えぇ?!俺がworld:Bに転生ですか?! 作:観測者
本当に何話すんですか(恐怖)
今のうちにカスみたいな設定放流しておかなきゃ(使命感)
※前話に流血/死亡表現有るのでR-15/暴力タグを追加しました。
気付くと俺は……奇妙な空間に居た。
宇宙のような、深海のような……暗闇のようで、どこか遠くではかすかな光が瞬いている。
淡く、青く輝く、天の川のように引き延ばされた光が無造作に存在する。
そしてそのすべての光が、回転し、俺の方へと迫り、そして消えていく。
どこか既視感のある空間だった。
これが死後の世界という奴なのだろうか。実在したんだなぁ。
ピンぼけした視界が徐々にはっきりとしていく中、そんな呑気なことを考えていると、突然目の前に何かが現れた。
暗いこの空間の中で、それの輪郭だけははっきりと認識できる。
より正確に言えば、輪郭しか認識できない。
人の形こそしているが、シルエットははっきりしない。
青年のようで、女児のよう。かと思えば、中年の人間のような姿にも見えて。
ぼんやりとした人の形に空間を切り抜いて境界線だけを持ってきたような……
そんな存在が、俺に声を掛けてきた。
『ザッ新たなザザッを……』
『物語のザザッを……』
『この閉じた扉の中で……』
『私たちが……手助け……』
ノイズ交じりで聞き取りにくいが……どうやら俺を助けてくれるらしい。シルエットこそ全く違うが、"守護者"*1に似た姿で、似たような発言をする存在。原作知識が全く通じない存在だった。
俺は、声を発することもできないまま耳を傾けていた。
そんな瞬間だった。
『まだ……ザザは残っている……』
『ユキさん……先へ……行ってください……』
俺にとって
とはいえ、まだこの世界でこのフレーズは発されていない。何故突然、こんなフレーズが。
未来のことを知っている存在など限られている。
突然、急激な浮上感を感じた。目の前の景色が、感じてすらいなかった触覚が、現実から流入する感覚に切り替わっていく。
目覚めのまどろみに浸る余韻すら無く飛び起きる。目覚めた俺の目に飛び込んできたのは、覆面越しに俺を覗き込むゲームマスターの姿だった。
「うわぁぁぁぁっ?!?!?!」
思わず悲鳴が出てしまった。誰だって不気味な覆面が寝起きドッキリを試みればそうなる。
自分の現状すら把握しないままに後ずさり、距離を取ろうとした。
幸いにも拘束は付いておらず、無事ある程度離れることに成功した。
「……ふむ。意識は良好、後遺症等も無しか。
アレが何かわかったのは昔取った杵柄という奴だな。しかし、何故このような効果が……」
俺の状態を確かめるかのような発言に、慌てて全身を触って確かめる。
服こそボロボロになっているが、腹に穴は開いていないし、肌にも傷一つない。
先程の全てが夢だったかのようだ。
検査に何か用いたのか、全身が何かぬめついた液で薄く覆われている。
周囲を確認すると、どうやら俺はまだ落ちたまま地面に寝かされていたらしい。
周囲にはまだガラスの破片が散乱している……が、それに紛れて薬莢が転がっていた。
恐らく俺のとどめに使われたものだろうか?
それにしては、不自然な程に周辺が綺麗だ。俺の内蔵はおろか、血液すら一滴も見当たらない。
少量俺の皮膚に付いていたような半透明の液体が残留している。一体これは何なのだろう?
「おはよう、シュウジ君。調子はどうだい?」
「何をしたんですか?! 俺は死んだはずでは……」
「それは私が聞きたいのだが……まぁいい、事実だけを伝えよう。
君は私の目の前で死亡し……そして蘇った。
本来はゲームオーバーになったプレイヤーに慈悲はないのだが……特例だ。
コンティニューを認めようじゃないか」
「もう一回あのゲームをやれと?!」
「ハァ……それでは面白くないだろう?
様々な不条理を前にした想いの輝きこそが、ただのデスゲームを最高のゲームたらしめる。
それよりは君の生き様を見た方が楽しめそうだ」
「俺の生き様を? つまり、解放してもらえるのか?」
「不服ではあるがな。その代わりと言っては何だが、君に
不快な程にトーンの変わった猫撫で声に、媚びるようなポーズで提案される頼み事。
碌な事にはならないと思いつつも、断る選択肢は用意されていないも同然だった。
「……何が望みですか」
「なぁに、簡単なことさ。君が帰還してしばらくしたら、君に"蝶"を送る。
その蝶に書いてある指示に従って、サンプルを採取して欲しいのだよ」
「サンプルを? 俺の身体が目当てってことですか?」
「言い方が若干気になるが……そういうことだ。
"ゲームマスター"として、君が従い続ける限り、君と家族の身の安全は保障しよう」
死んで蘇っただけでも儲けものなのに、家族の身の安全まで保障される。願ってもない条件だ。
間違いなく最高のチャンスだ。しかし、何がそこまで彼を駆り立てるのだろうか。
「この条件でも不服かね? まぁ、君の命を奪ったのだ。もう少し
君も恐らくはこの先に起こる"
私なら、君の家族を遠ざける手段も用意できる。
そんな筋書きで十分だろう。どうかな?!」
興奮したようにまくし立てるゲームマスター。それだけ俺の身体に興味があるのだろうか。
そこまで興味を引く俺の身体。一体どんな秘密があるというのだろうか。
「ひとまずは悩むといい。口惜しいが、君のお迎えが来たようだからね。
ほとぼりが冷めた頃に
そう言い残すと、ゲームマスターは浮くように飛び上がり……淡く輝く紫色の蝶の群れに姿を変え、飛び去って行った。俺はただ一人、ガラス片が散乱している穴の底に取り残されたのだった。
曲がりなりにも"観測者"が都市世界に転生して普通で済む訳ないよなぁ?!ということで……
とはいえ、チート主人公などの形にするつもりもありません。
"消滅都市"の世界に"観測者"として存在する意味はほんへで皆様理解していると思いますので……
どうか、(筆者の筆が乗る限り)見守っていただければ幸いです。
明日も午前/午後どちらかの5:26に更新予定です。