イナズマイレブンMONSTERS!!!   作:月兎タンク

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えー、1ヶ月以上投稿しなかった挙句いきなり謝罪から入って本当にすみません。
前回ラストの銀牙の問いは無かった事にしてください。既に該当箇所も削除しました。
理由としてはアレのせいでメッッッッッチャクチャ話が書きにくくなってしまった為です。
だって見たくないでしょ?サッカーせずにグダグダと兄妹喧嘩が続く回なんて。
てなわけで何事もなかったかのように本編スタートしまーす。


オンボロギャラクシー

雷紋「フンフーン♪フフフンフーン♪」

 

朝から上機嫌で鼻歌混じりに朝食を摂る雷紋。その姿に皆がよく知るいつも眉間に皺を寄せ、問題児の妹と喧嘩ばかりしている兄の面影は一切見られない。

 

何故そこまで雷紋は上機嫌なのか?その理由(答え)は彼のスマホに表示されたネットニュースにある。

 

『25年の月日を経て稲妻のペンギン羽ばたく!“怪物”の子はやはり“怪物”だった!』

 

先日の赤城山戦にて披露された“イナズマペンギン”は世間に大きな衝撃を与えた。

何せ初披露から25年の間、現帝国学園総帥である鬼道有人以外の選手が黄と紫のペンギン達をフィールドに呼び寄せる事は叶わなかったのだ。

今や世間は雷紋を“じゃない方の兄”ではなく“怪物の血筋”として賞賛する声で溢れている。

 

雷紋「うへへ〜!照れちゃうな〜もう〜!でもしょうがないよね〜!あんな大歓声受けちゃったんだから〜!」

 

試合後に受けた雷紋コールを思い出し、絶妙に気持ち悪い笑い声とだらしないにやけ顔を披露する雷紋。

よく周囲から性格は両親に似ていないと言われる彼だが、父と母の調子に乗りやすい性格だけはキッチリ受け継いでいたようだ。

 

ガチャ…

 

そんな中リビングに扉を開ける音が響く。父と母が共働きである稲魂家宅に居るのはそこで気持ち悪い顔をしている兄と性格の終わっている妹のみ。

その兄がリビングに居る以上、ドアノブに手を掛ける事の出来る人物は1人しか居ない。

 

雷紋「あ!見て見て銀牙〜!僕の活躍がニュースに…」

 

寝起きの妹に自身の活躍を自慢しようとした最中、雷紋は言葉を失ってしまった。

最初に言っておこう、扉を開けた先に居たのは紛れもなく彼の妹・稲魂銀牙だ。

 

だが…

 

銀牙「おはよ…。お兄…。」

 

彼の前に現れたのは目の下に大きな隈を浮かび上がらせ、まるで風邪を患っているかのような疲労感と倦怠感に支配された瀕死の“怪獣”だった。

 

♢♢♢

初戦とは思えない密度の激戦を繰り広げてから早3日!“イナズマペンギン”を復活させた僕は今じゃ念願の“怪物の血筋”の仲間入りだー!

ネットに流れる賞賛の声!みるみる回復する自尊心!気分は快調、絶好調!いやー!人生って本当に素晴らしいねー!

 

「おい!また銀牙が倒れたぞ!!!担架持って来い!」

 

アレから霊道先輩の当たりの強さも少しはマシになったし…!

 

銀牙「マイ…ペンライ…」

 

母さまからも父さまからも褒められたし…!

 

「全然大丈夫じゃないわよ!このまま死んじゃうわよ!?」

 

そんなこんなでしばらくは溜め息と無縁の生活が続くに違いない!ありがとう雷紋!よかったね雷紋!よーーし!!!今日も練習頑張っちゃうぞーー!!!

 

雷紋「はぁぁ〜〜………。」

 

…やっぱり駄目だ。僕にカラ元気は絶望的なまでに向いてない。

よく『苦しい時ほど前を向け』『追い詰められた時はふてぶてしく笑え』って言うけど僕には体質的に無理だ。

狂j…ゲフンゲフン いつもバカみたいに明るい父さまが本当に羨ましいよ…。

 

アリス「随分と大きな溜め息じゃないか雷紋。」

ウサギ『幸せが逃げちゃうぜ〜〜!!!』

 

雷紋「アリス先輩…。」

 

アリス「そんなに妹が心配か?普段あれだけ嫌っている妹が?」

 

そんな嫌な言い方しないでくださいよ…。まるで僕が優れた能力を持つ妹に対してコンプレックスを抱く情けない兄みたいじゃないですか…。いや…概ね合ってるか。

 

