戦隊終わったら異世界でゴジュウウルフになりました   作:仮面大佐

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第2話 2人の戦隊レッドと冒険者達

 灯悟と狼真のパーティに、イドラが仲間に入った。

 イドラは灯悟と狼真の事を調べていた。

 

「あんな姿に変身するくせに、見た目や体の構造はこの世界の人間と変わらないのね…………」

ひょーらろか(そーなのか)?」

「そういうもんなのか?」

 

 イドラは今、灯悟の事を調べていて、そんな風に言う中、灯悟と狼真はそう聞く。

 

「となると…………大きな違いは魔力の有無かしら?となると、血中魔力も調べたいわね」

 

ぺっTURN(ターン)

 

 イドラはそう呟きながら、注射器を取り出す。

 すると、そんな音が聞こえてくる。

 その理由は、灯悟がキズナブレスに絆装甲(バンソウプレート)を装填していたからだ。

 

「どうしたんだよ?」

「頼む…………!注射だけは勘弁してくれ!」

「嘘でしょ?背中を抉られながらも私を守ってくれた漢気はどこへ行ったの?」

 

 狼真がそう聞くと、灯悟は顔を青ざめながらそんな風に言う。

 灯悟は、注射が苦手なのだ。

 それを見たイドラがそう呟くと。

 

「戦いの痛みは覚悟を持って耐えられるが、注射は別なんだよ!」

「『イドラの研究の為なら何でもする』って言ったでしょ!」

 

 灯悟はそんな風に叫ぶと、イドラもそう叫ぶ。

 すると、それを見ていたギルドマスターが口を開く。

 

「お前ら、そういうことは家でやれ」

「「は、はい…………」」

「仲良いな」

 

 ギルドマスターがそんな風に呟くと、灯悟とイドラはそう答える。

 それを見て、狼真はそう呟いていた。

 その後、何とか落ち着いて、今度はセンタイリングやユニバースリングを調べる事になった。

 

「…………それで、この指輪の中にレッドの様な姿をして居る戦士の記録を保存して居ると?」

「ああ」

 

 イドラはそう言いながら、絆創戦隊キズナファイブのユニバースリングを見つめており、狼真はそう頷く。

 

「俺も、異世界で俺達の様に悪の組織と戦う戦隊が居るのは、狼真から聞いて、初めて知ったぜ!」

「…………まあ、と言っても、戦隊と言えるか微妙な奴も入っているけどな」

 

 灯悟はそんな風に言うと、狼真はそんな風に言いながら、トミカヒーローレスキューフォース、トミカヒーローレスキューファイアー、超星神グランセイザー、幻星神ジャスティライザーのユニバースリングを手に取り、イドラと灯悟に見せる。

 レスキューフォース、レスキューファイアー、グランセイザー、ジャスティライザーはスーパー戦隊とは似ているが、別物なのだ。

 

「だとしても、殆ど真っ赤じゃないの」

「俺は別に真っ赤でも気にしないぜ!」

「いや、あんたは元から真っ赤でしょ」

「確かに。それは言えてるな」

 

 イドラはそんな風に言う。

 実際、センタイリングの中で赤くない戦士というのは、機界戦隊ゼンカイジャーのゼンカイザーしか居ないからだ。

 ユニバースリングだと、レスキューフォースのR1は青、レスキューファイアーのファイアー1はオレンジだが。

 イドラの呟きに対して、灯悟がそう言うと、イドラと狼真はそう言う。

 イドラは少し疲れたのか頬杖を付く。

 すると。

 

「ん?此れは何かしら?」

 

 イドラはそう言うと、センタイリングの一つである魔法戦隊マジレンジャーのセンタイリングを手に取る。

 それを見た狼真は。

 

「ああ、そのセンタイリングは、イドラの様に魔法を使う戦隊である魔法戦隊マジレンジャーのセンタイリングだな」

「へぇ~…………魔法を使う戦隊も居るのね」

 

 狼真はそう答える。

 魔法戦隊マジレンジャー。

 小津一家の五人兄弟が変身する戦隊で、地底冥府インフェルシアと戦った29番目のスーパー戦隊だ。

 狼真の言葉を聞いたイドラは何気なく、マジレンジャーのセンタイリングを指に嵌める。

 

「うん?」

 

 イドラは首を傾げると、狼真に話しかける。

 

「狼真、ちょっといいかしら」

「うん?何だ?」

「この指輪の絵柄には、回転機構ってあるのかしら?」

「一応、センタイリングの絵柄には回転機構があるぞ」

「俺も一度、絵柄を回そうとしたけど、回らなかったな」

 

 イドラは狼真にそう聞く。

 狼真がそう答えると、灯悟が懐かしむ様にそう言う。

 一度、灯悟もセンタイリングを回そうとしたものの、キズナレッドに変身しているのもあってか、回らなかったのだ。

 すると。

 

「回ったわよ?」

「「え⁉︎」」

 

 イドラはそんな風に言う。

 狼真と灯悟は、イドラの方を見る。

 マジレンジャーのセンタイリングを見ると、回転前の魔法陣とマジフェニックスの絵柄から、回転後の魔法陣とマジレッドに変わって居たのだ。

 

「マジか…………」

 

 狼真はそれを見て驚いていた。

 すると。

 

「うん?なぁ、イドラ。その…………狼真が使っているテガソードの色違いの銀色のテガソードは何なんだ?」

「え?銀色のテガソード?」

 

 灯悟は、イドラの右手を指差しながらそう言う。

 イドラは首を傾げながら、右手を見る。

 すると。

 

「え?」

 

 イドラの右手には、銀色のテガソードがあった。

 

「ちょ、何よ此れ⁉︎」

 

 イドラは、いきなり現れた銀色のテカソードに慌てていた。

 すると、それを見ていた狼真は。

 

「…………イドラ、一つ聞きたい事がある」

「な、何よ?」

「まず前提として、イドラはマジレンジャーの指輪に選ばれたんだ」

「えっ⁉︎」

「すげぇじゃねぇか!イドラも変身できるな!」

 

 狼真はそんな風に真剣な表情で話しかける。

 それを聞いて、イドラが驚く中、灯悟はそんな風に言う。

 すると。

 

