えぇ?!俺がworld:Bに転生ですか?! 作:観測者
あの面談から2年が経過した。父もゲームマスターからの干渉が減ったからか、本来の目的であるゲームマスターの逮捕を目指して刑事として奔走している。恐らくは父の失踪も未然に防ぎ、慢心して気を抜いていたとは思っている。思ってはいるが……
「目が覚めたかな? 手荒な真似をしてしまい申し訳ない。とはいえ、君とは一度話したかったのだよ」
よりにもよっていきなり
目覚めてゲームマスターをこの目で見た時、一番最初に思い浮かんだのは前世でプレイしていた消滅都市の"推し達"だった。
僕は君を……ガラクタにしてしまった 私なんて忘れて……幸せになって……
お前は……君は……!!
ゲームマスターにより運命を歪められ、互いの事を想いながら自分の身も心も削り続けるサトルとハヅキ。そして、自身の歪みを直視しながらも原点である過去を捨て去り、
この世界線ではまだ二人は出会ってすらいない。もしかしたらあの悲劇すら未然に防げるのかもしれないが……少なくとも、この場を切り抜けてから考えるべきことだろう。
少なくとも現在の彼は……
そんなことを考えていると、彼の方から俺に再び話しかけてきた。
「君のことは調べさせてもらったよ、シュウジ君。君の父上、ヘイジロウ君とはある種の協力関係を築こうとしていたのだがね……思ったよりも警戒されてしまってね。デスゲームの開催すらままならなくなってしまった」
「だから俺の身柄を人質に父と交渉しようと?」
「勘違いしないで貰いたいのだが……今となっては私の目的は君なのだよ、シュウジ君」
「なんだって?!」
「それで……何をお望みなんですか?」
「話が早くて結構。私としては警察の内部情報よりも君のような特殊な能力を持った人物をスカウトしたいのだよ」
「あなたも父をスカウトする際に未来のことを仄めかしていたと聞きましたが? わざわざ僕を引き抜かなくても良いのでは」
「それは方便と言う奴だ。あくまで私は自分の知識から予測できる範囲で話しただけだとも……尤も、その中には今の君たちでは知り得ないこともあるがね」
そんな簡単に秘密を話すとは……どうやら相当俺を引き抜きたいらしい。とはいえ、秘密を話したということは恐らく……
「そんな大事な事を俺に話しちゃって大丈夫なんですか?」
「もちろん始末は付けるとも。君が私に協力するか、君の命を私が手中に収め父親が従うか。二つに一つという奴だ」
「意外ですね。"ゲームマスター"と名乗るのにゲームにすら参加させずに俺の処遇を決めるなんて」
反射でそう答えてしまった。彼の開催するゲームが気になってしまったということもあるが……間違いなく生か死かのデスゲームだ。とはいえ、貴重な未来視持ちと思われている訳だし、人質として丁重に扱われるだろう。そう安堵した瞬間、彼は手を叩き……不自然な程のハイテンションでこう答えた。
「はははははっ! そうか! そうか! そんなに私のゲームを見てみたいのか! 折角の機会だ! 参加してもらおう!」
「……マジで?せめて命だけは助かりますよね?」
「君はただゲームをクリアすればいい。クリアした暁には君の家族にも干渉しないと約束しよう。もちろん、クリアできなかった場合に命の保証はしないがね。交渉成立だ!」
そこからはとんとん拍子で準備が進んだ。彼が手元のタブレットらしき機械を操作すると、俺が座っていた場所が床ごと動きだし……最終的には別の場所に放り出された。
「折角の機会だ! 君の持つ未来視とやらを存分に活かしてみたまえ!」
そう言う彼の発言と共に周囲の設備が照らし出され……現れたのは4×4のマス目に区切られたガラスの床。そして……ガラスの向こう側に見える、ドクロマークだった。
あれ?これ俺死にました?
ゲームマスター「私が作りました」
次回! オリ主死す!