戦隊終わったら異世界でゴジュウウルフになりました   作:仮面大佐

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第3話 2人の戦隊レッドと勇者と姫様

 イドラが冒険者になって、ザッツとレインという2人の冒険者とのトラブルがありつつも、謎の魔物を倒す事が出来た灯悟達。

 それからしばらくして。

 

「はぁ…………ただいま…………」

「よう!テレスドン!お邪魔するぜ!」

「お前…………その間違えはわざとなのか?それとも天然なのか?」

「お帰りなさいませ、イドラお嬢様。ポセイドンでございます、レッド様。狼真様も。本日はどういったご用件で?」

 

 アーヴォルン家に、イドラが疲れ切った顔で入ると、灯悟はそう言う。

 狼真がそう突っ込む中、ポセイドンはそう尋ねる。

 すると。

 

「今日から、俺らもここに住む事になったんだぜ!」

「お世話になります」

「……………は?」

 

 灯悟と狼真はそんな風に言う。

 それを聞いて、ポセイドンは呆気に取られる。

 灯悟と狼真も、アーヴォルン家に住む事になったのだ。

 その後、イドラが帽子やローブを帽子かけに置く中、ポセイドンはイドラの部屋に来ていた。

 

「お嬢様!レッド様と狼真様がここに住むというのは、本当でございますか⁉︎」

「だって、あのバカ、クエスト失敗しまくったせいで無一文らしくて、狼真の節約術でどうにか生きてきたらしいのよ」

 

 ポセイドンがそう聞くと、イドラはそんな風に答える。

 そう。

 敵を倒したら爆発させてしまうという特性上、クエストが失敗続きなのだ。

 何とか、狼真の節約術でやりくりしていたが。

 

「幸い、ウチは部屋だけはたくさん余ってるし、一緒に住んでれば、異世界の事や、センタイリングとかも研究しやすいし、一石二鳥でしょう?」

 

 イドラはそんな風に言う。

 一緒に住まわせたのは、異世界の事やセンタイリングなどを調べたいというのもあったのだ。

 すると。

 

「しかし、お嬢様。相手は”男性”ですぞ?」

「今までだって、ポセイドンと2人だったじゃない」

「私は先々代の頃より当家にお仕えする執事。お嬢様の事は、孫娘の様に思っております。しかし、彼らは性欲最盛期の若者!その豊満な肢体に、いつ欲望を爆発させるか…………!」

孫娘の肢体を豊満とか言うな。大体、あの2人にそんな感性…………」

 

 ポセイドンはそんな風に言うと、イドラはそう聞く。

 ポセイドンが懸念していたのは、灯悟と狼真の2人がイドラに襲いかからないかという点だった。

 イドラはポセイドンにそう突っ込むと、ある言葉を思い出す。

 

『まあ、イドラは可愛いって言うより、美人系だもんな!』

 

 それは、ガウメネ洞窟でのやりとりだった。

 それを思い出したイドラは。

 

「あ〜…………いや………狼真はともかく、レッドにはあるのかしら。私の事を…………び、美人とか言ってたし……………」

 

バタン!

 

「…………あれ?ポセイドン?」

 

 イドラはそんな風に呟く。

 すると、そんな音が聞こえると、ポセイドンの姿はなく、扉が閉まっていた。

 ポセイドンがいつの間にか姿を消した事に、イドラは困惑していた。

 その頃、灯悟と狼真はアーヴォルン家の玄関の所にいた。

 すると、ポセイドンは2人に話しかける。

 

「レッド様、狼真様」

「ん?」

「失礼ながら、この屋敷に住む上で、一つお願いをしてもよろしいでしょうか?」

「おう!郷に入っては郷に従えって言うしな!なんでも言ってくれ!」

「何だ?」

 

 ポセイドンは2人にそう話しかける。

 2人がお願いを聞く体勢を取ると。

 

去勢して下さいませ

何故だぜ⁉︎

はっ⁉︎

 

 ポセイドンはそんな風に言いながら、枝切り鋏を取り出す。

 それを見て、灯悟と狼真は恐怖した。

 

イドラぁぁあ!助けてくれぇ‼︎

何でいきなり、去勢しろって言うんだよ⁉︎

「ポセイドン⁉︎何してるの〜⁉︎」

 

キンコ〜ン!

 

 灯悟と狼真がそう叫ぶと、イドラはその叫び声に気づいて、玄関の方につく。

 すると、灯悟にポセイドンが枝切り鋏を持って迫り、狼真は羽交い締めで止めようとしていた。

 イドラが慌てる中、そんな呼び鈴の音がする。

 だが、慌てていたのもあってか、気づいていなかった。

 

お嬢様の貞操を護る事も、執事の使命なのです!

「ダメ〜!」

「こいつ、意外と力強い…………!」

 

 ポセイドンがそう言う中、イドラはそう叫び、狼真はそう呟く。

 すると、扉が開かれる。

 

「あの…………何度か呼び鈴を鳴らしたのですが…………あら?」

「「…………え?」」

 

 扉が開かれ、女の子がそう言うと、ある光景が目に入る。

 それは側から見れば、イドラが灯悟を押し倒している様にしか見えなかった。

 それを見た女の子は、ニヤニヤとした笑みを浮かべると。

 

「お昼からお盛んですね」

「淑女として、そういう発言はお控え下さい。テルティナ様」

 

 その女の子はそんな風に言うと、従者の男はそんな風に嗜める様に言う。

 

『…………誰だ?』

 

 それを見ていたポセイドンを羽交い締めしていた狼真は、そんな風に思っていた。

 


 

 その後、何とか誤解を解き、客人2人を応接間に案内した。

 ちなみに、ポセイドンは反省の意味を込めてか、外を掃除させられていた。

 

「お姫様⁉︎」

「マジか……………」

 

 そんな中、灯悟と狼真はそんな風に反応する。

 来客が、お姫様である事に驚いて。

 

「アヴァルロスト皇国第三王女、テルティナ・リズ・ワーグレイ・アヴァルロストと申します。彼は従者にして我が勇者、ロゥジー・ミストです」

「という訳で…………貴様ら」

 

 その少女……………テルティナはそんな風に名乗り、従者の勇者…………ロゥジーの事をそう紹介する。

 すると、ロゥジーはそう言うと、剣を持ち上げると。

 

「清純の化身たるテルティナ様に、猥褻行為を陳列させた罪で斬首だ」

「現状、やってる事が押しかけ死刑宣告⁉︎」

「わぁぁぁぁ⁉︎タンマ、タンマ!」

「いきなりかよ…………⁉︎」

 

 ロゥジーは剣を抜刀しつつ、そんな風に吐き捨てる。

 それを聞いたイドラ達が慌てると。

 

