魔法少女リリカルなのはZ   作:りおんざーど

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謎の組織登場 介入、時空管理局

 なのはとフェイトのデバイスであるレイジングハート、バルディッシュがぶつかる。

 

 その衝撃が原因なのか、それともデバイスに流れていた彼女達の魔力が起こしたのか封印していた筈のジュエルシードが暴走する。

 

 それにより近くに居た2人は発生した衝撃波により吹き飛ばされた。

 

 ジュエルシードから出ている魔力は余りにも膨大な所為か柱となって結界内の街に大きな明かりをもたらし、光に満ちた。

 

 「大丈夫。戻ってバルディッシュ」

 【Yes, sir】

 

 何とか体勢を整えたフェイトは大きくヒビの入っている愛機を待機させる。その待機状態へと戻ったバルディッシュは彼女のグローブの、手の甲の部分に収まる。

 

 「…………」

 

 見据えた先には未だに暴走をし、魔力と光を放ち続けているジュエルシード。

 

 その膨大な魔力を垂れ流し、衝撃波を発生させながら震えている宝石に向かい駆け出した。

 

「――“マグネティックワールド”……フェイト・テスタロッサ」

 

 が、彼女の身体は後ろの方へと勢い良く引っ張られていく。

 

 「――!?」

 

 まるで何かに引き寄せられるかのように、磁石にでもなったかのように逆らうことが出来ず兄の方へ引き戻される。

 

 「兄さん?」

 「今、ジュエルシードの方へ行こうとしただろう?」

 「だって……」

 

 ドゥームの顔を見て自身の心配をしてくれていることを察せられ、フェイトは言葉を続けることが出来なかった。

 

 「だけどどうするのさ?」

 

 ユーノとのやり取りを切り上げて此方に戻ってきたアルフはジュエルシードを見つめながらドゥームへと質問を投げかける。

 

 「勿論封印し直すさ――彼等が。……そしてその後」

 

 

 

 

 「大丈夫か、なのは?」

 

 着地に成功したなのはへと雄介、志蓮、ユーノ、そして俺が走りながら無事を確認する。

 

 目で確認する限りでは彼女に怪我という怪我は存在してはいない。

 

 だが、彼女の相棒であるレイジングハートは見事に沢山の大きなキズとヒビが入っており相当のダメージを負っているようだ。

 

 「何とか」

 

 彼女の無事を知り安堵する皆。

 

 そんな中、俺はジュエルシードから発せられる魔力の方が気になってどうしようもなかった。

 

 「どうしよう」

 「――志蓮」

 「やっと俺の出番だ!」

 

 その俺の言葉に志蓮は嬉々として応えてくる。

 

 不安を見せるなのはとユーノを余所に志蓮と俺は余裕を見せている。

 その様子にユーノは不思議がり思わず大きな声を出す。

 

 「何でそんなに余裕なのさ――あんなに大きな魔力なんだよ」

 「簡単だよ。あれを消すことが出来るんだから」

 

 その言葉にユーノは訝しみながらも何処か期待をしていた。

 

 今までの事を考え、思い出してみると彼等は自分の常識に当てはまらなくて、不思議な事を起こし、駄目だと思った事を引っ繰り返し無事解決してきたのだから。

 

 「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

 

 志蓮の背後に突然と数々の剣が、槍が出現する。それはまるで最初から其処に在ったかのように自然にあらわれた。

 だが、それら武器からジュエルシードと同等、それ以上の魔力を放っており唯の道具では無い事が嫌でも理解させられる。

 

 「“破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)”!!!」

 

 出てきた武器の中から紅色の長槍を一本手に取り、それをジュエルシードに向けて強く投げつける。その様はまるで、今までの鬱憤を晴らすかのように力強く、そして投げた後の彼の顔は清々しかった。

 それは放たれている魔力に吸い込まれるように見事に命中し暴走は嘘の様に治まる。先程の魔力の暴走が幻であったかのように、だ。

 

