「セカイ」の物語   作:hoyoqwerty

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または、https://x.com/storyofsekaiで公開されている「セカイ」の物語を、
文字に起こし、ハーメルン投稿用に調整したものです。
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第一部第九章 「月が二つのセカイを結ぶとき」

「沈黙」

この場を説明するのなら、おそらくその言葉が的確なのだろう。

しかし彼らが感じる「沈黙」は、

ただ静かであるわけではない。

 

誰も何も話さないのではなく、誰も何も話せないのだ。

 

この場にいる誰もが、頭で、情報を整理する時間を

必要としていた。

 

「そらの死」。

 

 

 

 

 

 

施設内のリビングルームでこうたちはそれぞれ、

座っていたり、立っていたりしながら、

別々の方向を見ていた。

 

 

さこ「(あの時、私、何もできなかった。

あの人に壁に押しつけられたまま、何もできなかった。)」

 

めぐみ「(あの花火って人よりも、私たちはそらのことを

知らなかった。私たちでさえ知らなかったことが、

そらにはあった。)」

 

こう「(........俺は.....)」

 

 

こう&めぐみ&さこ「このままで、そらの友達で居れるの...?」

 

 

 

 

 

 

その言葉は、悪魔の三人にも聞こえていた。

でも、その答えは、悪魔の三人にも分からなかった。

 

そんな中急にこうが立ち上がり、

どこかへ歩いて行った。

 

リビングルームも特段広いわけではないため、

こうが行き着くところが、そらの遺したツーサイドライバーだと

分かった。

 

こうはそのツーサイドライバーを操作し、

ライブガンにして取り外した。

 

 

杏は、その先に起こること...彼が起こすことが予測できた。

 

杏「...ダメ!」

 

 

バン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうは自分の顎にライブガンを突き立てた状態で、

引き金を引こうとしたが、杏がライブガンを持つ腕ごと

傾けさせ、銃弾はこうに当たることなく、

そのままリビングルームの天井に当たった。

 

ミク「きゃっ!」

 

こう「...!」

 

突然のことに驚くミクと死ねなかったことに驚くこう。

そんな中で一番冷静に動いたのが杏だった。

 

杏はこうの腕をつかんだまま、こうを壁に強く押しつけた。

 

杏「何してるの!!そらを殺すだけじゃ飽き足らず、

今度は自分まで死ぬつもり!?」

 

こう「...........じゃあどうすれば良いんだよ!!」

 

杏「...!」

 

こう「俺がそらを殺した...過去は変えられないだろ....?

ならせめて償わさせてくれ!!」

 

ミク「いい加減にして!!!」

ミクのその口調は今までに聞いたことのない、強い口調だった。

 

ミク「こう!

そらは、あなたたちを守るためにずっと戦ってきたんだよ。

その意味が分かってるの?

こうが死ぬことを、そらが望んでるわけない!

 

こう「...」

こうは、何も言い返せない。

 

ミク「少しの間かもしれないけど、

そらが命がけで守り抜いてくれた自分たちの命を、

簡単に捨てないでよ。」

 

こう「......ごめん。」

 

ミク「こうがそらに対して罪を償いたいのなら、

強く生き続けて。それが、そらの望むことだから。」

 

こう「分かった。

....ありがとう。」

 

ミク「感謝の言葉は、まだ生き続けられるチャンスをくれた

自分の相棒に言いなよ。」

 

その時になってようやく杏は、こうを壁に押し続けていたことに

気づいて、すぐにこうを放した。

 

杏「ごめん!ミクの話に聞き入っちゃった...」

 

こう「謝るのは俺の方だよ。杏ちゃんに向けてだけじゃなくて、

ここに居る全員にも。

俺は謝らなくちゃいけない。

 

...みんな。本当にごめん。」

 

 

 

 

みんなとこうと仲直りしても残る問題があった。

 

今までこのセカイの防衛をたった一人で行っていたそらが

死んでしまったことで、

このセカイを十分に防衛できる人物が居なくなってしまった。

 