「こらっ!ロゥジー!勝手に入って、特殊な情事(あーいうの)を見てしまったのは、こちらの非です!」

「いえ、あれは情事(そーいうの)では………」

「去勢されそうになっただけなんだけどな………」

「もっと人に優しく寛容にならなくては、人々から愛される勇者にはなれませんよ?」

 

 テルティナはロゥジーを止めながらそう言う。

 ロゥジーが叱られた子犬みたいにシュンとする中、イドラと狼真はそう呟く。

 ポセイドンから去勢されそうになっていただけなのだ。

 テルティナがそんな風に言うと。

 

「私に必要なのは、テルティナ様の愛だけです。例え、周囲の有象無象から愛されずとも、テルティナ様の愛さえあれば、魔王であろうと斬り伏せる勇者となりましょう」

「ははっ!変わった奴だな!」

『人の事言えないが、お前もな』

 

 ロゥジーはそんな風に言う。

 テルティナさえ居れば良いのだと。

 イドラが若干引く中、灯悟はそんな風に言い、イドラは灯悟に対して、『どの口が言うんだ』と言わんがばかりの視線を向けた。

 狼真がそんな風に考えていると。

 

「それでは、本題なのですが…………イドラさんには、この魔道具の分析と、回収の協力をお願いしたいのです」

 

 テルティナはそんな風に言うと、あるものを取り出す。

 それは、禍々しい雰囲気を漂わせている種の様な物だった。

 

「これ…………この前のおっさんについてたおできじゃないか?」

「確かに…………似てるな」

「おでき?」

「実は、先日…………謎の魔物を倒したのですが、倒した魔物から、それに似た物を額につけた男性が出てきまして…………。あの後、ギルドで預かって貰ったのですが、まもなく、姿を消したと……………」

 

 それを見た灯悟と狼真はそんな風に呟く。

 それを聞いて、テルティナが首を傾げる中、イドラはそう説明する。

 イドラの説明を聞いたテルティナは。

 

「心配には及びません。もう、あの方なら大丈夫ですよ。それにしても、あの魔物を一度倒したのは、あなただったとは…………!」

「いえ、私ではなく、彼の…………」

「ああ!俺たちの絆の一撃!ビクトリー・キズナバスターでぶっ倒したんだぜ!」

 

 テルティナは、その男…………ノイゼル卿が無事である事を伝えた。

 そして、ノイゼル卿が変貌した魔物を倒したと聞いて、そんな風に言うと、イドラは灯悟を示しながらそう言うと、灯悟はそう叫ぶ。

 それを聞いたテルティナとロゥジーは。

 

「っ!テルティナ様に対し、何という口の利き方を……………!

「びくとりー…………きずなばすたー…………?魔法名か何かでしょうか…………?」

「まあ、そうなるよな…………」

あなたが絡むと、説明が難解になるから黙ってて頂戴!

 

 ロゥジーが馴れ馴れしい態度の灯悟に苛立つ中、テルティナは首を傾げる。

 狼真がそう呟く中、イドラは灯悟の胸ぐらを掴みながらそう叫ぶ。

 すると。

 

「流石は魔導研究の名門と名高きアーヴォルン家!あの魔物を倒す程の魔法を編み出すとは…………!」

「うう…………」

「イドラさんならば、この魔導具…………"魔力の種"の謎を解明できるかもしれませんね」
「魔力の種?」

 

 テルティナは、ビクトリー・キズナバスターを新たな魔法と解釈して、そんな風に言う。

 イドラが何とも言えない表情を浮かべる中、テルティナはそう言って再びビンへと触れ、イドラ達はその瓶の中身を見る。

 ちなみに、ゴラムがテルティナとロゥジーの為に紅茶を淹れたのだが、ロゥジーの物だけ少しだけ溢れてしまった。

 すると、テルティナは口を開く。

 

「この種は、体に植え付けると魔力が増幅され、宿主の願望を叶えるための特殊な魔法………"特権魔法"が使えるようになるという代物です」


「願望を………」


「叶えるための魔法?」

「それって普通の魔法とどう違うんだ?」

 

 テルティナはそんな風に説明をする。

 魔力の種について。

 それを聞いた狼真とイドラがそう呟く中、灯悟がそう聞くと、テルティナは口を開く。


「例えば、手に余る程の金貨を欲した者は、触れた物全てを金貨に変える物質変換魔法を…………あるいは、大切な財宝を守りたいと考えた者には、一万坪の敷地を覆うほどの巨大な結界魔法を…………。そんな超常の力を、付けただけで使えるようになる。それがこの"魔力の種"なのです」


「確かに修練無しでそんな魔法が使えるとなるとは異常ですね………。しかし、それが本当なら、画期的なのでは?」

 

 テルティナはそう説明する。

 特権魔法は、魔力の種を埋め込んだ者の願望に応じて使える様になるのだと。

 それを聞いたイドラがそんな風に言うと。

 

「…………うまい話には、裏がある…………そうだよな?」

「っ!」


「ええ。この種は成長して宿主の力を超えると、宿主の肉体を取り込み、異形の魔獣へと変貌させるのです」


「あのおっさんは種に取り込まれていたってことか!」

「そうなるな」

「しかし、そんな危険な物と分かっているなら、王族の権限で禁止できないのですか?」

 

 狼真はそんな風に聞く。

 ロゥジーが青筋を浮かべる中、テルティナは狼真の言葉に頷きながら、そんな風に言う。

 魔力の種が成長して、宿主の力を超えると、魔力の種に飲み込まれて、魔物と化すのだと。

 それを聞いた灯悟と狼真とイドラがそんな風に言うと。

 

「それが…………この件には、”王家の杖”シャウハが関与しているかもしれないのです」

「王家の杖が⁉︎」

「確証はありません。ですが、魔力の種はかなりの高額で取引されており、主に貴族達の間で出回っています。そんな情報を王家の杖が掴んでいないはずがありません。それに…………王国の魔導技術を掌握している者なら、魔力の種の様な特殊な魔道具を作る事も出来るはず。私は、王家の杖はその情報を把握しながら黙認していると…………私は考えています」

 

 テルティナはそんな風に言う。

 現在の王家の杖であるシャウハが、この一件に関与しているのではと。

 それを聞いて、イドラが反応する中、テルティナはそんな風に言う。

 それを聞いた灯悟は。

 

「なら、とっとと取っちめようぜ!」

「っ!」

「そうもいかないのです」

「何でだ?」

「シャウハには、他の王族達の後ろ盾があります。王族の中では立場の低い私が下手に盾突けば、容易に消されてしまうでしょう…………」

『確かに、第三王女って言ってたからな。立場は低いか…………』

 