 「ふぅ~……なんとかなったな」

 「そうだな……」

 

 雄介のその言葉にどうしながら俺はドゥームの方へ目を向ける。

 彼の方もしっかりと理解しているようだ。

 

 

 

 

 「………“ディーンドライブR・T(ロケットスレッド)”」

 

 その言葉と同時に彼の姿は消え失せ、それと同時にジュエルシードもまた喪失していた。

 

 「しまった!!」

 

 志蓮、雄介は大きく叫び、ユーノとなのはは呆然とするしかなかった。

 

 実際には封印し直したわけではないがすっかり大人しくなったその青い宝石を手に、ドゥームは勝ち誇った顔をしながら此方に目を向けてくる。

 

 「これは貰って行くぞ」

 「サッサと行こうよ。此処に長居する理由なんて無いんだしさ」

 「兄さん」

 

 

 

 「ああ……じゃあな」

 

 目的の物を手に入れ、彼等は結界内から逃走する。その動きはとても速く、断続的に転移魔法を使用しているのか魔力での追跡が困難だ。

 

 「ブロン、瞬間移動で」

 「無理だ――ジャミングされているみたいに上手く気を探れねぇ」

 

 勿論これは嘘だ。気を探り、今にでも彼等の居る場所へと移動することが出来る。だが後々の為に今は黙っているしか無い。

 

 無闇矢鱈と動きまわり、知識と違った展開になるのがとても怖いのだ。臆病者だと言われ、罵られようが怖いものは怖い。自分の所為で何かが大きく狂い、取り返しの付かない事になるのがとても怖いのだ。

 

 

 

 「(レイジングハートはかなりの大出力にも耐え得るデバイスなのにこれを一撃でこんなにも破損させるなんて)」

 

 ひび割れたレイジングハートを見ながらユーノは街で起こったジュエルシードの暴走を思い出す。

 

 「(あの娘となのはの魔力の衝突――いや、それじゃ説明がつかない。あれはやっぱりジュエルシードの)」

 

 ドアをノックする音が聞こえてくる。

 数回のノックの後にドアは開き、入ってきたのはこの部屋の主であるなのはであった。

 

 彼女は風呂から出てきたのかパジャマに着替えている。

 

 「ユーノくん。レイジングハート、大丈夫?」

 「うん。かなり破損は大きいけど……きっと大丈夫。今、自動修復機能をフル稼働させてるから明日には回復すると思う。……なのはは大丈夫?」

 「うん。レイジングハートが守ってくれたから……ごめんね、レイジングハート」

 

 そのなのはの謝罪の言葉に答える代わりにレイジングハートは修復時に発生する光の点滅で応えることしか出来なかった。

 

 

 

 

 「明日は母さんに報告に戻らないといけないから早く治さないとね。傷だらけで帰ったらきっと心配させちゃうから」

 

 そう言うフェイトの身体にはいくつかの怪我が見受けられていた。ジュエルシードの暴走時に発生した衝撃で飛んだアスファルトの破片によるものか。幸いにもその傷は浅く、少し切っただけのようだ。

 

 「心配するかなぁ? あのヒトが」

 「母さんは少し不器用なだけだよ。わたしにはちゃんとわかってる」

 

 そんな訝しげなアルフの言葉に優しい笑みを浮かべながらフェイトは母親を擁護する。それは愛する母親だからだろうか。父親が居ない分、それだけ愛し、信じているのだろう。

 

 「報告だけならわたし行って来れれば良いんだけど」

 「母さん、アルフの言う事あまり聞いてくれないもんね……アルフはこんなに優しくて良い娘なのに」

 「まあ、明日は大丈夫さ。こんな短期間でロストロギア――ジュエルシード4つもゲットしたんだし。褒められこそすれ、叱られるような事先ず無いもんね」

 

 自身の主であるフェイトに頭を撫でられ、アルフは照れながら強く彼女に、自分に言い聞かせる。

 