一週間経てばそらは記憶が戻り、このセカイへ帰ってこられるが、

その一週間だけでも、こうたちからすればまだ荷が重いのだ。

 

 

 

ミクによれば、昨日今日と連続でモンスターブラックホールが

動いたため、しばらくは大丈夫だろうと言っていた。

 

こうたちはそのままセカイから出て、

現実世界で起床した。

 

今までの人生の中で一番濃い月曜日と火曜日を過ごし、

今水曜日が始まるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

こう「...」

さこ「...」

めぐみ「...」

 

教室で彼らは待っていた。

 

そらと、こう・さこ・めぐみの三人とは別のクラスだった。

なのでそらは登校してすぐ、

こうたちの教室へと来てくれていた。

 

しかし今日、そらは現れなかった。

 

理由は、明白だった。

 

そらは「名無し」のセカイに関する記憶をすべて忘れた。

 

その記憶には、そのセカイに関わった人物も含まれている。

それなら、そらがこうたちのことを忘れていても

違和感はない。

 

心に違和感がなくても、心には悲しさが生まれた。

 

こう「(そらは...俺のせいで...)」

 

めぐみ「(私は...一体どうしたら...)」

 

 

 

 

 

 

 

さこ「(私......何もできてない。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、無力だ。

 

仮面ライダーの力を手に入れても、

そらのようには戦えなかった。

 

こうを止められなかった。

 

私はあの時、壁に押しつけられたまま身動きが取れずに、

こうを止められなかった。

 

 

私は、無力だ。

 

 

私は、最初から、あのセカイに居なければよかったんだ。

 

 

 

 

......そんなこと言わないで。さこ。

 

さこ「(...!)」

 

レン「(さこがあのセカイに居なければ、

俺とさこが会うことはなかったんだよ。さこ。

 

...それにあの時、あの花火って人に壁にドーンって

押し付けられたのは、さこだけじゃないしね。)」

 

 

さこ「(...)」

 

レン「(自分だけを責めないでほしい。)」

 

さこ「(...ごめん。)」

 

 

 

 

 

結局、その日は何も起こらず終わった。

 

こうたちはそらに会わなかったし、

そらもこうたちには会いに来なかった。

 

モンスターブラックホールも動かなかった。

 

それでもさこは、無力を感じたままだった。

どうしても、拭い切れなかった。

 

 

 

モンスターブラックホールが動きだしたのは次の日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうたちに残された道は一つだけだった。

それは戦うことだけ。

 

戦いたいわけじゃない。負けることは、もう目に見えてる。

分かっているのに、こうたちは立ち向かうことを選択した。

 

 

こう「...行ってくる。」

 

ミク「...」

ミクは無言で外へ行くこうたちを見守った。

 

さこたちが感じている無力感は、ミクにも存在していた。

 

ミク「...そら......」

 

 

ミク「私だって戦いたいよ...

私は、こうたちの力にすら...成れないの...?」

 

その悲しみに満ちた声は既に外に出たこうたちには

届かなかった。

 

 

 

 

 

 

外に出たこうたちには、既に多くの怪物が見えた。

 

こう&めぐみ&さこ「変身!」

 

彼ら6人は大勢の敵軍の中に突っ込んで行った。

 

こう「はぁあ!」

こうは怪物に殴りかかる。

その拳は見事に怪物を吹き飛ばした。

 

こう「やっぱりこの敵なら行ける!」

 

そう思った瞬間、こうは右側から来ていた攻撃に

気づかなかった。

その攻撃は、杏によって防がれた。

 

杏「油断しないでね。こう。」

こう「ああ、もちろん...!」

 

 

さこ「...!」

レン「はぁっ!....さこ!大丈夫!?」

レンはさこに命中しかけた攻撃をはねのけて、逆にカウンターを

食らわせた。

 

さこ「大丈夫...!」

 

めぐみ「はぁっ!」

 

冬弥「敵は全方向に居る!離れ離れにならないようにするぞ!」

 