 灯悟がそんな風に言うと、ロゥジーは再び苛立ち、テルティナはそう言う。

 狼真がそう聞くと、テルティナは自分の置かれている立場を話す。

 下手に楯突けば、消されてしまうのだと。

 狼真がそう考える中、テルティナは口を開く。

 

「…………貴族達は今、超常の力に酔って増長し、特権魔法を乱用し、民を理不尽に苦しめています。この事態を治めるのは、王女である私の責務。例え…………シャウハや他の王族と争う事になろうと…………」

「……………」

「その為にも、貴女(イドラ)の協力が必要なのです。シャウハを超える可能性を持つ大魔導士…………かつての王家の杖の一族…………その末裔である貴女の力が」

 

 テルティナはそう語っていく。

 魔力の種による特権魔法で、民を苦しめる貴族を止めたいと。

 狼真が無言で見つめる中、イドラに対してそんな風に協力を要請する。

 それを聞いたイドラは。

 

「分かりました!アーヴォルン家の当主としても、魔導技術の悪用は断じて見過ごせません。共に戦いましょう!テルティナ様!」

「ありがとうございます!イドラさん!」

 

 イドラはそんな風に了承する。

 それを聞いて、テルティナが笑いながらそう言うと。

 

『素晴らしいわ!まさか、シャウハを失墜させた上に、王族と懇意になれる一石二鳥のチャンスが巡ってくるなんて!』

 

 イドラは、心の中ではそんな風に考えていた。

 シャウハを失墜させて、王族と懇意になれるチャンスが来たと判断したのだ。

 すると。

 

「世界の危機と聞いては、黙ってられねぇぜ!その仕事、俺にも手伝わせてくれ!」

「乗りかかった船だ。手伝うぜ」

「…………まっ、あなた達なら絶対に言い出すと思ったわよ」

「まぁ!味方は多いに越した事はないので、とても助かります!」

「お待ち下さい、テルティナ様」

 

 灯悟と狼真はそんな風に言う。

 2人も手伝うのだと。

 それを聞いたイドラとテルティナがそう言う中、ロゥジーはそう言うと、灯悟と狼真に剣を突きつける。

 

「え?えぇ…………?」

「ロゥジー?」

「浅垣灯悟に、遠山狼真と言ったな」

「ああ」

「そうだが…………」

「貴様らの様な無礼極まりない冒険者風情が…………テルティナ様の崇高なる旅路に同行するなど…………私は断じて認めん!」

「何だと⁉︎」

「無礼の辺りは自業自得よ。狼真もレッド程じゃないけどね」

「そうなるか…………」

 

 イドラとテルティナが困惑する中、ロゥジーはそう問いかける。

 灯悟と狼真がそう答えると、ロゥジーは2人の同行を拒否する。

 理由は、テルティナに対して、馴れ馴れしい態度を見せたからだ。

 灯悟がそう反応する中、イドラはそう突っ込み、狼真はそう呟く。

 すると。

 

「…………ロゥジー。正直に言いなさい」

私は!テルティナ様との2人旅を邪魔されたくありません‼︎

「…………正直でよろしい」

『あ、こいつ、意外と面白い奴だ』

 

 テルティナはロゥジーにそう言うと、ロゥジーは本当の理由を声高らかに叫んだ。

 テルティナとの2人旅を邪魔されたくないからと。

 それを聞いたテルティナがそんな風に呟く中、狼真はそんな風に思っていた。

 すると。

 

「そして何より…………貴女の剣は私1人で十分です」

「つまり…………足手纏いはいらないって事か…………!」

「あと、敬語を使えない無礼な奴もね」

「だったら!俺らの力が必要だって、あんたに認めさせれば良いって事だな⁉︎」

「そうなるな。やってやるか」

「身の程知らずが………!指先すら掛からぬ頂があるという事を教えてやろう!」

 

 ロゥジーは、テルティナに対してそんな風に言う。

 それを聞いた灯悟がそう言うと、イドラはそう突っ込む。

 実際、灯悟は敬語を使っていないからだ。

 灯悟と狼真がそう言うと、ロゥジーはそんな風に叫んだ。

 こうして、決闘が始まるのだった。

 


 

 その後、狼真達はある荒野へと移動した。

 

「それで、どちらから来るつもりだ?」

「俺から行く」

「何でだよ⁉︎」

「まあ、任せろって」

 

 ロゥジーがそんな風に聞くと、狼真はそう言う。

 まずは、狼真から行くと。

 灯悟がそう言うと、狼真はそんな風に言う。

 それを見ていたイドラは。

 

『…………まあ、狼真はレッドよりはまともだし、変な事をあまりしないと思うけど…………』

 

 そんなふうに考えていた。

 狼真なら、あまり派手な事はしないと。

 すると。

 

「イドラさん、本当に宜しいのですか?」

「何がです?」

「ロゥジーはかつて、"孤高の剣鬼"という異名を持つS級冒険者として、多くの高額賞金首をたった1人で討伐していました。そして、現在彼が装備しているのは、かつて、魔王を封印した勇者が振るったとされる伝説の神器、"王家の聖剣"。つまり、最強の剣士が最高の剣を装備しているのです。まともに戦って、彼に勝てる者など、この世界には殆ど居ないかと………」

「この世界には………ですか」

「?」

「狼真は負けねぇよ!」

 

 テルティナはイドラにそう問いかける。

 イドラがそう聞くと、ロゥジーの事を話す。

 ロゥジーが持っているのは、王家の聖剣であり、狼真が勝てるかどうかは分からないと。

 それを聞いたイドラがそう呟くと、テルティナは首を傾げて、灯悟はそう言う。

 

「それじゃあ…………行くぜ。エンゲージ!」

「ふっ!」

 

クラップユアハンズ!

 

 狼真はそんな風に言うと、ゴジュウウルフのセンタイリングを取って、テガソードに装填する。

 すると、ロゥジーは駆け出してきて、狼真も駆け出す。

 

「ふっ!はっ!」

「はっ!ハァァァァァ!」

 

 ロゥジーが聖剣を振るう中、狼真はテガソードで受け止めたり、受け流したりしながら、クラップをする。

 そして。

 

「ハァァァァァ!」

 

ゴジュウウルフ!

