戦隊終わったら異世界でゴジュウウルフになりました   作:仮面大佐

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第4話 2人の戦隊レッドと絆の剣

 アカリナの街にやってきた狼真達。

 そこで、アカリナの領主であるルルグアット卿と遭遇し、戦闘が起こった。

 だが、ルルグアット卿の特権魔法によって翻弄され、変身解除に追い込まれてしまった。

 

「レッドーーーっ!狼真ーーーっ!」

 

 生身に戻ってしまった2人に、使い魔はトドメを刺そうとしていた。

 それを見て、イドラはそんな風に叫んだ。

 すると、使い魔と狼真達の間に、一つの球が入ってくると、その球が炸裂し、煙が周囲に撒かれる。

 

「この煙…………また、彼らですか」

 

 ルルグアット卿はそんな風に呟いた。

 煙が晴れると、狼真達の姿は消えていた。

 


 

 その頃、狼真達はある場所にいた。

 すると、灯悟と狼真は口を開いた。

 

「ありがとう、助かったぜ」

「助かった」

「だから、あの領主には関わるなと言ったのさ」

 

 灯悟と狼真がそうお礼を言う中、その女性はそんな風に言う。

 すると、灯悟は口を開く。

 

「ここは一体何なんだ?」

「あの領主から街を取り戻そうとしている反抗軍のアジトだよ。私はここのリーダーのグロッサだ」

「反抗軍って…………そんな事をすれば、領主の罰が下るのでは?」

 

 灯悟がそう聞くと、その女性はグロッサと名乗りながら、そう説明する。

 それを聞いたテルティナがそう言うと。

 

「奴の魔力領域は街の中だけ。ここは街の外だから、奴に感知される事はないわ。…………で、あんたらは何で、あの領主と戦ってたりしてたんだい?」

 

 グロッサはそう説明する。

 ルルグアット卿の魔力領域は街の中だけであり、街の外までは気づかれないのだ。

 グロッサは、灯悟達にそう聞いた。

 


 

 そこから、灯悟たちは語っていく。

 何故、アカリナの領主と戦っていたのかを。

 アカリナの領主であるルルグアット卿は、魔力の種を使用しており、それを回収しようとしたのだと。

 それを聞いたグロッサは。

 

「なるほど…………魔力の種…………その回収か。そういう事情であれば、こちらも全面的に協力しよう。ここの設備も好きに使いな」

「助かるぜ」

「助かる…………は、こちらのセリフだ。あたし達の力じゃ、あの領主に対抗出来なかったからね」

 

 グロッサは事情を聞いて、協力する旨を伝える。

 それを聞いて、狼真がそう言うと、グロッサはそう答える。

 それを聞いていたロゥジーが口を開く。

 

「だったら、何故あの街にこだわる?あんな危険な領主に反抗せずとも、他の街に移住すれば良いだろう?」

「……………確かに、あの領主を恐れて、他の街に逃げた奴は大勢居たよ。…………でもね、あたしらはあの街が好きなんだよ。日が暮れても絶える事がない喧騒が…………1日として同じ顔ぶれにならない賑やかなあの街が…………堪らなく好きなのさ。だから何としても、取り戻したいんだよ。あたし達の故郷を。アンタらには無いのかい?そういう故郷が」

「「……………」」

 

 ロゥジーはそんな風に聞いた。

 危険な領主に反抗せずに、街を出ていくのも選択肢にあったのではと。 

 それに対して、グロッサはそう語る。

 故郷であるアカリナの街を取り戻したいのだと。

 グロッサの問いに対して、灯悟と狼真はある事を考えていた。

 灯悟は、元の世界に居るキズナファイブの面々についてを考えていた。

 狼真は、とある3人のことを考えていた。

 

「俺は……………」

「……………故郷に帰れないのは、悲しいもんな。アンタらの気持ち、受け取ったぜ!街は必ず、俺たちが取り戻してみせる!」

 

 狼真がそう呟くと、灯悟はそんな風に叫ぶ。

 灯悟は、グロッサ達にシンパシーを抱いていたのだ。

 同じく、故郷に帰れない者としての。

 


 

 そこから、ルルグアット卿対策の話し合いをする事になった。

 

「……………とは言ったものの…………どう攻略したものかしらね。あの特権魔法。正直、初見殺しだったとはいえ、レッドと狼真の2人があそこまで苦戦するとは…………」

「面目ないぜ……………」

「初見殺しはきついからな」

ああ!いい気味だったぞ!浅垣灯悟!遠山狼真!

「ロゥジー、何でも正直に言えば良いわけではありませんよ?」

「すいませんでした」

 

 イドラはそんな風に呟く。

 実際、初見殺しのような面がありつつも、灯悟と狼真の2人が苦戦したのだから。

 2人がそう言うと、ロゥジーは愉快と言わんがばかりにそんな風に叫ぶ。

 テルティナがそう嗜めると、ロゥジーはすぐに謝った。

 イドラはある紙を出しながら口を開く。

 

「反抗軍が調べた判明している掟のリストよ。街でこれを破れば、即座に死角から罰を喰らうわ」

「街の中じゃダメか……………」

 

 イドラはそう言う。

 そのリストというのは、この様になっていた。

 

 

重罪 粉骨強打

・領主に歯向かうべからず

・領主の陰口を言うべからず

・領主の情報を流すべからず

 

軽罪 激痛鞭打

・街中で騒ぐべからず

・領民同士で争うべからず

・夜八時以降の外出を禁ず

 

 

 これらを破った瞬間、あの使い魔が現れて攻撃をしてくるのだ。

 すると。

 

