死の体現と呼ばれた人間は透き通った世界で先生に 作:烙印バンザイ
三話
俺がキヴォトスに来て数日経った。
「おはようございます、先生!ここ数日間、シャーレに関する噂もたくさん広まってるみたいですし、他の生徒達から助けを求める手紙も届いています。」
「ああ、おはよう、アロナ、まあ、噂といってもヘイロー無しで戦車に勝てるとか人間離れした動きをしてくるとか、襲ってきた不良を一人でボコボコにしたとかだけどな」
「だいたいは事実じゃないですか…」
シャーレの建物を奪還した後も不良に喧嘩をうってきていろいろ周りにも迷惑だったので喧嘩をうってきた不良生徒どもを制圧しただけなのだが…
「それよりも…その様子だとなんかあったのか?」
「はい、手紙の中にちょっと不穏な、こんな手紙がありまして。これは先生に一度読んでもらった方が良いかなと。」
「不穏な手紙?分かった」
俺はアロナに言われた手紙を読む事にした。
連邦捜査部の先生へ
こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。
今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、
こうしてお手紙を書きました。
単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。
それも、地域の暴力組織によってです。
こうなってしまった事情は、かなり複雑ですが・・・・・・・。
どうやら、私たちの校舎が狙われているようです。
今はどうにか食い止めていますが、
そろそろ弾薬などの補給が底を突いてしまいます・・・・・・・。
このままでは、暴力組織に学校を占領されてしまいそうな状況です。
それで、今回先生にお願いできればと思いました。
先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?
「うーん……アビドス高等学校ですか……。」
「うん?どうしたアロナ」
「昔はとても大きな自治区でしたけど、気候の変化で街が厳しい状況になっていると聞きました。どれほど大きいかというと、街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるぐらいだそうです!あはは、まさか、そんなことあるでしょうか……?いくらなんでも街のど真ん中で遭難なんて……。さすがにちょっとした誇張だと思いますが……。」
(なんか…今、立ったような…)
「まあ、それはさておき…とりあえずアビドスに行くか」
アロナの発言でなにかが立ったような気がしたが緊急そうだったのでアビドスに行くことにした。
「すぐに出発ですか!?さすが、大人の行動力!かしこまりました!すぐに出発しましょう!」
「まあ、一応だけど一階にコンビニがあるから飲み物とか用意しておくか。」
この時の俺は知らなかった。アロナが言った発言が回収されることを。そして後悔した。もう少しちゃんと準備をして出発するべきだったと。
—————
アビドスの自治区に着き。俺は、今、街のど真ん中でぶっ倒れてた。たまに不良が金を出せと言ってきたが制圧していたが今日、限界がきてしまい地面にたおれていた。
(や…やばい、脱水症状だ…前までは戦場で飲まず食わずに慣れていたけどさすがにきついな)
そろそろ限界になったとき何かが近づく気配を感じた。
(キキーッ)
「……あの……。」
視線を上げるとそこにはロードバイクに乗った学生がいた。
「……大丈夫?」
「まあ、一応」
「あ、生きてた。道のど真ん中に倒れてるから、死んでるのかと。」
「…ここに来て数日間、何も口に入れてなくて」
「……ホームレス?」
「いや、寝る場所は職場があるしホームレスて訳じゃないんだよな」
俺は学生に事情を簡単に説明した。
「用事があって数日前にこの街に来たけど、お店が一軒もなくて脱水と空腹で力尽きたと。」
「ああ、そうなんだよな」
「ただの遭難者だったんだね。ああ。ここは元々そういう所だから。食べ物がある店なんてとっくに無くなってるよ。こっちじゃなくて、もっと郊外の方に行けば市街地があるけど。」
「ここに来るのは初めてだったから」
「……ちょっと待て。」
「うん?」
学生は持ち物を漁りだすと
「はい、これ。エナジードリンク。」
「おおおぉぉ」
「ライティング用なんだけど……今はそれぐらいしか持っていなくて。でも、お腹の足しになると思う。」
「ありがとう」
「えっと、コップは……。」
(ゴクッゴクッ)
