えぇ?!俺がworld:Bに転生ですか?! 作:観測者
文字書き自体これが初なので地の文、構成、文字配置などに読みにくいところや誤字脱字がありましたら指摘して頂けると泣いて喜びます。
『〜♪』
手に持ったスマホがエンディング曲を再生する中、俺は画面を見ながら涙を流した。
「……終わっちまったなぁ……」
今日は俺が一番推していたソシャゲである、『消滅都市』のサービス終了日だ。
小学生の頃からやり始め、気づけばもうそろそろ10周年、メインストーリーが完結して数年は植物状態のように更新も無いまま気付けば自分も大学生になり、このまま残り続けるのかと思っていたら呆気なくサービス終了のお知らせが配信された。
ここしばらくはショックで触れていなかったが、最後の日ぐらいは向き合おうと推し達が登場するイベントストーリーとメインストーリーを最初から最後まで完徹で読み今、サービス終了の瞬間を迎えた。
寂しさと眠気でどうにかなりそうな中、俺はヤケ酒とばかりに部屋に置いてあった蒸留酒の瓶を掴み、飲み干した。揺れ始めた視界と朧げな思考の中、俺は自分のベッドに倒れ込み、眠気に身を任せた。
靄がかかったような視界の悪さ。目覚めの微睡みの中で耳を澄ますと男女の話し声と共に、間隔の短いペタペタとした足音が聞こえて来た。
(随分と騒がしいな……視界もぼやけてる……)
(ここは……病院か?徹夜で酒飲みながらゲームしてそのまま寝たのは流石にマズかったか……)
足音が止まると、まだ舌足らずな女の子の声が聞こえて来た。
「このこ、わたしのおとうと?」
「そうよ、リョウコ。これからあなたはお姉ちゃんなのよ」
「よく頑張ったな、サツキ。リョウコ、これからはお姉ちゃんとしてこの子を……シュウジを守ってあげるんだぞ」
(随分小さい子の声だな……同室の子か?)
(となるとこの男女の声はその両親か? 新しい子が生まれたなら酒で入院した患者と同室に入れておいていいの……おわっ?!)
背に手が差し込まれたかと思った瞬間、体が上に持ち上がる。
何事かと声を出そうとしたが上手く行かず、そのまま揺られていると襲ってきた、強烈な睡魔に逆らえず眠ってしまった。
「あら、この子目を開けていたのに抱き上げたらすぐ眠ってしまったわ……」
次に目を覚ました時、あまり時間が経っていなかったようで、先程の男性と声だけ聞こえていた女性が話す声が聞こえた。
「この子とリョウコには、仕事が忙しい分寂しい思いをさせてしまうかもしれないな……」
「とはいえ、随分と活躍しているみたいじゃない。ヘイジロウさんの背中を見たからか、リョウコも刑事になるって言って聞かないんだから……」
「……それはすまん」
ここまでの会話、そして先程の浮遊感と強烈な眠気。そこから導き出される結論は一つしかなく……叫び出そうとした自分の声は、泣き声に変換されたようだ。
「おぎゃあああああああ!!! (俺、とんでもない所の赤子に転生してるじゃねぇか!!!)」
この後俺に何があったかは、俺の尊厳を守るために黙秘させてもらう。
先程の出来事を忘れようと心を無にしていたが、気付くと俺の母親と思われる人物がベッドの上でうとうととしているのが見えた。
丁度いいので、今までに得た情報を整理しようと思う。
転生する前、俺は完徹しながら推しているソシャゲのサービス終了の瞬間を見届け、その後は酒による眠気に耐えきれず自室のベッドに崩れ落ちたはずだ。
それが何故か、そのゲームである「消滅都市」に登場するメインキャラの一人──リョウコの弟として転生したらしい。
俺の今の名前は根岸シュウジ。「伝説の刑事」と呼ばれるであろうコワモテの父の名前がヘイジロウ、母の名前がサツキだ。
父には(原作の周回にて)非常にお世話になった。無課金で手に入るリキャスト短い火力源は強いからね……
