魔法少女リリカルなのはZ   作:りおんざーど

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俺は究極生命体 スタンドさえも使用可能

 「さて、どうする? 滅竜魔導士……降参するか、白旗を掲げるかぁ?」

 「冗談じゃねぇ、まだやれる」

 

 ゾイルの周囲には正直に言うと常人では絶えられないほどの熱と風の嵐が発生していた。その熱は肌を、喉を燒き、風は皮膚を、空気さえも切り裂いているようだ。

 

 「(ハッキリ言ってこれは無理ゲーかも知れない……幾ら滅竜魔法が強力であっても今の俺には)」

 「来ないのなら俺の方から行くぞ」

 

 ゾイルはその言葉と同時に雄介に向かい駆け出す。その走り方は妙にバランスが良く、上半身は微動だにしていない。

 

 「(は、速い)。――うげぇ!?」

 

 動いたと認知した途端、雄介は横殴りにされていた。勢い良く飛ばされたその身体は訓練室の壁に勢い良く打つかる。

 

 「気を失ったか……。まぁ、頑張った方だろ」

 「ま、まだ……だ……」

 

 フラフラとしながらも両足で踏ん張り立つ雄介。

 その目はまだ死んではおらず、しっかりと目の前の相手を見据えていた。

 

 「まだ立つか。存外しぶといものだな」

 「食ったら力が湧いてきたぜ」

 

 口元を手で拭いながら雄介は構える。

 先程まで違い、彼の様子が変わっていた。

 肌は鱗が浮かび、口には鋭牙が出来ている。そしてその鱗肌は何処か紅く輝いている様に見える。

 

 「思い出したぞ……滅竜魔導士――お前らは確かその属性に合ったものを口にすると魔力が回復し強くなるんだったなあ」

 「…………」

 「だが、お前は何を食べた? 俺の血液か? 俺が作り出した風か? まあいい……どちみちお前の力の確認は済んだ……合格だ」

 「――え?」

 

 その言葉に雄介は思わず疑問符を浮かべる。

 

 今目の前は何と言ったのだろうか。合格。つまり、この戦いは終わりということだ。

 

 「次の奴と交代しろ。あと、医務室に行け――その怪我では歩くのも辛いだろ」

 「あ、ああ……」

 

 

 

 

 「終わったようだな」

 「次は俺だな」

 

 映像を通して観ていた俺達はゾイルの力についてある程度は予測することが出来た。

 雄介には悪いとは思うが捨て駒の様なモノ、尖兵とでも言うべき存在になってもらったのだ。

 

 「雄介は犠牲になったのだ……犠牲の犠牲にな」

 「奴はおそらく“ジョジョの奇妙な冒険”に出て来る“柱の男”の能力を持っている。怪焔王の流法(かいえんのうのモード)と風の流法を使った所からそう判断出来る」

 「ま、それならそれでやりようはある筈だ……ガンバルサ」

 「頑張ってね~」

 

 部屋から退出する志蓮をリンディ・ハラオウン提督はヒラヒラとハンカチを振りながら見送る。

 

 

 

 

 「次はお前か……名前は確か」

 「志蓮だ。神威志蓮」

 「言葉は不要だ……掛かって来い、劣化“英雄王”」

 「行くぞ、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

 

 志蓮の背後に無数の武器が出現する。剣や槍、斧などなど無数の武器が現れる。その中にはチェーンソーなどの武器かどうか怪しい物まで紛れている。

 

 「王の財宝か……本当に劣化英雄王だな」

 「オリジナルに敵わないというのは重々承知しているさ……だがな、これが欲しかったんだよ。心の底から。テンプレートだとかいろいろ言われようとぉ」

 

その志蓮の言葉には切実さを感じさせるものがあった。相当に欲しかった……使ってみたかったのだろう。

 

 「ま、いい……。来い」

 

 雄介は浮かんでいる刃が鎌の様な形をした刀剣の1つを手にする。

 

 「フンッ!!」

 

 大きくそれを振りかざす。その動きは散慢で避けるだけなら簡単に出来るだろう。

 

 「無駄だ」

 

 ゾイルはその志蓮の攻撃に対して避けることはせず、手を動かし吹き飛ばす。

 

