ヤンデレ魔法少女13人から逃げ切れないと死ぬゲーム。 作:クロウト
久しぶりに書いたら、展開がどう足掻いても雑にしかならなくて泣きそうや。
ヒロちゃんめっちゃ好き(至言)
─── この世は、なんて理不尽なのだろう。貴方がまず思ったのはそれだった。
貴方は牢屋敷と呼ばれる魔女候補を収監する監獄島に閉じ込められた魔女候補の一人だ。魔女候補、と言っても貴方はれっきとした男性だし、魔法を使えるといった覚えも無い。なので貴方からしてみれば完全なる冤罪なのである。しかも貴方以外に集められた魔女候補は全員女性という始末。男は貴方一人だが、ハーレムを期待する程の強メンタルは貴方にはなかった。
だがこの牢屋敷は国家ぐるみの関与がある公的な施設であることを貴方は知っている。故に貴方がいくら冤罪だ、と叫んでも解放してくれなかった。なので貴方はこの牢屋敷から脱出しようと試行に試行を重ねた。
聞けば魔女になる素質を持っている者は魔女の殺人衝動によって人を殺めてしまう殺人事件が起こるという。貴方は絶対にこんな場所では死にたくなかったので牢屋敷に集められた魔女候補たち全員となるべく交流を深める様に努力した。仲を深めれば、深めるほど貴方自身に向けられる殺意は少なくなる筈。思えばそのマインドが
そして仲を深める為に貴方は幾重にも傷を負ってきた。魔女の殺人衝動によって殺されそうになる友達を庇って、腹に思い切り重傷を負ったり、友達を逃がす為に魑魅魍魎の類とも戦って、戦って、血を流して来た。なれはてと呼ばれる化け物とも戦って、死にはしなかったが血を流しすぎて医務室に三ヶ月ぐらい軟禁される事もあった。だが貴方は最後まで戦い抜いてきた。男として、先陣を切って突撃する姿は多少なりとも友達に良い所を見せれたのじゃないかと貴方は考えていた。
──── だが実際は、貴方のその今日に至るまでの自己犠牲や魔女候補たちの日々のコミュニュケーションが貴方に地獄を見せる事となった。故に理不尽なのだ。
朝、貴方はいつも通りの牢屋で目を覚ます。貴方はいつも通り、硬いベッドから身を起こそうとする。けれどふと、貴方は自分のベッドに違和感を感じた。まるで誰かが自分のベッドに
その証拠に貴方はいつも自分が使っているベッドの毛布を見ると、明らかに誰か一人分の膨らみがそこにはあった。違和感、と言うよりかはもう確実に現行犯で誰かが貴方の布団の中に居るのは明白だった。
貴方は恐る恐る、ベッドの毛布をめくろうと手を伸ばす。だが貴方が手を伸ばそうとしたタイミングで布団の中に居た犯人が貴方の起床に勘付いたのか、すぐさま反応して来た。
「 あ.....お、起きたんですね...! おはようございます... ! 」
貴方の布団に居た人物は、貴方の牢屋の同居人である
貴方が知る氷上メルルという人物は極度な心配性で臆病、といった印象が多い少女だ。その証拠にメルルは貴方以外の魔女候補たちと交流する時でも慣れている相手でも所々、おどおどしている所を貴方は知っている。
だがメルルは貴方と一緒に居るこの間だけはいつもこうやって天使の様な笑みを貴方に見せてくれているので、貴方にとってはこの笑顔だけでも癒されてしまう。この感覚は未だに慣れない。が、貴方はメルルがなぜ自分のベッドに居たのかを問わなければならない。
貴方は気持ちを強く保ち、平静を保ちながらメルルにその旨を聞く。するとメルルは何故か頬を赤らめながらその理由を話した。
「 あ...え、えっと...その....最近、アナタがよく夜にうまく寝れないと聞いて......それで.....私にも何かお手伝いできる事が無いか、って考えてみて....その時に....その...アナタが、そ、添い寝...が好きだって話してたのを思い出して.... 」
あまりにも献身的な理由過ぎた。頬を赤らめ、口元を両手で隠しながら喋るメルルの姿に貴方は思わず心を打たれそうになる。やっぱり男は誰しも、え?これ俺の為に?というシチュエーションには弱いものである。勿論、貴方もその例外ではなかった。
