死の体現と呼ばれた人間は透き通った世界で先生に 作:烙印バンザイ
空崎ヒナ……ゲヘナ学園風紀委員長。ゲヘナのトップ戦力さっきまで戦っていた風紀委員達よりも圧倒的に強いと感じた。
「そ、その……これは、素行の悪い生徒たちを捕まえようと……。」
「便利屋68のこと?どこにいるの?今はシャーレとアビドスと、対峙してるように見えるけど。」
「え、便利屋ならそこに……。」
さっきまで便利屋がいたところには誰もいなかった。風紀委員長の姿が見えたときには逃げていた。
「い、いつの間に逃げたのですか!?さ、さっきまでそこにいたはず……!」
「……。」
「え、えっと……委員長、全て説明いたします。」
「……。」
「いや、もういい。だいたい把握した。察するに、ゲヘナにとっての不安要素の確認及び排除。そういう政治的な活動の一環ってところね。」
「……。」
「でもアコ、私たちは風紀委員であって、生徒会じゃない。シャーレ、ティーパーティー、それに連邦生徒会長。そういうのは「万魔殿」のタヌキたちにでも任せておけばいい。詳しい話は帰ってから。通信を切って校舎で謹慎してなさい。アコ。」
「……はい。」
「……。」
どうやらあっちの話は終わったようだ。
「じゃあ、あらためてやろうか。」
「ま、待ってください!ゲヘナの風紀委員長と言ったら、キヴォトスでも匹敵する人物を見つけるのが難しいほどの、強者の中の強者ですよ!」
(キヴォトスでも匹敵する人物が難しいか…一応、今まで会ったキヴォトスの生徒でアビドスにいるんだが……)
俺が頭の中で思いついた奴が本気を出せば間違いなく強いのだが今この場にちょうど居なかった。
小野も軍で第一部隊に所属していて軍学でもトップクラスらしいからいけるかもしれないが。
思考を巡らせている間にどうやら遅れてやってきたようだ。
「ごめんごめん。ちょっと昼寝しててね〜。少し遅れちゃった。」
「……」
「どうしたの〜先生?」
果たして本当に昼寝だったのだろうか?それとも警戒心によるものなのか?
そんなことはさておき俺は空崎の方を向いた。
「……。」
表情が変わっていた。どうやら小鳥遊を知っているようだった。
「昼寝ぇ!?こっちは色々大変だったのに!ゲヘナのやつらが……!」
「でも、もう全員撃退した。」
「大体は先生が撃退してましたけどね」
「ゲヘナの風紀委員かあ……便利屋を追ってここまで来たの?」
「……。」
「うーん、事情はよく分からないけど、対策委員会はこれで勢揃いだよ。ということで、あらためてやり合ってみる?風紀委員長ちゃん?」
「……1年生の時とはずいぶん変わった、人違いじゃないかと思うくらいに。」
「……ん?私のこと知ってるの?」
「情報部にいた頃、各自治区の要注意生徒たちをある程度把握してたから。特に小鳥遊ホシノ……あなたのことを忘れるはずがない。あの事件の後、アビドスを去ったと思ったけど。」
「……。」
「……」
事件……。小鳥遊は何か闇を抱えているようだったがどうやらその時になにかあったようだ。
「……そうか、そういうことか……だからシャーレが……。」
空崎は何かを納得していた。
「まあいい、私も戦うためにここに来たわけじゃないから。……イオリ、チナツ。」
「……委員長。」
「……はい。」
「撤収準備、帰るよ。」
「えっ!?」
「帰るんですか!?」
空崎はこちらに歩み寄って頭を下げた。
「えっ?」
「頭を下げました……!?」
「事前通達無しでの無断兵力運用、そして他校自治区で騒ぎを起こしたこと。このことについては、私、空崎ヒナより、ゲヘナの風紀委員会の委員長として、アビドスの対策委員会に対して公式に謝罪する。今後、ゲヘナの風紀委員会がここに無断で侵入することはないと約束する。どうか許してほしい。」
「まあ、ラーメン食べようとしたら爆撃されたけどこっちも風紀委員の銃やら砲台を壊したからお相子だ」
そうして風紀委員達は撤収準備していたが空崎がこちらに近づいてきた。
「……シャーレの先生。」
「どうしたんだ?」
「あなたに伝えたいことがある。これは直接言った方がいいと思って。」
「奇遇だな……俺も話したいことがあるんだが……まあ、その前にそっちの用件はなんだ?」
「……カイザーコーポレーションのこと、知ってる?」
「うん?真っ黒なところ…現在、証拠とか集めてるとこら。」
「そ、そう。……これはまだ万魔殿も、ティーパーティーも知らない情報だけど。……あなたには知らせた方がいいかもしれない。」
「それは助かる」
「アビドスの捨てられた砂漠……あそこで、カイザーコーポレーションが何かを企んでる。」
やはりカイザーコーポレーションはアビドスのなにかを狙っていた。
「本当なら、廃校予定のアビドスに教える義理はないのだけど。……一応、ね。」
「そうか、助かる」
「ところで私に話したいことって?」
「あ、そうだそうだ……空崎、お前…少し休んだ方がいいぞ」
俺は空崎を見て思っていたことを言った。
「えっ?」
「表には出してないみたいだが随分と疲弊してるみたいだな。責任感があるのは良いことだが抱え込んでいると精神が限界を迎えるぞ」
空崎ヒナ…おそらくが仕事は出来るが他者を頼ることが苦手なのだろう……なんか既視感を感じるのは気のせいだろう。
「まあ、アビドスが落ち着いたらゲヘナにも行くかもしれないからその時は俺も仕事を手伝うよ。一応、行く時は謝罪もかねてだけど。」