「まあ待て。聞きたい事っていうのは、その力を使う覚悟は、イドラにはあるか?」

「覚悟……………?」

「ああ。イドラが手にした力は、命懸けで地球や世界、多くの人々を守ってきたスーパー戦隊の力の一つだ。それ相応の覚悟が必要になる」

「……………」

 

 狼真はそんな風に問いかける。

 マジレンジャーの力を使う覚悟があるのかという問いかけを。

 その脳裏には、ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーで登場した具島玲や、マジレンジャーとは関係ないが、ファイヤキャンドルと設名新の姿があった。

 具島は、厄災の1人であるベルルムに誘導されたとはいえ、スーパー戦隊の力を悪用した。

 更には、シンケンジャーの指輪を一河緒乙から強奪したファイヤキャンドル、己の野望の為にバトルフィーバーの指輪を悪用した設名新。

 ゴジュウジャーに出てくるユニバース戦士は、善人ばかりではないのだ。

 だからこそ、それ相応の覚悟があるのかを問いかけていた。

 スーパー戦隊の力を、善にも悪にも使えてしまう事から。

 それを聞いたイドラは黙っていた。

 すると。

 

「………まあ、いきなりそんな事言われても困惑するよな。考える時間も必要だろうしな。少し待つよ」

 

 狼真はそんな風に言う。

 いきなり、覚悟を問われても答える事が出来ないという事から。

 すると。

 

「待ちなさい」

「ん?」

「…………覚悟ならあるわ。お父様の夢を叶える為…………お父様の想いと、このマジレンジャーの思いを受け止めて、私は前に進むわ!」

 

 イドラは狼真に話しかける。

 狼真が反応すると、イドラはそう叫ぶ。

 父の思いとマジレンジャーの思い。

 その二つを受け止めて、前に進んでいくと。

 すると、その言葉と共に、マジレンジャーのセンタイリングが光る。

 

「何っ⁉︎」

 

 イドラは驚く。

 すると、脳裏にはある光景が映った。 

 それは、マジレンジャーの戦いの軌跡。

 どんな思いを胸に、戦ってきたのかという記憶だった。

 それを見て、イドラは涙を流していた。

 

「どうしたんだぜ?」

「見えたの…………マジレンジャーがどんな思いで戦ってきたのかを…………。お父さんと戦ってたなんて…………」

「……………」

 

 灯悟がそう聞くと、イドラはそう答える。

 小塚兄弟の父親である小塚勇は、一時期、ウルザードとして、マジレンジャーに立ちはだかった。

 父親を尊敬しているイドラからしたら、耐えられないと。

 それを見て、狼真は無言でイドラを見つめて、灯悟は何とも言えない表情を浮かべていた。

 


 

 その後、イドラは落ち着き、ギルドマスターから、ある物が渡された。

 

「ほらよ。これであんたも今日から冒険者だ」

「これは?」

「そいつはステータスタグ。スキルやステータスの確認ができる冒険者の証だ」

 

 ギルドマスターがイドラに渡したのは、ステータスタグだった。

 それを起動させると、イドラのステータスが映し出される。

 イドラのステータスは、こんな感じだ。

 

イドラ・アーヴォルン

大魔導士

ランク E

 

基礎能力

体力 255

魔力 675

攻撃力 12

防御力 30

知力 89

精神力 67

 

「おお…………自分のステータスを見るのは初めてだわ。こんな感じなのね」

「流石はアーヴォルン家のご令嬢だな。魔力・知力共に最高クラスとは…………」

 

 イドラは自分のステータスを確認しながらそう言うと、ギルドマスターはそんなふうに言う。

 すると。

 

「大魔導士って…………魔導士の凄い版って事だろ?流石は未来の王家の杖だぜ!この間使ってた氷の魔法…………?もなんか凄かったし!強いだけじゃなくて、研究だってお手のものだもんな!物知りなとこも本当に努力してんだなって!」

「あんたは私の取り巻きか何か?」

「確かに…………」

 

 灯悟はそんな風に語っていく。

 それを聞いて、イドラと狼真がそんな風に呟いていると。

 

「そうだ。あなた達はどんなステータスなの?」

「俺ら?」

「そういえば………どうやるんだ?これ」

「貸して」

 

 イドラはそんな風に聞く。

 2人はステータスタグを弄っていたが、イドラに渡す。

 2人のステータスタグを受け取ったイドラは。

 

『見ただけではさっぱり分からなかった2人の力も、この世界を基準に再構成された情報があれば、分析の手掛かりになるかも!まずはレッドからね』

 

 イドラはそう思っていた。

 この世界基準の情報なら、分析の手掛かりになるのかもと。

 そう思いながら、灯悟のステータスを出す。

 すると。

 

『何………この………なっ、何これ⁉︎』

 

 灯悟のステータスを見たイドラは、そんな風に突っ込んだ。

 その理由は…………。

 

キズナレッド


変身者:浅垣灯悟

♢SPEC♢


・身長:185cm


・体重:70kg


・パンチ力:20トン


・キック力:50トン


・ジャンプ力:ひと跳び30m


・走力:100mを3.0秒


・必殺技:バーニング・キズナパンチ

 

変身方法


・絆装甲をキズナブレスにセットする。

 

 こんな感じだったからだ。

 特撮などでよく見られるスペックの一覧となっていた。

 

『えぇぇぇ………⁉︎と、とにかく!次は狼真ね!』

 

 イドラは困惑したが、すぐに意識を切り替えて、狼真のステータスを見る。

 すると。

 

『どうなってんのよ⁉︎これ‼︎』

 

 イドラはまたしても、そんな風に叫んだ。

 その理由は。

 

ゴジュウウルフ


変身者:遠山狼真

 

♢SPEC♢


・身長:190cm


・体重:70kg


・パンチ力:10トン


・キック力:25トン


・ジャンプ力:ひと跳び20m


・走力:100mを4.1秒


・必殺技:フィニッシュフィンガーウルフ

    :ライジングレッドウルフ

 

変身方法


・ゴジュウウルフのセンタイリングをテガソードにセットする

 

特殊能力

ナンバーワン嗅覚

 

 こんな感じになっていた。

 2人のステータスを見たイドラは。

 