 「ほう……」

 

 だが、ゾイルのその払いのけた方の手には傷が出来ていた。

 

 「傷の治りが遅い――その武器は不死殺しの属性でも持っているのか?」

 「バレたか。ま、どうせ通じないと思ってたし。次の手に出ますか」

 

 次に志蓮は槍を手にする。

 

 「予めネタばらししとくけどこれ、“必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)”だから」

 「自らの手の内をさらけ出すとはそれほど余裕なんだな」

 「それほどでも無いさ……。ただお前の力を知っているのにそっちは知らないっていうのは不公平だと思ってな――行くぞっ!!!」

 

 志蓮は駈け出した。その速さは素早く迅速で最速の英霊と並ぶであろうと思えるスピードだ。

 次々と繰り出される槍の攻撃をギリギリの所で避けていくゾイル。少し間違えば大きな傷を負うであろう事は簡単に予想できる。

 だが彼の、ゾイルの顔は何処までも余裕に満ち溢れていた。

 

 「(この速さでも当てることが出来ないのかよ……)」

 「どうした? その程度か?」

 

 自らが放つ事が出来る最速の攻撃を何の苦労も無さそうに避けていくその様子を見て、志蓮は焦り出す。

 

 「終わりだ」

 

 そのゾイルの言葉とともに志蓮の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 「俺の番か……」

 「そうだ」

 

 向かい合う俺達の間に、緊張と静けさが降り立ち通過していく。

 

 もしこれが地上で、漫画の中ならばお互いの間に一陣の風が吹いていたかもしれない。

 

 「待っていたんだ……この時を」

 「何?」

 「お前があの中で1番強いことだけは分かっていた。まあ、何の力かどうかなんていうのは理解できないがな」

 「俺もだ。待ってたよ、お前と戦えるのを」

 

 その瞬間、世界は一瞬で様変わりした。

 

 パンチにキック。目の前の標的目掛けてなされるワザの応酬に訓練室の中を衝撃波が襲う。それは足元である床を抉り、壁を凹ませていく。

 

 

 

 

 「か、艦長!? これは……」

 「わからないわ…何が起こっているのか」

 「み、見えん! この神の目にも!」

 「目で追うのがやっとだぜ」

 

 離れた部屋から映像を通して観ていた局員達は彼等転生者の最後の模擬戦の様子が理解できなかった。

 彼等が動いているといことをかろうじて教えてくれる影と思しきものが映り、何とか

闘いが続いていることだけは理解できる。

 

 「本当に凄いわね……彼等、転生者は」

 

 

 

 

 「そらあああぁぁ!!」

 

 ゾイルに目掛けて突っ込み俺はパンチを繰り出していく。

 それはゾイルの方も同じで俺に向けてパンチにキックをして来た。

 その攻撃はお互いの腕で、足で防ぎながら続けていく。

 

 「遅い!」

 

 そのゾイルの言葉と共に俺は切り裂かれる。

 

 「……な、何?」

 

 だがそれは幻影で、切り裂かれた俺は消え去った。

 

 「“残像拳”っていうんだ」

 「面白い技を使うな。確か、ドラゴンボールに出てきた技か……」

 「そうだ……そういうお前は柱の男の能力だろ?」

 「ああ。全てを話すことは出来ないが概ねその通りだということは答えてやる」

 「最初に使ったのは怪焔王の流法(かいえんのうのモード)……そして次に風の流法だ。これは“エシディシ”と“ワムウ”の力だったか」

 「そうだな……風と炎というのは実に相性が良い。燃えたぎる炎を風でより強く、より激しく燃え上がらせる事が出来るんだからなあ」

 「俺に“波紋の呼吸”が使えれば、お前にダメージというダメージを与えれるんだけどなぁ……。で、居たのか? “波紋使い”って?」

 「居たさ。今から20000年くらい前だったかな……まあ良い。かなり昔のことだが確かに“波紋の一族”は存在した」

 

 20000年前というのは数字では理解していても実際のところはよく理解できない。実感が湧かないのだ。

 だが、ゾイルはそれをつい昨日の出来事の様に懐かしみながら、思い出しながら言葉を紡いでいく。

 