 

 狼真は一閃をすると、その音声と共に、ゴジュウウルフに変身する。

 すると。

 

「その奇抜な衣装…………貴様は道化師か?」

『嘘でしょ⁉︎あの男…………!狼真の変身を見て初見でビビってない⁉︎』

 

 ロゥジーはゴジュウウルフに変身した狼真を見て、そんな風に反応する。

 ロゥジーの反応を見て、イドラはそんな風に反応する。

 すると。

 

「イドラさん!あれは一体、どのような魔法なのですか⁉︎」

『テルティナ様はテルティナ様で肝座ってるし…………』

 

 テルティナは、そんな風に反応していた。

 意外と肝が座っているテルティナを見て、イドラはそんな風に思っていた。

 そんな中。

 

「ふっ!はっ!おらっ!」

「はっ!ハァァァァァ!」

 

 狼真とロゥジーは、お互いにぶつかり合っていた。

 狼真がテガソードによる斬撃と格闘戦を行う中、ロゥジーはそれを上手く捌き、聖剣で攻撃する。

 2人が一旦距離を離すと。

 

「やんじゃねぇか…………。『ぶっちゃけ、ロゥジーって奴を舐めてたかもな。だったら………!』これを使うか!」

 

 狼真はそんな風に思っていた。

 ロゥジーの実力を舐めていた事を後悔していたのだ。

 すると、狼真はそう言うと、ツメガバックルからあるセンタイリングを取り出す。

 

「エンゲージ!」

 

 そう言うと、狼真は取り出したセンタイリングを回転させる。

 取り出したセンタイリングの絵柄は、ティラノサウルス型のメカと五本の剣が合わさる絵だったが、回転すると、ティラノサウルス型のメカはそのままに、恐竜の頭の様な形の戦士の絵柄が出てくる。

 狼真が取り出したのは、騎士竜戦隊リュウソウジャーのセンタイリングだった。

 狼真はリュウソウジャーリングを、テガソードに装填する。

 

センタイリング!

 

 その音声が鳴ると、狼真は戦闘をしながらクラップをする。

 そして、テガソードのトリガーを引くと。

 

ケボーン!

リュウソウジャー!

 

 その音声が鳴ると、狼真の周りにリュウソウレッドが変身に用いるリュウソウルが周りに現れると、それが狼真に吸い込まれて、リュウソウジャーのクレストが浮かび上がる。

 狼真は、リュウソウレッドへと変身した。

 

「姿が変わりました!あれは一体…………!」

「リュウソウジャーって言ってたな!なんかかっこいいぜ!」

「本当に、姿がコロコロ変わるわね」

「姿が変わったところで…………!」

 

 それを見たテルティナ、灯悟、イドラ、ロゥジーはそんな風に反応する。

 ロゥジーが聖剣を手に向かってくると。

 

「ふっ!はっ!」

 

 狼真は、リュウソウジャーの基本装備であるリュウソウケンを持って、ロゥジーと応戦していく。

 狼真がリュウソウケンで攻撃する中、ロゥジーは冷静に動きを見切っていた。

 

「行くぜ!ハァァァァァ!ディーノスラッシュ!」

 

剣ボーン!

 

 狼真はそう叫ぶと、ディーノスラッシュを発動させる。

 すると、リュウソウレッドのパートナーであるティラミーゴの頭部のエネルギーがロゥジーに襲いかかり、吹き飛ばす。

 

「少しはやる様だな。ならば、こちらも少々本気を出してやろう。第二聖剣!核熱怒業(ドラグラース)!」

 

 ロゥジーは、ディーノスラッシュで多少吹き飛ばされつつも、狼真の事を少しは認めたのか、本気を出すと宣言する。

 すると、ロゥジーの聖剣の形が変わり、見た目が片刃大剣となり、峰にスラスターが付いていた。

 

「剣の属性と形状が変化した⁉︎」

「すげぇな!ますます絆の結びがいがありそうだぜ!」

「それがお前の剣の特性か…………!だったら…………!こっちも変えるだけだ!エンゲージ!」

 

 それを見たイドラがそう叫ぶ中、灯悟はそう言う。

 狼真はそう言うと、ツメガバックルから別のセンタイリングを取り出して、回転させる。

 取り出したセンタイリングの絵柄は、赤い消防車と四色の宝石が合わさる絵だったが、回転すると、赤い消防車はそのままに、赤い宝石の様な姿の戦士の絵柄が出てくる。

 狼真が取り出したのは、魔進戦隊キラメイジャーのセンタイリングだった。

 狼真はキラメイジャーリングを、テガソードに装填する。

 

センタイリング!

 

 その音声が鳴ると、狼真はクラップをする。

 そして、テガソードのトリガーを引くと。

 

キラメイジャー!

キラメこうぜ!

 

 その音声が鳴ると、狼真の周りに魔進ファイヤが飛び回ると、狼真と合わさる。

 狼真は、キラメイレッドに変身した。

 

「キラメイショット!ハァァァァァ!」

「ふんっ!ハァァァァァ!」

 

 狼真はキラメイジャーの基本装備であるキラメイショットとキラメイソードの二つを持って、ロゥジーに向かっていく。

 狼真がキラメイショットから放たれる弾丸を跳弾させる様に変幻自在に撃つ中、ロゥジーは第二聖剣のパワーで、キラメイショットの弾丸を叩き落としていく。

 狼真は、キラメイソードによる斬撃も行い、一進一退の攻防が繰り広げられていた。

 イドラ達は、固唾を飲んで見守っていた。

 

「少しはやる様だが…………私には及ばない!」

「だろうな…………でも、俺だってやる時はやるんだよ!エンゲージ!」

 

 ロゥジーはそんな風に言う。

 狼真の実力がロゥジーに及んでおらず、センタイリングによってカバーしているに過ぎないのだと。

 それを聞いた狼真は、別のセンタイリングを取り出して、回転させる。

 取り出したセンタイリングの絵柄は、桃のメカと神輿に担がれる鳥の頭部の衣装が入った赤いバイクが合わさる絵だったが、回転すると、桃のメカはそのままに、桃太郎の様な姿の戦士の絵柄が出てくる。

 狼真が取り出したのは、暴太郎戦隊ドンブラザーズのセンタイリングだった。

 狼真はドンブラザーズリングを、テガソードに装填する。

 

センタイリング!

 

 その音声が鳴ると、狼真はクラップをする。

 そして、テガソードのトリガーを引くと。

 

ドンブラザーズ!

よっ!日本一!

