「セカイ」の物語   作:hoyoqwerty

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https://hoyoqwerty.github.io/storyofsekai
または、https://x.com/storyofsekaiで公開されている「セカイ」の物語を、
文字に起こし、ハーメルン投稿用に調整したものです。
ぜひリンクから縦書き画像形式の「セカイ」の物語も楽しんでみてください!


第一部第十一章 「過去を知ってその意思を知る」

ミク「ちょちょっと!大丈夫こう!?」

 

その場で急にへたり込んだこうを見てミクは慌てる。

 

こう「......大丈夫。

それよりも、そらが隠してたことを教えてほしい。」

 

俺は何も知らなかった。

もし知れるなら、知りたい。

もうこんな間違いを犯したくはない。

 

そらと同じ場に立つのなら、そらが何を経験したのか

しっかり知らないと。

 

 

さこ「...私も、知りたい...!」

 

さこも同じ気持ちだった。

 

ゆかり「それなら、私たちでお教えしましょう。

ミクちゃん。」

 

ミク「でも...そらの許可を得なくても良いの...?」

 

ゆかり「大丈夫です。彼らがこのことを知るのは

結局のところ時間の問題でしょう。

万が一そらさんに何か言われたら、私に責任転嫁してもらって

構いませんから。」

 

ミク「...分かった。ありがとう。」

 

ゆかり「皆さん、ついてきてください。」

 

 

ゆかりたちは、前にそらに見せてもらっていた、

全てのドライバーが保管されている部屋に向かった。

 

ゆかり「このセカイの過去について話すには

ここが一番良いでしょう。

ミクちゃん、部屋のロック解除ありがとう。」

 

ミク「いーえ~こんなんどうってことないよ。」

 

ゆかり「それでは早速説明していきましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆかり「まずこのセカイは今から二年半前に生まれました。」

 

ゆかり「そこでミクちゃんは生まれて、そらさんは

このセカイに入ってきた。」

 

ミク「その一週間後にこれが見つかったの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

レン「これって?」

 

ミク「私たちは「始まりのバイスタンプ」って呼んでる。

全てのバイスタンプの元となったスタンプだよ。」

 

 

ゆかり「悪魔との契約なしの状態でこれを身体に押印すると、

悪魔との仮契約が行え、

悪魔との契約ありの状態でこれを身体に押印すると、

体内の悪魔の力を急速に増幅させ、

心身に悪影響を及ぼします。」

 

ミク「つまり、悪魔の力が万が一枯渇した時に

使える代物だけど副作用ありだから勧められるものじゃ

ないんだよね。

 

...とにかくこの始まりのバイスタンプを見つけて、その...」

 

冬弥「???」

 

ミク「当時は、体に押印したら何が起こるかわからなかったから...

そらと二人でふざけて、じゃんけんをして負けた方が

このスタンプを体に押印するってゲームをしたのよ...」

 

めぐみ「どんなゲームしてるの...」

 

ミク「それでそらが負けて...そらが押印したの。

そしたら...強い光に襲われて思わず目をつぶっちゃって。」

 

こう「(あの光か...)」

 

ミク「その時確かそらも驚いて後ろに倒れて、

しりもちついたところに、瑞希は現れて手を差し伸べたの。」

 

杏「その「瑞希」ってさ...私たちが知ってる「瑞希」で

合ってるの?」

 

ミク「たぶん合ってるんだと思う。」

 

ゆかり「何はともあれその時点で仮契約を終えていたのでしょう。

そこから三人は仲良くなってともにこのセカイでの

仲間になった。」

 

 

ミク「それでそらが負けて...そらが押印したの。

そしたら...強い光に襲われて思わず目をつぶっちゃって。」

 

こう「(あの光か...)」

 

ミク「その時確かそらも驚いて後ろに倒れて、

しりもちついたところに、瑞希は現れて手を差し伸べたの。」

 

杏「その「瑞希」ってさ...私たちが知ってる「瑞希」で

合ってるの?」

 

ミク「たぶん合ってるんだと思う。」

 

ゆかり「何はともあれその時点で仮契約を終えていたのでしょう。

そこから三人は仲良くなってともにこのセカイでの

仲間になった。」

 

 

ミク「あの時はただ遊んで、寝て。それだけの生活だったなぁ...