『2人のステータス、全く同じフォーマットじゃないの⁉︎なぜ、パンチ力とキック力が分けられているの?攻撃力でまとめなさいよ!レベルはどこ?てか、スキルが見当たりませんのですが?ステータスに身長・体重を乗せる意味!そして、これは誰に対する何情報なの⁉︎』

 

 心の中でそんな風に突っ込んでいた。

 先ほど見た自分のステータスとフォーマットが明らかに違う事に対して。

 イドラが撃沈する中。

 

「何だ?俺らのステータスがどうかしたのか?」

「大丈夫か?」

「どうかしてるし、どうにかなっちまいそうよ…………!『未知のスキルやトンデモステータスくらいなら覚悟してたけど…………明らかにフォーマットが違う!』」

 

 灯悟と狼真がそう聞くと、イドラはそう答えつつ、そんな風に思う。

 すると。

 

「おいおいおい!」

「「「ん?」」」

「なんで没落貴族様がこんな所にいやがんだ?」

「まさか、冒険者になるつもりか?散々俺らを馬鹿にしてた癖によ!」

 

 そこに、2人の冒険者がギルドに入ってくる。

 イドラの姿を見た二人がそう言うと。

 

「…………こんな事言ってるが、知り合いか?」

「…………誰?」

「この間、お前んところの依頼を受けに行ったザッツとレインだよ!」

 

 狼真がそんな風に聞くと、イドラはそんな風に聞く。

 それを聞いたザッツはそんな風に叫んだ。

 この2人は、ゴラムによって追い出された冒険者だった。

 

「あぁ〜!あの時、ゴーレムに捕まってた人たちか!」

「大丈夫だったか?」

「その節はどうも!」

 

 灯悟と狼真は思い出したのか、そんな風に言うと、ザッツはそう叫ぶ。

 それを聞いたイドラは。

 

「悪いけど、追い返した冒険者の顔と名前なんて、いちいち覚えてないわよ。『その後に来たレッドと狼真のインパクトが強すぎて…………』」

「けっ!相も変わらずお高く留まりやがって!」

「アンタらが、どんな風に誑し込まれたのか知らねぇが、そんな性悪女とパーティを組むのはやめておきな」

 

 イドラはそんな風に言う。

 実際、ザッツとレインの存在は、灯悟と狼真のインパクトが強すぎた事で、忘れていたのだ。

 それを聞いたザッツとレインがそんな風に言い、馬鹿にしながら離れようとすると。

 

「ちょっと待つんだぜ!」

「まぁな。確かに、イドラは口は悪いし、ツッコミも激しいけどよ」

「ツッコミは主にアンタらのせいよ」

「だけど!困ってる俺らの為に、新しい魔法を作ると言ってくれるような優しい奴なんだ!ちょっと態度はでかいが、アンタ達が思ってるほど、悪い奴じゃないんだぜ」

 

 灯悟と狼真はそんな風に言う。

 狼真の言葉に、イドラがそう突っ込むと、灯悟はそんな風に叫んだ。

 すると。

 

「…………だとしても、そいつが冒険者をやっていけるかは、甚だ疑問だがな。なんせ、そいつはあの”()()()()()()”ハウディの娘だぞ?

「っ!」

 

 ザッツがそんな風に言うと、イドラは反応する。

 

「”腰抜け魔導士”?」

「なんだそれ?」

「なんだ、知らねえのか?王家の杖の座を賭けた決闘に敗北し、全てを失い王宮から逃げ出した王国一の腰抜け魔導士。それがそいつの父親なんだよ!」

 

 灯悟と狼真は、顔を顰めつつそう聞くと、ザッツはそんな風に言う。

 それを聞いていたイドラは、王宮から離れる時の父親との会話を思い出していた。

 

『いいかい、イドラ。私たちの使命は、杖の座から降ろされようと、どこへ行こうと、決して失われる事は無い。魔導と人々の心を正しき方向へと導き、世界を平和と幸福で満たす。その使命と誇りだけは、決して忘れないでおくれ』

 

 それを思い出していたイドラは拳を握りしめる。

 すると、マジレンジャーの指輪もイドラに呼応するように光っていた。

 そんな中、ザッツとレインは。

 

「そんな腰抜け野郎の娘が冒険者になったところで、どうせクエストからも逃げ出しちまうだろうよ!」

「ちげぇねぇ!」

「「ハハハハハハハ!」」

 

 そんな風にイドラを馬鹿にして高笑いをしていた。

 すると。

 

取り消しなさい

「「あ?」」

何も知らないアンタ達が、お父様を侮辱するな!

 

 イドラはそんな風に呟く。

 ザッツとレインが反応すると、イドラは凄まじい殺気と共にそんな風に叫んだ。

 それを見て、ザッツとレインは怯みつつも、口を開く。

 

「な、何だよ?さっき冒険者になったばかりのド新人が…………!」

「ランクが格上の俺たちに楯突こうってか⁉︎」

ゴラムにも敵わなかったアンタ達が格上ですって?アンタ達のランクなんて、あっという間に追い越してやるわよ。このド三流冒険者共!

なっ…………!本気でやんのか⁉︎このアマぁ‼︎

 

 ザッツとレインがそんな風に言うと、イドラは2人を見下しながらそんな風に言う。

 それを聞いて、一触即発の空気になり、それぞれの武器を持って攻撃しようとすると。

 

その喧嘩!ちょっと待っただぜ!

