死の体現と呼ばれた人間は透き通った世界で先生に 作:烙印バンザイ
「なんで私たちが不良たちと戦わなきゃいけないの!!」
「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、あの部室の奪還が必要ですから……。」
「それは聞いたけど……!私これでも、うちの学校では生徒会に所属して、それなりの扱いなんだけど!なんで私が…!」
(パパパパパッ!)
「おい、大丈夫か?……なっ!」
早瀬が撃たれた。俺は安否を確認しようとしたが無傷な事に驚いた。そういえばと思い撃たれている不良を見てみると気を失っているだけだった。
「いっ、痛いっ!!痛いってば!!あいつら違法JHP弾を使ってくるじゃない!?」
「伏せてください、ユウカ。それに先生も。ホローポイント弾は違法指定されていません。」
「うちの学校ではこれから違反になるの!傷跡が残るでしょ!」
「いや、そもそも撃たれた時点で無傷の方がありえ…いや一部のやつ以外は無理だろ…」
どうやらヘイローとやらで頑丈で身体能力も高いらしい。
「今は先生が一緒なので、その点に気をつけましょう。先生を守ることが最優先。あの建物の奪還はその次です。」
「ハスミさんの言う通りです。先生はキヴォトスではないところから来た方ですので……。」
「私たちと違って、弾丸一つでも生命の危機にさらされる可能性があります。その点ご注意を!」
「分かってるわ。先生、先生は戦場に出ないでください!私たちが戦ってる間は、この安全な場所にいてくださいね!」
(戦場…安全な場所に…)
今は先生なのに前職の思考になってしまう。
「はあ、ダメだな…」
「せ、先生?」
「俺が指揮する…」
「え、ええっ?戦術指揮をされるんですか?まあ……先生ですし……。」
「分かりました。「あと…」?」
「俺も前線にでるよ」
生徒が戦うのにそれより歳上の俺が安全な場所でいることが我慢できなかった。
「で、でも、先生は…」
「大丈夫…銃は持ってる、それに……この程度で死んでいたら俺はとっくの昔に死んでる…」
「え?それって、ちょっと!!」
「おい!ヘイローもない…(チャッ!!)…っな!」(パァーン!!)
「う、撃て!」
(パパパパパッ!!!)
「・・・・・・・」(チャッ!!)
ドン!ドン!ドン!
「う、嘘…」
「いつの間にあんな所に…」
「おい…銀髪の…」
「守月スズミです。なんですか?」
「は、はい」
「あそこに固まってるから、とりあえず閃光弾を投げといて」
「…了解です!!」
(威力が高いな…怯んでるところをやろうとしたが…一撃で気絶している)
ドン!ドン!ドン!
(タタタタタッ!!!)
「…ちっ」
ドン!ドン!ドン!
「……」
「なんだか、戦闘がいつもよりやりやすかった気がします……」
「……やっぱりそうよね?」
「先生の指揮のおかけで、普段よりずっとたたかいやすかったです。」
「ただ、私たちと違って銃弾が当たったら命に関わるのでもう少し気をつけてください」
「あんなの当たらなければ大丈夫だよ、絶対に当たる弾とかこっちが反応できない攻撃がくるわけでもないし」
「先生…あなたはここに来る前はどんな事をしていたんですか?」
「うん?ああ、しいていうなら飼い犬みたいな職場?まあ、ろくでもないところだよ」
俺は過去の事を聞かれたのであいまいに答えた。
—————
「もうシャーレの部室は目の前よ!」
「今、この騒ぎを巻き起こした生徒の正体が判明しました。ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気をつけてください。」
何人か不良生徒を気絶させると前に狐の面をつけた女子生徒がいた。おそらくあれがワカモとやらだが逃げてしまった。
目標はあくまでシャーレの奪還だったので追わずに目的地まで進んだ。
「よし!建物の入り口まで到着!」
(ゴゴゴゴゴゴー)
(……うん?この音は……。)
「気をつけてください。巡航戦車です……!」
「クルセイダー1型……!私の学園の制式戦車と同じ型です。」
「不法に流通されたものに違いないわ!PMCに流れたのを不良たちが買い入れたのかも!つまりガラクタってことだから、壊しても構わないわ!!行くわよ!」
どうやら壊しても大丈夫らしい。…戦車は久しぶりだった。
「守月…あの閃光弾を一つ貰えないかな」
「分かりました。ところでそれで何を?」
「え、そんなもん」
俺は遮蔽物から飛び出して戦車に向かって走り出した。
ドォーン!!!
