魔法少女リリカルなのはZ   作:りおんざーど

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なんとビックリ 地下には既に住人が

枕元に置いてある時計の針がアラームに設定した時間を指して、ジリジリとした大きな音を鳴らしていく。

その音は部屋の中を響き渡り、密閉状態の空間内で反響していく。

 

「ふわぁ~……」

 

口を広げ、大きな欠伸をしてしまう。

 

目尻には、欠伸により出てきた涙が、そして目やにが溜まっている。

 

「顔、洗うか」

 

ベッドから身を乗り出し、2階から1階へと降りていく。

 

手で目を軽く擦りながら、廊下を歩き、洗面所に移動。

 

スイッチを押し、部屋の電気がピカっと光り、一瞬で明かりが灯る。

 

大きな洗面台の前に行き、蛇口を捻り水を流し出す。

水がぶつかり跳ねている音を聞きながら、両手で掬い、顔を軽く洗う。

 

近くに置いたタオルを手に取り、濡れた顔を抑えるようにして拭く。

 

先程の涙や目やには消え失せている。

 

 

 

 

台所へと移動し、冷蔵庫の中からパンと牛乳の入った紙パックを取り出す。

 

棚からはコップと皿を取り出し、パンをトースターの中に突っ込む。

タイマーの部分を捻り、リモコンを使ってテレビの電源を入れる。

この時間帯は朝の04:00で早朝だ。

番組という番組は放送されてはいない。

テレビの電源を消して、風呂場へと移動する。

 

浴槽にお湯を入れていき、ある程度溜まると止めて、蓋を閉じる。

 

「食べるか……」

 

再び台所へと移動し、頭を出している焼けたトーストを皿に乗せ、コップに牛乳を入れていく。

 

トポトポという音を立てながら入っていく牛乳を見ながら、一体だけ分身をつくりだす。

 

「電源、入れてきてくれ」

「了解」

 

つくりだした分身は、部屋を抜け出して地下へと移動していく。

 

牛乳をコップの8割近くまで入れて、そこで止めて紙パックの蓋を閉める。

皿に乗せているトーストにジャムとバターを塗り、コップを一緒に机へと運ぶ。

 

「頂きます」

 

手を合わせ、食事開始の挨拶をする。

 

外からはチュンチュンという小鳥の鳴き声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

食事を終了させ、弁当の準備に取り掛かる。

冷蔵庫の中に存在している残り物を適当に詰め込んでいく。

 

「これで良しっと」

 

入れ終わった弁当を机の上に置き、分身の居る修行室へと移動をする。

 

物置部屋の横にはエレベーターが存在していて、その中に入る。

複数のボタンがあり、地下26階から2階までのと扉の開閉をする為のボタンが存在している。

 

「(そう言えば、基本的に地下21階しか使ってないよな…地下26階には行った事なんて無いし……てか26階なんてつくったっけ?)」

 

この家で生活を始めてから、何時もは地下24階で修行をしている。

 

そして地下26階は覗いたことすらもなく、気になっていたのだ。

それどころか地下26階なんてつくった覚えは無いのだ。

無意識につくりだしていたのだろうか。

 

「……行ってみるかな」

 

壁際に存在している地下26階のボタンを押す。

開いていたドアはスッと閉じ、1階から地下1階……地下9階……地下26階という文字が光りが移動し、機械の箱は下へ下へと落ちていく。

 

 

 

 

 

扉が開き、そのエレベーターから足を踏み出す。

 

目の前には暗い空間が広がっていた。

ところどころに存在している光がやけに眩しく感じてしまうほどにその場所は闇に満たされている。

足元にはコードが無数に広がり、絡み合っている。

 

「な、何なんだ……この空間は……?」

 

その異様な空間に、ただただ驚く事しか出来はしなかった。

 

自然と口の中には唾が大量に発生し、それを飲み込む。

 

前方からは小さな機械音が鳴り響いている。

その音の中には、また別の音が紛れ込み、不自然さと不気味さを醸し出している。

 

「…………」

 

少し歩いてみると、その機械音と別の何かの音が徐々に大きくなっていく。

 

機械が発しているものとは別の、その音に対して耳を澄ませてみると、それは何かを食べているかの様な音にも解釈する事が出来る。

もう少し近づいてみると、その音はハッキリとしたものに変化していく。

 

「(誰か居るのか……?)」

 

この家には、現在のところ俺以外は存在していない筈だという考えが頭の中には存在している。

 

だが、それはどうなのだろうか。

 

数日の間、家を空け続けてしまった時期がある。

その時に、誰かに侵入されてしまっていたとしても可怪しくは無いのだ。

実際に、シェンが瞬間移動をして来た事もあった。

何かしらの能力などを所持した存在であれば、気付かれずに入る事など容易な事なのであろう。

 

自身には気を感じ取る事が出来る。

それなのに、この家に他の気が存在している事に気付かないなんてどういうことなのか、という不可思議な事に頭を悩ませながらも、前進をしていく。

 

足を進める度に、音は大きくなっていく。

そして、目の前には小さな光が発生した。

発生したと言うよりも、目に見えるほどの大きさになったという表現の方が良いのだろうか。

 

足をコードに引っ掛けて転ばないように、物音を鳴らさない様に細心の注意を払いながら、進んでいく。

 

「こ、これは……」

 

目の前に存在していた光はハッキリとしたものへと、大きな光源へと変化する。

 

モニターだ。複数のモニターが発している光なのだ。

それが、さっき目にした小さな光の正体だ。

 

そして、その背後には光を放っている大きな物体が鎮座されている。

そこから、緑色の光が少なからず発せられていた。

 

見に覚えのあるものだ。

 

