アティア憲兵少佐に連行されるゼフォルは抵抗をしなかった。亡命はやはり気分ではなかったし、来るべきものがようやくきたということでしかなかった。
腕を拘束され、移送用の頑丈そうな馬車に乗せられた。アティアも同乗するが、何も喋りかけてはこなかった。
「あれはベルズーフ閣下の本隊ですか?」
「ええ、その通りです」
馬車で2人きりのくせに無言なのはどうも居心地が悪いのでゼフォルから話しかけた。窓から見えるヴァン・ウィルベートの城下町は軍兵で溢れかえっていた。その密度は駐屯兵だけのそれではない。
それでいてかつてゼフォルが率いた東部方面軍主力に並ぶか凌駕するほど士気、統制が取れるかつ、これだけの数を有する戦力など帝国でベルズーフの主力部隊に他ならない。
「帝国は南部で勝ちましたか」
「おっしゃるとおりです」
「東部では負けましたがね」
「……」
ゼフォルの笑えない冗談に、アティアは固まるだけだった。いっそ責めてくれた方が楽だったのだが。
だがゼフォルの進退などすぐに決まるだろう。
階級がしっかり機能する帝国軍は長い歴史で見ればここ最近バルグリフ皇太子の元で作られたもので、地方方面軍副司令官の軍法会議などの事例は初めてだ。
独自性が強すぎて今のゼフォルを裁けるのはベルズーフくらいなものだろう。しかし逆にベルズーフさえいれば間違いなく帝国軍創業以来初と言って良いこの大不祥事はすぐさま裁かれることになるだろう。
そのままゼフォルはヴァン・ウィルベートの本城にまで護送された。アティアが気遣ってくれたのか、目立つ正面からの入城ではなく、裏口から密かに入ったため、ゼフォルが衆目にさらされることはなかった。
最も、今の包帯まみれで憲兵少佐に連行されている女性を、あの東部方面軍副司令官だとはだれも思わないだろうが。
「こちらです」
案内された部屋は牢獄というには整いすぎていた。というより小さめな、貴人用の部屋そのものだ。
尤も、壁もドアも強固な素材でできていて、窓には格子もついている。監獄としての機能は十分だ。どうやらこれほどの部屋を用意するあたり帝国はまだゼフォルを帝国軍少将として扱ってくれるようだった。
「しばらくこの部屋に入っていただきます少将。何かあれば外の守衛に……」
「少佐、東部方面軍はどうなりましたか?」
「それは……」
「後生です。教えていただきませんか?」
「……職務上お教えできることはありません」
「忠実ですね」
無事にどれだけ退却に成功したか。それだけは気になっていた。だが職務上アティアが言いづらいのは百も承知だったのでこの回答に不満もない。
もはやゼフォルの立場では軍事的な機密を知れないのだろう。
「……幻滅しましたか?あれだけ大見栄を張って王国に敗北した私に」
「兵家は勝敗の常です。敗北したといえど、最期まで撤退戦を指揮して多くの兵を逃がした将軍に幻滅などしません」
「ちなみに私はどういった経緯であの離宮にいたことになっていますか?」
「エスメル少将が救援中に重体の将校を救出、前線の医療設備では手遅れになると判断して人を遣わして勝手知ったるヴァン・ウィルベートの離宮で救命活動を行ったと、後に東部方面軍副司令官のゼフォル少将と判明したため、憲兵に連行したことになっています」
エスメルやエルシアが上に無断で匿っていたという話にはなっていないのが分かってゼフォルは安堵した。
匿うという話だったが、結局引き渡したらしい、きっとこの大敗北にはベルズーフどころかバルグリフ皇太子の手も回っていて、隠し通せなかったのだろう。それでいいと思った。
それにアティアがしれっと多くの味方が撤退できたと先ほどの質問に別の形で答えてくれたことをゼフォルは聞き逃さなかった。
「しかし……」
「しかし……何ですか?」