「それなら、街の外からキズナカイザーで狙撃するってのはどうだ?」

「あんな超火力を街に向けて撃ったら、街が焦土と化すわ」

「そうだな。だとすると、テガソードレッドもダメだな」

 

 灯悟は、マキシマム・キズナカイザーで街の外から狙撃する事を提案する。

 それに対して、イドラは即座に却下して、狼真はそう呟く。

 マキシマム・キズナカイザーがダメなのだから、テガソードレッドもダメだと。

 

「領主の屋敷は街の中心部。並の攻撃では射程範囲外。睡眠時も魔法は発動し続けてるみたいだから、寝込みを襲うのも無理ね」

「なら、領主の屋敷にキズナカイザーで乗り込むのはどうだ⁉︎」

「街中であんなの暴れさせたら、街が更地になるわ」

「多分、操縦席に使い魔が現れて、ボコられて終わりだな」

 

 イドラは、アカリナの街の地図を見ながら、そう呟く。

 寝込みを襲って暗殺するのも不可能であると。

 灯悟がキズナカイザーを使う事を再び提案するが、イドラと狼真はそう言う。

 すると、イドラはため息を吐きながら口を開く。

 

「…………というか、一つだけ至って簡単で………ある意味一番難しい解決方法があるっちゃあるのよ」

「「「「?」」」」

 

 イドラはそんな風に言うと、灯悟達は首を傾げる。

 灯悟達は外に出ると、灯悟、ロゥジー、狼真の3人が背中合わせになる様に立っていた。

 

「……………つまり、こうすれば良いのよ」

「なるほど!これなら、それぞれの死角をカバーしながら戦う事が出来ますね!」

「ええ…………ですが、幾つか難点がありまして…………」

 

 イドラがそう言うと、テルティナはそんな風に言う。

 背中合わせに立たせれば、死角をカバーできるのだと。

 イドラがそう言うと。

 

アーヴォルン、貴様…………!この私にこいつらと背中を預けて戦えと言うのか…………?

「難点その一。ロゥジーが嫌がる」

 

 ロゥジーは殺気の籠った視線でイドラにそう聞く。

 イドラはそう指摘する。

 ロゥジーは灯悟と狼真の事は気に食わないと思っている為、嫌がるのだ。

 二つ目の難点は、すぐに出てきた。

 

「燃え盛る!熱き友情の戦士!キズナレッド!」

 

ドゴォォォォン!

 

「「あっつ⁉︎」」

「難点その二。ロゥジーと狼真の2人が爆発に巻き込まれる」

 

 灯悟がキズナレッドに変身して、そんな風に名乗りを上げる。

 だが、キズナレッドの特性上、変身すると背後が爆発する為、灯悟の背後にいる2人も爆発に巻き込まれるのだ。

 ちなみに、狼真はゴジュウウルフに変身していた。

 そして。

 

「今、私の足を踏んだな⁉︎浅垣灯悟!遠山狼真!」

「いや!俺は踏んでないぜ‼︎」

「俺だって踏んでねぇよ!」

「貴様ら以外に誰がいる⁉︎」

「難点その三。そもそも息が合わない」

 

 連携の訓練を始めたのは良いものの、そんな風にすぐに喧嘩を始めてしまう。

 それを見たイドラはそんな風に言う。

 イドラの言う様に、至って簡単ではあるが、ある意味一番難しいのだ。

 イドラは呆れた様に口を開く。

 

「アンタ達ねぇ…………もうちょっと頑張りなさいよ」

「「「()は合わせようと努力している()」」」

「そう、その意気よ」

 

 イドラがそんな風に呟くと、灯悟達はそんな風に叫んだ。

 それを聞いて、イドラがそう呟くと。

 

「ロゥジー?あなたの方がちょっとだけお兄さんなのだから、あなたがレッドさんと狼真さんに合わせてあげられませんか?」

『…………母子(おやこ)かな?』

「しかし、テルティナ様…………!」

 

 テルティナはロゥジーの頭を撫でながら、諭す様にそう言う。

 それを見ていたイドラがそんな風に思う中、ロゥジーはまだ納得しきれていないのか、そんな風に言う。

 すると。

 

「もしも、ちゃんと連携が上手くできたら………耳かき、膝枕」

 

 テルティナはロゥジーの耳元でそう囁いた。

 すると。

 

うぉぉぉぉ!やるぞ!浅垣灯悟!遠山狼真!

「おっ!やる気になったみたいだな!」

「私の動きについて来い!」

「やってやるか」

 

 それを聞いたロゥジーはそんな風に叫ぶと、灯悟と狼真にそう言う。

 そうして、今までのグダグダ感が嘘の様に完璧な連携訓練をこなしたのだった。

 


 

 その夜、イドラとテルティナが近くの温泉に入りに行っている中、連携訓練を終えた狼真はセンタイリングを吟味していた。

 

『あの領主の特権魔法はかなり厄介だ。一応、灯悟とロゥジーとの連携訓練は上手く行ってるが、何が起きても対応できる様にはしておきたいな』

 

 狼真はそんな風に考えていた。

 連携訓練自体は、テルティナの言葉で上手く行っているが、何が起きても対応できる様にしておきたいと考えていたのだ。

 しばらくすると。

 

『…………やっぱり、これを使うか』

 

 狼真はそう考えると、あるセンタイリングを手に取る。

 そのセンタイリングには、赤い大きなパトカーの絵と二台のパトカーと白バイの絵が描かれていた。

 そのセンタイリングをポケットにしまう中。

 

「…………ん?ロゥジー?灯悟の服に近づいて、何してるんだ?」

 

 狼真はある人物が目に入る。

 それは、どこか虚な目をしていたロゥジーだった。

 すると、灯悟のズボンの腰の部分についているホルダーから、変身用の絆装甲(バンソウプレート)を取り出した。

 

「…………まさか。どうやら、懸念は当たるみたいだな」

 

 それを見ていた狼真はそう呟いた。

 懸念が現実になろうとしているのを見て。

 


 

 その翌朝、狼真達はルルグアット卿の屋敷へと向かった。

 

「頼みましたよ、ロゥジー、レッドさん、狼真さん」

 

 屋敷の外では、イドラとテルティナが待機しており、テルティナはそう呟いた。

 そんな中、3人は屋敷の中に入っていた。

 

「性懲りも無く挑んでくるとは」

「へっ!こっちにはアンタを倒す秘策があるんだよ!」

「そういう事は口に出すな、馬鹿者」

「……………。お前は俺の…………獲物だ!エンゲージ!」

 

クラップユアハンズ!