 「うん。そうだね」

 「だからこそ……なおさらこの怪我を治さないとな」

 

 そう言いながらドゥームはフェイトに、怪我をしている部分に手を翳し、触れる。するとその傷は怪我をする前のように、まるでしていなかったかのように消え失せていた。

 

 「――これは?」

「“変身(ドッペルゲンガー)”。俺のレアスキルの1つだ。さて寝よう――明日は早いからな」

 「うん」

 

 怪我の治療を済ませ自身に充てがわれた部屋に行くドゥーム。

 

 愛する妹の怪我を治したが彼は不安で心が一杯だった。

 

アルフの言った言葉がフラグで当たる確率がかなり大きい。いや、確実に当たるであろうと思い。

 

 そんな気持ちから逃げるように彼は布団を勢い良くかぶった。

 

 

 

 『なのは?』

 『ユーノくん!?』

 『どうしたの? こんな朝早く』

 『ちょっと目が覚めちゃったから』

 

 姉である美由希の竹刀による素振り、練習を見ながらなのははユーノに念話での返事をする。

 

 『それでね、ユーノくん。わたし……考えたんだけど』

 『うん?』

 『わたし……やっぱりあの娘のこと――フェイトちゃんの事が気になるの』

 『気になる?』

 『すごく強くて、冷たい感じもするのに……だけど綺麗で優しい瞳をしてて。なのに何だか凄く――悲しそうなの』

 『…………』

 

 そんななのはの呟くような独白にユーノは静かに耳を傾ける。

 

 『きっと理由があると思うんだ、ジュエルシードを集めてる理由。だからわたし、あの娘と話がしたい……だから、その為に』

 

 

 

 

 “遠見市”の住宅街にあるとあるマンションの屋上。そこには3人の人影が存在していた。

 

 「御土産はこれで良しと」

 

 そんなフェイトの手には何処で買ったのか可愛らしいデザインの絵が刷られているケーキの箱があった。

 

 「甘いお菓子か。こんなものあのヒトは喜ぶのかねぇ?」

 「分かんないけど……こういうのは気持ちだから」

 「ふーん」

 

 アルフはフェイトからその箱を預かり、それを不思議そうに見つめる。

 

 「“次元転移”――“次元座標”、“876C-4419-3312-D699-3583-A1460-770-F3215”。開け、誘いの扉……“時の庭園”、テスタロッサの主のもとへ」

 

 その詠唱を終えると共に彼女達の姿はその場から消え失せていた。

 

 

 

 

 「皆どう? 今回の旅は順調?」

 「はい。現在、第三船速にて航行中です。目標次元には今からおよそ160へクサ後に到達の予定です」

 

 扉から入ってきた緑髪の女性の質問に的確に、しっかりと、オペレーターらしき人物が答えていく。

 

 「前回の小規模次元震以来、特に目立った動きは無いようですが2組の捜索者が衝突する危険性は非常に高いですね」

 「そう」

 「失礼します。リンディ艦長」

 「ありがとうね、エイミィ」

 

 緑髪の女性――“リンディ・ハラオウン”――は紅茶を淹れ、机に置いてくれた“エイミィ・リミエッタ”に感謝の言葉を述べる。

 

 リンディ・ハラオウン。彼女は、今“次元空間”内を航行している“巡航L級8番艦アースラ”の、この船の艦長である。

 

 「そうねぇ……小規模とはいえ次元震の発生はちょっと厄介だものね」

 

 紅茶の入ったコップを持ち少し口に含む。その行為は確実に喉を潤し、彼女の疲れを、不安を少しばかり和らげた。

 

 その紅茶には彼女の姿を鏡のように映し出されている。

 

 「危なくなったら、急いで現場に向かってもらわないと。ね、クロノ」

 「大丈夫。分かってますよ、艦長。僕達はその為に居るんですから」

 

 そのリンディの言葉に応えた黒尽くめの少年は自信有り気にそう答えた。

 

 

 

 