── だが、この時。貴方は思い出してしまう。この幸せな時間はいつまでも続かない事を。貴方は突然、弾かれた様にベッドを降りる。メルルは唐突の出来事に驚くが、貴方はメルルの顔を見る暇すら無かった。
そして貴方がベッドから降りると、目の前には何の変哲もない一つの小さな草臥れた木の机がある。だがその木の机にはとある
貴方はその写真を裏返しては、その写真にも『おはよう』と挨拶を送る。その写真に映っていたのは、田舎にありそうな古民家の縁側で仲睦まじくしている様子を撮った一人のお爺さんと少女の写真。何の変哲も無い、ただただ平和そうに見えるが貴方にとってその写真は一度でも見ておかないと自らの生命が危ない、超弩級のアイテムと化していたのだ。
「 あの ...そ、その写真は ... ? 」
貴方の突発的な行動を気にかけたメルルが貴方が見ている写真を、貴方の背後からちらりと見てくる。貴方はメルルのその視線に吃驚するが、まあ、ルームメイトぐらいなら見られても大丈夫か、と思い至る。
貴方はただ世間話の延長線だと思いながら、メルルにこの写真の事を説明する。貴方が見ていた写真に映っていた少女とお爺さんの写真は、この牢屋敷に入れられた魔女候補の一人である
だが今の貴方にとってはその歓喜は何処へやら。いつのまにかその写真は沢渡ココの持っている魔法によって恐怖の権化へと変わっていったのだ。
「成程 ... ココさんの ... 。それで焦ってベッドを飛び出したのですね...。 あなたにストーカーの様な事をするなんてっ...なんて、酷い事をっ... 」
貴方がその写真について説明するとメルルは珍しくちょっとだけ怒気を孕ませたかの様な言葉で喋った。顔は相変わらず常に半泣きだが、その言葉にはいつもの様なおずおずとした雰囲気は無い。貴方はたまに見せるメルルのこの雰囲気がとても恐ろしかった。そしてこんな状態になったメルルは決まって良くない事を言うものだ。貴方は長い間の彼女との交流の中で、やんわりとそれを理解していた。
「 ......あなたはとっても優しい人ですから、無理やり覗き見されても迷惑そうな顔一つしないで今までずっと耐えて来たのですよねっ...。可哀想に......もしあなたさえ良ければ、私が今すぐにでもココさんを...! 」
貴方は本能的にメルルのやろうとしている事を察知したのか、慌てて大丈夫だとそれを止めた。実際のところ、貴方はこのインスタント監視カメラには慣れているし、このままメルルがココを星にしてしまうなんて事があれば、折角貴方が積み上げて来た友との信頼も瓦解しかねない。と言うより、それが火種となって最悪魔女候補たちの最悪のバトルロワイヤルが開催されかねない。それだけは貴方が絶対に避けねばいけない事だ。
─── 下手をすれば、情け容赦無しの怪獣バトルに貴方が標的にされかねないのだから。貴方はいつだって命懸けである。
朝──、朝食の時間がやって来た貴方はメルルとは別れ、一人で食堂に向かっていた。窓から吹く潮風と陽光が貴方の微睡みに落ちかけている心をすっきりとさせてくれる。だが貴方はメルルとのやり取りもあってか、そんなに眠くなかった。寧ろ、朝食を取ると貴方が牢屋を出ようとした時。メルルにめちゃくちゃ引き留められたのだ。
『わ、私も行きますっ...!!! また○○さんがいつ何処で、ストーカーされるか分からないですし....。』
駄目である。貴方とメルルが一緒に朝食を取る事、それ自体は決して間違っていない。いや寧ろ、氷上メルルという美少女と朝食を食べられるというのは世の男子にとってはご褒美と言うべきだろう。実際、貴方も年相応の男の子なのでそういう欲望は持ち合わせている。だがこの牢屋敷ではそんな欲望が罷り通ることは無い。
仮に貴方がメルルと一緒にきゃっきゃっうふふと語り合いながら食堂に行ったとしよう。この牢屋敷は広く、メルル以外にも魔女候補は多くいる。そしてその魔女候補たちも朝食を取りに食堂へと向かう。そこで他の魔女候補と貴方が鉢合わせでもしてみよう。終わりである。どう考えても貴方が死ぬ未来しか見えない。