「少将閣下はベルズーフ大将の命令を違反しました。その点は職務柄も個人的にも擁護できません」
「ふっ……そうですね、あぁ、そうですね」
痛い所を突かれてゼフォルはそう言い返すしかなかった。結局個人の下らぬプライドだったのだ。弁解もしようもない、結局こうして傷だらけで牢に入れられたのだから。
だが素直なアティアに真っ直ぐといわれるとくるものがあった。しかし悪い気はしない、責められることで罪悪感が解消される気すらあった。
「閣下、ではこれで」
「呼び止めてすみませんでした。私が最後に書いていた冊子、あれは少佐が好きに使ってください、王国の地形や兵力、特色をなるべく事細かに書いておきました」
そう最後に言い残すとアティアは敬礼をして去っていった。真面目な彼女ならすぐに信頼できる上司などに渡して正しく使ってくれるだろう。
牢の中でゼフォルができる最後の奉仕だった。
牢の中の生活は悪くはなかった。ベットだって軍中の陣屋に比べれば天と地の差があるほどふかふかだったし食事だって軍の携帯糧食に比べれば上等だ。
貴族や将官クラスになると捕まってもこんなに良い生活ができるのかと思った。エルシアが献身的に面倒を見てくれた離宮での暮らしに比べればランクは劣るが、あれはあれで敗戦の将だというのに至りつくせりで負い目があったのだ。
それに侍医すらつけられ、ケガの面倒まで見てくれて日に日に包帯は取れていった。一般的な罪人は刑務作業などがあるらしいが、それもない。
むしろ体を動かしたいまであるので、望むところであるのだが、手枷足枷がしっかり寝台につないで、外部と完全に遮断しているあたり、絶対に逃がしたくはないのだろう。
さすがに日の光は見えるため、時間くらいは分かる。そんな不自由でありつつも不自由のない暮らしをしていると部屋のドアが重々しく開かれ、そこにはアティアが数人の兵を引き連れて立っていた。
「少将閣下」
「なんでしょう」
「これより閣下は軍法会議にかけられます。ご同行を」
「もちろん」
ついに来るべき日がきたのだ。覚悟などしていたが、さすがに目の前に訪れると心がすくんだ。しとうにかしそれをできるだけ表に出さないように、いつもの鉄面皮を取り繕い、将官として恥じぬ態度でゼフォルは答えた。
手枷の鎖をアティアが引き、足枷につながれた鉄球を右足と左足で一つずつ、大柄な兵士が二人ずつで抱えてゼフォルは連行されていた、その他にも8人の兵士が完全武装で護送していた。
一人の人間に大層な人数だが、この大陸での強者の護送などこんなものだった。魔力で身体能力を強化している猛者たちはそこらの兵では拘束していても相手にならない、かつては全身を鎖でグルグル巻きにされて巨大な複数の鉄球に繋がれて連行された者すらいるらしい。そういった歴史上の強者と同列に扱われていることをむしろゼフォルは誇っていた。
「ぜ、ゼフォル将軍……」
「生きていたのか……」
「王国をあれだけ追い詰めたという……」
軍法会議の噂は城中に流れているのだろう。枷で繋がれたゼフォルは城中で兵士、役人、貴族などあらゆる人間がゼフォルを注目していた。その感情は様々だったが、恐怖や困惑など良い感情は少ない。だがそれでも、ゼフォルを下に目るような感情は1つもなかった。誰もただの敗軍の将としては見ていない、もっと別の怪物のような何かだと思っていた。
悪くない気分だった。同時に帝国軍の質の高さに感動をしていた。
さすがに帝国軍主力ベルズーフの麾下の将兵だ。誰も敗北の色眼鏡だけでゼフォルを見たりしないのだ。問題行為は多かったかもしれないが、誰もが一方面軍で王国一国を追い詰めた指揮官としてゼフォルを見ている。