 

 その音声が鳴ると、狼真の頭上にドンモモタロウのアバタロウギアが現れ、狼真を通過する。

 狼真は、ドンモモタロウに変身した。

 

「また姿を変えたか。これで行くとしよう。第三聖剣!羨姫絶響(エンヴィーネ)!」

 

 ドンモモタロウに変身した狼真を見たロゥジーがそう叫ぶと、聖剣がサーベルの形になる。

 

「行くぜ!召喚(サモン)!お供達!」

「なっ⁉︎くっ…………!鬱陶しい!」

 

 狼真はそう叫ぶと、手に持った犬、猿、雉の折り紙を放り投げる。

 すると、それらの折り紙は複製されて増え、ロゥジーを攻撃していく。

 これが、ドンブラザーズリングの指輪の固有能力だ。

 ロゥジーはそんな風に叫ぶと、折り紙を水の触手で貫く。

 

「ハァァァァァ!」

「ふっ!はっ!」

 

 狼真はドンモモタロウの武器であるザングラソードを取り出すと、ザングラソードで攻撃していく。

 ロゥジーと狼真の剣戟は、激しさを増していく。

 すると。

 

「「ハァァァァァ!」」

 

 2人はそう叫ぶと、お互いに剣を振るう。

 すると、お互いの剣は、それぞれの切先が喉を捉えていた。

 

「……………引き分け…………だな」

「…………ふんっ」

 

 狼真とロゥジーはそんな風に言うと、お互いに剣を下ろして、狼真は変身を解き、ロゥジーは剣を元の形状に戻す。

 

「…………まあいいだろう。次は貴様だ。浅垣灯悟!」

「おう!俺が勝ったら、テルティナに協力するのを認めてもらうぜ!」

「テルティナ様を呼び捨てにするな!下郎が!私が勝ったら、二度と私の前に現れないことを誓え!」

「男に二言はねぇぜ!」

 

 ロゥジーはそう言うと、灯悟の方を見ながらそんな風に叫ぶ。 

 狼真はイドラ達の元に向かう中、灯悟はロゥジーと向き合う。

 灯悟がそんな風に言うと、ロゥジーもそんな条件を付ける。

 2人がそんな風に言うと。

 

絆装甲(バンソウプレート)!セット!」

 

 灯悟はそう叫ぶと、絆装甲(バンソウプレート)をキズナブレスに装填する。

 

ぺっTURN(ターン)

 

 そんな音声が鳴る中、灯悟は叫んだ。

 

「絆装チェンジ!」

 

 灯悟がそう叫ぶと、キズナレッドへと変身していく。

 

「燃え盛る!熱き友情の戦士!キズナレッド!」

 

ドゴォォォォン!

 

 灯悟がそんな風に名乗りをあげると、爆発が起こる。

 それを見ていたロゥジーは。

 

「派手な爆発に、奇抜な衣装…………貴様も遠山狼真と同じく、道化師か?」

『やっぱり…………レッドの変身を見ても、ビビってないわね…………。私ですら、未だにビビるのに…………』

 

 ロゥジーはそんな風に言う。

 狼真の時と同じ反応であった為、イドラはそんな風に思っていた。

 すると。

 

シェイクハンドッキング!

 

「握手カリバー!」

 

握手カリバー!

 

 灯悟は握手カリバーを出して、薙刀状にすると、構える。

 すると。

 

「イドラさん!あれは一体、どの様な魔法なのですか⁉︎」

『やっぱり、テルティナ様も嬉しそうね………』

 

 テルティナは、狼真がゴジュウウルフに変身した時と全く同じ反応をして、イドラはそんな風に思う。

 

「「でやぁぁぁぁぁ!」」

 

 すると、2人はそう叫んで向かっていく。

 それぞれの持っている剣で攻防を繰り広げていく。

 

「ううっ!」

「ふっ!」

 

 2人がぶつかり合い、一度離れると、もう一度向かっていく。

 お互いに互角に戦っていた。

 ロゥジーの攻撃で、灯悟が下がると。

 

「くっ…………!強い…………!幹部怪人クラス…………いや、それ以上だ!」

「多少は戦える様だな。ならば…………少々本気を出してやろう!第二聖剣!核熱怒業(ドラグラース)!」

 

 灯悟とロゥジーはそんな風に言う。

 灯悟からしたら、ロゥジーの強さはこれまでに戦ってきた幹部怪人を上回る様な強さだった。

 ロゥジーはそう言うと、再び聖剣を第二聖剣に変化させる。

 すると。

 

「お〜!やっぱりかっけぇな!よし!そっちが本気出してくれんなら…………こっちも本気を見せるぜ!」

「ちょっ…………⁉︎本気ってまさか⁉︎」

「やる気かよ…………⁉︎」

「来い!キズナビースト!」

 

キズナビースト!

 

 灯悟がそんな風に言うと、狼真とイドラは嫌な予感がしたのか、そんな風に言う。

 すると、灯悟はそう叫ぶと、キズナビーストを召喚する。

 

「新たな絆を創る為、出し惜しみなしの全力全開だぁぁぁあ!」

「ゼンカイジャー?」

「獣型…………大型ゴーレム…………5体⁉︎」

 

 灯悟はそんな風に叫んだ。

 狼真が、灯悟の言葉にそんな風に反応する中、ロゥジーは唖然となる。

 そして。

 

絆創合体!

 

「絆創合体!マキシマム・キズナカイザー‼︎」

 

 そんな音声が鳴る中、灯悟はそう叫び、マキシマム・キズナカイザーが完成する。

 

「あぁぁぁぁぁ…………⁉︎な、なんだこれは…………⁉︎」

 

 それを見ていたロゥジーは、唖然となる。

 何しろ、目の前に鋼の巨人が現れたのだから。

 ロゥジーが呆然としていると。

 

「…………レッド。ちょっとコレは…………流石に人としてどうかと思うわよ」

「流石に俺もちょっとはしゃぎ過ぎちゃった気がするぜ。う〜ん…………どうしよう」

「どうしようじゃねぇだろ…………対人戦なんだぞ?なんでマキシマム・キズナカイザーを出すんだよ……………」

 

 イドラはドン引きしながらそう言う。

 灯悟も、やり過ぎた自覚があったのか、そんなふうに言う。

 そんな灯悟に対して、狼真は頭を抱えながら突っ込んでいた。

 ただし、本家スーパー戦隊でも、轟轟戦隊ボウケンジャーの間宮菜月/ボウケンイエローが、似た様な事をやったが。

 ちなみに、操縦席には狼真の姿もあった。

 すると。

 

「すごい!これは一体何なのですか⁉︎」

「うぇぇぇ⁉︎テルティナ様⁉︎」

「いつの間に……………⁉︎」

「ちょっ…………⁉︎これって絆を結んだ仲間しか乗れないんじゃなかったの⁉︎2人…………大した会話もしてないでしょ⁉︎」

 

 そう。

 操縦席には、テルティナの姿もあった。

 狼真とイドラが驚く中、イドラが灯悟にそう聞くと。

 

「アハハハハ!何言ってんだ、イドラ!自己紹介したし、目的も聞いたし、共感もできた。これはもう絆だろ!」

「……………前から思ってたけど…………アンタの絆判定、ガバすぎない?」

「桃井タロウと同じくらいだな…………」

 

 灯悟はあっけらかんとそんな風に言う。

 それを聞いたイドラと狼真はそんな風に呟いた。

 実際、桃井タロウ/ドンモモタロウも、他者との縁を大切にする人物だからだ。

 すると。

 

「お〜い!ロゥジー!良い景色ですよ〜!」

「テルティナ様⁉︎ 貴様!テルティナ様を人質にとるつもりか⁉︎

「いや、そんなつもりは…………⁉︎」

 

 テルティナは、マキシマム・キズナカイザーを見上げていたロゥジーにそう話しかける。

 それを見たロゥジーは、ブチ切れてそんな風に叫ぶ。

 灯悟が弁解しようとすると。

 

テルティナ様を返せ!この!ド外道がぁぁぁぁ!