やることはなかったけどそれでも楽しかった。」

 

冬弥「だがその半年後...」

 

ミク「うん。一回目のモンスターブラックホールが生まれた。

当時は何もわからなくて、ただ逃げ惑うことしかできなかったけど、

瑞希とそらが戦おうって言って、怪物たちに少しずつ対抗

し始めたの。

私も二人に協力したくて、力を貸したの。

 

ゆかり「その結果出来上がったのがバイスタンプライダーシステム

第一号機、ベイルドライバー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆかり「このドライバーは、本契約を終えた二人が使っていた

ものです。」

 

めぐみ「二人が使ってたってことは、兼用ってこと?」

 

ゆかり「いえ、違います。

瑞希さんが体内に居る状態でそらさんが変身を行っていました。

とにかく、このドライバー一本で怪物たちに対抗していました。」

 

ミク「でもそれがいけなかった。

最終戦の一つ前の戦いでベイルドライバーが破損して...

その時ではギリギリ相手を倒せたんだけど、次の戦いをするには

修理が必要になったの。」

 

ミク「でも、修理が長引いちゃって最終戦が始まっても

ベイルドライバーの修理が終わらなかった。」

 

ミク「最後の怪物が迫ってる状態で、瑞希は単身

怪物に突撃していったの。時間稼ぎをするために。

 

でも勝てるわけが無かった。」

 

こう「......」

 

ゆかり「そらさんがなんとか修理を終えて戦場に着いた時には

瑞希さんは瀕死の状態で倒れこんでいました。

それでも瑞希さんは立ち上がって、

戦闘を続けようとしたそうです。」

 

ミク「そらはすぐさま変身して敵を一旦は退けたの。

そしてすぐに瑞希のところに駆け寄ったんだけど、

もう手遅れだった。」

 

ミク「瑞希はそらが仮面ライダーを続けられるように、

悪魔の力を生産できる...いわゆる「悪魔としての力」をそらに

託した。」

 

ゆかり「その修理のタイミングで、ベイルドライバーの

リミッターを解除し、副作用への考慮を全く行わない

チューニングを施していました。

 

瑞希さんから託されたその力でそらさんは自力で

悪魔の力を生産できるようになり、たった一人で仮面ライダーに

なれるようになったんです。」

 

ゆかり「無理なチューニングのおかげで

前とは比べ物にならないほど性能が向上しましたが、

そらさんに対する負荷も高く、敵には辛勝しましたが

強制変身解除を伴う大きな副作用を受けました。」

 

冬弥「暁山のおかげ...なのか?」

 

ミク「少なくともそらはそう思ってるよ。

それどころか、自分が修理に集中してなければ瑞希を

助けられたって思ってる。」

 

ゆかり「あの場面で勝つためには、瑞希さんの死は

必要だったのかもしれません。

そらさんと瑞希さんが一緒に戦っても、ベイルドライバーが

無ければ敵に簡単に返り討ちにされてしまいます。」

 

少し間を置いてからゆかりは続けた。

ゆかり「必要なことだったとはいえ、あまりにも残酷です。

 

その場に居る全員がしばらく沈黙した。

 

少したってからミクが話し始めた。

 

ミク「とにかく...これがそらの隠してたこと。」

 

ミク「この出来事によって瑞希は...亡くなって...

ベイルドライバーも高負荷に耐え切れずに自壊した。」

 

 

 

 

ミク「ドライバー一本じゃ、またあの出来事が起こりかねない。

だからそらはドライバーを増やし始めたの。

こうたちのそのドライバーも、その一環で作られたもの。」

 

こう「そう...だったのか...」

 

ゆかり「...随分長々と話してしまいましたね。

モンスターブラックホールの動作頻度は不安定なものに

なっています。

休めるときに休みましょう。皆さんも気持ちを整理する時間

が必要だと思います。」

 

さこ「...ありがとう。ゆかりさん...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後各自、自分の部屋に戻っていった。

 

空気が暗く感じられた。

さこの部屋もそれは同じだった。

 

さこは自分の個室にあるシングルベッドに横たわっていた。

 

さこ「...」

無表情を装うとも、もはや無意味だった。

 

 

真実は残酷で、暗い。

 

セカイはもっと美しいと、楽しいと思った。

でも違う。少なくともここは違う。

 

このセカイのことを知るたびに、それが暗いものであることが

多い。

 

戦いは、ヒーローもののように明るくなんてない。

戦いは、死と隣り合わせで暗く、希望なんてないんだ。

 

でも...