 

 ルルグアット卿がそんな風に言う中、灯悟がそう叫ぶと、ロゥジーはそう突っ込む。

 ロゥジーの事を目を細めて見ていた狼真はそう言うと、ゴジュウウルフのセンタイリングをテガソードに装填する。

 そんな音声が鳴る中、狼真は何回かクラップをして、トリガーを引く。

 

ゴジュウウルフ!

 

 その音声と共に、狼真はゴジュウウルフに変身する。

 

「よし…………!俺も!絆装甲(バンソウプレート)!セット!」

 

 それを見ていた灯悟も、絆装甲(バンソウプレート)をキズナブレスに装填しようとするが…………。

 

「ん?…………ってあれ⁉︎あぁぁぁぁぁ⁉︎」

「…………どうかしたのか?」

「やっべぇ!絆装甲(バンソウプレート)をどこかに落っことしちまった!」

「何だと?」

「このままじゃ変身出来……………⁉︎」

 

 灯悟は、変身用の絆装甲(バンソウプレート)がない事に気づいた。

 それに対して、ロゥジーと狼真は慌てていなかった。

 何故なら、2人はその理由を知っていたからだ。

 灯悟が慌てていると。

 

「御領主様の屋敷で騒ぐべからず!」

 

 使い魔が灯悟の背後に現れると、灯悟を棍棒で吹き飛ばす。

 

「がはっ⁉︎」

「レッド⁉︎……………テルティナ様はここでお待ちください!」

「イドラさん!」

 

 灯悟は棍棒によって吹き飛ばされ、領主の屋敷の近くの川に落下する。

 それに気づいたイドラは、テルティナにそう言い、灯悟を追って川に飛び込む。

 そんな中、屋敷の中に残っていたロゥジーと狼真の方は。

 

「御領主様に逆らうべからず!」

「御領主様に逆らうべからず!」

 

 2人の周りを使い魔が取り囲んでいた。

 そんな中、ロゥジーは聖剣を構えながらある事を思っていた。

 

私の世界に…………貴様(灯悟)も、絆も必要ない

 

 それは、灯悟への明確な拒絶だった。

 たった1人で立ち向かおうとしていたのだ。

 すると。

 

「…………灯悟を排除できて満足か?」

「…………本当なら、貴様も必要ないのだがな。センタイリングとやらを大量に持っていては、一個盗んだ程度では意味がないのだろうからな。貴様こそ、何故、私の行動を分かっていながら放置したのだ」

 

 狼真はそんな風に話しかける。

 ロゥジーの思惑を分かっていて、そうするのは目に見えたのだと。

 ロゥジーが、狼真からセンタイリングを盗まなかった理由は、大量に持っている為、一つ盗んだ程度では意味がないと分かっていたからだ。

 ロゥジーは、自分の思惑を分かっていながら、放置していた狼真にそう問いかける。

 

「…………どうせ、止めても素直に止めないのは分かってるからな。アンタの実力は分かってるさ。だがな、そんな事をして、痛い目を見ても知らねぇぞ」

「私に及ばない貴様に言われても、説得力がないぞ。……………まあいい。どうせ貴様はここで死に、私があの者から魔力の種を回収し、テルティナ様を守れるのは私だけだと証明されるのだからな」

「ふんっ。言ってろ」

 

 狼真はそんな風に答える。

 たとえ、狼真がロゥジーに対して、灯悟の絆装甲(バンソウプレート)を盗むのを止めようとしても、素直に止めないのは分かっていたから。

 そして、狼真はロゥジーに忠告をする。

 狼真の忠告を聞いたロゥジーは、そんな風に吐き捨てる。

 どうせ、狼真はここで死ぬのだと。

 そんなロゥジーに対して、狼真は気に入らないと言わんがばかりに鼻で笑いつつ、そう吐き捨てた。

 


 

 その頃、灯悟はある事を思い出していた。

 

『絆は剣に似ているね。レッド。手にすれば頼もしいけれど、上手く扱えなければ人を傷つけ、多く持ちすぎても扱いきれず、放置すれば錆びて朽ちてゆく。そして、一度でも手にすれば、手放す事が恐ろしくなってしまう。だから、君は声高に絆を求めるのだろう。何せ、君は誰よりも絆に飢えた寂しがり屋だからね』

 

 それは、前の世界で出会っていた1人の銀髪の女性からかけられた言葉だった。

 それに対して、灯悟は。

 

『アンタは、いっつも見透かした様な事を言うよな。シルバー』

 

 灯悟はそう答えた。

 そんな風に答えるのが映ると同時に。

 

「ばはぁ⁉︎げほっ⁉︎ゲホッ⁉︎」

「……………ようやく起きたみたいね」

 

 灯悟の意識は現実へと戻り、勢いよく起き上がり、イドラはそう呟く。

 イドラは口元を隠していた。

 