なので貴方は、メルルに自分の事を大切にしてくれるのはありがたい。けれどそのせいでメルルに何かしらの被害や危険が被ったら、自分はもう生きていけない自信がある。それぐらいまでに君に傷付いて欲しくないんだ。みたいな事を言ったら涙を流しながら快諾してくれた。
『そんなっ...○○さん...!! そこまで、私の事を
私、とても嬉しいです...!!!』
別に愛してるなんて一言も言ってないんだけどな...という心の思いは一旦しまっておいて。とりあえずそんな事があってなんとかメルルとの同行を断ち切る事が出来た貴方。だが適当な口八丁で彼女を騙したみたいな真似をしたのは流石に罪悪感があった。今度、ハーブティーでも淹れてあげようとも思った。
貴方はそんなこんなで朝から頭を回していたが、相変わらず気の抜けない状況は続いている。一人で居る時ぐらいは危機感も何も無いのでは?と思う人も居るだろう。だが貴方にとっては、この一人で居る時間も出会う人によっては貴方にとっては十二分に危険な時間になる事は経験則上、理解していた。
できれば何事も無く、そのまま食堂に着けばベストだが。と貴方が思いながら歩いていると......。
貴方の前方、食堂に行くための曲がり角から一人の人影が出て来た。朝とは言え完全に死角からの出現だったので、貴方は思わず少しだけ肩を震わす。その死角から出て来た人は、まるであらかじめ貴方がそこに居るのかを
「───おはよう、○○。昨日は良く眠れたかな。 」
───なんてこった!貴方は偶然(偽証)巡回中の二階堂ヒロと鉢合わせしてしまった!!
貴方は二階堂ヒロという人物を良く知っている。というか良く知り過ぎている。高校に上がる前の中学では同じ中学でかつ3年間同じクラスを共にしている貴方にとっては数少ない中学校来の友達の一人である。他の魔女候補と比べても多分貴方との交流の度合いで言ったら、彼女と
貴方はヒロに軽く挨拶をした後、まあ良く眠れた方なんじゃないかと返す。だが実際には貴方には薄い隈が目元に出来ていた。これは日頃のストレスで〜...とか魔女化の進行で眠れなくなる〜...みたいな事ではなく、純粋に寝不足なだけである。男の子たるもの、ベッドの布団の下でか○はめ波の練習をするのは誰しもが通る道であると貴方は本気で思っているのだ。
「…君は、本当に昔から嘘を吐くのが下手だな。 それに、君。この間も怪我をしたらしいじゃないか。確か、腕に切り傷...だったかな。 」
秒でバレた。貴方が図星の反応を見せるとヒロは呆れた様な、されど心配そうな表情を作りながら此方を見た。昔から貴方の嘘はヒロには通じなかった。どれだけ貴方が完璧だと思った嘘も虚偽もヒロの前では全てが白日の元に晒される。今日だって貴方はダメ元で嘘を吐いてはみたが、やっぱり駄目だった。
それに貴方がいつのまにか怪我をしている事もバレてる。これは貴方がこの間の自由時間の時に森の木の枝に腕を引っ掛けてしまい、盛大に大コケして負った割とデカい切り傷である。現に今もメルルに治療してもらってる最中なので、貴方の腕にはばっちりと絆創膏が貼られている。
「…やはり、君の生活は私が逐一管理しないといけないな。 不健康なのは正しくない。それに───。 」
──瞬間、周りの空気が重くなる。まるでしっとりとした幻覚の湿度を纏っているかの様なその空気感に貴方は肩にずっしりと何か重いものが寄りかかって来る感覚を覚える。ヒロの顔はいつにも増して真剣だ。
「…君が、日に日に傷付くのを黙って見過ごすのは、一番正しくない。 」
傷付く。ヒロのぽつり、と溢したその言葉に貴方は反応する、というか心当たりしか無い。貴方は自分でも認識していない
──その貴方のなんて事もない日々が、ヒロの逆鱗に触れた。という事だろう。
「 ...ああ、すまない。もう朝食の時間か。早く食堂に行かないと、君の分も無くなってしまうな。......君の隈は後で問い正すとしようか。 」
ヒロは少し考える素振りを見せた後、漸く話が終わったか、と貴方が安堵しているとヒロは貴方の方へと近寄って来ては、貴方の腕へと手を伸ばす。貴方は何をしようとしているのか、とヒロに聞くと。
