えぇ?!俺がworld:Bに転生ですか?! 作:観測者
イベント行く方はselectドリンクのどちらを頼むか決めました?
僕はストロベリー好きですし選べなかった赤ユキを……
……入学式に遅刻したことに関しては、そこまで叱られなかった。クラスメイトにもそれをきっかけに数人と繋がれたし、せいぜい放課後に生徒指導室で面談を受けたぐらいだ。
入学祝いに買ってもらった携帯電話を開き、今夜は帰宅が遅れる旨を家族に伝える。中学入学初日だし、多少は遅れたとしても不自然ではないだろう。そうして、先程貰った名刺を取り出した。
ここから事務所はそこまで離れていないようで……せいぜい、電車に揺られて30分ぐらいだ。
探偵事務所に呼ばれた訳だが、何を話すのだろうか。別れ際に言われていた"未来を変える力"というのが何かは気になるが……ソウジロウさん以来の超能力者との対話なのだ。特に彼女は本物の予知能力者。名探偵である彼女の前で取り繕うのは不可能だろうし、誠実に対応することでなんとか信じて貰えるように頑張ろう。
それに……今回はこちらにも交渉材料となる
そう考えている内に辿り着いたのは……裏路地の中に立つ、どこか見覚えのあるビルだった。ここってアレですよね! チーフとタクヤが雨の中会話を交わしたところ! と、興奮を隠さずにビルを眺めていると。不審に思ったのか、誰かが中から出てきた。
「ねぇ君。ここに何か用?」
「目の前ですみません、実は僕こういうものを──」
突然声を掛けられ、視線を下げたまま名刺を取り出した俺の目に飛び込んできたのは……白いミニ丈のキャミソールワンピースと、濃いピンクのインナー。その手前に垂れ下がるパールと金のネックレス。目線が失礼かと思い視線を上げると、やはりそこにあるのは特徴的な金髪と白のカチューシャ。本編より多少幼い印象はあるものの……そこに居るのは、間違いなくリサ*1だった。
「どうしたの? 急に黙り込んで。お姉さんに照れちゃった?」
「突然訪問してしまいすみません。実は、今朝"トモコ"という人にこの名刺を渡されて……」
「そこスルーするの?! 男子中学生ってみんな思春期みたいなもんだと思ってたんだけど……
あーもう、ともかく! トモコさんが名刺を渡すなら……話を聞きたいとでも言われたの?」
「そんなところです。突然上がる訳にもいかないですし……ここで待っていればいいですか?」
「流石に訪ねてきた子を外で待たせるのはね……応接室があるから案内するわね」
ということで、いち(元)観測者としては聖地である探偵事務所に入ってしまった。今日は人が出払っているのか、道中で見かけた部屋はガラガラだったが、運のいいことに移動中にトモコさんに出会うことができた。
「おや、もう来たのかい? 私の予測ではもう少しかかる筈なのだがね」
「僕が来る時間まで予測してたってことですか?」
「なに、簡単な事さ、シュウジ君──そしてリサ。ご苦労だったね。ここからは私が引き継ごう」
そんな会話をしながら歩いていると、すぐに応接室まで辿り着いた。座り心地が良さそうな革張りのソファーに挟まれて、アンティーク調の装飾が施されたローテーブルが置かれている。正にドラマに出てくる探偵事務所の応接室をそのまま持ってきたようだった。
「それでは、私はここで。飲み物だけ用意しますね! シュウジ君……でいいのよね? コーヒーは飲める? ミルクかお砂糖はいる?」
「そのままで大丈夫です。ありがとうございます」
「その歳でもう飲めるんだ~すごいね! では淹れてきますね~」
そうして、俺はトモコさんと二人きり、応接室に残された訳だが──沈黙が気まずい。
彼女も考え込むような姿勢を取ったまま、何も話さずに十分が経過しようとしている。
「お待たせしました~! ……ってあれ? まだ会話すら始めてないんですか?」
遂にはリサさんがお盆にポットとカップを乗せて入って来てしまった。
「何から話したものかと思ってね。こうも歳が離れていると中々話題も合いにくいものだ」
「まぁ、そういうこともありますよね~ 彼はまだ若いんですから、あまり遅くならないうちに帰さないといけないですよ?」
「心得ているとも」
そう言い、トモコさんはカップを口へと運ぶ。俺もそれを見て、慌てて一口飲んだ。
……! 美味しい! インスタント特有の焦がしたような苦味でなく、ベリーのようなフルーティさと酸味が舌を刺激する。ようやくガラケーが普及し始めた頃にこの味を用意するとは……相当豆にこだわっているようだ。
「ふむ──その反応なら、気に入ってもらえたようだね。かの名探偵が、わざわざ紅茶より好んで飲んでいたものだ。私も気付けば愛飲するようになっていた」
「こんなに良い豆をわざわざ来客に出すなんて……相当こだわっているんですね」
「応とも。今回は君だから多少気合を入れたというのもあるがね。それに、
珈琲好きに悪者は居ない、と目で通じ合ったところで……ようやく本題に入るのか、彼女は大仰しい仕草と共に口を開いた。
「さて──自己紹介は先程済ませた訳だし、さっそく本題に入ろうか」
トモコに関してはなるべく原作通りの口調にしたかったのですが、どうでしょうか。
頭のいいキャラに喋ってもらうと作者の頭の悪さが露見する……!
リサさんは、彼女自身の年齢とトモコの例の事件を鑑みて、このぐらいには探偵グループに入っていた、ということで描写しました。まぁ年齢の齟齬があっても中身が中身なのでまぁ……最悪なんとかなってるでしょ!