「と、飛んだ⁉︎」

「やっぱり、飛べるんだな…………」

 

 頭に血が上り、ロゥジーはそんな風に叫ぶと、聖剣の力でジャンプする。

 それを見た灯悟と狼真がそんな風に反応すると。

 

でやぁぁぁぁ!

 

 ロゥジーは聖剣を振るい、マキシマム・キズナカイザーを仰け反らした。

 

「嘘っ⁉︎」

この巨体を仰け反らした⁉︎

「あれに生身で当たったら、無事じゃすまねぇな……………!」

 

 仰け反ったのを見て、イドラ、灯悟、狼真はそんな風に反応する。

 灯悟は何とかロゥジーを掴もうとするが…………。

 

「しかも、こっちは相手が小さすぎて、攻撃が当たらないぜ!」

『この兵器、同サイズの相手と広い所でしか戦えないポンコツなのでは?』

「まあ、戦隊ロボは小さい相手とは戦わないし……………。そう考えると、テガソードって割とぞんざいな扱いを受けてたんだな…………」

 

 灯悟はそんな風に叫ぶ。

 実際、灯悟視点だと、ロゥジーが小さすぎて、全く当たらないのだ。

 それを聞いたイドラがそう思う中、狼真はそう呟く。

 テガソードも、序盤はショベル代わりや家庭菜園にも使われていたのだ。

 すると。

 

テルティナ様…………!今、お助けします!

へへっ!アンタも良い絆、持ってるじゃねぇか!ロゥジー!ますます一緒に旅をしたくなってきたぜ!

 

 ロゥジーは、テルティナを助けようとしてそう言うと、灯悟はそんな風に言いつつ、マキシマム・キズナカイザーの右手を天に向ける。

 すると、空から一本の剣が現れる。

 

グレート・(バン)ソード!

 

グレート・(バン)ソード!

 

 灯悟はそう叫ぶと、マキシマム・キズナカイザーの武装の一つ、グレート・(バン)ソードを構える。

 それを見たロゥジーは。

 

「そんなデカブツで、私を捉えられると思っているのか⁉︎」

「思っちゃいねぇぜ!だから!扇ぐんだぜ‼︎」

 

 ロゥジーはそんな風に叫ぶ。

 ロゥジーの叫び声に対して、灯悟はそう答えると、グレート・絆ソードで思い切り扇いだ。

 すると。

 

「ぽぁ⁉︎あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

 マキシマム・キズナカイザーのグレート・絆ソードの扇ぎによって出た風は、ロゥジーをあっさり吹き飛ばしてしまった。

 ロゥジーが星になる中、それを見ていた灯悟達は。

 

「いや…………あれ、死ぬんじゃない?」

「ホームラ〜ン…………」

「……………あ」

「ロゥジィィィィィィィ‼︎」

 

 イドラと狼真がそう呟くと、灯悟はそんな風に反応した。

 すると、テルティナはそんな風に叫んだ。

 その後、ロゥジーの落下地点に向かって、何とか救護する事に成功した。

 

「ううっ…………て、テルティナ様…………。やはり、遠山狼真はともかく、あの様な得体の知れない奴を同行させるのは…………断固、反対です……………」

『そりゃそうなるわな…………』

 

 ロゥジーはそんな風に呟く。

 狼真はともかく、灯悟を連れていくのは反対だと。

 それを聞いて、イドラがそう思う中。

 

「ですが、ロゥジー。狼真さんはともかく、あなたに勝てたら動向を認めるという約束ですよ?」

「しかし…………!」

「では、逆に考えてみてはどうですか?狼真さんも含めて、あんな力を持った人間2人を野放しにしたら、魔力の種より危険だと」

『『確かに…………』』

『ぐうの音も出ねぇな…………』

 

 テルティナはそう指摘する。 

 引き分けになった狼真はともかく、灯悟は勝ったのだから、同行するのを許す約束だと。

 それを聞いて、ロゥジーが顔を背ける中、テルティナはそんな風に言う。

 それには、イドラとロゥジー、狼真はそんな風に思う。

 実際、狼真もテガソードを使える為、灯悟と同じくらいには危険なのだ。

 

「ならば、味方になってもらった方が安心でしょう?」

「はぁ…………致し方ありません。浅垣灯悟、遠山狼真!貴様らの同行を認めてやる…………!だが、貴様らと馴れ合うつもりはないからな!特に浅垣灯悟!」

「へへっ!」

「何がおかしい?」

 

 テルティナがそう指摘すると、ロゥジーはため息を吐いて、渋々という形で同行を許した。

 そんな風にロゥジーが釘を刺す中、灯悟は笑みを浮かべる。

 ロゥジーがそう聞くと。

 

「そういう言葉を吐いて、俺と絆を結ばなかった奴は居ないんだぜ!」

「まあ…………俺も馴れ合うつもりじゃないから、安心しろ」

 

 灯悟と狼真はそんな風に言う。

 灯悟はともかく、狼真もロゥジーに深入りするつもりはない様だ。

 こうして、灯悟、狼真、イドラの3人もテルティナとロゥジーの旅に同行する事になったのだった。

 


 

 その翌日、出立の時が来た。

 

「という訳で、留守は頼んだわよ」

「あの引きこもりのイドラお嬢様が、まさか旅に出立とは……………。レッド様、狼真様」

「何なんだぜ?」

「何だ?」

 

 イドラはポセイドンにそう話しかける。

 屋敷の留守は、ポセイドンが預かる事になったのだ。

 ポセイドンが灯悟と狼真に話しかけると。

 

分かっておりますね?