(タタタタタタタタッ!)
俺は不良と不良の攻撃を避けながら近づき
「・・・・・・・」
ドン!ドン!ドン!
カダン!!!
「なっ!」
「ふぅ〜、まあ、これで終わりだな」ポイ!!
戦車の入る場所をこじ開けて中に守月からもらった閃光弾を放り込んで入り口のドアを閉めた。
威力はさっきみたものと同じだったので中にいた不良生徒たちは、気絶していた。
「ちょっ、先生!!」
「戦車は内部を制圧したほうが早いよ…後、やっぱり指揮して思ったけど俺は戦術指揮とか合わないな」
「そうではなく…はあ、」
「先生は人間なんですか?」
「ひどい言われようだな…ちゃんと人間だよ。とりあえずシャーレの建物に到着だ」
「「シャーレ」部室の奪還完了。私も、もうすぐ到着予定です。建物の地下で会いましょう。」
「分かった」
——————-
建物の地下を歩いていると誰かの気配を感じた。そしてしばらく歩くとそこには
「うーん……これが一体何なのか、まったく分かりませんね。これでは壊そうにも……あら?」
「・・・・・・・お前は」ガチャッ!
俺は銃を構えなにをしてるのか聞こうとすると
「あら、あららら……。」
「・・・・・・・?」
「……あ、ああ……。」
「お、おい」
なにか様子がおかしかったので話しかけようとしたら
「し、し……。失礼いたしましたー!!」
そのまま走り去ってしまった。
「おいちょっ…ええ」
「お待たせしました。……?何かありましたか?」
「あ、うん、多分、大丈夫だとおもう。」
「……そうですか。ここに、連邦生徒会長の残したものが保管されています。……幸い、傷一つなく無事ですね。」
「これは…タブレット?」
「……受け取ってください。」
七神から差し出されたのは電源がついていないタブレット端末だった。
「はい。これが、連邦生徒会長が先生に残した物。「シッテムの箱」です。」
(どっかで聞いた事あるけどまあ、いいか)
「普通のタブレットに見えますが、実は正体の分からない物です。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組みのすべてが不明。連邦生徒会長は、この「シッテムの箱」は先生の物で、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました。私たちでは起動すらできなかった物ですが、先生ならこれを起動させられるのでしょうか、それとも……。」
「・・・・・・・」
「……では、私はここまでです。ここから先は、全て先生にかかってます。邪魔にならないよう、離れてます。」
「おいおい…何も分かってない物を渡されて後は俺にかかってるて…」
俺はとりあえず起動することにした。
システム接続パスワードをご入力ください。
(…俺、そもそもパスワードしらな…え?)