 「俺達、柱の男……その一族は太陽に弱い代わりに絶大な力を持っていたのは原作と同じだ。“石仮面”も存在した。“エイジャの赤石”も、だ。俺達の長は他の生命体を餌として管理していた。だがな…前世での生半可な知識や与えられた良識というモノの所為で俺にはそれが嫌でしょうがなかった…我慢できなかった」

 

 そのゾイルの拳は強く握られている。

 滴っている赤い血は床に落ち、ジュウジュウと音を立てながら蒸気を発生させていた。

 

 「俺は思わず皆を、他の奴らを殺したよ……。特典で貰った力を使ってな。……跡に残ったのは殺した仲間の肉塊と廃墟、そして力も知識もない他の生命体だけだった」

 「…………」

 

 「まあ、そんな事は今はどうでも良い。それよりもお前の実力が知りたいんだ」

 「ああ」

 

 その暗くなった雰囲気を断ち切るように彼は俺に向かって駆け出してきた。

 

 「オラアアアアァ!!!!」

 「ソラアアアアアァ!!!!」

 

 俺の拳はゾイルの顔を、ゾイルの拳は俺の顔を強く殴りつける。その一撃はとても重く、気を全身に回らせていないと気を失っていたであろう程の攻撃だ。

 その反動でお互いに少しばかり後ろに飛び跳ねる。

 

 「強いな」

 「お前もな」

 

 俺達の間には何時の間にか、何故か青春ドラマで河原で殴りあっていた不良の様に友情が芽生えつつあった。

 

 「ここからは少しばかり力を使わせて貰うぞ」

 

 その言葉と共に俺は吹き飛ばされる。

 

 「!?」

 

 「実に不思議そうな顔をしているな……簡単に言うと時を止めたんだ」

 「“世界(ザ・ワールド・アルティメット)”。……そうか、お前は“究極生命体(アルティメット・シイング)”……」

 「その通りだ」

 

 確か小説に“スタンド”を使うことの出来る究極生命体が出来きたはず。

 

 波紋、石仮面、エイジャの赤石、特典。思い返せばそれらしきキーワードがあったじゃないか。

 そして何より、公園での出来事だ。ゾイルは太陽の下で何事も無いようにしていた。これは太陽を克服した。つまり究極生命体になっていたということだ。

 柱の男だというのを確信したのならこの事に気付いても良かったはずなのに……。

 

 「で、どうする? まだ続けるのか」

 「当たり前だろ」

 

 相手は究極生命体。尚且つ見えない攻撃をしてくるスタンドが使える。

 

 状況は絶望的だろう。

 だが、何故か。ワクワクしているのだ。これもまたサイヤ人の血がそうさせているのか。

 生きるか死ぬかではなく、勝つか負けるかという模擬戦だからこそだろうか。

 

 「……その目………波紋の戦士を思い出すな」

 「波紋の戦士だと……?」

 「強く真っ直ぐな目をしている。どんなに不利な状況であろうと」

 

 その言葉に俺は思わず笑いそうになる。

 そんな事は無いのだ。何時だって俺は、前世からずっとほんの少しのことでも躓けばすぐさま諦めているのだから。

 

 「そんな事は無いさ……。俺は何処まで行っても、何をしようと直ぐに諦める人間のクズさ」

 「諦める……か。……だがそれは、引き際を見極め、判断しているということじゃないのか」

 「そんな合理的で綺麗なもんじゃなさ……」

 「俺にはどうでも良いことだがな……さて、続きをするか」

 

 目の前のゾイルはそう告げると同時に消え失せる。

 

 「後ろか!?」

 

 気が移動したのを確認し、後ろを振り向くと目の前に居た。

 

 「な!?」

 「“ホワイトスネイク・アルティメット”」

 

 ゾイルの前に奇妙な人型の存在が浮き出てくる。

 その姿は塩基配列が描かれている包帯状のラインが走っており顔の上半分と肩、腰の辺りは紫色の装飾品のようなもので覆われている。

 

 ホワイトスネイク・アルティメットはブロンの顔に触れ、その触れた部分からディスクが取り出される。

 そして、そのディスクを自身の頭へと挿入する。

 