 

そらはこのセカイで戦い続けた。

 

そらはなんでこのセカイで戦い続けたのか?

 

ゆかりさんたちが居るのなら

とっくに助けて貰えばよかったはずのに。

 

そらは...私たちに相談もせずに...

ずっとミクと一緒にこのセカイを守り抜こうとしてた。

 

どうして...

 

 

 

 

 

 

「たぶん...それがそらの弱さだから。」

 

 

 

さこ「そらの...弱さ?」

 

レン「今回のことは俺のせいでもある。

俺があの時...そらが敵の相手をして俺たちが施設の中に

逃げてた時、俺がそらの秘密について話しださなければ、

こうならなかったかもしれない。

 

俺はこのことについてみんなに謝りたかったけど...

結局謝れなかった。これが、俺の弱さだ。

 

さこ「...」

 

レン「誰にだって弱さはあると思う。

そらだって例外じゃないと思うんだ。

 

瑞希を守れなかったことは、そらにとって深い心の傷を

残したはず。」

 

さこ「それが...そらの弱さ...」

 

さこ「...明日、やりたいことがある。

学校でやるから、レンくんは絶対に、手を出さないように!」

 

レン「学校ではいつも手は出してませんよーだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金曜日。そらがセカイに戻るまで残り五日。

 

今週最後の学校の昼休みで、さこが考えた「やりたいこと」。

それは、

 

さこ「あの!今...大丈夫でしょうか...!」

 

そら「はい?」

 

 

そらの居るクラスへ行き、そらに直接質問をすること。

 

 

 

 

 

 

そら「どうしました...?」

 

そらはさこのことを覚えていない。

小学四年生の時にそらと出会ってから今に至るまでの間で

友達になった。

 

そらのこんな態度は久しぶりだった。

 

さこもそれは分かっていたが、動揺せずにはいられなかった。

 

さこ「あ...あの!その...「原神」って知ってますか...?」

 

そら「あ...はい。知ってますよ。プレイしてますから。」

 

さこ「実は私も、「旅人」なんです。」

 

そら「...!」

 

「旅人」。それは原神プレイヤーへの呼称である。

しかしこれを知っているのは原神プレイヤー以外にほぼ居ない。

 

そら「あなたも原神やってるんですね。」

 

さこ「はい。実はそうなんです。

えっと...」

 

さこはしくじったと思った。

原神から話を始めるのは簡単だ。

自分もそらも原神をやっている。でもこれをしてしまったら

原神の話しかできなくなる...

 

さこ「...えっと.......」

 

そら「?」

 

さこは言葉が詰まってしまった。

どうにかして原神から話をそらさないといけない...

 

 

 

 

{REVERSE !}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思ったときだった。

 

さこ「あれ?」

 

一瞬にして目の前の景色が変わっていた。

ほぼ同じ光景だが...確かに違う。これは...私の席だ。

 

さこ「え?」

物の位置、それらすべてに見覚えがある。

 

[ここは自分のクラスだ。そらのクラスじゃない。]

 

それに気づくと同時にさっきまで話していたはずのそらも

居なくなっていた。

 

ふと時間を見ると、今は昼休みが始まったばかり...

 

 

さこ「(時間が...巻き戻った...?

...レンくん!)」

 

レン「(さこ!今のって何!?)」

 

レンくんにも分からない現象?

今のは...一体...

 

 

...じゃない!時間が巻き戻ったのなら...!

 

そう思ったときに急に頭にとある言葉が浮かんだ。

それはまるで記憶を思い出すかのように...脳の奥底から

向かってきた。

 

「聞きたいことがあるのなら、

なるべく回りくどいことはせずに、

そのままで行くんだ。」

さこは、なぜか分からないが、その言葉を実践してみようと

思った。

 

さこはそらのクラスに向かう。

さっきと同じ場所にそらが居た。

 

さこ「あの、今大丈夫ですか?」

 

そら「ん?...はい?」

 

さこ「一つ、あなたに質問したいことがあって、

良いですか?」

 

そら「質問?...良いですよ!」

 

...「敬語そら」も二回目になるとだいぶ慣れるらしい。

 

さこ「それじゃ質問します...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さこ「あなたは、一人の物語の主人公だったとします。

その物語では主人公は旅人で、いろんなところを旅していました。

 

その物語は最初こそ暖かく、ほんわかしたものでしたが、

物語が進むにつれて...暗い雰囲気になっていき、

最終的に主人公は、悲惨な経験をする...