「イドラが助けてくれたのか?ありがとな………。何だか、昔の夢を見てた気がするぜ…………あれが走馬灯って奴か。……………って、イドラ?そっちに何かあるのか?」

「いえ…………その…………回復魔法じゃ体の傷は癒せても…………止まった呼吸は戻せなくて……………」

 

 灯悟はイドラにお礼を言うと、イドラが灯悟から顔を背けている事に気づき、そう話しかける。

 すると、イドラはそんな風に言う。

 実は、呼吸が止まってしまっており、人工呼吸を行ったのだ。

 つまりは、事実上のキスを行ったのだと。

 それに対して、灯悟は。

 

「そんな事より…………ロゥジーや狼真達の状況は?」

「そんな事ですって⁉︎こっちは初めてだったのよ⁉︎」

「何言ってんだ!イドラはいつだって俺を助けてくれるぜ!」

「そういう事じゃねぇわよぉぉぉぉぉっ!」

 

 灯悟はそんなイドラを気にせず、そんな風に言う。

 それを聞いたイドラはキレながらそう言うと、灯悟はそう返して、イドラはそう叫んだ。

 あまりにも鈍感な灯悟に対して。

 


 

 一方、狼真とロゥジーが構えている中。

 

「ロゥジー!狼真さん!」

「テルティナ様⁉︎何故ここに?護衛のアーヴォルンは⁉︎」

「イドラさんはレッドさんを助けに行きました。とにかく、作戦は失敗です!一旦引いて、イドラさん達と合流を……………!」

 

 そこに、テルティナが入ってくる。

 ロゥジーが反応する中、テルティナはそんな風に言う。

 灯悟も戦力として入れている為、撤退する事を伝えるが……………。

 

「問題ありません。遠山狼真が居たとしても、私1人で十分です。私はあなたの勇者ですから」

「へっ。言ってくれるじゃねぇか…………!」

 

 ロゥジーは狼真が要らないと遠回しにそう言い、聖剣を構える。

 それを聞いていた狼真はイラつきながらそう呟く。

 すると。

 

「第四聖剣!冥休楽土(スロウスノーム)!」

 

 ロゥジーがそう叫ぶと、聖剣に岩が纏わりつき、幅広の両刃大剣に変化する。

 冥休楽土(スロウスノーム)は、土属性の聖剣である。

 

「ふっ!」

 

 ロゥジーが剣を地面に突き刺すと、ロゥジーの周囲に重力場が現れ、使い魔が地面にめり込む。

 

「第五聖剣!餓生烈風(グラトシルフ)!」

 

 ロゥジーがそう叫ぶと、聖剣は鉄扇の様な形へと変換する。

 第五聖剣は風の力を宿している聖剣である。

 

「ハァッ!」

 

 ロゥジーは聖剣を振るうと、風刃が舞い、使い魔にダメージを与える。

 

「第三聖剣!羨姫絶響(エンヴィーネ)!」

 

 ロゥジーがそう叫ぶと、聖剣がサーベルの形になる。

 第三聖剣は、水属性の聖剣となっている。

 ロゥジーが剣を突き出すと、剣から水の触手が伸びて、使い魔を貫いていく。

 

「貴様の使い魔の動きや配置パターンは、浅垣灯悟と遠山狼真との戦闘を観察し、既に見切っている」

 

パチン!

 

 ロゥジーがそう言いながら指を鳴らすと、使い魔はあっという間に爆散していく。

 ロゥジーの宣言通り、たった1人で多くの使い魔を倒していた。

 一方、狼真はというと。

 

「ふっ!はっ!」

 

 狼真は狼の様に素早く動き、使い魔にダメージを与えていく。

 

「ほう…………初めて戦った時とは、違う様ですね」

「何度も何度も同じ手に引っかかるか!」

 

 そんな狼真を見て、ルルグアット卿がそんな風に言うと、狼真はそう叫ぶ。

 狼真はそう叫びながら戦闘する中、ツメガバックルから一つのセンタイリングを取り出す。

 

「エンゲージ!」

 

 そう言うと、狼真は取り出したセンタイリングを回転させる。

 取り出したセンタイリングの絵柄は、赤い大きなパトカーの絵と二台のパトカーと白バイの絵が描かれているが、回転すると、赤い大きなパトカーはそのままに、赤い警察官の様な戦士の絵柄が出てくる。

 狼真が取り出したのは、特捜戦隊デカレンジャーのセンタイリングだった。

 狼真はデカレンジャーリングをテガソードに装填する。

 

センタイリング!

 

 その音声が鳴ると、狼真は戦闘をしながらクラップをする。

 そして、テガソードのトリガーを引くと。

 

(サイレン音)

デカレンジャー!

 

 その音声が鳴ると、狼真の周りに白い粒子が現れて、狼真に合わさっていく。

 この粒子は、形状記憶宇宙金属デカメタルであり、それが微粒子状に分解されて、送信される。

 狼真の体に定着する事で、デカスーツとなるのだ。

 狼真は、デカレッドに変身した。

 

「ふんっ。姿が変わろうと意味はない。私の秩序を乱した罪は重いですぞ?」

「テメェが秩序を語るんじゃねぇ!」

 

 デカレッドになった狼真を見て、ルルグアット卿はそんな風に言うと、狼真はそう叫ぶ。

 狼真は、ディーマグナム01とディーマグナム02を持って、格闘戦を交えた銃撃を行っていく。

 だが、使い魔はまだまだ現れており、徐々に押されていた。

 

「どうしました?その程度ですか?」

「舐めてんじゃねぇぞ!装甲(アームド)!」

 

 ルルグアット卿がそう聞く中、狼真はそう叫ぶ。

 