 

 灯悟はそう叫びながら、イドラ達の間に入る。

 すると。

 

「あのさ…………お互いに罵ったのもあるから、怒るのは分かるんだけどよ。だからと言って、こんな所で戦闘をするな。他の連中の迷惑になるだろうが」

「喧嘩で繋がる絆も悪くないが、俺たちは冒険者なんだ。どうせなら…………クエストで決着をつけようぜ!」

「「「……………クエストで?」」」

「はぁ…………」

 

 狼真はそんな風に言う。

 実際、お互いに罵ったから、こんな事になっているのだから。

 灯悟はそう言うと、依頼書の紙を取り出す。

 イドラ達がそう聞く中、ギルドマスターはため息を吐いていた。

 


 

 その後、灯悟達とザッツとレインは、ガウメネ洞窟に到着した。

 灯悟と狼真は、ルール説明を行う。

 

「このダンジョンに、最近、謎の魔物が出現するようになったらしい」

「…………そういうわけで、そいつを先に倒した方の勝ちだ。お互いに文句はねぇな?」

「こっちが勝ったら、お父様への侮辱を謝罪し、二度としないと誓ってもらうわよ!そっちが勝ったら、()()()言う事を聞いてあげるわ」

「異論はねぇ」

 

 灯悟と狼真はそう説明する。

 謎の魔物が出現するようになったガウメネ洞窟で、謎の魔物をどっちが先に倒せるかの競争をしようと。

 イドラがそう言うと、ザッツはそう言う。

 そんな中、2人の心境は。

 

『馬鹿なド素人共が!このダンジョンは俺らにとっちゃホームも同然の狩場よぉ!』

『危険な魔物との戦闘は避けつつ、最速で標的を倒してやるぜ!』

『そんな乳して、なんでも言う事を聞くなんて言った事、後悔させてやるぜ!』

 

 2人はそんな風に考えていた。

 ザッツとレインにとって、ガウメネ洞窟はよく行っている狩場であり、余裕であると。

 そして、豊満な体をしているイドラを弄び、性的に嬲ろうと画策していた。

 それを見ていたイドラは。

 

『あいつらのあの余裕…………恐らく、ここは奴らにとって勝手知ったる狩場…………ってところでしょうね』

 

 イドラはそんな風に感じていた。

 ザッツとレインが、邪な企みをしているのだと。

 あるフロアに入ると。

 

「このフロアから勝負開始だぜ!」

「レッド!狼真!最初から飛ばしていくわよ!」

「おうよ!」

「ったく…………。エンゲージ!」

 

 灯悟がそう叫ぶと、イドラもそう叫び、2人はそう答えつつ、絆装甲(バンソウプレート)とゴジュウウルフのセンタイリングを構える。

 一方、ザッツとレインは。

 

「こっちだレイン!」

「ああ、ザッツ!」

「ここで1番危険なミノタウロスは避けて進むぞ!」

「奴らは気性が荒く、物音に敏感だからな。大きな音は出さないように…………!」

 

ぺっTURN(ターン)

クラップユアハンズ!

 

 ザッツとレインはそう話しながら、移動を開始する。

 だが、それと同時にある音が鳴り響く。

 

「絆装チェンジ!」

 

ゴジュウウルフ!

 

 灯悟がそう叫ぶと、狼真の方からそんな音声が鳴る。

 すると、2人の姿が変わっていく。

 

「燃え盛る!熱き友情の戦士!キズナレッド!」

「アォォォォーン!」

 

ドゴォォォォン!

 

 灯悟はキズナレッドに、狼真はゴジュウウルフに変身すると、灯悟はそう名乗り、狼真は遠吠えをして、灯悟の背後で大爆発が起こった。

 それを見ていたザッツとレインは。

 

「「はぁぁぁぁぁ⁉︎」」

「な、ななな…………なんだあの姿は⁉︎」

「つーか、なんで遠吠えしたり、爆発したんだ⁉︎」

『…………まあ、そうなるわな。というより、初見の時の私とほぼ同じリアクションしやがって』

 

ドドドドド…………!

 

 キズナレッドに変身した灯悟と、ゴジュウウルフに変身した狼真を見て、ザッツとレインがそう叫ぶ。

 それを見て、影から見ていたイドラは、そんな風に思っていた。

 すると、何かが近づいてくる音がしてくる。

 

「ん?何この音?」

「まずい…………!」

「今の爆音と遠吠えを聞きつけて…………!ミノタウロス共が寄って来やがった!」

 

 イドラがそう首を傾げると、ザッツとレインはそんな風に叫ぶ。

 皆の周りには、ミノタウロスが集まってきていた。

 

「ハァァァァァ!」

「くっ………!やべぇ………!」

「くそっ!何なんだよ!この数は!」

 

 イドラは水流の魔法を放ち、ザッツとレインもミノタウロスと応戦していく。

 そんな中。

 

「来い!ターボ円陣!」

 

 灯悟はそう言って、別の絆装甲(バンソウプレート)をキズナブレスに装填して、ターボ円陣を呼び出す。

 

ターボ円陣!

 

 そんな音声が鳴ると、小さな上半身だけのマッチョスーツが円陣を組んだような形の武装が現れ、ミノタウロスの群れから飛び出す。

 そして。

 

フォーメーションβ(ベータ)

 

 その音声が鳴ると、足先に付いていたターボ円陣は、両足首に移動する。

 そして。

 

「キズナ・ターボキック!」

「ぐぉぉぉぉぉ⁉︎」

 

 灯悟はそう叫ぶと、ターボ円陣の勢いでキックを放ち、ミノタウロスを蹴り飛ばす。

 一方、狼真は。

 

「ふっ!はっ!」

 

 狼真は格闘戦を行いつつ、テガソードで攻撃していく。

 すると。

 

「せっかくだ!暴れてやるぜ!」

 

 狼真はそう叫ぶと、ツメガバックルからあるセンタイリングを取り出す。

 

「エンゲージ!」

 

 そう言うと、狼真は取り出したセンタイリングを回転させる。

 取り出したセンタイリングの絵柄は、ティラノサウルス型のメカとマグマと尻尾の絵柄だったが、回転すると、ティラノサウルス型のメカはそのままに、体が赤く、白の牙が特徴の戦士の絵柄が出てくる。

 狼真が取り出したのは、爆竜戦隊アバレンジャーのセンタイリングだった。

 アバレンジャーリングを、テガソードに装填する。

 

センタイリング!

 

 その音声が鳴ると、狼真は戦闘をしながらクラップをする。

 そして、テガソードのトリガーを引くと。

 

アバレンジャー!