 「…………」

 「成る程……。サイヤ人、か……――ッ!! これは……変身魔法を解除しなかったのはこの所為か」

 

 ――スタンド。

 幽波紋とも言う事が出来、スタンドとはパワーをもった像、ヴィジョン。

 スタンドは基本的にスタンド使いにしか見えない。記録することも出来ない

 スタンドに触れることが出来るのはスタンドだけ。但しスタンドからは他のモノを触ることが出来る。

 

 そのルールの御蔭か影響なのかブロンには勿論の事、映像を観ている他の皆にも理解することは出来ない。

 

 ゾイルは自身へと挿入していたディスクを取り出し、本来の持ち主であるブロンの頭へと挿入し直す。

 

 「はっ!? お、俺は……一体?」

 「済まないがお前の事を見させてもらった……閲覧させてもらったよ」

 「何ィ!?」

 「お前が頑なに隠しているもの……」

 「…………」

 「別に此処で話したり、バラたりするなんてことはしないさ。墓まで持っていく」

 「よく言うぜ……究極生命体だから死なない癖に」

 

 自分は何をされたのだろう。

 

 相手はスタンドを使う。

 相手であるゾイルは閲覧をしたといった。

 其処から考えるにおそらく“ヘブンズ・ドアー”かホワイトスネイクだろう。思いつくスタンドは、前世で得た知識から引っ張り出せるスタンドはそれくらいだ。

 

 「続きだ……それとも降参するか? スタンドに対処することは出来ないだろうしな」

 「冗談じゃないぜ……。(だが、どうする? スキルメイカーを使うか? この事は奴にも知られている筈………)」

 「来ないのならこれで――?」

 「行くぜ。スキルメイカー発動」

 

 想像しろ。想造しろ。創造するんだ。

 相手は見えない攻撃が出来るスタンド使いだ。

 そのスタンドを視認、その上にそのスタンドに対して攻撃が出来、防御も出来る様になるスキルを。

 

 「……作成、終了」

 「ほう……レアスキルか。良いだろう、試してみようじゃあないか」

 「うげぇ……」

 

 見える。ゾイルが出したスタンドを実際に目で見ることが、認識することが出来る。

 

 だが其処には少しばかり数えるだけでうんざりするほどの数の、最低でも3180体程の小さな存在が居た。

 遠くから見てみるとそれはまるで集合した虫の様に見え、背中にゾワッとしたモノが駆け抜ける。

 

 「――“ハーヴェスト”……」

 

 その言葉と共にそのスタンド達は一斉に此方に向かい襲い掛かって来る。

 まるでイナゴの大群が自分に向かって飛来をして来る様だ。

 だがイナゴとは違い、ハーヴェストはヒトの肌を千切り取る事が出来る。

 気持ちの悪さと同時に大きな恐怖を感じてしまう。

 

 「はああああああぁぁぁッ!!!」

 

 俺は気を開放して、それら全ての群体を吹き飛ばす。

 

 「これで……終りか?」

 「いいや――まだ、終わりじゃ無いさ」

 

 目の前にはまるで中世の騎士が着ていた甲冑を身に纏った人型のスタンドが立ち、手にはレイピアが握られている。

 

 「“銀の戦車(シルバーチャリオッツ)”か」

 「更に更にいいいいいいいいい~~~~ィィ」

 

 そのスタンドには刀が握られている。その刀には何処か神秘的な、不思議な魅力を感じさせるものがあった。

 

 「“アヌビス神”? お前は……」

 「安心しろ、俺はゾイルだ。これはアヌビス神のスタンドが持つ能力をコピーしただけだからな……この刀にはやつの自我なんてモノは一片足りとも存在してはいない」

 「銀の戦車(シルバーチャリオッツ)の素早さに加えて、剣の達人のアヌビス神。更には戦う度に強くなるか……原作にも出てきたけどかなり厄介な」

 「――此方から行くぞ」

 

 シルバーチャリオッツがレイピアを突き出してくる。

 その速さは目で追うにはかなりの神経と労力を使い、体力はどんどんと消費されていく。

 

 「くッ!」

 

 その攻撃は、その速さは段々と速くなっていく。加速していく。それは感覚的には1秒毎に2倍3倍の速さになっているかのように感じられる。

 