アリス「…暴労体老(ぼうろうたいろう)症候群。」

 

雷紋「知ってましたか…。」

 

アリス「当然だ、俺も偶になる。流石に銀牙(あいつ)ほど症状は重くはないがな。」

 

“暴労体老症候群”。一部のギフテッドに見られる症状…というよりも先天的な疾患って言った方が正確かな…。

簡潔に言えば常人を超えた超パワーに肉体がついてこれずに一時的に弱体化してしまうんだ。

症状の重さは人によってマチマチだけど、文字通り人間離れした身体能力を持つ銀牙は特に酷い。大体数年に一度のペースでタチの悪い風邪を引いたように死にかける。

 

アリス「あんな状態になっても休まないのはあいつらしいがな。」

 

本当だよ。僕は何度も今日は家で寝てろって言ったらアイツなんて言ったと思う?コホン…『休まない…。寧ろこの状態で学校に行ったらどうなるかワクワクする…(声真似)。』だってさ。マジでイカれてるよ、我が家のワクワク中毒者(ジャンキー)は。

 

雷紋「…嫌なんです。あんな状態の銀牙を見るのが。」

 

ウサギ『嫌だとぉ?そいつは意外だぜぇ!お前さんのことだから自業自得の四文字で割り切ってると思ってたがよぉ!!!』

 

あっ、それは合ってます。別に可哀想とは1mmも思ってません。

 

雷紋「アイツは…銀牙は…常に強者でなければならないんです。アイツはクズです、人の心を持たない“ドライモンスター”なんです。でも…僕にとっては目指すべき目標でもあるんです。あんな状態のアイツに勝ったって何1つ嬉しくありません…!」

 

ウサギ『…なんか重いな。ここまで来たらもうシスコン同然だろ。』

 

勘違いしないでください。僕はシスコンなんかじゃありません。誰がなんと言おうとシスコンじゃありません!そもそもこの世界のシスコン枠は豪炎寺さんと鬼道総帥だけで十分です!

 

アリス「今日だけは深くは追求しないでやるが総帥は俺の義父である事を忘れるなよ?」

 

ごめんなさい調子に乗りました。だから鬼道総帥に言いつけるのだけは勘弁してください。てか勝手に心を読まないでくださいよ…。

…アレ?参募さんだ。なんか焦っている様子だけどどうしたんだろ?

 

参募「監督、少しいいですか?」

 

アリス「許可する。手短に話せ。」

 

参募「稲魂銀牙の診断結果が出ました。…やはり症状は重いようで来週の試合には間に合わないとの報告です。」

 

…やっぱりか。覚悟はしてたけど悔しいや、でもしょうがないよね!ここは割り切って僕の“イナズマペンギン”でゴールをy

 

アリス「問題ない。治ってなかろうが銀牙には試合に出てもらう。」

 

雷紋&参募「「………へ?」」

 

ん〜〜…………????今、何て言った?銀牙を試合に出す…?

いやいや〜!流石に僕の聞き間違いだよね〜〜!そんなわけないじゃ〜ん!だって今の銀牙はほとんど死人なんだよ〜!まともに試合なんて出来るわけなi

 

アリス「もう一度言う。次の試合は銀牙を出させる、億が一本人が拒絶してもな。」

 

…よかったね雷紋。僕の耳はまだまだ正常みたいだよ…。

 

雷紋「……正気ですか?今のアイツは僕よりも弱いんですよ?コレがどういうことか分かります?例えアイツが“プラチナレオーネ”を撃ったとしても出てくるのはライオンじゃなくて子猫なんですよ?」

 

参募「それ…自分で言ってて悲しくならないのかい?」

 

僕にパワーが無いのは自覚しているので別にいいです。…アレ?どうしてだろう?胸の奥がズキズキするぞ?

 

アリス「これは決定事項だ。覆す気はさらさら無い。」

 

あっ、駄目だ。この目は本気だ。この人マジで病人を試合に出す気だ。

 

アリス「今日は銀牙を連れて帰れ。死にかけの“怪獣”が居ると新作の進捗が大幅に遅れる。それと…これを渡しておく。」

 

アリス先輩から渡されたのは紙袋に包まれた謎の錠剤だった。

何コレ…?薬…?まさか…!