 

 その音声が鳴ると、恐竜の足跡のようなマークが現れて、狼真と合わさる。

 狼真はアバレッドに変身し、それと同時に頭部が咆哮する。

 

「何だあれ⁉︎」

「今度は竜⁉︎どつなってんだよ⁉︎」

『まあ、そうなるわな』

 

 それを見たザッツとレインはそんな風に叫び、イドラはそう思う。

 それに対して、狼真は。

 

「ティラノロッド!ハァァァァァ!」

 

 狼真はアバレッドの専用武器であるティラノロッドを取り出して、ミノタウロスと戦っていく。

 

「おらっ!ハァァァァァ!」

 

 狼真は、アバレンジャーの名の通り、暴れ回るようにミノタウロスを倒して行った。

 すると。

 

「大勢の敵に囲まれるのは、慣れっこだぜ!」

「特撮あるあるだからな」

「あなた達は慣れてても、こっちはきついのよ!」

 

 灯悟と狼真はそんな風に言う。

 実際、特撮において、戦闘員に取り囲まれつつも、戦闘員を倒していくというのは、よくある話なのだ。

 それを聞いたイドラはそう突っ込む。

 すると。

 

「この前の最終決戦兵器の出番よ!ドラゴンすらも消し炭にするあの兵器なら、こんな奴ら、まとめて瞬殺出来るはず!」

「分かったぜ!来い!キズナビースト!」

「おい…………!ちょっと待て…………⁉︎」

 

 イドラはミノタウロスの攻撃を避けつつ、そんな風に叫ぶ。

 それを聞いた灯悟がキズナビーストを呼ぶ中、狼真はそんな風に言って、止めようとしていた。

 だが、それも間に合わず。

 

「無限の絆で未来を創る!絆創合体!マキシマム・キズナカイザー‼︎…………って、あれ⁉︎」

 

 灯悟の叫び声と共に、キズナビーストが合体して、マキシマム・キズナカイザーになる。

 だが、あまりの巨体ゆえに、詰まってしまった。

 

「しまった!こんな狭い洞窟の中じゃ、マキシマム・キズナカイザーはぎゅうぎゅうになって身動きが取れない‼︎」

「嘘でしょ⁉︎」

 

 灯悟はそう叫ぶと、イドラはそう突っ込む。

 そう。

 こんな狭い洞窟の中では、マキシマム・キズナカイザーは身動きが取れず、使い物にならないのだ。

 すると、胸部が開く。

 

「仕方ない!降りて戦おうぜ!」

「ま…………まぁ…………結構な数の敵が潰れたみたいだし、結果オーライね…………」

「何やってんだよ………」

 

 マキシマム・キズナカイザーから灯悟とイドラが出てきて、狼真は呆れるようにそう言う。

 それを見ていたザッツとレインは。

 

「何なんだ、あいつら…………次から次へと………」

「お、おい!後ろ!」

「うわっ⁉︎」

 

 ザッツは呆然としていると、レインはそう叫ぶ。

 その理由は、ザッツの背後から、ミノタウロスが迫っていたからだ。

 すると。

 

「脳幹震わす水精の絶叫!ウンディーネ・スクリーム!」

 

 そんな叫び声が聞こえてくると、ザッツの背後のミノタウロスは水流に飲まれていた。

 イドラが魔法で助けたのだ。

 それを見ていたザッツが口を開く。

 

「…………どうして助けた?」

「…………私だって、お父様を侮辱する様な奴を助けたくはないわよ!だけど…………お父様は…………杖の座を失い、王宮から追い出され、人々から理解されず、どれだけ蔑まれようと…………最後まで人々の笑顔の為に、魔法の研究を続けていた!もしも、魔法で救える命を見殺しにしたら、お父様やマジレンジャーから受け継いだ使命に泥を塗る事になる!だから私は、人を助ける為の魔法は躊躇わない!たとえ、相手が死ぬほどムカつく奴らでもね!」

「「……………」」

 

 ザッツがそう聞くと、イドラはそう叫んだ。

 父への想いと、マジレンジャーから想いを受け継いだ自覚。

 それが、イドラを動かしていた。

 それを聞いたザッツとレインが呆然としていると。

 

「それに…………あんた達には、お父様への侮辱を謝罪して貰うまで死なれちゃ困るのよ…………!」

「「『こっちがちっとは感心したと思ったら…………』本当に可愛げのない女だな…………」」

「可愛いなんて思われなくて結構よ」

 

 イドラはザッツとレインを睨みながら、そんな風に言う。

 それを見て、ザッツとレインがそう呟き、イドラはそう言うと。

 

「まあ、イドラは可愛いって言うより、美人系だもんな!」

びゃ⁉︎あ…………あなたにもそういう感性あったのね…………」

「えっ?そういう感性?」

「…………その………私の事を………び………とかいう…………」

「戦いながらイチャついてんじゃねぇぞ!テメェら‼︎」

「やれやれ………っ!おい、なんか来るぞ!」

「えっ?」

 

 灯悟は敵を倒しながら、そんなふうに言う。

 それを聞いたイドラは、赤面しながらそんな風に言う。

 それを見たザッツはそんな風に突っ込む中、狼真はそう叫ぶ。

 すると。

 

「「「「「っ⁉︎」」」」」

 

 振り向いた狼真達は、絶句した。

 現れたのは、頭に宝箱を抱えた様な怪物だった。

 

「な………なんだこいつは⁉︎」

「まさか、こいつが例の謎の魔物か⁉︎」

「わじの…………おだから〜…………!」

「確かにこんな奴、このダンジョンじゃ見た事ないな…………」

「というか、あんな魔物、どんな文献にも載ってないわよ!」

 

 それを見て、狼真達はそんな風に話す。

 あまりにも異様な気配を出していたのだ。

 すると、その魔物を見たミノタウロス達は逃走していく。

 

「ミノタウロスは、あいつから逃げてたってわけか」

「っ!」

「イドラ、下がってくれ。奴からは…………幹部怪人に似た何かを感じるぜ…………!」

「幹部?」

「嫌な予感がするな…………!」

 

 狼真はそう呟く。

 ミノタウロスは、あの魔物から逃げていたのだと。

 イドラが杖を構える中、灯悟と狼真は油断しないようにそう言う。

 明らかに異質な存在なのだ。

 すると。

 

「へっ!怖気付いたか!腰抜け共め!」

「勝負はこいつを倒した方の勝ちだぞ!」

「わじのだがらに、ぢがよるなぁぁぁぁ!」

「お宝?」

 

 狼真達が怖気付いたのかと思ったのか、ザッツとレインは謎の魔物の方へと向かう。

 すると、その魔物はそんな風に叫んで、狼真はそう呟く。

 すると。

 