考えていると脳裏にパスワードが浮かんできた。とりあえず脳裏に浮かんだパスワードを打つ事にした。
「……我々は望む、七つの嘆きを。……我々は覚えている、ジェリコの古則を。」
・・・・・・・。
接続パスワードを承認。
現在の接続情報は白雲刹夜、確認できました。
「シッテムの箱」へようこそ、白雲先生。生体認証および承認書生成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変更します。
周りが白く埋め尽くされた。目を開くとそこは見覚えのない教室だった。床には一面に水が覆われていて窓からの光で反射していた。そして
一人の女子が机の上にうつ伏せで寝ていた。
「くううぅぅ……Zzzz、むにゃ、カステラにはぁ……いちごミルクより……バナナミルクのほうが……くううぅぅ……Zzzz」
「えへっ……まだたくさんありますよぉ……。」
「・・・・・・・」
(これ…どうしよかな……まあ、起きるまで待つか)
俺は今日、使っていた銃の整備や持ち物の確認をはじめた。
数分後
「よし、これもあるな…あとは……これは生徒相手にはあまり使えないな…これは…もっと使えない物があったな」
「むにゃ……んもう…ありゃ?」
「…うん?あ、起きたか…おはよう」
「ありゃ、ありゃりゃ……?え?あれ?あれれ?せ、先生!?この空間に入ってきたっていうことは、ま、ま、まさか白雲刹夜先生……?」
「おう、そうだけど、君は?」
「う、うわああ!?そ、そうですね!?もうこんな時間!?うわ、わああ?落ち着いて、落ち着いて……。えっと……その……あっ、そうだ!まず自己紹介から!私はアロナ!この「シッテムの箱」に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をアシストする秘書です!やっと会うことができました!私はここでずっと、ずーっと待っていました!」
「寝てたわけじゃないんだな」
「あ、あうう……も、もちろんたまに居眠りしたこともあるけど……。」
「まあ、よろしく頼む」
「はい!よろしくお願いします!」
「まだ身体のバージョンが低い状態でして、特に声帯周りの調整が必要なのですが……。これから先、頑張って色々な面で先生のことをサポートしていきますね!」
「それはありがたい」
「あ、そうだ!ではまず、形式的ではありますが生体認証を行います。うう……少し恥ずかしいですが、手続きだから仕方ないです。こちらの方に来てください。」
「分かった」
「さあ、この私の指に、先生の指を当ててください。」
「・・・・・・・」
(▇.▇かよ)
俺は心の中で某有名宇宙人映画のワンシーンのことを想像しながらツッコミながら指を当てた。
「うふふ。まるで指切りして約束するみたいでしょう?」
「すまん、指切りみたいというより某有名宇宙人映画ののシーンの方が似てる」
「はい?宇宙人映画のワンシーンみたいですって?実は、これで生体情報の指紋を確認するんです!画面に残った指紋を目視で確認するのですが……すぐ終わります!こう見えて目は良いので。」
「どれどれ……。うう……。」
(うーん……よく見えないかも……)
(……まあ、これで良いですかね?)
「……はい!確認終わりました。」
「なあ、まさか手抜きじゃないよな?」
「え?手抜きしてるみたいですって?えっと……そんなことはありません!」
それにしてはなんか困ったような表情をしていたがそんなことよりも本題に入る事にした。
「それよりも」
「それよりも!?」
俺はアロナに状況を話した。
「連邦生徒会長が行方不明になって、そのせいでキヴォトスのタワーを制御する手段がなくなった……。」
「ああ、何か知っているか?」
「……私はキヴォトスの情報を多くを知っていますが……連邦生徒会長についてはほとんど知りません。彼女が何者かどうして、いなくなったのかも……。お役に立てず、すみません……ですが、サンクトゥムタワーの問題は私が解決できそうです。」
「本当か!すぐに頼む」
「はい!分かりました。それでは、サンクトゥムタワーのアクセス権を修復します!少々お待ちください!」
アロナは目を閉じ集中していた。その数秒後
「サンクトゥムタワーのadmin権限の習得完了……。」
「え、早くない?」
さっきのに生体認証と違い今回は早かった。
「先生。サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収しました。今サンクトゥムタワーは、私アロナの統制下にあります。今のキヴォトスは、先生の支配下にあるも同然です!」
「すごいな……なあ、制御権を連邦生徒会に移管できないのか?」
「先生が承認さえしてくださえば、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管できます。」
「でも……大丈夫ですか?連邦生徒会に制御権を渡しても……」
「支配とか興味ない。それに俺が持っていてもどうしようもない」
「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」
「……はい。分かりました。サンクトゥムタワーの制御権の確保を確認できました。これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように、行政管理を進められます。」
「まあ、良かったな」
「はい…お疲れ様でした。先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします。」
その後、七神からシャーレの仕事内容の説明を受け。その後、今回協力してくれた生徒に挨拶をして俺はシャーレの部屋に戻り持ち物の整理をしながらこれからのことを考えた。
作者「オリ主以外にもオリキャラが増えますがキヴォトスの中でも上澄みかそれなりの強さです。」