「ううっ…………」

「「?」」

 

 ポセイドンはそう言うと、脅す様に枝切り鋏を見せる。

 それを見て、灯悟と狼真が股間を抑える中、テルティナとロゥジーは首を傾げる。

 そうして、旅に出る事になった。

 テルティナは地図を広げて、4人はそれを見る。

 

「まず私たちが目指すのは、喧騒の街とも呼ばれるアカリナ。ここの領主に、魔力の種の所持疑惑があるのです」

「まずはそこに向かうんだな」

 

 テルティナはそう説明する。

 目的地が、アカリナという街である事を。

 狼真がそう呟くと。

 

「皆!ガンガン行こうぜ!」

「黙れ!テルティナ様に合わせられんのか!浅垣灯悟!」

 

 灯悟はそんな風に言う。

 それに対して、ロゥジーがそう言うと、灯悟は口を開く。

 

「良い加減、フルネームで呼ぶのをやめてくれよ」

断る!

「何でだよ?テルティナだってレッドって呼んでくれてるのにさ」

 

 灯悟は、ロゥジーに対してフルネーム呼びをやめる様に言うが、ロゥジーはそう叫ぶ。

 灯悟がそんな風に言うと。

 

「ふふっ…………そうですね。レッドさん。殿方を愛称で呼ぶなんて、初めての経験です」

浅垣灯悟!貴様ァァァァァ!私だって…………愛称で呼ばれた事など、無いんだぞ!

「だったら、俺が呼んでやるぜ!ろぅくん!」

黙れぇぇぇぇぇっ!

 

 テルティナは照れた様にそんな風に言う。

 すると、ロゥジーはそんな風に叫んだ。

 そんなロゥジーに対して、灯悟がそんな風に呼ぶと、ロゥジーは灯悟に襲いかかる。

 

「何で、火に油を注ぐ様な真似をするんだよ…………」

「あらあら。また始まりましたね。イドラさん」

『やれやれ…………このメンツでやっていけるのか……………心底…………不安…………!』

 

 狼真が呆れた様にそう言う中、テルティナはそんな風に言う。

 それを見ていたイドラは、そんな風に思うのだった。

 


 

 そんなやり取りがありつつも、一行はアカリナの街に向かっていた。

 

「喧騒の街、アカリナ。冒険者や行商人はもちろん、多種多様な人種が行き交う喧騒と活気に満ちた街……………って、聞いていたのですが…………」

「その筈ですが……………」

「聞いていた雰囲気と違うな……………」

 

 アカリナの街に到着して、テルティナはそう説明する。

 だが、最後の方には困惑が満ちていた。

 その理由は、街があまりにも静かであり、事前情報と違っていたからだ。

 狼真がそう呟く中。

 

「あの〜…………すいません。ここの領主について聞きたいんだけど…………」

「ひぃい!」

「なぁ!ここの領主って…………」

「知らないよ!」

「領……………」

 

 灯悟は聞き込みを行おうとしていた。

 だが、街の住人からは避けられており、何も聞けなかった。

 

「くっ…………!諦めないぜ!この街の人達とも、絆を結んでみせる!」

「目的を見失うなよ……………」

「私たちの目的は、あくまで魔力の種の調査よ?でも…………絆はともかく、これじゃあ領主の事も聞けやし無い…………」

 

 灯悟はそんな風に叫ぶ中、狼真とイドラはそう突っ込む。

 イドラがそう言う中、建物の影から1人の人物が灯悟達を見ていた。

 

「あの住民どもの怯え方…………尋常では無いですね。それに、この街がここまで静まり返るなんて…………」

「やはり、魔力の種と何か関係が…………。それに、領主が何かをしている様ですね。それも、この街の人々があそこまで怯える何かを………。何とか、領主に…………」

「アンタら…………御領主様に関わるのはやめておきな」

 

 周囲を見ていたロゥジーとテルティナは、そんな風に話す。

 この変貌が、魔力の種を使った領主の仕業であると。

 すると、ある1人の人物がそう話しかける。

 

「アンタ、何か知ってるのか?」

「この街に何が起こってるんだ?」

「…………住民から何か聞き出したいのだろうけど、無駄だよ。御領主様について余所者に話すことは、”掟”で禁じられている」

「掟…………?」

「悪い事は言わない。早々にこの街から立ち去りな」

 

 灯悟と狼真がそう聞くと、その人物はそんな風に答える。

 掟により、話すことができないのだと。

 テルティナが首を傾げる中、その人物はそう忠告して、立ち去っていく。

 それを聞いた面々は。

 

「掟…………破ると厳しい罰則があるという事でしょうか……………」

「住民はそれに怯えているって事か!」

「しかし、余所者に情報を話したかどうかなんて、誰かが告げ口でもしない限り、露見しないのでは…………?」

「確かに。どういう仕組みだ?」

「それは多分……………この魔力領域が原因でしょう」

 

 テルティナがそう呟くと、灯悟はそんな風に反応する。

 テルティナの疑問に、狼真がそう反応する中、イドラはそう言う。

 

「魔力領域?」

「ええ。街全体が気持ち悪い魔力に覆われています。恐らく、この魔力で街全体を監視しているのでしょう」

「道理で…………息苦しく感じたのは、その為ですか」

 

 狼真がそう首を傾げると、イドラは頷きつつそう説明する。

 テルティナがそう呟くと。

 

「魔法には、そんな事が出来るのか?」

「熟練の魔導士でも、街一つ魔力で覆うなんて出来ないわよ」

「だとすると…………特権魔法の可能性がありますね」

「まあ、掟とか、監視とか。碌でも無い領主って事は確かですね」

 

 狼真がそう聞くと、イドラはそんな風に返答する。

 テルティナがそう言う中、イドラはそう言う。

 すると。

 

「御領主様の陰口を言うべからず」

「ん?」

「後ろだ!」

「イドラ!」

「ふごっ⁉︎」

 

 そんな声と共に、頭に釘が刺さった様な風貌の怪物が現れる。

 狼真がそう叫ぶ中、イドラは灯悟によって抱き抱えられ、イドラのいた所には、怪物が棍棒を振り下ろしていた。

 

「何だこいつは…………⁉︎」

「処刑人みたいな風貌だな…………」

「な、なるほど…………これも領主の特権魔法ってわけね……………」

 

 灯悟と狼真がそう呟く中、腹を抱えられて、苦しそうなイドラはそう言う。

 すると。

 

「ほう…………特権魔法を知っているとは」

「誰だ⁉︎」

「大方、この街の領主だろうな」

「ご名答。ここアカリナの領主(あるじ)、ルルグアット。この街の”秩序”と”静寂”を守る者でございます」

「この人がこの街の領主…………?」

 

 そんな声と共に、その処刑人の様な怪物の間に1人の老人が現れる。

 灯悟がそう叫ぶと、狼真はそう言う。

 その老人…………ルルグアットは狼真の言葉に肯定しつつ、そんな風に言う。

 イドラがそう呟く中、テルティナは口を開く。

 

「ルルグアット卿…………!私は、アヴァルロスト皇国第三王女、テルティナ・リズ・ワーグレイ・アヴァルロスト!魔力による領民の抑圧…………王族の1人として、看過できません!魔力の種の即刻廃棄を命じます!」