少なくとも自分はただの愚将として名を残すことはないだろう、そう考えるだけで死の恐怖が薄れていく、もしその可能性があればゼフォルは己のプライドにかけてみじめったらしく命乞いでも何でもしていただろう。身体すら許したかもしれない。そう考えて自分の高いんだか低いんだかわからないプライドに自嘲した。
長いようで短い道中だった。ヴァン・ウィルベートの大会議室の前までゼフォルは通される。かつてエスメルが次期当主として名乗りを上げ、ゼフォルが将軍として初めて紹介された場所だ。
なんという因果だろうか、だが此処で最後が決まるなら悪い気がしなかった。
重厚で巨大な扉が開かれる。大会議室には首座に総司令官にして大将のベルズーフが座り、彼を筆頭に帝国軍の主要な面々が集まっていた。クレッチマーをはじめとした東部方面軍の見知った顔もいた。アルセリアは階級が足らないか、ゼフォルの信任で大佐になっていただけなのでいないようだ。
そういった歴々などゼフォルの眼中にはなかった。あたり一面を回す。確かに帝国軍少将にして東部方面軍副司令官を裁くのに十分な人材の層の厚さだ、しかしエスメルがこの場にはいない、それだけでこの醜態を彼女に晒すことがないので安心した。同時にもう会えない寂しさもあったが。
会議室中央の被告室に座りまっすぐとベルズーフをゼフォルは見つめた。エスメルがいない今、ゼフォルを超えうるだろうこの男がどういった感情を持っているかが一番関心があったからだ。
だが視線肝心のベルズーフは何とも言えないような薄い感情をしており、表面だけではよくわからなかった。さすが帝国の重鎮だけある。この程度の事では感情を表に出したりしないのだろう。
「では東部方面軍副司令官ゼフォル・オデュッセル少将の軍法会議を始める」
そのベルズーフの一言でゼフォルの軍法会議は始まった。黙々と罪状がベルズーフの側近によって並べられていく。細かなものも合わせればそれは10数件に及んだが大まかに大きなものだけでいえば、命令違反、越権行為、不穏分子の武力化だった。
「まず命令違反だ。中央から、私の名で東部方面軍には守備に徹するように命令したはずだ。どうしてそれを無視したのだ?」
「将、外にあっては君命も奉ぜざるありというでしょう?確かに閣下の守備命令には道理はありましたが、我らはロッソ王国の10万近い主力部隊を撃破したのです。この千載一遇の機会を逃がしてはならぬと判断したまでです」
「それでも王都近郊まで攻め込むとはどういった了見であるか」
「外に会って将たる私は王都陥落すらできると判断したまでです。戦況が私をそうさせたのであって君命に逆らう気は毛頭ありませんでしたとも」
ゼフォルは自分が少しでも減刑したり、命が助かりたいとはほとんど思っていなかった。ここまで来たら目の前のベルズーフにとことん挑んでやる。
そもそもこの男がゼフォルを差し置いて功績を上げたから、強かったから、エスメルとともに戦ったから、だからゼフォルはこうまでやったのだ。
醜い八つ当たりでしかないのは百も承知だが、ここで屈するのはここまでのプライドを全て投げ捨てるようなものだった。
枷をはめられてなおゼフォルはそれを態度に示した。
「正直なものだな……まぁいい、次だ、貴官はあくまで副司令官であるはず、だが度々司令官であるオドール中将を差し置いて命令を下したと証言がある。これはいかに?」
そう言われて、ゼフォルは東部方面軍の将校が固まっている席をチラリと見た。オドールの元参謀たちは目をそらしていたがクレッチマーだけは真っすぐと視線をそらさなかった。ゼフォルへの進言といいなんだかんだで愚直な男である。
「私がオドール中将の信任厚かったからです。過大な評価をいただき、多くの権限を任していただきました。その移譲された権限を振るっただけです」
