魔国ジーン 市街地
夕暮れに染まる市街地へ、二つの闇が進軍してきた。
ロシアンマフィアのスカー。そして中国マフィアのジョンイル。
スカーの目的はただ一つ。娘を奪還すること。そのため、異世界を繋ぐ力を持つ悠を従え、この魔国ジーンへと戦争を仕掛ける。
一方のジョンイルは、この侵攻を好機と見て動いた。ロシア勢の陰に隠れ、魔国をそのまま乗っ取ろうと、五百人の武装幹部を率いてゲートをくぐった。
乾いた砂の上に着地したイザが、楽しげに空を仰ぐ。
「よっと」
ドサッと足元に砂煙が立ち、彼は両手を広げて叫んだ。
「ほほう! ここが異世界ってやつか! 空気は澄んでるし、空も青い。すんばらしい!」
その声が響いたのは、エルフたちがひしめく商店街。奇妙な人間の姿に、あちこちでざわめきが起きる。
「なんだあれ……」「人間?」「誰か早く兵士に──」
視線を浴びながらも、イザはお構いなしに振り返る。
「おい、斧出せ」
言われた部下が無言で斧を差し出すと、彼はそれを受け取り、悠然と市場の奥――肉売り場へ歩き出した。
「これは何の肉? ずいぶんと臭いけどな」
腐臭が鼻をつく。イザが鼻をひくつかせながらそう言うと、近くにいたエルフの商人が嘲るように応じた。
「それは……貴様ら人間の肉だよ」
にやりと歪んだ笑み。その挑発に、イザの笑顔が更に深まった。
「へぇ。とっても旨そうだ。……お前の肉のほうがな」
斧が唸りを上げて振り下ろされた。
グシャッ──。
血飛沫が空を裂き、エルフの頭蓋は砕け、崩れ落ちる。即死だった。
次の瞬間、悲鳴が爆発する。
「きゃああああああああああ!!」
商人たち、買い物客、子供、女――四方八方へ蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。イザは両腕を広げて笑いながら叫ぶ。
「おいおい! 逃げんなって! どうせもう逃げ場なんか、ねぇんだからさ!」
背後の武装兵たちが、即座に銃を構える。
「撃て!」
ウージーの連射音が、街の静寂を切り裂いた。
ズドドドドドドドドドド!!!
飛び散る血、崩れる肉体、倒れる命。
魔国ジーンの市場は、一瞬にして地獄と化した。
そこへ、バールを片手に中年の男が現れた。腹が突き出たメタボ体型、額に脂汗を浮かべ、血の匂いに顔をしかめる。
「……あーあー。こんなに血まみれになっちゃってよォ」
中国マフィアの副頭領、ムニョ。ボス・パクの夫であり、実戦経験は乏しいが、今回の異世界制圧作戦の指揮を執る立場にある。彼の目は、惨劇の中心に立つイザを捉えていた。
イザが笑いながら振り返る。
「やっぱこれだよなぁ。これが楽しいんだわ、兄貴」
魔国ジーン 市街地外縁
「ここが……魔国か」
俺は足元に広がる不気味な大地を見下ろし、呟いた。
青黒い空の下、見たこともない尖塔が並び、血の気を感じさせる空気が肌にまとわりつく。背後には、俺たちと共にゲートを越えてきた百名規模の重装兵たちが整列していた。
だが、足を踏み入れてすぐ、歓迎の意志など一切ないことを思い知らされた。鋭い掛け声とともに、槍を構えた兵士たちが周囲を囲む。
「動くな!」
雑魚どもが何人いようが関係ねぇ。ザックが肩をすくめて、つまらなそうに言った。
「じゃあ、さっそく戦闘開始だ」
数名の兵が前に出て、AKを構える。次の瞬間――ズドドドドドッ!!
連射された銃弾が鎧を易々と貫き、敵兵たちは血飛沫を上げて倒れていった。
「はぁ……。葉巻よこせ」
そう言ったザックに、部下が無言で細い筒を差し出す。彼はジュッと火を点け、紫煙をくゆらせた。
俺は片腕を挙げて叫んだ。
「おい、手錠外してくれよ。動きにくくてしょうがねぇんだよ」
「我慢しろ。さあ、進むぞ」
ザックの声とともに隊列が前へと進み始めた、次の瞬間――空が裂けた。
「そぉらあああ!!」
巨大な影が天から落下する。見上げる暇もなく、地面が砕け、轟音が周囲を飲み込んだ。地響きと同時に、地面が波打つように揺れる。
「はぁ?」
目を凝らせば、瓦礫の中に佇む屈強な巨人。両腕に岩を埋め込んだような怪物。その名を俺は知っていた。
「見つけたぞ、久しいな、探偵」
「……誰かと思えば、どこぞの海賊の裏切り者じゃねぇか」
「クライス王からの命だ。お前を排除する。この世界に、これ以上人間を連れ込ませはしない」
「クライスめ……。やっぱ味方じゃなかったってわけか」
ザックが眉をひそめ、銃を構えた部下たちに命じた。
「誰だか知らねぇが、撃て」
ズドドドッ――銃弾が放たれるも、まるで通じない。怪物の皮膚は岩のように硬く、傷一つつかない。
「貴様らに用はない。爆打!」
怪物――ガーゴンが拳を振り下ろすと、地面が爆ぜ、爆風が周囲を飲み込んだ。ザックたちは吹き飛ばされ、次々と地面に叩きつけられ意識を失う。
「くそっ……」
俺は咳き込みながら立ち上がり、ポケットからリボルバーを抜いた。標的を捉え、引き金を引く――。
パンッ!