「「なっ…………⁉︎」」

「たった一発で………⁉︎」

「まずい!」

「レッド!狼真!」

「ごの………ごぞどろどもめぇぇぇぇ!」

 

 その魔物は、攻撃をする。

 すると、その攻撃を受けたザッツとレインの武器は、一撃で粉砕されたのだ。

 狼真はそう呟きつつも、灯悟と共に飛び出す。

 魔物がそう叫びながら、ザッツとレインに攻撃しようとすると。

 

「ふっ!」

「はっ!」

 

 灯悟と狼真がすぐに間に入り、灯悟はパンチを、狼真はティラノロッドで攻撃をする。

 だが…………。

 

「ぐっ………!硬ってぇ…………!」

「ティラノロッドでも、あんまり効果無しか!」

 

 2人はそう呟く。

 相手の体が硬すぎて、逆にダメージを受けたのだ。

 2人はキックをして、魔物を転倒させる。

 

「この硬さ…………!ゼツエンダーの怪人、キョゼツンドラのバリアを思い出すぜ…………!」

「厄介だな…………!『それに、あの魔物は明らかに言葉を発していた。頭の宝を守ろうとしているのか?』」

 

 それを見て、灯悟と狼真はそんな風に反応する。

 狼真は、言葉を発しているのを気にしていたが。

 キョゼツンドラとは、ゼツエンダーの怪人である絶縁魔の内の一体だ。

 キョゼツンドラは、ある理由で万丈寺流(ばんじょうじながれ)/キズナブルーのナンパに乗ったのだが、金持ちであるのにも関わらず、食べ放題で元を取ろうとする庶民派思想にドン引きしていた。

 ちなみに、流も流で、会計で財布を出そうとしなかったキョゼツンドラを批判していた。

 ただし、ナンパしてきたのは流であり、その批判はお門違いだったのだが。

 その後、キョゼツンドラはキズナレッドが囮になっている間に、キズナブルーの機転でバリアを攻略され、最後はビクトリー・キズナバスターによって倒された。

 それを聞いたイドラは。

 

「色々と突っ込みたいところだけど、そういう硬い敵に対する対抗手段は何かあるの⁉︎」

「もちろんだぜ!ビクトリー・キズナバスター!こいつは仲間の心を一つにする事で、絆エネルギーを収束してぶっ放す!今の俺に出せる最高火力の武器だぜ!」

「仲間の心を一つにって………まさか⁉︎」

 

 そんな風に聞くと、灯悟はそう答える。

 ビクトリー・キズナバスターなら、あの魔物を倒せるかもしれないと。

 それを聞いて、イドラがそんな風に反応すると。

 

「頼む!アンタ達の力を貸してくれ!」

「レッド…………そいつらが協力なんてしてくれるわけ…………」

 

 灯悟は、ザッツとレインの2人にそう頼み込む。

 それを聞いて、イドラがそう言うと。

 

「策があるってんなら、乗ってやるぜ」

「えぇ⁉︎」

「勝負の決着を付けられねぇのは残念だが、馴染みの狩場にあんなのが居座られても困るからな」

 

 ザッツはあっさりと了承した。

 それを見て、イドラが驚いていると、そんな風に言う。

 勝負をつけるよりも、狩場を守る事を優先したのだ。

 すると。

 

「なら、俺はビクトリー・キズナバスターを放つまでの時間を稼ぐから、頼んだぞ」

「ええっ⁉︎」

「イドラもそれで良いか?」

「し、仕方ないわね…………」

 

 狼真はそう言うと、その魔物の方へと歩き出す。

 イドラが驚く中、灯悟がそう聞くと、イドラは顔を赤くしてそう言う。

 狼真は、ツメガバックルから別のセンタイリングを出す。

 

「エンゲージ!」

 

 そう言うと、そのセンタイリングの絵柄を回転させる。

 そのセンタイリングは、機械のライオンと獣達が描かれていたが、回転すると、獅子の様な見た目の赤い戦士が現れる。

 そのセンタイリングは、星獣戦隊ギンガマンのセンタイリングだった。

 狼真は、ギンガマンのセンタイリングをテガソードに装填する。

 

センタイリング!

 

 その音声が鳴ると、狼真は戦闘をしながらクラップをする。

 そして、テガソードのトリガーを引くと。

 

ギンガマン!

 

 その音声が鳴ると、狼真の背後にマークが現れて、ギンガレッドに変身する。

 

「ふっ!はっ!燃やしてやるぜ!」

 

 狼真はそう言って、テガソードと星獣剣の二刀流で攻撃していく。

 

「炎のたてがみ!」

 

 狼真はそう叫ぶと、テガソードから炎を放つ。

 それを受けて、ダメージを受けると。

 

「キバカッター!はっ!」

 

 狼真はそう叫んで、武器を自在剣・機刃の形態のうちの一つであるキバカッターで攻撃していく。

 そんな中、灯悟達は。

 

「それじゃあ、行くぞ!ビクトリー・キズナバスター!絆装甲(バンソウプレート)、セット!」

 

ぺっTURN(ターン)

 

 灯悟がそう叫ぶと、上空からビクトリー・キズナバスターが現れる。

 絆装甲を装填すると、4人でビクトリー・キズナバスターを持つ。

 

「束ねた絆で勝利を掴む!」

『…………何なの?このやけにカッコつける感じは』

『『必要なのか?これ…………?』』

 

 灯悟がそう叫ぶ中、イドラとザッツとレインはそんな風に思っていた。

 そして。

 

「撃ち抜け!ビクトリー・キズナバスター‼︎」

 

 灯悟はそう叫ぶと、ビクトリー・キズナバスターを放つ。

 だが、放たれた光線はV字型に裂けてしまい、命中しなかった。

 

「あ…………」

「…………ビクトリーだから…………Vの字に飛ぶってのは、仕様?」

「いや、失敗だぜ!」

「ダメじゃねーか!」

 

 狼真がそう呟く中、イドラがそう聞くと、灯悟はそう言い切り、ザッツはそう叫んだ。

 失敗したのだ。

 すると、魔物はパンチしてきて、灯悟はそれを受け止める。

 