 広いその空間には何かを叩く音が、そして小さな女の子の悲鳴が響いている。その音は大きく部屋の外に漏れ出ており、その女の子はその痛みを必死に耐えていた。

 

 「たったの4つ……」

 

 その部屋には魔力でつくられた縄でフェイトは釣り上げられていた。

 

 「これは余りにも酷いわ」

 「……はい……ごめんなさい、かあさん」

 

 フェイトの着ている服はボロボロになっており、所々に痣が見受けられる。

 

 彼女の瞳は力無く目の前の母親を見つめ、ただただ謝ることしか出来なかった。

 

 「良い? フェイト。貴女は私のむすめ――“大魔導師”“プレシア・テスタロッサ”の1人むすめ。不可能なことなどあっては駄目……どんな事でも――そう、どんな事でも成し遂げなければならないの」

 

 そのプレシアの言葉は低く、何処か深い所から発せられているかのように重く感じられる。

 

 「はい」

 「こんなに待たせておいてあがってきた成果がこれだけではかあさんは笑顔であなたを迎えるわけにはいかないの。分かるわね、フェイト?」

 「はい、わかります」

 「だからよ。だから、覚えて欲しいの。もう二度とかあさんを失望させないように」

 「…………」

 

 彼女が、プレシアが手にしていた杖が鞭へと姿を変える。それは、またフェイトの身体に痛みを、罰を与えるという意味だった。

 

 そしてまた、鞭によって小さな身体を叩く音、小さな悲鳴が木霊し始めた。

 

 

 「なんだよ。一体何なんだよ……あんまりじゃないか、あの女」

 

 フェイトの悲鳴が大きくなる。それに対して思わずアルフは目を瞑ってしまう。

 

 「(あの女の、フェイトのははおやの異常さとかフェイトに対するひどい仕打ちは今に始まったことじゃ無いけど…今回のはあんまりだ。一体何なんだ。あのロストロギアは、ジュエルシードはそんなに大切なもんなのか)……あんたは平気なのかよ!?」

 「そんな訳ないだろ」

 

 近くに居た彼女の兄であるドゥームに対して行き場のない怒りを、憤りをぶつけるアルフ。

 

 だが彼もまた同様に憤りを、無力さを感じ、悩んでいた。

 

 今直ぐにでも部屋に乗り込み助け出したい。そんな思いを手をグッとキツく握りしめ耐え忍んでいた。手の平に爪を立て、血が出ている。

 

 その彼の様子を見てアルフはこれ以上、何も言い出すことは出来なかった。

 

 

 「ロストロギアはかあさんの夢を叶える為にどうしても必要なの」

 「はい、かあさん」

 「特にあれは……ジュエルシードの純度は他のものより遥かに優れてる。あなたはやさしいこだから躊躇ってしまうこともあるかもしれないけど、邪魔するモノがあるなら潰しなさい。どんな事をしても。あなたにはその力があるのだから」

 

 魔法を解除したのかフェイトを吊るしあげていた綱わ消え失せる。

 

 「行ってきてくれるわね? 私のむすめ、かわいいフェイト」

 「はい。行ってきます、かあさん」

 「暫く眠るわ。次は必ずかあさんを喜ばせてちょうだいね」

 「……はい」

 

 部屋の奥に設置されているドアの方へとプレシアは向かう。

 

 後に残されたのは傷だらけのフェイトと御土産として買ってきたケーキの入った箱だけだった。

 

 

 「フェイト!」

 

 フラフラと歩くフェイトを目にして駆け出すアルフ。

 

 倒れそうになるも何とか抱きとめることが出来た。

 

 「フェイト、ごめんよ。大丈夫?」

 「何でアルフが謝るの? 平気だよ、全然」

 

 フェイトの身体には生傷が沢山存在し、服はボロボロになっていた。

 

 それは先程の鞭の威力を物語っている。

 