「「「おお……………」」」

「ふつくしい…………!」

 

 テルティナは毅然とした態度で、ルルグアット卿にそう言う。

 灯悟達がそんな風に反応する中、ロゥジーは感動した様に拍手をしていた。

 すると。

 

「……………領民の抑圧?はて?私はただ、無秩序だったこの街に…………秩序と安寧を齎そうとしているだけですよ」

「そんな力で人々を脅しておいて、何が秩序だ!」

「これは脅しなどではなく、導きです」

「導きだと?どういう意味だ?」

 

 ルルグアット卿は、首を傾げるとそんな風に言う。

 灯悟がそう言うと、ルルグアット卿はそんな風に答えた。

 狼真が首を傾げながらそう聞くと、ルルグアット卿は口を開く。

 

「この街に居る者の多くは、楽園に到達出来ない迷い人。私はそんな彼らが過ちに迷わぬ様、間違った道に棘を撒いているのです」

「何が棘だ…………!街を見てみろよ!皆、アンタの罰を…………棘を踏むのを怖がって、足を止めている!正しい道に導きてぇって言うんなら、手を引いて一緒に歩けば良いじゃねぇか!」

「その通りです!街の秩序と治安も、民と考えていけば…………!」

 

 ルルグアット卿はそんな風に言う。

 それを聞いた灯悟がそんな風に言うと、テルティナもそんな風に言う。

 すると、テルティナの言葉を遮る様に、ルルグアット卿は口を開く。

 

「何を言うのです。皆が私の掟に従い、慎ましく健全に生活している。これこそが…………”秩序ある楽園”ではありませんか」

 

 ルルグアット卿はそんな風に笑みを浮かべながら言う。

 だが、その笑みはあまりにも邪悪な物だった。

 それを聞いた灯悟と狼真は。

 

「……………よく分かったぜ。アンタが作りたいのは、秩序じゃねぇ!自分の思い通りになる箱庭だって事がな!

「気にいらねぇな。そんな箱庭…………ぶっ潰してやる!エンゲージ!」

 

ゴジュウウルフ!

 

ドゴォォォォン!

 

 2人はそう叫ぶと、灯悟はキズナレッドに、狼真はゴジュウウルフに変身する。

 それに対して。

 

「嘆かわしい…………。人生経験の浅い若者には、この街の良さが分かりませんか」

「御領主様に歯向かうべからず!」

「分かってたまるか!そんなもん!」

「うるせぇ!」

 

 ルルグアット卿はそんな風に言う。

 すると、背後に処刑人が現れて、2人は攻撃する。

 だが。

 

「ぐっ⁉︎」

「何で背後に…………⁉︎」

「レッド!狼真!」

「レッドさん!狼真さん!」

 

 2人が攻撃した処刑人が消えると、2人の背後に現れて、攻撃する。

 2人が攻撃を受けて、吹き飛ぶ中、また背後に現れて、攻撃をしていく。

 

「何だこれ⁉︎次から次へと!これじゃあ…………身動きが取れねぇ!」

「くっ………!センタイリングを変える暇がない⁉︎」

 

 2人は一方的に背後から攻撃を受けて、身動きが取れずにいた。

 それを見ていたイドラは。

 

『あの領主の特権魔法は恐らく…………街中に張り巡らせた魔力で掟を破った者を感知し、裁きを下す使い魔を召喚するという複合魔法………!』

「秩序を乱す者が沈黙するまで、裁きは続きますよ」

『その上、魔力領域からレッドと狼真の死角を読み取り、そこに次々と使い魔を召喚し続けている…………あんな使い魔を何度も召喚する魔力量に、それを制御する複雑な術式………これが…………魔力の種と特権魔法の力…………!』

 

 イドラはそんな風に分析していた。

 ルルグアット卿の特権魔法が、魔力領域による観測と使い魔の召喚である事を。

 そんな風に思う中、テルティナはロゥジーに話しかける。

 

「ロゥジー!早くレッドさんと狼真さんに加勢を!」

「私が助けに行っても、殴られる人数が増えるだけでしょう。それより今は、奴らを囮にして、敵の魔法の弱点を探るべきです」

「……………ロゥジー、正直に言いなさい」

 

 テルティナは、何もしていないロゥジーにそう言うと、ロゥジーはそう答える。

 2人を囮にして、ルルグアット卿の特権魔法の弱点を探るべきだと。

 それを聞いたテルティナがそう言うと。

 

奴らの無様な姿を見れて良い気味なので、もう少し眺めさせてください

正直でよろしい!けど、今は嘘でも助けに行って‼︎

 

 ロゥジーはそんな風に言う。

 決闘での屈辱を晴らさんとばかりに、傍観を決め込んでいたのだ。

 そんな最低な事を当然の様に口走ったロゥジーに対して、テルティナはそう叫んだ。

 そんなやりとりをする中。

 

「くっ…………!こうなりゃ…………キズナビースト…………うわぁぁぁぁぁ⁉︎」

「灯悟⁉︎ぐっ⁉︎」

 

 灯悟は、マキシマム・キズナカイザーを出そうとするが、背後からの強烈な一撃を受けてしまう。

 狼真が気を取られると、狼真も攻撃を受ける。

 強烈な攻撃を受けた2人は、強制変身解除に追い込まれる。

 

「レッドーーーっ!狼真ーーーっ!」

 

 生身に戻ってしまった2人に、使い魔はトドメを刺そうとしていた。

 それを見て、イドラはそんな風に叫んだ。

 果たして、2人の運命は……………。




今回はここまでです。
今回は、テルティナとロゥジーの初登場です。
狼真も、センタイリングを活用して、引き分けに持ち込めました。
灯悟は、色々とやらかしましたが。
そんな中、アカリナで戦闘が起こる。
アカリナでのロゥジーの問題発言は、気持ちは分かりますが、やばいですよね。
もう少しと言っていたので、一応助ける気はあったんでしょうが、その後に嘲笑っていたので、最初から嘲笑うつもりだったんでしょうね。
果たして、灯悟と狼真はどうなるのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ゴジュウジャーでは、テガジューンがテガソードとグーデバーンと和解しましたね。
クオンも、吠と和解して、ガリューデカリバーという剣になるとは。
ただ、ファイヤキャンドルは孤独になってしまったと言う。
そして、次回には最後のユニバース戦士であるニンジャレッドと、応募によって誕生したオリジナルのスーパー戦隊であるオリガレッドが登場するみたいですね。
厄災クラディスや、堤なつめなどの決着はどうなるのか。
楽しみです。
この小説でリクエストがあれば、活動報告から承っております。
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