めぐみ「OK!」

 

ミク「みんな良い調子!」

 

敵の数は全部で180体。

この数なら、なんとか...彼らでも対処しきれない数じゃない。

 

しかしそれは、戦況がこのままならの話だ。

 

 

めぐみ「ぐっ!?」

突如めぐみの体を瞬間的に強く押しだす力に襲われた。

めぐみは大きく吹っ飛ばされた。

 

冬弥「めぐみ!大丈夫か!」

 

めぐみ「今のは...」

めぐみは直感で、今のはさっきまで戦っていた怪物から受けた

攻撃ではないことが感じ取れた。

 

めぐみ「うっ!?」

また体が強く押しだされる。

 

ミク「めぐみ?どうしたの!?」

 

めぐみ「分かんないけど、なんか体を突き飛ばされる...!」

 

冬弥「一体何が起こって...

.....!?」

 

ミク「冬弥?」

 

冬弥「今何かが俺の後ろを通った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬弥「...高速移動か...!」

 

ミク「え!?」

 

通常の怪物を統べる怪物、「怪物のリーダー」が現れたのだ。

 

 

怪物「バレたか!」

 

めぐみ&冬弥「!?」

二人同時に突き飛ばされた。

敵は高速移動しながら二人にタックルしていた。

 

その高速移動で強力なものになった攻撃は、

先ほど以上に大きく突き飛ばし、めぐみの変身を解除させた。

 

めぐみ「...うっ.....」

 

冬弥「大...丈夫か...!」

 

怪物「この程度か。

すぐに方をつけてやる。」

 

怪物のリーダーはさっきまでと異なりわざとゆっくりと

冬弥とめぐみに近づく。

 

こう「やめろ!」

 

こうはその間に入って、そのまま怪物へ向かう。

 

こう「ふっ!はっ!」

 

こうは二回怪物を殴ろうとしたが二回ともかわされた。

 

怪物「邪魔だ!」

怪物はこうの腹を一発殴り、もう片方の腕で、

こうを投げ飛ばした。

 

投げ飛ばされたこうは一度壁に衝突してから地面に落下し、

そのまま変身が解除されてしまった。

 

こう「くっ...」

 

杏「こう!」

杏はこうのもとへ駆け寄ろうとしたが、

先ほどまでの怪物に阻まれてそれが叶わない。

 

怪物「チッ...雑魚が。しゃしゃり出てくるな!」

 

怪物のリーダーは握っていた手を開いた。

すると手元に剣が現れ、怪物はそれを持ち、

剣をこうへ向けた。

 

怪物「まぁいい。」

 

 

 

 

怪物「どうせお前らは俺たちに負ける!

順番は...結果に影響しない!まずはお前だ!!」

 

怪物のリーダーは、こうに近づいていき、

 

 

杏「やめて...!」

 

 

 

 

その剣をこうに振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こう「...?」

 

こうは思わず目をつぶっていた。

何かがおかしい。

 

死んで...ない...?

 

目を開けると、誰かがこうに向けて振り下ろされた剣を止めていた。

 

 

怪物「何!?」

 

???「ふっ!」

 

その誰かは、別の剣で怪物の剣を止めており、

 

怪物の剣をはねのけて、そのまま怪物を切りつけた。

 

怪物「なんだ!?誰だお前!!」

 

 

その剣の刃は、赤く発光していた。

 

 

ミク「あれって!」

 

 

???「今から倒す相手に、自己紹介しても無駄だと

思うんですけどね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆかり「時間軸管理局副長官、結月ゆかりです。

 

時間軸番号DDC181の秩序回復のため、あなたを

このセカイから消去します。」

 

 

第一部 第九章 完

 

第一部 第十章へ続く...

現在投稿時間は15:00になっていますが、今後の投稿のタイミングを考えるとこれより遅い時間になる可能性があります。なので自分が可能な時間を書くので皆さんが「ここならタイミング的に読みやすい時間帯」と考える時間帯に票を入れてください。よろしくお願いします。

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