「ふんっ!」

 

 すると、使い魔が攻撃しようとすると、狼真の右手に装甲が現れ、狼真は右手で受け止める。

 使い魔が驚く中、狼真はディーマグナムで撃つ。

 狼真が右手を見つめると。

 

(サイレン音)

 

 そんな音と共に、残りのアーマーが現れて、狼真に合わさる。

 これは、デカレンジャーの指輪の固有能力である装甲(アームド)を使った形態、アームドデカレッドである。

 見た目は、赤座伴番が変身するプレミアデカレッドに酷似しているが、プレミアデカレッドのアーマーの上にゴジュウウルフのものと同じアーマーがついていた。

 厳密に言えば、指輪の固有能力で変身した姿である為、プレミアデカレッドとは別物である。

 

「何…………?やれ!」

 

 アームドデカレッドに変身を遂げた狼真を見て、ルルグアットはそう指示をする。

 使い魔は狼真に攻撃するが、狼真はその攻撃を難なく受け止めていた。

 

「何と…………⁉︎」

「確かに、アンタの特権魔法は凄まじいな。死角から攻撃されたら、ひとたまりもねぇからな。だったら…………防御力を高めれば問題ねぇ!」

 

 ルルグアット卿が驚く中、狼真はそう叫ぶ。

 狼真は、装甲(アームド)の能力で防御力を高められるデカレンジャーを選んだのだ。

 そして。

 

「ふっ!ハァァァァァ!」

 

 狼真は、スワットモードとなったデカレンジャーが使うディーリボルバーを取り出すと、それで使い魔を倒していく。

 それを見ていたテルティナは。

 

『流石はロゥジー。王家の聖剣の変形能力を使いこなし、死角からの攻撃を捌き切っている』

 

 テルティナはそんな風に思っていた。

 すると。

 

「…………少しはやる様ですね。それに…………それが噂に聞く王家の聖剣。だとすれば…………あなたが例の千年振りに聖剣に選ばれた勇者…………」

 

 ロゥジーの使っている聖剣を見て、ルルグアット卿はロゥジーが件の勇者であると悟った。

 そんな中、ロゥジーはある出来事を思い出していた。

 


 

 それは、二年前の事だった。

 

『ロゥジー・ミストさん…………ですね?噂の魔力を持たない凄腕冒険者。…………あなた、勇者をやってみませんか?あなたには、勇者の証である聖剣を持つ資質があります』

『…………魔力も授かれなかったこの俺に…………そんな大層な資質があるものか』

 

 とある街の路地でロゥジーが壁に寄りかかっていると、テルティナがそんな風に声をかける。

 テルティナの言葉に対して、ロゥジーがそう言うと。

 

『むしろ、魔力を持たないという事が重要なのです。7体の精霊の力を融合し、創造された神器、”王家の聖剣”。その形態の一つに、膨大な魔力消費を補う為の”魔力を吸収する剣”があります。しかし、その吸収能力は使い手の魔力すらも吸収してしまう為、どんなに屈強な戦士でも、触れるだけで魔力を吸い尽くされて、昏倒してしまうのです』

『…………つまり、ほぼ全ての生命が魔力を持つこの世界において、皮肉にも魔力を持たない俺だけが、聖剣を振るう資質があるという事か』

 

 テルティナはそう説明する。

 王家の聖剣の第一聖剣、永求希環(アングリード)

 それは、魔力吸収能力しかないが、使い手の魔力すらも吸収してしまう性質があった。

 皮肉にも、魔力を持たないロゥジーだけが、王家の聖剣を使えるのだと。

 

『という訳で、私と共に世界を救ってくださいませんか?』

『まぁ、やらないがな。何が勇者だ。魔力を持たない俺を蔑み、不吉だと拒絶し、”忌み子”と呼び、迫害してきた人間達を、どうして俺が救ってやらねばならない⁉︎俺は………俺以外何も要らない』

 

 テルティナはそんな風に勧誘するが、ロゥジーは一蹴する。

 ロゥジーは、魔力を持たないというのもあって、人々から迫害されていたのだ。

 その事もあって、人間不信に陥っており、拒絶していた。

 すると、テルティナはそんなロゥジーを抱きしめる。

 

『っ⁉︎っ⁉︎』

『…………あなたのこれまでの人生を思えば、その気持ちは至極真っ当な物です。ですが、拒絶されて傷ついたのは、誰かに受け入れて欲しかったのでしょう?迫害され憤ったのは、人の輪に入りたかったから』

『違う!俺は……………!』

 

 いきなり抱きしめられ、困惑するロゥジーだったが、テルティナはそう語っていく。

 そんな気持ちがあったから、傷つき憤ったのだと。

 テルティナの言葉を、ロゥジーは否定しようとするが、テルティナはロゥジーの顔を手で包む。

 

『正直に言って下さい。あなたが正直になってくれるなら、私はずっと、あなたのそばに居ます。この世界への憎しみも、心を凍てつかせる寂しさも…………あなたが正直に吐き出したい物は、全て私が受け入れます。だから、ロゥジー。私の勇者になって下さい』

 

 テルティナはロゥジーの全てを受け止め、受け入れる姿勢を見せる。

 そんなテルティナに、ロゥジーは救われたのだった。

 


 

 それを思い出したロゥジーは。

 

…………暗く冷たい孤独から救って下さったテルティナ様の為にも…………!魔力の種は全て私が刈り尽くす!第二聖剣!核熱怒業(ドラグラース)

 

 ロゥジーはそう叫ぶと、灯悟と狼真との戦いでも使った第二聖剣にする。

 

「ふぅぅぅっ!ふっ!」

 