 「だってさ……まさかこんなことになるなんて。ちゃんと言われた物を手に入れて来たのにあんな酷いことをされるなんて思わなかったし……知ってたら絶対に止めたのに」

 「酷いことじゃないよ。かあさんはわたしの為を思ってって」

 「思ってるもんか、そんな事。あんなの唯の八つ当たりだ」

 「違うよ、だって親子だもん。ジュエルシードはきっとかあさんにとって凄く大事な物なんだ」

 

 語気を強め、キツく言い放つアルフ。

 

 フェイトはそんな使い魔に優しく、落ち着かせるように言葉を紡ぐ。

 

 「ずっと不幸で悲しんできたかあさんだから、わたし何とかして喜ばせてあげたいの」

 

 力無く笑いながら、フェイトは自身の思いを打ち明ける。

 

 「だって……でもさ……」

 

 そんな彼女に対してアルフはそれでもなお、プレシアへの不満、そして主への不安が胸一杯だった。

 

 「ジュエルシードを手に入れて帰ってきたら、きっと母さんも笑ってくれる。昔みたいに優しい母さんに戻ってくれてアルフにもきっと…優しくしてくれるよ。だから行こう。今度はきっと失敗しないように」

 

 その言葉は自分自身に言い聞かせているようにも感じられた。

 

 

 

 

 「バルディッシュ、どう……?」

 【Recovery complete】

 「そう、頑張ったね。偉いよ」

 「感じるね。わたしにも分かる」

 「近くのジュエルシードがもうすぐ発動する」

 

 そのテスタロッサ兄妹、そしてその使い魔には緊張の色が見える。

 

 

 

 「レイジングハート、治ったんだね? よかったぁ……」

 【Condition green】

 「……また、一緒に頑張ってくれる?」

 【All right, my master!】

 「ありがとう」

 

 ユーノが持って来たレイジングハートを手に取り、強く握りしめるなのは。

 

 彼女の瞳には強い決意が見受けられる。

 

 

 

 “海鳴臨海公園”。

 

 そこで落ちていたジュエルシードは発動した。光の柱を形成し、近くに生えていた木と同化していく。

 

 「封時結界、展開!!」

 

 そのユーノの魔法により世界は切り離される。

 

 同化したジュエルシードの暴走体は葉の生えている部分が頭で、枝が手に、根が足となっていた。まるでヒトを真似たかのような姿だ。

 

 「生意気にバリアまで張るのかい」

 「…………」

 

 自身の攻撃を防がれたが、フェイトは落ち着いて暴走体を注視している。

 

 「今までのより強いね。それに――あの娘達も居る」

 

 視界にはジュエルシードの暴走体と共にもう1人の魔導師である高町なのはが存在していた。

 

 「お前たちは退がってろ。此処から先は」

 「俺達のステージだ」

 

 そう言いながら拳を握りしめ、自身の相棒であるデバイスを握る彼女達の前に出る雄介とドゥーム。

 

 「合わせろよ、モノマネ野郎」

 「そっちこそな、トカゲ野郎」

 

 同時に走りだし、繰り出される根による攻撃を避けていく2人。地面に叩きつけ飛び跳ねる大きな石を躱しながら、土埃を気にすること無く進んでいく。

 

 「熱吸収」

 

 そのドゥームの言葉と同時に地面が凍りついていく。

 

 「寒い」

 

 バリアジャケット着ていても寒気を感じるのかなのはは身体を強く抱きしめる。

 

 「これは?」

 「地面に存在している熱エネルギーを、所謂地熱というやつを吸収したんだよ」

 

 おそらく“第四波動”によるものだろう。確か周囲の熱エネルギーを吸収し、増幅して放出する能力だった筈だ。

 

 「堅ってえぇ~。クソッ、バリアが」

 

 握りしめた拳に息を吹きかける雄介。その手は赤く腫れ上がっているかのように見える。

 

 「俺が破壊する。決めろよ」

 

 展開されるバリアに苦戦していた雄介に手助けをするドゥーム。

 