「いささか過剰にも思えるが、それではオドール中将の職務怠慢にならないか」
「少なくとも、最期の一戦以外東部方面軍は勝ち続けました。中将はあくまで適切なところで適切な判断を下し続けただけです。そして最後の敗戦はその信任に私が答えられなかっただけの話です」
「……そうか」
やっと無表情だったベルズーフの表情が険しくなった気がした。機嫌を損ねただろうか、だが、これで良かった。見ればこれだけいる帝国の重鎮たちは驚愕の表情で見守っているだけで誰も意見しようとしない、ベルズーフとゼフォルの一騎打ち状態だった。
「では西部貴族の不穏分子を徴兵したのはどう説明する?確かに地方方面軍は現地で徴兵する権限はあるが、明らかに異常な人数と人選だ。かつてバルグリフ皇太子に仇なした貴族たちすらいるのだぞ」
「確かに常識を超える徴兵を行ったことは反省しております。しかし西部貴族たちを徴兵したのは帝国人や、特にここにいる皆様も持っているだろう感情に従ったまでと考えています」
「その感情とは何だね?」
「西部貴族の反乱そのものです。バルグリフ皇太子麾下の各方面軍が帝国の為血反吐を吐いて戦っているのに、後方に会ってあろうことか反乱を起こした度し難い連中。彼らをせめて王国との戦いの尖兵に仕立て上げたかったのです」
「オドール中将は昔の縁で取り立ててしまったと証言したが?」
ここでようやくオドールが裁かれた後なのだとゼフォルは気が付いた。生死を問いたいのをぐっと我慢した。だが今のゼフォルが訊けるわけもないので、せめて生死不明のかつての上司をついでに少しくらい擁護しても良かった。
「中将の本心は分かりませんが少なくとも私はその一心でその取り立てを止めませんでした」
「領地の確約や爵位の授与すら君は条件に出したと証言にあるが?」
「ご冗談を!少なくとも騎士爵にして少将であるわたしにそんな権限はありませんし、不穏分子である連中の約束など守る気は毛頭ありませんでした。せいぜい王都を落とした後はどう謀殺してやろうかと考えておりましたとも!」
そろそろ周りの視線が驚愕から恐怖に変わってきたのを感じる。あのクレッチマーすら表情を歪めて冷や汗を流している。
だがそれでもベルズーフは大きく表情を変えなかった。勝手にライバル視して何だがすさまじい肝の座りようだった。
「結果はアンス侯爵の裏切りが東部方面軍の敗北につながったようだが」
「それは私の無能と傲慢ゆえです。殺してやろうとずっと思っていましたが先に出し抜かれるとは思っていませんでした。しかし同時にアンス侯爵と私の関係がその程度のものだったという証拠になるかと」
「確かに道理は通っているな。しかし貴官は不穏分子を抱え込んだ結果敗北したというわけだ」
「はい。道理は通っております」
オウム返しで煽ってやるがやっぱり表情を崩さなかった。突っかかっておいてなんだが、ゼフォルはそろそろ怒りすら湧いてきた。
「だが、わからん、私は貴官の才能には期待していた。ここで無理して王国を攻めなくとも、南部諸国を降伏させた後、ゆっくりと準備をして攻めれば戦いを有利に進められるとわかるはずだ。そして何より守勢に回れば貴官なら十分に守り切ったはずだ」
表情こそ崩さないものの嘘を許さないベルズーフの鋭い眼光がゼフォルを貫く、ここで分かりませんでした等、言っても即座にばれるだろうし、プライドにかけて否定する気もなかった。
そして何よりゼフォルはそろそろベルズーフに思い知らせたかった。
「簡単なことです閣下、私は閣下に勝ちたかったからです」
「何?私に?」
「そうです。閣下は私より階級も皇太子の信任も厚く、率いる兵の数も階級も上です。その差は一生に埋まることはないでしょう。だから東部方面軍の将兵すべてと、西部貴族の資産と浪人、使えるものはすべて使って千軍万馬を賭けました。そして王国との戦いをほかならぬこの手で幕を引いてやりたかったのです!」