流石に爆撃されたとは言えほとんどの生徒の武器や砲台を破壊したから申し訳ない。
「まあ、俺から言えることは……とりあえず休めそして他の風紀委員を頼ったり鍛えておいた方がいいぞ。」
「……。」
「まあ、情報ありがとうな。それじゃあ…またな。」
「じゃあまた、先生。」
その後、空崎達は撤収してそして対策委員会の方も解散という形になったが
「はあ〜」
「……先生。」
「風紀委員長と何か話していたんだけど……何の話?」
「また今度、全員の前で話すよ。」
「……うん、分かった。じゃあ帰ろう、先生。」
「……。」
カイザーコーポレーションがアビドスに何か目的があることは予想していた。
今回のゲヘナ風紀委員との邂逅は新たな情報と新たな調べ事が増えた。
(はあ、カイザーの事はなんとなく出来るが……問題は…)
俺はまだ慣れていないものにため息をついた。
——————
翌日—アビドスの某所
「これで全部ですね。」
便利屋はアビドス自治区からの移動の準備をしていた。
「じゃあどこに行く?」
「うーん……。」
「まあ、特に当てもなさそうだし、またゲヘナに戻る?」
「まあ、気をつけて帰れよ」
「!!」
「えっ……!?」
「せ、先輩……!?」
「シャーレの……?」
「えっ、あ、先生だ!いつの間に来てくれたんだね!」
「様子見に来た。移動するんだな」
「まあ、依頼が無くなったから……と、というかいつからいたの?全然気づかなかったけど。」
「ああ、気配を消して来たからな……約10分前にはいた。」
「なんで話しかけなかったんですか?」
「邪魔になるかと思ってな」
平泉は呆れたような顔をしていたが陸八魔や他の便利屋は驚いていた。
「まあ、落ち着いたらまた連絡するよ」
「え……?」
「先生積極的だね。」
「お前ら便利屋だろ?また依頼するから」
「ふふっ、うふふふっ!もちろんよ!先生、あなたとは事業パートナーとして協業するのも悪くなさそうね。」
「……まあ、保証はするて言ったし変な事じゃなければな。じゃあ、またな。」
便利屋のトラックは路地の向こうへ消えた。何故かまたすぐに再会するような気がしたが俺は気にせずにある場所に向かった。
———
便利屋と別れた後、大将の見舞いに来た。
「こんにちは、大将。お見舞いに来ました。」
「大将、大丈夫?」
「やあ、セリカちゃん。それにアヤネちゃんも。こんな早い時間からありがとう。」
「大将、体の調子は大丈夫なのか?」
「ああ、先生まで。大丈夫大丈夫、小野君のおかげでちょっと擦りむいたたげだ。」
「先輩、お久しぶりです」
「おう、小野も無事そうだな……あの時はのびてたけど。」
「不甲斐ないです。ですがもう大丈夫です」
どうやら大将よりも軽症だった。ただ何も防ぐ物がない状態で瓦礫の下敷きになったため気を失っていたようだった。
「でも……大将のお店が……」
「ああ、バイトできなくなっちゃってごめんな、セリカちゃん。それに小野君。」
「そういう問題じゃないわよ。」
「そうですよ。」
「そもそも、もうすぐ店を畳む予定だったからな。予定がちょっと早くなっただけだ。」
「え?お店を……?」
「ああ、ちょっと前から退去通知を受け取っていてね。」
「た、退去通知って、何の話ですか?アビドス自治区の建物の所有者は、アビドス高校で……。」
「……そうか、君たちは知らなかったんだな。……何年か前、アビドスの生徒会が借金を返せなくて、建物や土地の所有権が移ったんだ。」
「……」
「え?」
「…え?」
「う、嘘!?アビドス自治区なのに!?じゃあ今は一体誰が!?」
「カイザーコーポレーションか?」
「先輩?」
「うーん……そんな名前だった気もするが……悪いな、はっきり覚えてねえや。」
「そうか、大将ありがとう。」
大将は覚えてないがおそらくはカイザーコーポレーションかまたはその関連会社だろう。
「そんな……でも、そういうことなら……。セリカちゃん、先生。お二人は先に学校に戻ってください。私は確認したいことがあるので、ちょっと別のところに寄ってから行きます。」
「ん、何のこと?よく分からないけど……私も一緒に行く!」
「一応、僕も一緒に行きます。」
「では、先生は教室に戻ってください!私たちもすぐに戻りますので!」
「ああ、俺も少し話したい事があるからまた後でな。」
「大将、まだ引退とか考えないでよ!分かった!?」
「お、おお……あっ、そうだセリカちゃん最後に、お店のところにお金が入った変なカバンがあったんだけど、何か知ってるかい?」
「金が入ったカバン……」
金が入ったカバンは銀行を襲った後に置いていたカバンのことなら分かるがもしかしたら便利屋が置いて行ったのかもしれない。
「店の再建に使ってください……おそらくそれは、大将の店が好きな奴…または奴らからの贈り物だと思います。」
「お、おお?」
「行こう、セリカちゃん!小野さん!」
「はい!それでは先輩、また後で。」
「うん!どこに行くか分かってないけど……先生、また後でね!」
色々な物は繋がってきたのだがまだカイザーの狙いが詳しくは分からなかった。
俺は急いでアビドス高校に戻った。
作者「ブルアカを進めて貫通アタッカーがいなくて、ミカか制服ネルのピックアップを待ちたいですが水着シロコも引きたいので石がない。」
刹夜「いやお前、助っ人をよく使うだろ」
作者「自前で持っときたいんだよ」
刹夜「あの時に出しておけばよかったな」
作者「それはそうでもあの時は臨戦ホシノとテラーだったから」