんな簡単に教えていいわけ…?」
「しかしそれを君がみんなに伝えると暗殺がそれだけになるのは面白くないですねぇ。それでは君だけに伝えましょう 他のみんなが気付くまでは伝えたらいけないという条件でなら教えます」
「…わかった それであんたの弱点って?」
「…私の弱点はこのネクタイの真下に位置する心臓 ここを対先生物質で攻撃されると一撃で先生は死にます」
「え?けどタコって心臓3つあるって…」
「失礼な!タコが3つ心臓があるのは事実ですが私の心臓は1つです!」
「じゃあ今までみたいに顔とか触手を狙うのはあんまり意味は無いって事?」
「そうではありません。例えば触手を失うとそれ相応のダメージを負います。しかしそれはまた今度に 」
気になる事ではあるけど今回は最大の弱点を教えてくれるとは言ったけどそれ以外を求めるのはナンセンスだ
「これで暗殺を仕掛ける気になりましたか?」
「…まぁ少しはね。けど今のままじゃ成功はしないだろうけど…」
最大の弱点…それを知った今なら何かは思いつきそうな気もする…だけど今は全く成功するビジョンは見えない
「ヌルフフフ それでもいいので仕掛けて来てくださいねぇ それではゆっくりくつろぐ事にしましょうか」
そう言ってタコは改めて英字新聞を読み出した
しかしなぜ弱点を俺に教えた? 普通に逃げるだけならそんなの教える意味が無い… じゃあなぜ?
そして心臓がある位置…これは偶然か?
じゃあなぜその姿になる…?
なぜE組を選んだ…
ダメだ…知れば知るほど疑問は増える
「…あんたは何者なんだ? …なぜここに来た?」
我慢出来ずに思わず口に出してしまった
「…先生はある日との約束を守るためにここに来ました。今言えるのはここまでですが、全て知りたいなら殺してみなさい 卒業までに」