 ロゥジーは、聖剣の峰についたスラスターから炎を出すと、斬撃して、使い魔を焼き尽くしていく。

 

「あいつ…………ふっ!」

 

 それを聞いていた狼真は、思うところがあったのか、そう呟くと、すぐにディーリボルバーで攻撃していく。

 すると。

 

「何とも勇ましい。ですが…………大切なお姫様がお留守ですよ」

「っ!テルティナ様!」

 

 ルルグアット卿は拍手しながらそう言う。

 何と、テルティナの周りに使い魔を召喚していたのだ。

 それに気づいたロゥジーは、すぐにテルティナの元に向かう。

 ロゥジーは聖剣を手放し、テルティナを覆う様にする。

 そこから、使い魔はロゥジーを袋叩きにしていく。

 

「ぐっ⁉︎ぐっ⁉︎がはっ⁉︎」

「ロゥジー!」

「人質取るとか、卑怯な真似しやがって………!」

「貴方自身は確かに強い。流石は勇者だ。しかし…………”守る戦い”というのは、不慣れな様ですね。私の心の秩序を乱した罪は重いですよ。勇者様?」

「くっ!どけぇ!」

 

 ロゥジーが袋叩きにされていき、テルティナが悲痛な声を出す中、狼真はそんな風に声を出す。

 ルルグアット卿は、単体では無類の強さを誇るロゥジーに対して、テルティナを人質にする事で、ロゥジーはテルティナを守る為には我が身を厭わないと言うのを見抜いた。

 その為、ロゥジーは一方的に攻撃を受ける事しか出来なかった。

 基本的に、ロゥジーは苦戦する事がないゆえに、そこを突かれてしまった。

 狼真が使い魔に阻まれて、助けに向かう事が出来ない中。

 

「ぐっ…………!テルティナ様…………!私がどうにか隙を作ります…………!その隙にどうか、お逃げ下さ…………!」

「大丈夫。私たちには仲間がいるわ」

「えっ…………?」

 

 ロゥジーは、どうにかしてテルティナだけでも逃がそうとする。

 すると、テルティナは子供を安心させる様に頬を包み、そんな風に言う。

 ロゥジーが呆気に取られていると。

 

「ふっ!」

「ハァァァァァ!」

 

 突如、使い魔達が1人の男性のキックとビームを受けて吹っ飛んだ。

 

「フッ!待たせたな!2人とも!」

「遅くなったな」

「浅垣灯悟…………遠山狼真…………⁉︎」

 

 そこに居たのは、灯悟と狼真の2人だった。

 狼真は、ディーリボルバーの連射で何とか使い魔を蹴散らして、加勢にきたのだ。

 すると。

 

「月夜も鎖す、闇精の外套!オーバー・シェイド!」

 

 そこに、イドラもやってきて、イドラはそう叫ぶと、自分たちの周りに結界を生み出す。

 

「魔力を遮断する結界を張ったわ!一時凌ぎにしかならないけど…………これでロゥジーを回復させるだけの時間は稼げるはずよ!」

「回復魔法などいい…………!テルティナ様を…………早く安全なところへ!」

「無理するな、ロゥジー!」

 

 イドラはそんな風に言う。

 結界を張って、ロゥジーの回復をする為の時間稼ぎを行っていた。

 ロゥジーは、自分よりもテルティナの方を優先させようとするが、ダメージが回復していないのもあって、倒れかけてしまい、灯悟がロゥジーを支える。

 すると。

 

「やめろ!貴様の手など借りん!」

 

 ロゥジーはそう叫ぶと、灯悟を払いのける。

 すると、ロゥジーから何かが落ちる。

 

「ん?何か落ちたぜ?」

「っ!」

「…………って、これは…………絆装甲(バンソウプレート)⁉︎」

「それって、レッドの変身アイテム⁉︎どうしてロゥジーが…………⁉︎」

「それは……………」

「ロゥジー……………」

「………………」

 

 頭語はロゥジーから落ちた物を拾おうとすると、ロゥジーは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

 ロゥジーから落ちたのは、変身用の絆装甲(バンソウプレート)だった。

 それを見て、イドラが困惑する中、ロゥジーは自分のした行動がテルティナにバレてしまった事に歯を噛み締めて、テルティナがそう呟く中、狼真は無言でロゥジーを見ていた。

 すると。

 

「まさかお前…………!キズナレッドに変身してみたかったのか?」

「……………は?」

 

 灯悟はそんな風に言う。

 ロゥジーは、キズナレッドに変身してみたくて、絆装甲(バンソウプレート)を盗んだのだと。

 そんな灯悟の言葉に、ロゥジーは呆気に取られる。

 

「いや、私は…………」

「いいや、分かるぜ!男なら誰しも変身に憧れるもんだぜ!かく言う俺も、初めて変身した時は…………!」

「落ち着け。絶対に違うだろ」

 

 ロゥジーが何かを言おうとすると、灯悟はそう言う。

 そんな解釈をした灯悟に対して、狼真がそう突っ込む中、テルティナはロゥジーに話しかける。

 

「ロゥジー…………。正直に言ってください」

「……………恐ろしかったのです」

「ん?」

「あれ?」

「………………」

「その男達に……………勇者の座を奪われるのではないかと…………!」

「勇者の座を……………奪われる?」

 

 テルティナがそう話しかけると、ロゥジーはそんな風に口を開く。

 ロゥジーの恐怖に、テルティナと灯悟がそう反応して、狼真が無言で見つめる。

 テルティナがそう言う中、ロゥジーは己の心境を吐露していく。

 