「効かん!」
ガシッと両肩を掴まれ、体が宙を舞った。次の瞬間、レンガ造りの家の壁を突き破り、俺の体は叩きつけられる。
「うぐぁ……!」
「終わりだ。手刀・強刃!」
振り下ろされる手刀の光が視界を切り裂く。俺は、とっさに両手の手錠のチェーンを刃にぶつけた。
カチンッ! 火花が散り、金属音が空を切る。
チェーンが真っ二つに裂け、両手が自由になった。
「……やってくれたな、化け物がぁ!」
立ち上がり、拳を握りしめ、右ストレートをガーゴンの顔面へと叩き込む――が、奴は微動だにしない。
「かゆいぞ、探偵」
その冷笑に吐き気すら覚えた。だが、まだ手はある。
「マフィアの銃、借りるぞ」
足元に転がっていたAKを拾い上げ、トリガーを引いた。
「効かんと言っているだろうが」
――その瞬間。
一発の銃弾が、ガーゴンの右目に命中した。
「ぐああああああ!! 目があああ!!!」
巨体がよろけ、そのまま膝をつく。目元を押さえ、苦悶に満ちた声を上げながらのたうち回る。
「どんだけ強靭な肉体でも……目玉だけは別みてぇだなぁ」
間髪入れず、俺は左目にも引き金を引いた。
銃声が響く。
ガーゴンの体が硬直し、その場に崩れ落ちた。
静寂が、瓦礫の街に戻ってきた。
魔国ジーン タワー五十階・王室
漆黒の玉座の前、ジーン王は怒声を上げていた。
「何をしておる! 兵士をもっと動員せんか!!」
窓の外には、街中で繰り広げられる火災と血煙。中国マフィアとロシアンマフィアによる無差別虐殺が王都を包んでいた。兵士たちは混乱し、統率など崩壊している。
そんな中、背後の扉が静かに開いた。高笑いのような声が、王の耳に届いた。
「ふふ、困ってるようね、国王さん」
ジーンは振り向きざまに絶叫した。
「貴様は……ヴェンデッタか!?」
真紅のローブをまとった女魔術師が、無表情で右腕を振り上げる。
「――最奥呪法、《スピア》」
空間が歪んだかと思えば、鋭い黒い槍が虚空から形成され、轟音と共にジーンへと放たれた。
「なっ……!」
王は咄嗟に身を翻し、空中に飛び上がってそれを回避。槍は王座を貫き、石壁へめり込んで炸裂した。
「裏切る気か、貴様ッ! 喰らえ、爆発魔法!」
慌てて放たれた魔法は、力なく輝く小さな火球だった。ヴェンデッタはそれを見下ろすように呟いた。
「呪法、《ミラージュ》」
前方に立ち現れた巨大な魔法陣が盾のように浮かび上がり、火球を受け止める。そして、反射――。
「まさか……!? うおおおおっ!!」
火球は逆流し、王の胸元で炸裂した。轟音と閃光。爆煙の中で、ジーンの身体は宙に舞い、地に叩きつけられた。すでに息はない。玉座の王は、黒焦げの塊と化した。
その様子を柱の陰から見ていた一人の男が、そっと姿を現す。
「やったのか……ヴェンデッタ」
彼――メントと呼ばれる男は、床に横たわる焼け爛れた死体を見下ろしながら言った。
「私はただ、この死体が欲しかっただけよ」
ヴェンデッタは冷たい声でそう告げると、そっと死体に触れた。
「……そんなもので良ければ差し上げよう。今日からは私が、この崩壊寸前の魔国の王だ」
メントがそう宣言すると、ヴェンデッタは肩をすくめただけだった。
「好きにすればいいわ。……じゃあ、幸運を祈る」
言い残し、彼女は虚空へと溶けるように姿を消した。
その頃――王城から遠く離れた市街の一角にある、朽ちたバー。その扉が**バタン!**と爆音と共に蹴破られた。
斧を片手に現れたのは、狂気を纏う男・イザ。目の前の店員が声を発する間もなく、その斧が振り下ろされ、頭蓋を真っ二つに裂いた。
「酒があるんだろ? だったら、おれらにも出してくれよ!!」
客たちが悲鳴を上げる中、イザはもう片手に持っていたウージーを振り回し、バン! バン! と立て続けに数名の頭部を吹き飛ばした。
「みんな、蜂の巣になりなさーい♪」
甲高い声が響き、続けざまにズババババババッ!!
