えぇ?!俺がworld:Bに転生ですか?! 作:観測者
赤ブーの都市オンリー参加報告もちらほら見かけて、めちゃくちゃ嬉しいです。
購入者側として今年も行かせていただきます。
消滅都市0.7周年に間に合ったので更新です。
気付けば、俺が根岸家に転生してから2年が経過していた。
転生直後こそ意識がはっきりしてある程度情報整理に時間を使えたが、時間が経過すればする程体の眠気に逆らえなくなっていた。
アレは初日限定のボーナスモードのようなものだったのだろうか?
そんなこんなで時間が経った訳だが、収穫も何個かある。
まず、この世界には前世では考えられないような赤や青の髪色をした人が普通に存在する。
身内以外にゲーム内キャラに遭遇したことはないが、少なくともここがゲームを基にした世界だというのは間違いないだろう。
姉さんに頬をつつかれたり、父さんに抱き上げられたりと赤子らしいことを色々と体験しながらも、俺は無事赤子らしく成長することができた。
歩行には積極的に挑戦したし、これも親孝行と親の名前を呼んでみたりもした。
強面の父が原型の無いにやけ面をしたときには流石にびっくりしたが。
さて、ここで母の話をしないといけない。
というのも、俺を産んでからというもの、少しづつではあるが母の顔色が悪くなっている気がするのだ。
勿論心当たりはある。原作に存在しない俺の妊娠、及び出産は間違いなく母の体に負担をかけている。
更に、うろ覚えではあるが、確か原作でリョウコは父子家庭で育っていたはずだ。
元々死ぬ運命であった母に、俺を産んだことによる更なる負担。
「ママ、だいじょうぶ?」や「ごはん、たべてね」といった不審に思われない程度の助言はしているが気休めにしかならないと何となく感じてしまう。
──とうとうその日が来てしまった。
全ては徒労、と言うように母の体調は日に日に悪化していき、遂に入院。
入院後は体調が改善したと父伝手で聞き、姉と共に見舞いに行ったその日。
目の前で容体が急変した母は俺の目の前で亡くなってしまった。
心の中で、
「俺が生まれていなくてもそうなっていたから」と思っていた。
「俺はまだ赤子だから」と責任から逃れようとした。
「メインキャラの幼少期を変える訳にはいかない」と言い訳していた。
何が起きるのかを知っていたのに。
母さんが死ぬかもしれないと知っていたのに。俺が生まれてきたからそれが早まったかもしれないのに。
そんなことを考え続けていると、次第に視界の輪郭がぼやけてくる。
視界がぼやけるのが自分の涙だと気付くのと同時に、父が姉と一緒に俺を抱きしめてくれた。
家族のあたたかさを感じる中、俺は気付けば声を上げて泣いていた。
そこからのことは、あまり覚えていない。
姉さんと共に泣き腫らしたり、母さんの葬儀を行ったり。
葬儀は生きている人の心の整理の為にあるとよく言うが、俺の動揺も少しは落ち着いた。
この世界は、もはやゲームではない。
俺はいまこの世界に生きている生命であり、これからも根岸シュウジとして生きていかなければならないのだ。
所詮ゲームだと、設定通りの生い立ちをしたキャラクターだからと思考停止で母の死も受け入れていたつもりでいた。
受け入れていたつもりだったのだ。
いざその場に直面した際には泣き腫らしたし、今思い出しても涙がにじんでくる。
母は、その命を以て俺もこの世界の住民だと教えてくれた。みんなは命ある存在だと実感させてくれた。
ならば、俺はそれに報いなければならない。
使える知識も物も、全部使って、せめて手の届く範囲の人々を救おうと、そう決意した。
母の命を奪ってしまった
拙い文章ではありますが、完結まで到達できるようこれからも投稿頑張ります。