えぇ?!俺がworld:Bに転生ですか?! 作:観測者
下見に行った会場が思ったより小さく見えてビックリしました。アレで本当に百数十人入るのか……まぁ、大きな発表とかはなさそうである意味安心しました。
駄文で申し訳ありませんが、お付き合いいただけると幸いです。
未来視の対象に自分が含まれていないなどというナイーヴな考え方は捨てろ
暑すぎず、寒すぎない暖かさの中で桜が咲き、優しい日差しが降り注ぐ。あと10年ほどで夏に呑まれてしまう、過ごしやすい春の昼下がりに俺は──全速力で走っていた。
今日は中学生活初日、入学式の日。何故そんな日に全力疾走しているのかと言えば……単純に遅刻である。
姉ちゃんは大分遠くの大学に進学したからか、俺を起こすことなく朝早くに家を出ており。
父さんは昨日から泊まり込みの捜査により、家を空けている。
そんな中、夜遅くまで起きていた俺は当然のように寝坊してしまい……ラップのかけられたみりんライスと味噌汁を流し込み、今に至るという訳だ。
姉ちゃんや父さんの指導のおかげで鍛えられているので、走ること自体に問題はないのだが……やはり距離が距離だ。段々足が重くなってきた。
流石にもう少し体力を鍛えないとな……と、木陰に座り、考える。自販機で買った水を飲みながら息を整えていると、風が頬を撫でていく。心地がいいし昼寝でもしてやろうかと、開き直っていると。
「そこの少年!少し時間をもらってもいいかな?」
後ろから声をかけられた。慌てて振り返ると、そこに居たのは……声からすると女性だろうか。深く被った黒っぽいベージュの中折れ帽に合わせてか、色味を統一したジーンズとジャケットを着ている。中性的なシルエットをしているが、逆光で顔がよく見えない。
「何か用ですか?」
「ちょっと調べ事をしていてね。5分程時間を貰えないかな?」
「いいですよ」
そう返事をすると、女性は妙に芝居がかった仕草で手を当てる。
「さて──まずは自己紹介からさせてもらおうか。私の名はトモコ。ここから少し離れた探偵事務所で働いている。まずは、君の名前を教えてもらえるかい?」
……本物の
「どうしたんだい?鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして。名探偵に会うのは初めてかな?」
この名探偵を自称する自信。特徴的な中折れ帽とその恰好。それに芝居がかったような口調。彼女は間違いなく
「すみません、本物の探偵を見るのが初めてで。僕の名前はシュウジ。この先にある中学に通っています……というより今日から通い始めます。まぁ、今朝は寝坊してご覧の通りに走ってきた訳ですが」
「ふむ……それは悪いことをしてしまったね。手短に済まそうじゃないか」
「いいですよ。もう開き直ってサボってやろうかと思ってましたし」
そうして、彼女は帽子を持ち上げると、芝居がかった仕草で俺を指さしながらこう言った。
「さて──君も私と似たような力を持っているだろうから、単刀直入に言おう。
シュウジ……君にはどうやら未来を変える力があるみたいでね。授業が終わった後にでも、話せないかな?」
そうしてトモコは俺に事務所の住所と連絡先が書かれた名刺を渡すと、帽子を目深に被り直して去って行った。
トモコが俺の事を知っていた……何故?!というか未来を変える力って何?!
俺は少しのあいだ呆然としていたが……かすかに聞こえるチャイムが耳に入り、慌てて学校へと走っていくのだった。
という訳で、中学生編開幕です。
明日も5:26に更新予定ですが……トークショーが終わったらどうしましょうかね?