「…………異世界から来た絆に厚い勇敢な戦士…………そして、私と同じく、魔力を持たない聖剣を持てる資質を持った人間…………!だから、遠山狼真も見殺しにして、排除しようとしたのです!貴方の隣を…………私の唯一の居場所を奪われない為に…………!」

「ロゥジー……………」

 

 ロゥジーはそんな風に己の思いを吐露していく。

 テルティナの隣という自分にとっての唯一の居場所を奪われたくない。

 そんな恐怖がロゥジーを苛み、絆装甲(バンソウプレート)を盗ませた。

 狼真がそんな風に呟く中、テルティナはロゥジーの頬を包む。

 

「…………いいですか、ロゥジー。私も貴方と同じなのです」

「え…………?」

「あの…………その話、長いですか?そろそろ結界が限界……………!」

 

 テルティナがそんな風に語ると、ロゥジーは呆気に取られる。

 結界の限界が近づいてきた事に、イドラがそう呟く中、テルティナは口を開く。

 

「誰が魔力の種に関わっているか分からない以上、周りの王族に頼る事は出来ず、立場が低い私には、付いてくれる騎士も居ませんでした。それでも私には…………世界を救いたい理由が………果たさなければならない使命がありました。ずっと1人で世界を救う方法を探し続けて、やっとの思いで探し出したあなたが、私にとって唯一の味方だったのです」

「…………テルティナ…………」

 

 テルティナはそんな風に語っていく。

 立場も低く、味方も居なかったテルティナにとって、ロゥジーは唯一の味方なのだと。

 狼真がそうつぶやく中。

 

「だからたとえ、レッドさんや狼真さんがどれほど勇者向きの資質を持っていようと、私の勇者は初めて私の手を取ってくれた貴方だけなのです。だから、ロゥジー。私が他の人に乗り換えるだなんて、悲しい不安は捨てて下さい」

 

 テルティナはロゥジーに対して、そんな風に語る。

 そして、ロゥジーを安心させるように抱きしめる。

 すると、灯悟が口を開く。

 

「…………昔、俺の仲間が言っていたぜ」

あ⁉︎

 

 灯悟がそんな風に言うと、イドラはイラつき気味にそんな風に言う。

 そんなイドラを置いて、灯悟は語っていく。

 

「絆は剣に似ている。あれば頼りになるけれど、人を傷つけたり、手放すのが怖くなるとかなんとか。だけど、互いの剣の強さを確かめ合えば、より強く、決して折れない剣にする事だってできるんだ!なぁ、ロゥジー。テルティナとの誤解が解けた今こそ、俺とも絆を結んでくれないか?」

 

 灯悟は、走馬灯で見えた女性の語っていた事を己の解釈も加えてそう語る。

 そして、ロゥジーに対して、絆を結んでほしいと頼み込む。

 灯悟の言葉に対して、ロゥジーは。

 

は?嫌だが

「うえぇ⁉︎」

「即答だな」

「なんというか…………テルティナ様の件とは関係なく、貴様とは根源的に相容れない気がする」

何故だぜ⁉︎

 

 即座に拒否の言葉を出す。

 それを聞いて、灯悟が驚き、狼真がそう呟く中、ロゥジーはそう言う。

 灯悟が理由を聞こうとすると。

 

「まず、第一にだな。その見てるだけで目が火傷しそうな…………正統派熱血勇者みたいなその顔が気に食わんのだ!それと、遠山狼真に対しては、その太々しい態度が気に入らんのだ!」

「俺もか」

 

 ロゥジーはそう語る。

 灯悟の気に入らない所と、狼真の気に入らない所を語りつつ、聖剣を手に取ると、結界が砕け散る。

 すると、結界を破壊した使い魔をロゥジーは切断する。

 

だから、貴様らはそっちを向いて戦え!

「へへっ…………!そういう意固地な所も嫌いじゃねぇぜ!」

「ふっ。言ってろ…………!」

 

 ロゥジーはそんな風に叫んだ。

 それに対して、灯悟と狼真はそう答える。

 狼真の言葉は、戦闘を始める直前の言葉とほぼ同じだったが、それには気に入らないという感情は入っておらず、仮面の下でニヤリと笑っていた。

 

絆装甲(バンソウプレート)!セット!」

 

ぺっTURN(ターン)

 

 灯悟は、キズナブレスに絆装甲(バンソウプレート)を装填する。

 そこから、変身ポーズを取ると。

 

「絆装チェンジ!」

 

 灯悟がそう叫ぶと、キズナレッドへと変身していく。

 

「燃え盛る!熱き友情の戦士!キズナレッド!」

 

ドゴォォォォン!

 

 灯悟がそんな風に名乗りをあげると、爆発が起こる。

 爆発は、ロゥジーと狼真の背後ではなく、2人の前で起こっていた。

 すると。

 

「ディーソード・ベガ!」

 

 狼真がそう叫ぶと、ある剣が現れる。

 それは、鍔の部分が狼の頭部を模した形になっている刀だった。

 その刀は、ディーソード・ベガ。

 ドギー・クルーガー/デカマスターの愛刀であり、アームドデカレッドの元になったプレミアデカレッドも用いている。

 そんな中、イドラとテルティナは。

 

「ぜぇ…………ぜぇ…………!おぇ…………!」

「お疲れ様です、イドラさん。よくぞ耐えてくれました。もう心配はありません」

「オロロロロ……………!」

 

 イドラが息切れをする中、テルティナはそんな風に言うと、イドラはリバースをする。

 それを見ていたルルグアット卿は。

 

「ようやく邪魔な結界が無くなりましたか。では…………最大級の秩序で押し潰して差し上げましょう!」

 

 ルルグアット卿はそう言うと、3人の周囲に使い魔を出す。

 

「さあ、結んだ絆で悪を断つぜ!」

「勝手に結んだ事にするな」

「いくぜ!」

 

 灯悟がそんな風に叫ぶと、ロゥジーはそう突っ込む。

 狼真のその叫びと共に、3人は背中を合わせながら、使い魔に攻撃していく。

 

「ふっ!はっ!」

「ハァァァァァ!」

「はっ!はっ!」

 

 3人は使い魔に攻撃をしていく。

 それには隙が無く、使い魔は一方的に倒されていった。

 すると。

 

「グォォォォォ!」

「っ!」

「ハァァァァァ!」

 

縁結ビームガン!