「……!」
「あ……それ……。」
「うん?あ、すまん…全部飲んじゃった」
「……ううん、何でもない……気にしないで。」
何を気にするのかは分からないが学生のおかげで助かった。
「いや〜それにしても助かった、ありがとう」
「うん。見た感じ、連邦生徒会から来た大人の人みたいだけど……お疲れ様。学校に用があって来たの?」
「まあ、そんな感じだな」
「この近くだと、うちの学校しかないけど……もしかして……。「アビドス」に行くの?」
「あ、うん。そうだよアビドス高等学校に用があってな」
「……そっか。久しぶりのお客様だ。」
学生の様子からアビドスの生徒のようだった。
「それじゃあ、私が案内してあげる。すぐそこだから。」
「よろしく頼む…えーと…」
「アビドス対策委員会2年生砂狼シロコ。よろしく。」
「ああ、砂狼よろしく頼む」
エナジードリンクを飲み少しだけ回復したので砂狼にアビドス高等学校まで案内をしてもらった。
「ただいま。」
「おかえり、シロコ先輩…後ろの大人は誰!?」
教室に入ってみると三人の生徒がいた。
「うちの学校に用があるんだって。」
周りを見てみるとグラフやメモが貼られていた。
「お客様がいらっしゃるなんて、とても久しぶりですね。」
「そ、それもそうですね……でも来客の予定ってありましたっけ……。」
「あ、そうか…シャーレの顧問先生の白雲刹夜だ、よろしく頼む」
「……え、ええっ!?まさか!?」
「連邦捜査部「シャーレ」の先生!?」
「そうだよ。まあ、弾薬と補給物資はこれから届くんだけど」
「わあ⭐︎支援要請が受理されたのですね!良かったですね、アヤネちゃん!」
「はい!これで……弾薬や補給の援助が受けられます。あ、早くホシノ先輩にも知らせてあげないと……あれ?ホシノ先輩は?」
「委員長は隣の部屋で寝てるよ。私、起こしてくる。」
学校にしては気配が少なかったので俺は生徒に尋ねた
「うん?なあ…ここにいる生徒は何人だ」
「え、私達とあと1人をいれた5人です」
「あの子は1年のセリカ」
「私は2年の十六夜ノノミです」
「あらためまして1年の奥空アヤネです」
「私は2年の砂狼シロコ
「それともう1人対策委員の委員長…小鳥遊ホシノ先輩…それがどうしたの?」
「5人なんだよな…なら外の大人数は?」
「え?」
(ダダダダダダッ!)
「じゅ、銃声!?」
——————
「ひゃーっははは!」
「攻撃、攻撃だ!!奴らはすでに弾薬の補給を絶たれている!襲撃せよ!!学校を占領するのだ!!」
(タタタタタタタタッ!!)
「襲撃だな…」
「わわっ!?武装集団が学校に接近してます!カタカタヘルメット団のようです!」
「あいつら……!!性懲りもなく!」
「カタカタヘルメット団って…もう少し名前どうにかできただろう」
「ホシノ先輩連れてきたよ!先輩!寝ぼけてないで、起きて!」
「むにゃ……まだ起きる時間じゃないよー。」
「ホシノ先輩!ヘルメット団の襲撃を!こちらの方はシャーレの先生です。」
「ありゃ〜そりゃ大変だね……あ、先生?よろしくーむにゃ。」
「ッ…」
(寝ぼけてる?今、一瞬目を合わせたがあの視線の鋭さは警戒されてるな?…それにしても…なんか既視感があるな)
「先輩、しっかりして!出動だよ!装備持って!学校!を守らないと!」
「ふぁあー……むにゃ。おちおち昼寝もできないじゃないかー、ヘルメット団めー。」
「ん、すぐに出るよ」
「でも、まだ弾薬や物資は…」
すぐにアロナに確認したがもう少し時間がかかるようで心の中で舌打ちをすると
砂狼が廊下の窓から身を投げた。俺は窓から下を覗いたが軽やかに着地していた。
「なあ、ここって何階だけ?」
「3階です」
あいかわらずキヴォトスの人間は身体能力が高いなと思った。
そして、砂狼につづいて3人も外へ飛び出していった。その場に残ったのは俺と奥空だった。
「先生、私と一緒にサポートを…「チャッ!」…先生?」
「うん、ああちょっと俺も外に行くよ」
「ですが…」
「ああ、大丈夫…それに少しだけ聞きたい事があるんだよね…とりあえずはい、これ」
俺は奥空に通信機を渡した。
「……でも」
「奥空の役割はなんだ?」
「……ッ!ドローン、起動……!」
「うん、それでいい…それじゃあサポートはよろしく」
校舎前では砂狼達が撃ち合っていた。しかし節約している分、押し切れていなかった。
「お前らの弾薬が尽きかけてるのは分かってるんだよォ!」
「……えっ!?なんで!そんな情報を!?」
「大丈夫だよ、アヤネちゃん!ヘルメット団なんか、私たちの敵じゃない!」
(ドカーーン!!)