 「(このままじゃあ……だりゃああああああああああああああぁぁぁ!!!!)」

 

 気を周囲へと解放し、爆発させる。

 バカの一つ覚えのように先程と同じ方法での対処だが、今の俺にはそれしか思いつかなかった。

 

 

 

 

 

 《艦長!! アースラがかなり揺れてるんですが》

 「不味いわね……そろそろ止めさせるべきかしら」

 「止めて下さああああい。アースラがああああ――アースラそのものがああああああ」

 

 

 

 

 

 「ふむ……これ以上続けるとアースラが沈みかねないからな。合格だ」

 「そ、そうか……」

 

 その言葉に俺は思わずヘナヘナと座り込んでしまう。緊張が解けたからか上手く立ち上がることが出来ない。

 

 「もうちょっとやりたかったんだけどなあ」

 

 そのゾイルの言葉に俺は半分同意で、もう半分は反対の気持ちを抱いていた。

 もっと自分の力を試してみたい。強い相手ともっと戦っていたい。

 そう思ってはいる一方で普段以上に感じた極度の緊張と体力の消費に身体は悲鳴をあげていた。

 

 「立てるか?」

 「すまねえ……」

 

 そう言いながら差し出されたその手を掴み何とか立ち上がる。立つことは出来たが、それでもフラフラとしており今直ぐにでも倒れそうだ。

 

 「お前は随分としっかり立ってるな……」

 「鍛え方が違う。それに、お前はサイヤ人だがそれでも普通と呼べる枠組みの中の存在だ。俺は究極生命体だぞ……体力そのものが違うんだよ」

 

 普通の枠組みとは一体何なのか。そんな取り留めもない事を考えながら俺は医務室に肩を貸してもらいながら移動する。

 

 「そう言えば、あの刀はどうした?」

 「アヌビス神? ああ、“エニグマ”だよ。そのスタンド能力で紙の中に入れたのさ」

 「へええ」

 

 

 

 

 

 「さて。模擬戦の結果だが全員合格だ」

 「おい待て……俺は確実に不合格なはずだろ?」

 

 その志蓮の言葉にゾイルは静かに言葉を告げる。

 

 「確かに瞬殺だったが、お前は充分に強い事が理解できた。他に似たような力を持つ奴らと戦ったことがあったが……そいつらと比べるとだいぶとマシだ。可能性を感じさせる」

 「あ、ああ」

 「艦長、クロノ。彼等の実力も理解できたことですし」

 「ああ。そうだな」

 「改めてなんですが、貴方達転生者にこの事件の解決をするにあたって協力をして欲しいのだけど」

 「「「はい、よろこんで」」」

 

 

 

 

 

 「凄いや。どっちもAAAクラスの魔導師だよ」

 

 モニターにはなのはとフェイトの戦闘映像が映しだされている。

 

 その映像の記録の際に計測した数値を見てエイミィ・リミエッタははしゃいでいた。

 

 「ああ」

 「こっちの白い服の娘はクロノくんの好みっぽい可愛い娘だし」

 「エイミィ……そんな事はどうでも良いんだ」

 「…………」

 

 ゾイルはその映像を観ながら、クロノとエイミィの会話を聞きながら少しばかり考え事をしていた。

 魔法少女リリカルなのはの元ネタ。原作はエロゲでその特典ディスクのゲームにてクロノとなのははくっついていた筈だと。

 

 「魔力の平均値を見てもこの娘で127万、黒い服の娘で143万。最大発揮時は更にその3倍以上。クロノ君より魔力量だけなら上回ちゃってるよね」

 「魔法は魔力値の大きさだけじゃない。状況に応じた応用力と的確に使用できる判断力だろ」

 

 そのエイミィのからかいに対してクロノは自信の考えを強く述べる。

 

 「それは勿論。信頼してるよ……アースラの切り札だもん、クロノ君は」

 「あ、艦長」

 「ああ、2人のデータね」

 「……はい」

 「確かに凄い娘達ね」

 「これだけの魔力がロストロギアに注ぎ込まれれば次元震が起きるのも頷ける」

 「あの娘達、なのはさんとユーノ君がジュエルシードを集めてる理由は分かったけどこっちの黒い服の娘は何でなのかしらね」

 「随分と必死な様子だった……何か余程強い目的があるのか」

 「貴方は理解しているのかしら?」

 「ああ。だが、それを教えることは出来ない……例え上司の命令であろうと、な」

 「目的、ね……まだ小さな子よね。普通に育ってればまだ母親に甘えていたい年頃でしょうに」

 