そして、将来「伝説の刑事」と呼ばれるであろう俺の姉の名がリョウコ。
俺の推しであるサトルやハヅキと将来交流を持ち、同時にその縁によって数々の絶望に直面することとなってしまうお人である。
このゲームの主人公の一人であるユキは“タマシイ”を使役する力を持ち、それを駆使して二人の前に立ちはだかる様々な敵を撃退していく。
“タマシイ”とは、“消滅”によって消え去った人々の想いの影帽子、いわば幽霊のような存在であり、普通の人には見えない。とはいえ、幽霊のように極稀に見えてしまう場合もあり、そういったこともあり”消滅”発生後の都市伝説のようになっている。
物体に干渉する能力もあるため、ポルターガイストのように物を動かすこともできれば、自分にゆかりのある物に干渉することもできる。
農家のタマシイが干渉した結果、野菜がバカデカくなった事件なんかもあった。
また、消滅する際に抱いていた“想い”が弱いと、自由意志を持てずNPCのように決まった行動を振る舞い続けるだけの存在になってしまう。逆に強い場合は人間のように自我を持って行動することもできる。
作中ではユキが持つタマシイの想いを読み取る力を用いて、暴走したタマシイ達によって引き起こされた様々な問題を時には対話で、時には力で解決していた。
その中には、俺の姉であるリョウコ、そして父であるヘイジロウがタマシイとして起こした事件もあった。
消滅前に立て続けに起こった出来事のせいで追い詰められていたリョウコは、タクヤとユキとの対話により正気を取り戻し、タマシイだからこそできる成長─進化により自身の想いの純度を高め、二人に力を貸した。
子供を人質に取られ、デスゲームに協力させられていたヘイジロウは、その荒ぶる想いを読み取ったユキにより鎮圧された。
この家だけでも、俺が解決できるかはわからない厄ネタが複数個眠っているのだ。
俺は、そんな世界に転生して何ができるのだろうか。そんな疑問を抱えたまま、眠気に身を任せ再び眠るのであった。
シュウジ
推してるゲームがサ終してふて寝したらその世界に転生したオリ主。
もちろん原作のリョウコには弟など存在しない。異分子。
今の所困惑と嬉しさが5:5。どうせ転生するならおむつが脱げた頃に転生したかった。
認識が間違っていなければ大学卒業前後で"消滅"が来ることに気付き頭を抱えている。
リョウコ
二代目"伝説の刑事"予定の子。弟ができてニッコニコ。おねえちゃんがまもってあげる!
ヘイジロウ
二人目の子供が生まれ、幸せの絶頂にいる強面のお父さん。後に"伝説の刑事"と呼ばれ、彼の殉職後、娘がその名を受け継ぐことになる。
サツキ
リョウコとシュウジの母であり、ヘイジロウの妻。原作だと名前出てなかったはずなので生やしました。もし名前が出てたら教えてください……(小声)
初書きです。(二回目)
ハーメルンに消滅都市の二次創作があんまり無かったのでこのゲームが少しでも広がればいいな、と筆を執らせていただきました。あといつも拝読させているフォロワーの文字書きさんから圧を感じたので書かせていただきました。
「あれ? 消滅都市の世界って因果重なりすぎてキャラ一人救うだけでもカスみたいな労力かかるな?」と思ったので、推しカプのハピエンを創造しようと努力するオリ主君を生やしました。
推しカプのハピエンにより空いた穴を埋めるため全力で奔走するオリ主君を見て周囲は曇る予定ですが、本編よりは曇ってないので誤差です。
拙いスッカスカな文章ではありますが、見守っていただけますと幸いです。
この作品になった消滅都市はサービス終了しましたが、ほぼ全てのストーリーとクエストを全キャラクター(コラボキャラを除く)で挑戦できる、「遊べるオフライン版」アプリとしてApple、Googleの両ストアで無期限配信中なので、気になった方はDLしてみてください。