ヘルメット団は手榴弾を投げながらアビドスの4人を追い詰めていた。
「お前らに勝ち目なんかないんだよォ」
また手榴弾が投げられたその時
ドン!ドン!
(ドカーーン!!)
「なっ!」
「手榴弾は障害物で防ぐのも良いけど、こうやって1番高いところで爆発を誘発させるのも良いよ」
「え?先生?」
「どうしてここに」
「なあ、どうしてお前らはここを必死で守ろうとしてるんだ?」
場が静まった。ここは5人しかいない。だがあの5人は弾薬が少なくとも必死に守っている。
「アンタ……!」
「黒見…俺はただ理由を聞いているだけだ…どうしてだ」
十六夜は何も口を出せずにいる。小鳥遊は無言でこちらを向いている。
「……それは」
砂狼が答えはじめた。
「ここが、私たちの居場所だから」
「・・・・・・・」
…今日からここがお前の居場所で帰ってくる場所だ。いいかお前にどんな事があってもここはお前の居場所でありつづける。だから…
「ふ、そうか。ここがお前らの」
ついつい昔の事を思い出してしまった。
「だそうだ…ガタガタ…うん?ギタギタ・…あれ?グダグダヘルメット団、諦めてくれないかな」
「カタカタヘルメット団だ。諦める?訳ないだろヘイローも無くてもどうする…え?」
「そうか…ならしょうがない」チャッ!
相手に一瞬で近づき持っていた銃をむけて。
ドン!ドン!ドン!
「ぐわ!!」
「撃てぇぇ!撃てぇぇ!!」
(タタタタタタタッ!!)
「なんなんだ、あれ」
「ヘイローも無いのに動きが人間じゃない」
敵は銃を乱射してきたが俺は躱して不良の1人に近づき
「ひっ!」
「当てるなちゃんと狙えよ…たとえば」
不良生徒の銃を持ち自分の額に当てた。
「ここ…とかな」
「お、おい…うつ」
ドン!!
「撃つんだったら…早く撃てよ。…はあ、だめだ戦闘中になると昔の感覚になるのダメだ…(タタタタタタタッ!)うおっ!」
ドン!ドン!ドン!
「いやぁ〜、先生も戦えるんだね。でも今のは危なかったじゃないかな「えっと小鳥遊だけ…確かに今、油断した…ありがとう…うん?おお…」
「行きますよ〜」
バババババババーーッ!!
十六夜のガドリングの攻撃で次々とヘルメット団が気絶していき。
「……一人ずつ、確実に」
パンッ、パンッ———。
黒見は構えた狙撃銃で確実に減らしていた。
「ん、ドローン起動」
ボン、ボンボンボンッ!!
砂狼がドローンを起動させ、ロケット弾を発射していた。そして奥空のドローンが砂狼に銃弾を絶妙なタイミングで渡していた。
「すごいなぁ」
「先生!!」
「うん?」
不良が俺に向かってきて銃を構えながら突進してきた。
「うわわあああ……なんなんだおま…(チャッ!)ひっ!」
「ただの先生だ」
「先生…まさかお前が噂の」
俺と不良生徒は一瞬、目を合わせたが不良生徒が萎縮した。俺は迷わず構えていた銃の引き金をひいた。
ドン!ドン!ドン!
「いたッ!痛っ!帰るから…」
「覚えてろよ!!」
ヘルメット団は撤退していった。
「いやぁ…先生、強いね、おじさん、驚いちゃったよ〜」
「なに言ってるんだ?やろうと思ったら小鳥遊一人でも片付けられただろ」
「ん〜。おじさんはね〜みんなみたいに若くないからね〜。」
「小鳥遊が若くなかったら俺はもっと老けてるよ…一応、まだ24なんだけど」
「それよりもさ、先生。あなたは一体何者なの?おじさん、ちょっと気になるな〜」
口調は柔らかかったが俺を見ている視線は鋭かった。
「・・・・・・・」
…なあ、アレって
…まだ子供だろ?
…うわぁ…全身、血だらけだ
…あれ全部、返り血らしいぞ
…あいつの異能は……らしいぞ
…白雲刹夜…お前は今日から
…はい
「唯の先生だよ……今はな」
作者「暇なので主人公の簡単な紹介をします」
刹夜「はあ、なんで?」
名前 白雲刹夜
家族構成 養父(師匠)、義妹
一応、異能持ち
武器は主に刀と銃 サブ、ライフル、剣型の鈍器、暗器、ナイフ
職業シャーレの先生、前職はちょっとした特殊部隊の一員
15〜22歳までは前職をやっていてある事件で引きこもりになり一週間で師匠にひきずりだされた。職を探してたがほとんど無気力になっていた。