トンプソンを構えたパクが、カウンターの奥に逃げようとしていたエルフの市民たちを容赦なく撃ち抜いていく。
「葉巻を」
指を鳴らすと、背後から少女のような顔立ちの部下――ニムが近づき、黙って葉巻に火を灯した。
ジュッ、と火が走り、パクはふぅっと紫煙を吐き出した。
「この先に収容所があるわ。人間の捕虜たちがいる。警備も厳しいでしょうけど……みんな、死なないようについてきてね」
イザが笑いながら叫んだ。
「さあ武器を構えろ! 行くぞ、お前らァ!!」
荒廃した路地を、イザたちマフィアの一団が血と硝煙の匂いを引き連れて進んでいた。道中では、怯える民間人や応戦するエルフ兵たちが彼らの行く手を阻もうとしたが、いずれも返り血を浴びて倒れ、道端に転がるばかりだった。
「鎧なんてよ……ショットガンでぶち抜けるんだ、意味ねぇよな」
イザが肩に担いだ銃口から立ち上る煙を一瞥し、唾を吐いた。
二ムが淡々と答える。
「でも、あれが奴らにとっては最後の護身グッズらしいよ」
「もう少しで目的地だよ。全員、気を引き締めて」
パクが静かに告げた時、西収容所の門が視界に入った。
――魔国ジーン、西収容所。
その門前には、すでに武装したエルフ兵三十名が待ち構えていた。
「中国マフィアに警告する! 今すぐ投降しろ!」
顔を紅潮させ、猟銃を構える兵士たち。その眼差しは恐怖と焦燥に満ちていた。
「どうする、パク」
ムニョが低く囁いた。
「ふふん、まぁ見てて」
パクは肩に担いでいたRPGをゆっくりと構え、弾を装填した。
「……冗談だろ、まさか……くそ! 全員、爆発魔法の準備をっ!」
その叫びは、轟音にかき消された。
「発射」
ロケット弾が空気を裂き、兵士たちの群れに吸い込まれるように突き刺さった。次の瞬間、轟音と閃光。
爆発と共に彼らの身体は空中に舞い、肉片と骨と臓腑が地面に降り注いだ。
「さあ牢屋を開けていくぞ、ついてこい!」
イザが斧を掲げて叫び、マフィアのメンバーたちが施設内に突入。次々に収容室の扉をこじ開け、捕らえられていた人間たちを解放していった。
「た、助かったの……?」
解放された韓国人の女性が呆然と呟いた。周囲では泣き叫ぶ声、戸惑う声が入り混じる。
「全員、聞いてくれ!」
イザの怒号がそれをかき消した。
「俺たちは中国マフィア・ジョンイルだ。お前たちを助けに来た!」
彼の声には怒りと情熱がこもっていた。
「お前たちは、この地に連れて来られるまでに、酷い仕打ちを受けたはずだ! だったら仕返ししようぜ! 魔国? 異世界? そんなもんごと乗っ取ってやるんだ!」
ざわめきが広がった。戸惑っていた捕虜たちの中に、やがて火がともる。
「幸運なことに、この国には武器があちこちに転がってる。この猟銃で奴らの首を飛ばしてやろうじゃねぇか!」
男の一人――ロシア出身の捕虜が、震える声で応じた。
「そ、そうだ……奴らを殺して……家族の元へ帰るんだ!」
「その意気だ!」
イザは吼えるように続けた。
「国籍なんて関係ない! 俺たちは“人間”として団結するんだ! 奴らを根絶やしにしてやる!」
捕虜たち三十名から怒声にも似た歓声が上がった。興奮と覚悟が混じり合い、空気は一変する。
イザはその勢いのまま、武器庫からライフルや弾薬を分配し、解放された人々に手渡していった。
「次は北だ! 捕虜をもっと解放するぞ、ついて来い!」
狂気と希望を混ぜ合わせたような行進が、再び始まった。彼らの標的は、北、南、そして東――すべての収容所に囚われた人間たち。マフィアの旗のもとに、人間の反撃が始まろうとしていた。
目が覚めると、強風の音が耳を打つ。風の音が強すぎて、周囲の状況がなかなか掴めない。目を開けて、周りを見渡すと、どうやら俺は南収容所の牢屋にいるらしい。
目の前にいるのはザックだが、彼もまだ暴れている。隣の牢屋からは、ザックの怒鳴り声が響いてくる。
「出せ!おい!」
その声が響く中、どこか遠くで兵士たちの笑い声が聞こえてきた。しかしその笑い声もすぐに静まり、サイレンが鳴り響く。
ビー!ビー!という音が続き、兵士たちは慌てて警備に戻っていく。