 

もし主人公は...あなたは、こうなる未来が最初から

分かっていたとして、この旅を始めますか?」

 

完璧だ。昨日寝不足寸前まで眠らずに考え抜いただけはある。

 

 

「旅」は、そらのセカイで経験したこと、その人生を指す。

「悲惨な経験」は、瑞希のことだ。

 

 

まだこの事件について深く知ってる自身は無い。

けど、ある程度は合っているはず。

 

そらはあの時、自分たちだけであの軍勢に対抗しようとした。

 

三 対 数百 だ。楽な勝負なんてものじゃなかったはず。

 

そらたちは、まぁ...最初こそその規則性を知らないかも

しれないけど、回数を重ねるごとにきっと理解したはず。

 

それは、回数を重ねるたびに、

敵の数は少なくなるが、敵が強くなる、ということ。

 

それに気づいたとき、そらはこの先のことがなんとなく

予想がついたはず。

 

それでも、そらは戦い続けた。

 

さこはそんなことができた理由を知りたかった。

 

できるかわからないが、逃げるという選択もできたはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そら「.....始める。」

 

さこ「それは...どうして?」

 

これが、そらの選択だ。

 

そら「運命から逃げたくないからです。

 

さこは少し予想外なその選択に戸惑った。

 

そら「実は、一年生の最初の頃に、プログラミングっていう、

言わば、アプリとかを作ることに挑戦してみたことがあるんです。

 

でもうまく行かなくて...諦めたんです。

 

そら「...あれ......」

 

そらが急に言い淀んだ。

 

さこ「?」

 

そら「なんだっけ...急に記憶が...」

 

さこ「記憶?」

そらは何かを忘れたようだ。

さこはそれが何かすぐに分かった。「名無し」のセカイのことだ。

 

そら「変だなぁなんだったかド忘れしちゃったんですが...

諦めた後にその忘れちゃった何かに没頭し始めたんです。

 

今度は、絶対に諦めないぞって。

意地でも絶対につかんでみせるって。」

 

そらは絶対に逃げたくなかった。

 

たとえ運命だとしても、それに抗ってでもつかもうとしていた。

 

 

 

そらがつかみたかったもの、それは、

 

あのセカイでの平和、あのセカイでの生活、

あのセカイでの半年、もしくは、それらすべてかもしれない。

 

 

瑞希を失っても、そらは止まらなかった。

そらは常に先を見ようとした。

 

未来が見えていても、お構いなしに進むために。

 

大切なものをつかむためという

自分の意志を、意地でも突き通すために。

 

さこ「...ありがとうございます。」

 

そら「いえ...うまく答えられたか分かりませんが...」

 

さこ「大丈夫ですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

さこはそらがどうやってここまで来れたのか分かった。

 

 

 

もう止まる理由はない。

 

 

 

私も、そらと同じように自分の意志を突き通す時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さこはそらにお礼をするとその場を後にした。

 

そらの答えは、さこの心に影響をもたらした。

 

そらはさこに謎の違和感を持っていたが、

どことなくよかったとも思った。

 

 

そらの記憶が戻るまで、残り五日。

 

彼らはその歩幅こそ小さいが確実に前に進もうとしている。

 

 

 

「「名無し」のセカイ」に「「バーチャルワールド」のセカイ」...

 

物語は次の段階へと向かっている。

 

 

 

それにしても...

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の管理者「さすがだ。そら。

俺なんかとは、まるで違うな。

 

第一部 第十一章 完

 

第一部 第十二章へ続く...

現在投稿時間は15:00になっていますが、今後の投稿のタイミングを考えるとこれより遅い時間になる可能性があります。なので自分が可能な時間を書くので皆さんが「ここならタイミング的に読みやすい時間帯」と考える時間帯に票を入れてください。よろしくお願いします。

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