えぇ?!俺がworld:Bに転生ですか?! 作:観測者
誤字修正、非常に助かっております……
父さんと話し合ってからおよそ半年が経った。
ゲームマスターの予言には信憑性があるため、余り手出ししないようにと父に伝えてはおいたが……あれからどうなっているのだろうか?
小学校に入学したはいいが、結局夏休みの始まりを共に喜べるような友達は作れなかった。
あれだけ話の締めくくりに言われたのに人脈作りの第一歩すら上手くできず挫けそう……
夏休みもそろそろ終わるかというタイミング。特に予定もないので寝間着を着たまま姉ちゃん特製の朝ご飯を食べていると、普段なら部活で居ないであろう姉ちゃんが珍しく家にいた。
「今日はめずらしく家に居るんだね。お客さんでも来るの?」
「あれ、聞いてないの?今日は父さんが警察署に連れて行ってくれる日よ。アンタも同行だから」
「聞いてないけど?!」
そんなやりとりをしているといつものシャツとネクタイを来た父さんがリビングにやって来た。慌てて
急いで着替えた上に暑い屋外を歩いているのに、思った以上に汗をかいていない。前世の夏よりは多少涼しいような気もするが、それ以上にこの体が運動に慣れているのだろう。いつもは嫌々参加していたが、訓練してくれている姉ちゃんに感謝だな。
それはそれとして、流石に当日まで予定を伝えないのはダメだろう。そう思い、父さんに聞いてみる。
「流石に外出の予定を当日まで伝えないのはダメじゃないですか?エスパーじゃあるまいし……」
「すまない。てっきりお前のことだから行くことも知っていたのかと思ってな……今後はそういう用事もしっかり伝えるようにする」
そう言われてしまってはこちらにも非はある。
そう思っていたら、ずっとそわそわしていた姉さんが口を開いた。どうやらずっと聞きたかったことがあるらしい。
「ねぇ、どうして突然連れて行ってくれることになったの?今まで父さんの仕事を見たいって言っても連れて行ってくれなかったのに……」
「担当している事件の犯人が組織立って動いていてな。今までは大丈夫そうだったんだが、身内を狙われるとマズい。いざという時を考えて、お前達二人が自分の身を守れる技術を身につけてもらう必要がある。だから無理を言って部下や同僚に鍛えてもらうことにしたんだ」
そう答える父さんの顔には、疲れが見えた。自分の普段の仕事に加えて、署内にいるであろうゲームマスターの内通者にも気を配らなければいけないのは大変だろう。
それを聞いた姉さんは"伝説の刑事に必要な技術を学べる!"と息巻いていたし、俺も本職の人達に体の動かし方を学べる貴重な機会だからと乗り気だった。
──だったの、だが……
いざ警察署に着くとすぐに道場へと連れて行かれ、俺たちが用意された服に着替えている間に父さんはどこかに行ってしまった。
どうやら、俺の訓練は不審者から逃げる場合を想定して鬼ごっこを行うというのだが……フード付きの黒いコートを着た上で手に警棒を持って追い掛け回して来るのは違うんじゃないか?いかにも不審者という見た目ではあるが……
俺が半泣きで走っている横では、姉ちゃんが組手をしていた。俺とは違ってしっかりした訓練を行っているらしいが、逃げるのに精いっぱいでそれどころではなかった。訓練に使う人員の比率おかしくないですか?!
そうして俺が走れなくなるまで追い掛け回された後。先程とは打って変わって快活な笑顔をしたお兄さん達が口々に俺に向けてアドバイスをしてくれていた。
「ボウズ、小さいのに体力あるなぁ!」「立ち止まって考える暇があったらしっかり走った方がいいぞ!」「体の小ささを活かすのいいが、もうちょっと相手の動きを見た方がいいな!」
息を整えながら、その優しさをもう少し先程の鬼ごっこでも発揮してくれないかと思っていると父さんが戻ってきた。
「シュウジ、ちょっと来てくれるか?お前に会わせたい奴が居るんだ」
急いでいるのか、言いたい事だけ言ってすぐに踵を返してしまった。
先程のお兄さん達にお礼を言った後で、急いで父さんを追いかける。
「それはいいんだけど……この訓練は何なんですか?普通体力作りの訓練とか格闘技習うんじゃないんです?これ本当に小学生にやらせる訓練ですか?」
肉体的にも精神的にも疲れる訓練に突然放り込まれたのもありストレスが溜まっている。敬語で話せば少しはこっちの誠意も伝わるだろうか?
「すまんすまん。リョウコに体力は鍛えて貰っているんだろう?ここに高頻度で来れる訳でもないし、格闘技を学ばせるには短すぎる。それなら、基礎的な力は付いているだろうから咄嗟の判断力を鍛えて欲しくてな。部下たちも張り切っていただろう」
「“終わった後は”色々教えてくれていい人達でしたね。じゃあ姉ちゃんはどうして格闘技の訓練を?」
「部活でやっているからな。より実践向きな応用法を多少教えるだけなら可能だろう」
それなりに筋が通っているだけに変に言い返すこともできない。父さんと話しながら歩いていると何やら花のようないい香りが漂ってきた。案内されるがままに進むと香りはどんどん強くなっていく。
ほぼほぼ匂いを辿りながら遂に到着した部屋では、見覚えのある初老の男性が紅茶の準備をしていた。
父さんが指し示すままに席に着くと、茶葉の蒸らしが終わったのか用意されていたティーカップに紅茶を注いでくれた。人肌に温められていたカップから一口飲ませてもらい、一息ついたところで紅茶を用意してくれた方が口を開いた。
「はじめまして、シュウジ様。私はソウジロウと申します。今回は貴方のお父様から相談を受けまして……是非お力添えできればと思い、このような場を設けさせていただきました」
そう言って微笑んだソウジロウは原作内で
ということでソウジロウさんの登場です。
トアランでの台詞的に執事の真似事を始めたのはヘイジロウの(偽装)死後らしいので、本作では通常のスーツを着ている、ということでお願いします。紅茶は趣味ということで……
本編描写的に小学生前半でゲーマスなんとか退けないと偽装死ルート確定ってマジ?
えぇ?!俺がなんとかするんですか?!