俺は耳を澄ませて、外の音に集中した。爆発音や銃声が絶え間なく鳴り響き、どうやら何者かと兵士たちが戦闘を繰り広げているようだ。
突然、音が止んだ。しばらく静寂が続き、そして何人かの影がこちらに近づいてくる。血まみれの捕虜たちが、俺たちの目の前に現れた。
「よぉ、こんちわ。」
その声に驚いて振り返ると、現れたのは一人の男だった。彼は穏やかな笑みを浮かべていて、すぐに俺を見て言った。
「おい、外してやれよ。」
隣の捕虜がチェーンカッターで俺の鎖を外してくれる。
「いやぁ、あんたの噂は聞いてる。世界を繋げる能力者ね。」
その言葉に俺は少し驚いた。世界を繋げる能力者と言われることがあったが、こんな場所で聞くとは思ってもみなかった。
「そんな能力、俺が欲しいくらいだよ。」
男は続けた。「申し遅れた、俺らはジョンイル、中国から来た。イザって者だ。」
俺は警戒を強めながら質問した。「何が目的だ?」
イザは目を細め、軽く笑った。「この世界を転覆させるのさ。人間の手でな。」
その瞬間、バン!と銃声が響き、俺は一瞬で状況を察した。兵士たちがこちらに向かって侵攻してくる。
「全員そこを動くな!投降すれば命は保証する!」
イザは少し肩をすくめた。「話はあとだな、じゃあ共闘といこう。いいな?探偵さん。」
突然、近くで一人の捕虜が叫んで逃げ出した。「うわああああ!もういやだあああ!家に帰してくれええええ!」
「おい!逃げちゃダメでしょ!」と、二ムが叫びながらその捕虜の背中を撃ち抜いた。
一気に状況が混乱し、イザがその場を制するように言葉を放つ。「お前ら、武器を持てや。戦争だァ!」
その一言で、戦闘が始まった。
イザの掛け声とともに、仲間たちが一斉に銃を発射した。エルフの兵士たちは次々と倒れていき、銃声が響き渡る。銃の圧政が支配する戦場の中、彼らの死が、まるで無機質なように感じられた。
「きもっちいいなぁあああ!」と、イザが叫びながら兵士の剣を拾い上げ、その刃を兵士たちに向かって振り下ろす。ザクッ、ザクッと、赤い鎧を貫いて血しぶきが飛び散った。
「オイ!ハンマーよこせ!!」と、イザが叫んだ。捕虜の一人が大きな鉄槌を渡すと、イザはそれを受け取り、倒れた兵士に向かって振りかざす。
「や、やめろ...頼む...」兵士は震えながら命乞いをするが、イザは冷徹に言い放った。
「聞こえねぇよカスがぁ!」
ズドン、ズドン! 何度も、何度も、兵士の頭部を潰す音が響き渡る。激しくて、容赦のないその音が、戦場の恐ろしさを物語っていた。
「なんて奴だよ…」俺は唖然としてその光景を見ていた。こんな残虐な行動、これは本当にマフィアの仕業なのか? 俺の胸には、言葉にできないような嫌悪感が湧き上がった。
その時、突如として空間がひとひらと変わり、転移してきた人物がいた。顔を見た瞬間、すぐにそれが誰だかわかった。
「火炎魔法ブレア!」
メント?が口にすると、彼の周囲に炎が膨れ上がり、まるで魔法の波動のように捕虜たちの元に炎が燃え広がった。
「ぎゃああああああああああああああ!」捕虜たちの悲鳴が響く。炎が彼らを包み込み、その恐怖が一気に広がった。
「クソ...!裏切った医者か!」俺は声を荒げた。メント?、あの時助けてくれた医者が、今度は明確に敵として目の前に立ちはだかっている。
メント?は冷静に、まるで以前のような余裕のある態度で言った。「久しぶりだな、探偵。まだ連れがいるんだ。もう少しで来るぞ。」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、空から轟音が響き、天から何かが降ってきた。
「は?」俺は思わず声を漏らした。
空から降ってきたのは、巨大な肉体を持つ怪物だった。全身は鎧のように筋肉に覆われ、その顔面にはニヤリとした笑顔が浮かんでいる。どこか不気味なその姿に、俺の体が一瞬硬直した。
メント?はその怪物を指差しながら言った。「紹介しよう。かつて勇者ルーシェたちが撃破し損ねた魔王グラウンドだ。」
魔王の唸り声が響く。「グルルルル...」
その巨大な魔王は、猛獣のように唸り声を上げながら、俺たちに迫ってきた。