えぇ?!俺がworld:Bに転生ですか?! 作:観測者
頭いいキャラって原作の台詞以外何喋らせても陳腐になりませんか?!?!
それはそうと12周年記念トークショーは5/26に開催予定!!!!
「粗末な作りで申し訳ないが、時間もないのでね。ルールを説明させてもらおうか」
そうして、今となっては遠く離れてしまった椅子の上で足を組みながら、彼は説明を続ける。
「君の足元には4×4のマス目に区切られたガラス製の床がある。時間が来ればランダムに選ばれた一つ以外は崩落し……落ちてしまえばゲームオーバーという訳だ。君はただその中で落ちないように全力を尽くせばいい。何か質問はあるかな?」
「
「言葉通りに受け取ってもらって構わない」
彼に質問できるのは、生き残ろうが死のうがこれが最後のチャンスだろう。俺だって死にたくはない。だが、こうなってしまった以上生存は絶望的だ。ならばせめて、家族の安全だけでも確かめたい。
「もし俺が失敗した場合、家族はどうなりますか?」
「君が居なかった時と同じに戻るだけさ。父を脅し、娘の運命を操る。父の行方だけでなく……弟の命すら奪った憎き怨敵の正体がまさか頼りにしていた存在だとは! 笑えるだろう?」
「さて、そろそろ準備はいいかな。私を楽しませてくれよ? さぁ、ゲームをはじめよう!」
そう彼が言うと、正面の壁に設置されたパネルがカウントダウンを始めた。時間は3分。
慌てて周囲を確認する。マス目の大きさは各辺1mに満たないほど。床の素材はガラスのみ、外枠に鉄パイプ。そして床から地面までの高さは……低く見積もっても2階分はあるだろう。特訓の際に習った受け身を使えば無事に着地できるが……そもそも落ちた時点で終わりだ。
残り2分。どうやって選べばいいのだろうか? 俺に未来視なんて力は当然無い。力を詐称したツケが来たのか? そう考えている間にも、カウントダウンは着々と進んでいる。
残り1分。息が早くなってくる。未だに現実味がないままに、命の期限だけが短くなっていく。
残り30秒。震える足でマスを選ぶ。中央に近いマスを選び……間違っていたら飛び移ろうと。
それぐらいの乱数は変えてあげようか
残り10秒。覚悟を決めて飛び移る準備をする。
そしてカウントが0になり……
達成したと思っていた中での浮遊感に思考が停止する。そんな中、咄嗟に落下の衝撃を抑えようと教わった体術を活かして着地を試みた。足場になっていた床のおかげで衝撃こそ軽微なものの、着地の衝撃で破砕したガラスの破片が肌に突き刺さる。全身が燃えるように熱い。いや、痛い。全身に大量の切り傷こそ作りつつ、無事とは言い難い様相で着地できた俺の耳に届いてきたのは……
「はぁ……期待外れだな。窮地にでもなれば能力に何か変化でもあるかと思ったが……」
落胆に満ちた声だが、ゲームに落胆して文句を言いたいのはこちらの方だ。なんとか声を張り上げる。
「ちょっと待ってくれ! 俺は正解の床を選んだだろう?!」
「いや、私は間違いなく言ったさ。
彼はそう言った後、マスクの奥でククク、と笑い声を零した。身体を起こすのも億劫になってきた。理不尽ではあるが……ルール説明において嘘は言っていない。俺がただ当然のことを見落とし、死んでいくだけのことなんだろう。
「とはいえ、私も君を苦しませるのは本意ではない。せめてもの餞別だ。苦しませずに逝かせてあげよう。ゲームオーバーだ。フフ……フハハハハハ!!」
四肢の痛みすら感じられなくなってきた。遠のいていく五感の中、辛うじて聞こえて来たゲームマスターの宣言と共に、腹のあたりに強い衝撃を感じた。
腹の中から熱が抜けていく。大事なものが零れ落ち、感覚が消えていく。不快な笑い声さえ遠のいていき、光がにじみ……付きまとっていた血の味と臭いさえも消え……体が冷たくなっていく。呼吸すら満足にできずに、段々と浅くなっていく。
怖い、がどうすることもできない。抵抗もできない。
薄れゆく意識の中……思い出したのは
そして、意識さえも消えた。
明日も午後5:26に更新予定です。