「忘れてたぜ…………!お互いの心に蟠りが残ってたから、絆エネルギーが反発し合い、ビームが真っ二つに裂けてしまったんだ!」

「よくそんな不安定なシステムで戦ってこれたわね!狼真の方が安定してるじゃない!」

「まあ、キズナファイブとゴジュウジャーじゃ、特性が違うからな…………」

「イエローとブルーが大喧嘩した時もあんなだったぜ…………!」

 

 灯悟はそんな風に言う。

 イドラと、ザッツとレインは、まだ和解したのではない為、失敗したのだと。

 イドラがそう突っ込む中、狼真はそう呟く。

 実際、キズナファイブが絆で一緒に戦うのに対して、ゴジュウジャーは指輪争奪戦の中で、それぞれの戦士がライバル同士なので、単独でも戦える様になっているのだ。

 灯悟はそう呟くと、ある事を思い出していた。

 それは、かつて、万丈寺流(ばんじょうじながれ)/キズナブルーと飛星(とびほし)エミリ/キズナイエローが喧嘩した際にも、ビクトリー・キズナバスターが不発に終わったのだと。

 すると。

 

「くっ…………!絆エネルギーを使いすぎて………パワーが…………!」

「俺よりも弱っている灯悟を狙ってるのか⁉︎」

 

 灯悟はそんな風に呟く。

 マキシマム・キズナカイザーとビクトリー・キズナバスターで、絆エネルギーを使いすぎたのだ。

 受け止められずにいると、魔物が胸の炎を右腕に纏わせて、パンチをする。

 

「うわぁぁぁぁぁ⁉︎」

「レッド⁉︎」

 

 灯悟は吹き飛ばされて、爆発する。

 イドラが灯悟を見ると、灯悟は強制変身解除しており、負傷していた。

 

「皆を…………連れて…………逃げろ…………!イドラ…………!うっ⁉︎」

「バカ!回復魔法を!」

「おい!来てるぞ!」

 

 灯悟は、イドラに皆を連れて逃げろと言い、気絶する。

 それに対して、イドラはそう言って回復魔法をかける。

 だが、無防備になってしまい、魔物はイドラに襲い掛かろうとしていた。

 すると。

 

「「クソがァァァァァ‼︎」」

「ハァァァァ!」

「あなた達、何を⁉︎」

 

 ザッツとレイン、狼真はそんな風に叫んで、魔物を押さえていた。

 それを見たイドラがそんな風に聞くと。

 

「さっき助けられた借りを返しておきてぇだけだ!」

「それに癪だが…………俺らじゃこいつを倒せねぇ!こいつを倒す為には、そこの兄ちゃんやここにいる兄ちゃんみたいな規格外の力を持った奴が必要なんだよ!少しでも勝って生き残れる可能性があるのなら、その可能性に賭けてしがみついてやる!俺たちド三流は、そうやってB級冒険者まで這い上がってきたんだからな!

 

 レインとザッツの2人は、そんな風に叫んだ。

 少しでも生き残れる可能性に賭けて、足掻こうとしていた。

 そして。

 

「俺も、こんな所で死ぬのも、死なれるのもごめんだ!早く治せ!時間を稼いでやるから!唸れ!ギンガの光!」

 

 狼真はそんな風に叫んだ。

 すると、ギンガレッドに変身していた狼真の姿が変わる。

 これが、ギンガマンの強化形態、獣装光だ。

 

「ハァァァァ!」

 

 狼真は、閃光星獣剣と獣装の爪を手に、炎を纏いながら攻撃をしていく。

 それを見ていたイドラは。

 

「…………何も知らないで見下していたのは、私も同じじゃない…………!」

 

 イドラはそう呟く。

 イドラもまた、ザッツとレインの苦労も知らないで、罵った事を悔いていた。

 そんな中、灯悟の指がピクリと動いた。

 すると。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

「「おわっ⁉︎」」

「くっ…………⁉︎」

 

 その魔物はそう叫ぶと、ザッツとレインを蹴り飛ばし、狼真に攻撃をする。

 2人が吹き飛ばされ、狼真が怯むと、魔物はイドラと灯悟に向かう。

 

「逃げろ!」

「くっ…………⁉︎」

 

 ザッツと狼真がそう叫ぶ。

 すると、キズナブレスが動いた。

 灯悟とイドラには、攻撃は届かなかった。

 なぜなら…………灯悟がイドラを抱き寄せて、魔物の攻撃を受け止めていたからだ。

 

「えぇぇ…………⁉︎」

「絆を感じたぜ…………!」

 

 イドラが顔を赤くする中、灯悟はそう呟く。

 すると、灯悟の拳の前にサークルが現れて、それによって、魔物を吹き飛ばす。

 

「蟠りが消え、お互いを認め始めた!新たな絆の息吹を!」

 

 灯悟はそんな風に叫ぶ。

 すると、キズナブレスから凄まじい光が出てくる。

 

「燃え盛る!熱き友情の戦士!キズナレッド!」

 

ドゴォォォォン!

 

「熱っ⁉︎」

 

 灯悟はそう叫ぶと、キズナレッドへと再変身する。

 その際、爆煙を浴びたイドラはそう呟いた。

 それを見ていた狼真は。

 

『やっぱり…………そういう意味での強さでは、灯悟には敵わないな。戦いの場数が違うからな』

 

 狼真は、苦笑しながらそんな風に思っていた。

 灯悟が一年近くも変身していたのに対して、狼真はスーパー戦隊を見てきたものの、戦闘に関しては、ほぼ初心者に毛が生えた程度であり、戦隊の知識と能力でカバーしていると。

 すると。

 

「皆!もう一度力を貸してくれ!あと、狼真。時間稼ぎありがとうな!後は任せてくれ!」

「…………ああ」

 

 灯悟はそう叫ぶと、再びビクトリー・キズナバスターを放つ態勢をとる。

 狼真は時間稼ぎを頑張ったのもあって、休んでいた。

 

今こそ貫け!共に勝利へと突き進む熱き絆の力!