 そのリンディの瞳には画面の中のフェイトを映していた。

 

 

 

 

 

 「駄目だよ…時空管理局まで出てきたんじゃ、もうどうにもならないよ。逃げようよ……3人でどっかにさ」

 「それは…駄目だよ」

 

 時空管理局が出てきて、其処から何とか多重転移をする事でどうにか拠点に逃げおおせることが出来た。

 

 だが、フェイトは怪我を負い、アルフは彼女を心配し弱音を吐いてしまう。

 

 「だって……雑魚クラスなら兎も角、あいつ一流の魔導師だ。本気で捜査されたら此処だって何時までバレずにいられるか……。あの鬼婆、あんたのかあさんだって訳分かんないことばっか言うし、フェイトに酷い事ばっかするし」

 「かあさんの事、悪く言わないで」

 「言うよ! だってあたしフェイトのことが心配だ。フェイトが悲しんでるとあたしの胸も千切れそうに痛いんだ。フェイトが泣いてるとわたしも目と鼻の奥がツンとしてどうしようもなくなるんだ。フェイトが泣くのも悲しむのも私、嫌なんだよ」

 

 精神リンクが働いているのだろう。アルフはフェイトの潜在的な苦しみを感じ取り、見抜いているのだ。

 

 「わたしとアルフは少しだけど精神リンクしてるからね…ごめんね。アルフが痛いならわたしもう悲しまないし、泣かないよ」

 「わたしはフェイトに笑って幸せになって欲しいだけなんだ…何で、何で分かってくれないんだよ」

 「ありがとう、アルフ。でもね、わたし……かあさんの願いを叶えてあげたいの。かあさんの為だけじゃない。きっと自分の為。だから、あともう少し。最後までもう少しだから……わたしと一緒に頑張ってくれる?」

 

 アルフの頭を撫でるフェイトのその手は何処までも優しいものだった。だからこそだろうか、なおさらそれがその様子を見ているドゥームにはとても辛く感じられる。

 

 「約束して。あのひとの言いなりじゃなくて、フェイトはフェイトの為に、自分の為だけに頑張るって。そしたらわたしは必ずフェイトを守るから……」

 「うん」

 

 その2人の少女の瞳にはそれぞれの姿が映っており、涙で滲んでいる。

 

 月の光が部屋に差し込み、そんな2人を優しく照らしていた。

 

 

 

 

 《だから、僕もなのはもそちらに協力させていただきたいと》

 「協力ね…」

 《僕は兎も角なのはの魔力はそちらにとっても有効な戦力だと思います。ジュエルシードの回収……あの娘達との戦闘。どちらとしてもそちらとしては便利に使える筈です。雄介達と比べると自信は無いですが……》

 「ううん。なかなか考えてますね。それなら、まあ良いでしょう」

 「か、母さ、艦長!!」

 「手伝ってもらいましょう。此方としても切り札は温存したいもの。ね? クロノ執務官」

 「……はい」

 「条件は1つよ。両名とも身柄を時空管理局の預かりとする事。良くって?」

 《分かりました》

 

 

 

 

 

 時空の狭間に建築物と思しきモノが浮かんでいる。

 

 時の庭園だ。

 

 その中の1つの部屋に女性が1人、静かに座っている。

 

 「早く、早くなさい……フェイト、ドゥーム……。約束の地が――“アルハザード”が待ってるの。……わたし達の救いの地が」

 

 プレシアは熱に(うな)されているかのように、その強い思いを口にする。

 

 その言葉は彼女以外誰も居ないその空間に寂しく響き渡った。




連続投稿。

今までのと今日投稿したのを読み返してみたけど駄目だ。

本当に読み辛い。誤字脱字は多数有るし、表現が、文体が……。

未だに -- や …… の使い方が全く理解できていない。てきとうに使っているだけだ。
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