 

雷紋「もしかして…!ハードワークが過ぎて遂に教育上よろしくない薬に手をd『なわけねーだろ!バカ雷紋!』ぐへぇ!?」

 

痛いです…。主にほっぺが…。

 

アリス「…鬼道財閥のコネを駆使して調合させた専用サプリだ。朝昼晩、指定された量を銀牙に飲ませろ。そうすれば試合までにある程度は回復する筈だ。」

 

雷紋「アリス先輩…!ありがとうございます!!!」

 

なんやかんや言って優しいところもあるんだよねこの人。…アレ?そういえば父さまは遠征で家に居ない…母さまも仕事が忙しくて今週は家に帰れない…もしかしなくても僕がアイツの看病しないといけないの…?

 

♢♢♢

雷紋「なぁ、銀牙。そんな状態になっても、オマエは試合に出たいのか?」

 

銀牙「出るよ…。そっちの方がワクワクするから…。」

 

息を切らしながら弱々しく答える銀牙だが、その瞳には硬い決意が満たされている。

親に代わって妹の看病を続ける兄には何がそこまで妹を動かすのか理解出来なかった。

 

雷紋「…例え試合中に限界が来て本当に死んだとしても?」

 

銀牙「何…?もしかしてあたしの心配してるの…?」

 

雷紋「…違うし。ただ試合中に倒れて係の人の手間を増やすのが嫌なだけだよ…。」

 

図星だったのか、顔を赤らめながらそっぽ向く雷紋。彼の頬には監督の兄弟に殴られた跡がくっきりと残っている。

 

銀牙「15と17。」

 

雷紋「どうしたんだよ急に…?」

 

銀牙「この間の青木山の平均レベルとお兄の今のレベル。青木山が15でお兄が17。」

 

雷紋「青木山じゃなくて赤城山!てか僕のレベル低っく!せめて20代にしてよ!…一応聞くけど、オマエのレベルはどれくらいなの?」

 

銀牙「うーん…。だいたい99くらい?」

 

雷紋「クソ!舐め腐ったレベル測定だけど否定できのが悔しい!」

 

遠回しに兄は自分の足元にも及ばないと言っているのも同然の評価だが、事実、雷紋と彼女の実力差はそのくらいある為、否定したくてもする事が出来ない雷紋は頭を抱える。

 

銀牙「…けど。今のあたしのレベルは甘く見積もっても30あるかないかくらい…。これがどういう意味か分かる?」

 

雷紋「…分かんないや。」

 

否、雷紋は薄々だが妹が言いたい事を察してはいる。ただ、相変わらず理外の発想である為、理性が理解を拒んでいるのだ。

 

銀牙「つまり今のあたしなら“苦戦”ができるってこと。イコール新しい“ワクワク”を感じられる大チャンス。アーユーオーケー?」

 

“苦戦”出来る事に“ワクワク”を感じると平然と言い放つ妹に兄は心の奥底から嫌な感情が湧き出る。

その感情を形容する事は出来ないが、普段自分が腐るほど手にしている“苦戦”を心の底から求めている妹を見て、改めて住んでいる世界が違いすぎると実感してしまうのだ。

 

雷紋「…次の相手は海浜相模野中(かいひんさがみのちゅう)だよ。神奈川では有名な学校だ、油断してると痛い目を見るよ。」

 

銀牙「大丈夫。あたしは“強い”から。」

 

雷紋「…そっか、じゃあ今日はもう寝てな、僕は今から自主練に行ってくるから。」

 

妹の看病を終えた兄は部屋を退出し、ランニングウェアに着替える。しかし、着替えている最中も、体力の限界を迎え地面に寝転がっている時も、心の奥底にある嫌な感情は消える事はなかった。

 

♢♢♢

角馬『お待たせしました全国のサッカーファンの皆さんッ!!!FF関東地区Aブロック予選2戦目!帝国学園対海浜相模野中(かいひんさがみのちゅう)との名門同士の組み合わせに否が応でも期待が高まりますッ!!!

 

遂に試合当日を迎え、帝国の控え室にはエースナンバーたる10番を背負った“怪獣”と尊敬する父と同じ16番を背負った兄が今か今かとその時を待っていた。

 

雷紋「最後の確認だ銀牙。今の体調はどれくらい?」

 

銀牙「だいたい50パーセンテージ。」

 

雷紋「そっか…相手は名門だ、油断せずにいくよ!」

 

兄と監督のバックアップの甲斐もあり、半分程度の力を取り戻した銀牙。

持病に侵され大幅に弱体化した“怪獣”はどのような立ち回りを見せるのか?




一応言っときますけど“暴労体老症候群”は架空の病気ですよ?本気にしないでくださいね?
てか初戦は出場禁止、2戦目は持病により弱体化って…これ主人公の1人をハルレベルまで強くした意味あるか?と自問自答しちゃう今日この頃。流石に3、4戦目はフルスペックでサッカーさせますけど。
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