「「「「真・ビクトリー・キズナバスター!」」」」

 

 灯悟がそう叫ぶと、イドラ達もそう叫び、ビクトリー・キズナバスターを放つ。

 発射されたVの字型の光線は、魔物に命中して、爆発し、灯悟達はポーズをとる。

 

「今度こそ!俺たちの絆の勝利だ!」

『…………何?このポーズ?』

『『俺たちはいつの間にこんなポーズを?』』

 

 灯悟がそんな風に叫ぶ中、イドラ達はそんな風に思っていた。

 それを見ていた狼真は。

 

『…………やっぱり、俺もまだまだだって事か』

 

 狼真はそんな風に思っていた。

 まだまだ、ゴジュウウルフとして未熟であると。

 灯悟がイドラの帽子を回収して被せると。

 

「それにしても………何だったのかしら?あの魔物は…………」

「うっ⁉︎」

「「うわっ⁉︎」」

 

 イドラはそんな風に考え込んでいた。

 すると、何かが落ちてくる音がして、全員がその方を向く。

 先ほどの魔物が居た場所には、1人のおじさんが倒れていた。

 

「え………何このおっさん?」

「まさか…………ドロップアイテム?」

「あの魔物の正体はこいつか?」

「酷い怪我だし…………ギルドに連れて帰ろうぜ!」

 

 それを見たイドラ達はそう話す。

 狼真は、あの魔物の正体がこのおじさんではないかと考えていた。

 灯悟がそう言うと、そのおじさんを連れて、洞窟から脱出する。

 そんな中、そのおじさんを見ていたイドラは。

 

『…………何かしら?あの額のデキモノ………?』

 

 そんな風に考えていた。

 額に謎のデキモノがある事に。

 


 

 冒険者ギルドにつくと、ギルドにそのおじさんを預けた。

 

「おっちゃん!頼むぜ!」

「頼んだぜ」

「おう。任せとけ」

 

 灯悟と狼真の2人がそう頼み込むと、ギルドマスターはそう答える。

 その後、ザッツとレインは。

 

「まあ、なんつうか…………精々死なねぇ様に頑張れや。後輩共」

「それはこっちのセリフよ。先輩共」

 

 ザッツがそう言うと、イドラはそう答える。

 それを聞いた2人は。

 

「本当に可愛げのねぇ後輩だぞね

「へっ!精々兄ちゃんに愛想尽かされない様にな!」

「さっさと帰らないと、治した怪我の百倍重傷負わすわよ」

 

 そんな風に言うと、去っていった。

 イドラがそんな風に脅しをかけていた。

 

「よかったな、イドラ!良い冒険者仲間ができて!」

「あれは”良い”に分類されるのかしら。…………まあ、一度嫌悪した相手を見直すとか、仲直りするとか。そういう青臭いのは苦手と思っていたけれど…………思ったより悪くはなかったわ」

「そうかよ」

 

 灯悟がそんな風に言うと、イドラはそんな風に言う。

 イドラもまた、成長していた。

 狼真がそう呟くと。

 

「あははは!やっぱり人間、どんな苦手な事でも挑戦してみるもんだな!」

「うんうん!あなたならそう言ってくれると思ったわ。という訳でレッド?あなたも苦手なお注射に挑戦しましょうか?」

 

ぺっTURN(ターン)

 

 灯悟は笑いながらそう言う。

 すると、イドラは笑みを浮かべながら、注射を取り出す。

 それに対して、灯悟はキズナブレスに絆装甲(バンソウプレート)を装填していた。

 

「待ちなさい!苦手な事から逃げると成長出来ないわよ!」

「それはそれ!これはこれだぜ!絆創チェンジ!」

 

ドゴォォォォン!

 

「うわぁぁぁぁ⁉︎」

「お前ら!そういうのは外でやれ!」

「やれやれ…………」

 

 イドラがそんな風に叫ぶと、灯悟はキズナレッドに変身してまで拒否した。

 爆発が起こる中、ギルドマスターはそう叫び、狼真は苦笑していた。

 そんな中、狼真達は気づいていなかった。

 先ほどのおじさんが、部屋から抜け出していた事を。

 


 

 そのおじさんは、夜の街を彷徨っていた。

 

「どこだ………どこだ………!わしのお宝…………!」

「ようやく見つけましたよ。ノイゼル卿」

 

 そのおじさんはそう呻く中、口からドリルのような角を出し、デキモノが肥大化していた。

 すると、そんな風に声をかける二人組がいた。

 ノイゼル卿と呼ばれた人物は、呻き声を出すと、顔が反転する。

 そして、灯悟達が倒した魔物の姿へと変貌していく。

 それに対して、二人組の女の子の方が口を開く。

 

「全く…………どこをほっつき歩いていたのですか?」

 

 そのブルーグレーの女の子がそんな風に言うと、ノイゼル卿が変貌した魔物がその女の子に襲い掛かろうとしていた。

 すると、もう1人の青い鎧を着ている男が前に出ると、剣を抜刀する。

 その一閃で、その魔物はあっさりと倒されて、ノイゼル卿としての姿に戻った。

 

「…………では、その危険な種は外出させていただきます。特権解放」

 

 その女の子はそんな風に言う。

 しばらくすると、その二人組は去っていく。

 そこには、額のデキモノがなくなったノイゼル卿が転がっていた。

 

「…………やはり、2人では人手不足ですね。この世界を救うには…………」

 

 その女の子はそんな風に言う。

 この2人との出会いが、灯悟と狼真、イドラに迫っていた。

 果たして、何者なのか。




今回はここまでです。
今回は、アニメ版の第二話に相当する話です。
イドラは、マジレンジャーの指輪に選ばれました。
その為、マジレッドに変身が可能になりましたが、まだ使いません。
マジレッドへの変身は、アブダビとの初遭遇の際にさせます。
狼真も、灯悟とは場数が少ない事を自覚しました。
ちなみに、ゴジュウウルフのスペックは、クウガ・マイティフォームとキズナレッドの中間の値を取りました。
そして、テルティナとロゥジーの2人との出会いももうすぐです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
アブダビとの初遭遇の際に、ゴジュウポーラー、全てのプリキュアに変身が出来るオリジナルのプリキュアだけでなく、仮面ライダーレジェンドも出そうかなと思います。
活動報告にて、出す予定のキャラ設定も載せますので、リクエストがあればよろしくお願いします。
ユニバース戦士についても。
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