「君が私の見えない所で正しくない事をするのを防ぐ為には、こうする他無いだろう? ...もし君に擦り寄って来る奴が居ても、私が追い払うから安心して欲しい。」
ヒロは貴方の腕に自身の腕を絡ませる。言わばカップル繋ぎ、という奴であるが貴方はちょっとは嬉しいものの隣に居るヒロの圧が強過ぎて素直に喜べるものでは無かった。しかもこれ食堂に着いた時点で大分詰みな所もあるので、貴方は今。穏やかなメリーゴーランドから下に行けば落下死確定の理不尽ジェットコースターに乗せられている様な物だった。あまりにも地獄である。
と、貴方がそんな事を思っていると、側に居たヒロが腕の力を強くする。そして同時に貴方にだけ聞こえ、震える様な声で言葉を発する。目に涙は溜まっていないが光は無い。そんな感情の些細な爆破が妙に貴方の心に刺さった。
「今まで君が私を助けてくれた様に、今度は君を私が助ける。...だから、また私の知らない所で自分で死のうとする真似だけは絶対に辞めてくれ...君まで死んでしまったら、私は...私はっ...! 」
そのヒロの悲痛な叫びとも取れる声に、貴方はヒロの悲痛な表情とは対照的に明るく笑いながら、まるで傷を負う事も厭わない様な口調でヒロを励ました。
──〞自分はここから出るまでも出た後も死ぬ気はない。だからヒロも死なないでくれ。ヒロが死んだら、自分もきっと、生きていけないから。〟
「 っ...! 」
それは確証の無い妄言に近いもの。貴方が言ったそれは、本当にそうなるのかは分からない事だ。嘘にも本当にもなり得る薄っぺらい言葉。だがヒロにはその薄っぺらい言葉だけで十分だった。貴方も死ぬ気は絶対に無い、という強い決心とヒロも死んで欲しくないという自分に対する気遣いと、ヒロが死んだら生きていけないという貴方の言葉。貴方の言葉の真偽の分からないヒロにとって貴方の言葉のそれには麻薬以上の依存効果がある高揚があった。愛する者の言葉を聞けば誰だってそうなるかもしれないが。
「.......君のそういう所は、嫌いだ。 」
ヒロは貴方に視線を向けず、そっぽを向いてしまう。だがヒロの耳は少しだけ紅潮しており、クソボケの貴方はそれが何なのかさっぱり分からなかった。ヒロは少し強引に貴方の腕を引いては、行くぞと言わんばかりに足を動かす。貴方はそれに追従するかの様に、またヒロの手に引かれながら二人仲良く食堂に向かうのであった。
─── 尚、食堂に向かっている道中で貴方に喋りかけようとしてきた女子たちは全員がヒロの鬼の様な牽制が効いたのか、貴方に絡んで来る事は一切無かったという。嵐の前の静けさ、という奴である。
キャラクター紹介 なり。
貴方(○○)
魔法少女13人全員の脳を焼いた張本人であり、クソボケであり、パーフェクト
コミュニュケーションで全てを得て、全てを失った哀れな男。13人全員(特大爆弾持ち)のヤンデレいちゃいちゃを楽しもう!
氷上メルル (崇拝型ヤンデレ)
言わずとしれためっちゃ愛の重い人。大魔女と同等ぐらいに貴方を愛してるし、
なんだったら貴方を神として見ている。基本貴方の言う事、やりたい事を完璧に
する為に動いているので、誰かを殺すなんて事は無い無害型。無論だが貴方が
あいつムカつくなー!とか愚痴を溢せばすぐにやりに行く。怖い子。
二階堂ヒロ (管理&依存型ヤンデレ)
貴方を失いたく無いが為に、貴方をずっと側に居させようとする王道中の王道。
だけど貴方に嫌われたくは無いのでずっと我慢して来たが、割とマジで理性が 瀬戸際に追い込まれていた中で貴方がまた懲りずに怪我をしたと知り爆発。しかも貴方のヒロが死んだら生きていけない発言により、更にパワーアップ。以降は過去
の罪滅ぼしとトラウマが過ったのもかねて貴方の側を離れなくなる。モンハンのアイルーみたいだね。
「•••君は必ず、私が守る。だから私の側を離れないでくれ。 」
次回はヒロちゃん視点から見た貴方と食堂入ってからの新しいエピソードは絶対に書きます。マジで待っててください。