つい感情が荒ぶってゼフォルの語気が強くなっていた。しかしそれはベルズーフも同じようで、信じられぬものを見たような驚愕の表情を浮かべている。周りの将兵など唖然としていて広くこれだけの人数がいて大会議室が静まり返った。
こんな酷い弁明をする将軍などこの大陸にはいないだろう。もしかしたら歴史書にもいないかもしれない、能力に優れたものに嫉妬など、誰だってしている。しなければ人は成長などしないからだ。
しかしそれを9万の大軍が敗北した理由に声高々と言い放ったのだ。この時だけゼフォルはこの大陸でもっとも馬鹿な人間になっていた。
だが後悔など微塵もなかった。ある意味遅すぎで、敗北した後ではあるがベルズーフへの宣戦布告のようなものだ。
ここまでの反応でベルズーフをライバル視していることすら気が付かれていないのかと不安だった。いや気が付いてなかったのだろう。なにせ全軍の司令官にして帝国軍で最も高名といっていいベルズーフにとってそんな個人からの嫉妬など些事に過ぎない。
だがそれが許せなかった、このゼフォルの嫉妬心が、荒ぶる感情が無視されることなど、皇帝や国王であっても許されないのだ。だからここで宣言してやった。
したときには負けていた。もうゼフォルがベルズーフを超えることはないだろう。あの敗北は武名を傷つけるのに十分だし、何より軍法会議でこんな傲岸不遜な態度をして極刑は免れないだろう。
だがこれで良かった。きちんとベルズーフに敵と認知され、きちんと敗北する。それだけで心がすっきりとした。負けたのは悔しいが敵として見られないのはもっと屈辱だからだ。
驚愕したベルズーフに満面の笑みを返してやる。相変わらずどうしようもない人間だとゼフォルは自嘲し、すっきりした心だがやはりエスメルの事だけが気がかりだった。
エルシアからは早まらないようにと忠告を受けたが結局駄目だった。
いや何を言われてもゼフォルはこの軍法会議で同じ態度をとり続けただろう。
だってこれ以外どうしたらいいかわからなかったからだ。ひたすら平謝りして許しを請えばよかっだろうか?しかしそんな殊勝な態度をゼフォルは知らないのだ。
どうでもいい連中相手ならば、ゼフォルはいくらでもへりくだれる。そして内心では見下し尽くしてほくそ笑みながら操るのだ。しかし認めるか、自分より上だと判断した相手ならばいつだって本気で相対する。
エスメルがいなくて良かったと思ったが、むしろいたほうが良かったかもしれない。ここまで追い詰められてなお不遜なこの姿を見れば流石のエスメルも呆れ果ててゼフォルを見捨てる決心がついたかもしれない。
「しかしその賭けで不穏分子をみすみす見逃した罪は重い。アンス侯爵がどうなったか知っているか」
「いえ」
「侯爵は王国で反帝国の旗頭となっている。縁のあった貴族に盛んに密通を繰り返している。貴官が取り立てなければこうはならなかった」
「そうですか」
「このことについて何かないのかね」
「あれを取り立てて私はこうなったのです。次は王国がこうなる番なのかなと」
腕を切り落としてやったが、存外にしぶとい。しかしあの程度の男を反帝国の旗頭に立てるなど王国も相当に厳しいらしい。
「王国への敵意は本物のようだな。よくわかったよ。ゼフォル将軍、君は確かに帝国のために王国を叩き潰そうという熱意と忠誠心は本物かもしれない、だがそれに熱をあげすぎて軍法から逸脱し多くの将兵を失い、有力な元帝国貴族を王国に走らせた罪は重い、死をもって償わなければならない。……ゼフォル少将を極刑に処す」
「……はっ」
威勢よく堂々と答えたはずのゼフォルの声は思ったよりもか細かった。