 敵味方関係なく手を取り合い目の前の目標にぶつかっていくこの光景。見ている限り本当に頼もしく感じるとともに嬉しいものだ。

 

 「誰に言ってんだよ」

 

 そんなドゥームの言葉に自身満々に応える雄介。

 

 「――(パワー)のフラグメント+(スピード)のフラグメント。そして“炎神の息吹(アグニシュワッタス)”っ!!!」

 

 その言葉とともに発生したバリアを、周囲の分子を振動させて破壊するドゥーム。

 

 その隙に暴走体の足元に雄介は潜り込んでいた。

 

 「喰らえ――“滅竜奥義、紅蓮火竜拳”ッ!!!!」

 

 炎を纏わせた拳でオラオラと殴り続けていく。

 

 連続で繰り出される炎の打撃に暴走体は後ろに退がり、当たった所から燃えていく。

 

 「「なのは、フェイト!!!」」

 

 その2人の言葉に2人の少女は空へ高く飛び上がる。

 

 「バルディッシュ」

 【Arc saber】

 「レイジングハート!」

 【Shooting mode】

 

 バルディッシュから放たれたArc saberが残っていた根を刈り取り、木に刺さる。

 

 「撃ち抜いて――ディバイン!」

 【Buster!】

 

 上から放たれる砲撃に暴走体は防護壁を張る。

 

 「貫け轟雷!」

 【Thunder smasher!】

 

 フェイトの方からも放たれた砲撃を防ぐ暴走体。

 

 広がる炎により燃え続ける身体なうえ、そしてダメ押しの2方向からの砲撃には流石に耐えることが出来なかったのかジュエルシードと木は分離し始める。

 

 【Sealing mode Set up】

 【Sealing form Set up】

 

 「ジュエルシード、シリアルⅦ」

 「封印」

 

 浮き出たナンバーを読み取り封印を行う。封印と共に強烈な、目を灼くほどの光が発せられる。

 

 だが、その光も一時的なモノで直ぐに収まりお互いに見詰め合う。

 

 「ジュエルシードには衝撃を与えたらいけないみたいだ」

 「うん。昨夜みたいなことになったら私のレイジングハートも、フェイトちゃんのバルディッシュも可哀そうだもんね」

 「だけど……譲れないから」

 【Device form】

 「私は……フェイトちゃんと話がしたいだけなんだけど」

 

 構えたフェイトに対して思わずなのはもまた反射的に構えてしまう。

 

 【Device mode】

 「私が勝ったら……ただの甘ったれた娘じゃないって分かってもらえたら。お話、聞いてくれる?」

 「…………」

 

 向き合う2人を俺と雄介、志蓮、ドゥーム、ユーノ、アルフはただ見ていることしか出来なかった。

 

 動いた。

 

 どちらが先に動いたのだろうか。

 

 そんなことは分からない。殆ど同時に動いたかのように見えたのだから。

 

 だがそこに、見覚えのない2人組が割り込んでくる。

 

 「ストップだ!!」

 「「!?」」

 「此処での戦闘は危険過ぎる」

 

 文字通り彼女達の間、真ん中に転移してきたのだ。

 

 それぞれの、2人のデバイスを掴み、攻撃を止めていた。

 

 突然の事に俺達転生者組以外は目を見開いている。

 

 「“時空管理局執務官”“クロノ・ハラオウン”だ。詳しい情報を聞かせて貰おうか」

 

 どう出て来るかそれぞれを注視しながら彼は、クロノ・ハラオウンは強い姿勢で出てきた。

 

 宙にはまだ封印されたジュエルシードが静かに浮かんでいた。




アニメとドラマCDの内容に少しばかり付き足すだけだから簡単な方なのだろう。

だけど自分にはとても難しく感じられてしまう。

取り敢えず決めているのはStrikerSまで、出来ればVividかForceまで書き続けること。

文章力も無く、矛盾だらけだけど思いつく限り頑張って最後まで書いていこうと思っています。
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