 

 イドラとテルティナの背後に、使い魔が現れて、2人に攻撃しようとする。

 それに対して、灯悟は縁結ビームガンを撃って、狼真はディーソード・ベガから斬撃波を放つ。

 それを見ていたルルグアット卿は。

 

「なっ…………⁉︎バカな⁉︎我が領域でも死角を捕捉できないだと⁉︎」

「お前には、領主なんて似合わねえんだよ!裁いてやるよ。ジャッジメント!」

 

ジャッジメントタイム!

 

 それを見て、ルルグアット卿が戸惑う中、狼真はそう叫ぶと、SP1ライセンスを構えると、上部のボタンを押す。

 すると、カバーが開くと、丸とバツが交互に光り出す。

 デカレンジャーは敵を倒す際、その罪状によって、デリート許可か、デリート不許可を宇宙最高裁判所が下しているのだ。

 ただし、これに関してはデカレンジャーのノリでやっているだけに過ぎないが。

 ルルグアット卿が戸惑う中、狼真がSP1ライセンスのボタンを押すと、バツの部分が光る。

 

「ぬっ⁉︎動けな…………⁉︎」

「決めろ!」

「ああ!」

「貴様が指図をするな!」

 

 すると、SP1ライセンスから出てきたバツが、ルルグアット卿を拘束する。

 これは、巌紅葉/アームドデカレッドがクオン/ガリュードに行った技である。

 ガリュードは拘束を打ち破ったが、魔力の種を得ているとはいえ、老人のルルグアット卿には、この拘束は破れなった。

 狼真がそう叫ぶと、灯悟とロゥジーはそう答えてジャンプをする。

 それを見たルルグアット卿は。

 

「何なのだ…………⁉︎その秩序の取れた連携は⁉︎」

絆の力だ!

勇者の力だ!

 

 ルルグアット卿は理解できないと言わんがばかりに叫ぶ。

 それに対して、灯悟とロゥジーはそう答えると、ルルグアット卿に攻撃をする。

 

「がはぁぁぁぁ⁉︎」

 

 ルルグアット卿は大きく吹き飛ばされ、背後のパイプオルガンにぶつかる。

 

「俺たちの絆の勝利だぜ!」

「結んでない」

「やったな」

「何やかんや、息ぴったりじゃない」

「だろう?」

「違う!」

「やれやれ………」

 

 灯悟がそう叫ぶと、ロゥジーはそう突っ込み、狼真はそう言う。

 イドラがそう言い、灯悟達がそう反応する中、テルティナはある事に気づいた。

 

「3人とも!後ろ!」

「「「っ⁉︎」」」

 

 テルティナがそう叫ぶと、狼真達は後ろを向く。

 すると、ルルグアット卿が居た場所に、黒いモヤがあった。

 

「っ⁉︎」

「何が起こってんだ……………⁉︎」

「しまった!魔力の種が宿主を取り込んで、暴走を…………‼︎」

 

 灯悟と狼真がそう反応する中、ロゥジーはそう言う。

 ルルグアット卿は、魔力の種に取り込まれて、暴走しようとしていたのだ。

 すると、そのモヤはどんどん巨大化していく。

 

「ちょ…………⁉︎どこまでデカくなる気よ⁉︎」

「早く!屋敷から脱出するぞ!」

「急げ!」

 

 それを見たイドラがそう叫ぶ中、灯悟と狼真はそう叫ぶと、全員が屋敷から脱出する。

 狼真は脱出した際、アームドデカレッドからゴジュウウルフに戻っていた。

 そんな中、アカリナの街の人たちは。

 

「おい、あれ!」

「何だ…………⁉︎」

 

 突如として、現れた物に驚愕していた。

 それは、狼真達も同じであった。

 

「何なの……………⁉︎この…………大きさは⁉︎」

 

 イドラはそんな風に叫んだ。

 何故なら、アカリナの街の上空に現れたのは、巨大な顔の隕石と言えるような物であり、これがルルグアット卿の魔力の種の暴走体であった。

 それを見ていた反抗軍の人たちは。

 

「あんなのが落ちたら……………私たちの街が……………!」

 

 それを見ていたグロッサはそんな風に言う。

 実際、そのルルグアット卿暴走体は、アカリナの街に落ちようとしていたのだ。

 果たして、灯悟達はそれを止めて、アカリナの街を救う事が出来るのか。

 




今回はここまでです。
今回は、アニメでいう所の第4話に相当する話です。
ロゥジーは、ロゥジーなりに2人を認めました。
そして、狼真はデカレンジャーのセンタイリングを使って対処しました。
アームドデカレッドになれば、防御力を高められる事から。
そして、ルルグアット卿が暴走して、巨大な隕石みたいな感じになってしまう。
次回はいよいよ、アブダビの登場です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ゴジュウジャーの最新話では、最後のユニバース戦士として、ニンジャレッドがご本人で登場するとは思いませんでしたね。
そして、堤なつめはオリガレッドにキングオージャーのセンタイリングを託して脱落していた。
ゴジュウジャーは、どんな感じに決着をつけるのか、楽しみです。
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