「――遅かったじゃないか、聖王のクローン……。いや、サイヤ人のクローンの方が良いのだろうか……?」

 

黒い影がユラリと揺れながら、此方を目にして口を開く。

それは、モニターが発する光を遮るかのようにして椅子に座っている。

そして、その影は右手を上げて、指をパチンと鳴らした。

 

その瞬間に、部屋の暗さは嘘の様に消え失せて、明かりが満たしていく。

 

「――ッ!?」

 

その一瞬の変化に、暗闇に慣れてきた目には辛いモノがあり、思わず眼を閉じてしまう。

 

眼を恐る恐る開いてみると、そこには白衣を着た青年が立っていた。

 

「始めまして、実験No,7708……私の名前はマッド。君の生みの親の様な存在だよ」

 

彼の着ている白衣は、床に当たっている為なのか、少し汚れている。

 

彼の瞳もまた翡翠(グリューン)(ロート)をしたオッドアイで、金色の髪をしている。

 

「あ、あんたは……何者なんだ…?」

「さっき言った通りだよ。私は科学者でも有り医者でもあるんだ…君の事、ずっと観察させて貰っていたよ」

 

その言葉を証明するかの様に、存在している全てのモニターには家の各所が映しだされている。

 

自室として使っている場所は勿論、台所や修行室なども。

この階を除いた全ての場所が映し出されている。

 

「何も言わなくても良いよ…君はあの研究所から抜けだして、この家に……デバイスに表示されたこの場所へと辿り着いた」

 

彼の両の瞳は金色に怪しく光りだす。

 

「あんたの家だったのか……。じゃあ、あの研究所は……? デバイスの事だけど」

「謝らなくても良い。別段、気にもしてはいないから……それよりも、だ。100年近く生きているからかとても退屈していてね…だから君を観察していた」

 

謝罪の言葉は遮られ、彼は独りでに、楽しそうに喋り出す。

 

「君は必要以上に自身の身体を傷めつけているね。サイヤ人というのモノは皆そうなのかい?」

 

他のサイヤ人については前世の記憶にある、アニメなどの登場人物の事しか知らない。

だから、実質知らないといった方が正解なのだ。

そういった事から、その質問に答える事が出来ずに、だんまりを決め込む他ない。

 

「ふむ、そういえばデバイスが壊れたんだね。今日中には新しいのが出来るから」

 

そう言いながら彼は「これ以上話すことは無い」とでも言わんばかりの勢いで隣の部屋へと移動する。

 

移動した先からは、ギュインギュインといったモノやガンガンといった機械音や金属音などが響いてくる。

目を灼くほどの光が一定のリズムを刻むかのように明滅を繰り返して、この階全体を明るく照らしている。

 

「戻るか」

 

中で何が行われているのか気にはなっているのだが、その好奇心を振り払うように元来た道を歩き、エレベーターに乗る。

 

台所に設置している時計は07:15を指しており、そろそろ外出の準備をしないと危ない時間に近付いて来ていた。

 

自室に置いてあるカバンを手に取り、中に入れてあった教材と時間割表をチェックして、台所の机に置いてあった弁当箱を入れる。

 

「行ってきます」

 

ガチャリという音を立て、ドアをしっかりと閉め、鍵を掛ける。

 

地下26階にはマッドという人物が居るのだから、分身を待機させておく必要性もない。

地下21階に居る分身に修行室の電源をセーフモードへと変更させて、消失させる。

 

帰ってきた時に、家に入る事が出来ないのであれば、その時はその時だ。

 

 

 

 

家を出て、ある数分ほどでバス停へと辿り着くことが出来る。

 

そこには既に、先客であるなのはと雄介の2人が居た。

 

「おはよう、ブロン君」

「おはよう」

 

「おはよう」という挨拶を返し、数秒ほど待っていると遠くからエンジン音が聞こえ、私立聖翔大学付属小学校行きの送迎バスが向かってくる。

 

停車し、扉が開くと同時に中に入るとアリサとすずかの2人が椅子に座っており、何時ものように近くに座る。

 

朝の挨拶をすると同時に、バスはエンジンをふかせながら走りだした。

 

 

 

 

「…………」

 

俺の座っている席は窓際にある。

 

太陽の光が窓を通過して教室内を明るく照らし、ポカポカとした暖かさを与えてくる。

 

窓の直ぐ側に座っているのだから、その太陽光は身体をよく温めていき、強い眠気を発生させてくる。

 

「ここで、これを使えば……」などといった方程式に関する授業をしている教師の声なんていうのは右から左へと流れていき、耳の中を質量を感じさせない大気のように自然と通過していく。

 

眠ってしまわないようにと右手に握っている鉛筆を回して気を紛らわせてはみるが、睡魔の方は相も変わらず強力な敵であり、授業内容などは全く頭に入っては来ない。

 

窓の外を見上げてみると、太陽は元気に輝きを放っていて、その余りにも強い太陽光に瞳は細くなってしまう。

 

他の場所ならば、すぐさま見つかり注意されて、クラスメイトの笑いの種にでもされるであろうが、窓際であればそれほど気にはしなくてもいいのが利点だ。

 

だが、ずっとそのようにしていればバレてしまうのは当然のことであるのだが。

 

 

 

 

授業終了のチャイムが校内中で響き渡る。

 

先生は教室を出ていき、その途端に生徒達はそれぞれのグループに集まって話をしたり、好きなことをしたりと各々自由にしている。

 

もちろん俺もまたその1人であり、なのはや雄介達の居る場所へと何の疑問も抱かずに移動をする。

 

その事が自然な事だと、当たり前の事なのだと思っている節が存在しているのだ。

 

「(ま、それがとても貴重で大切な事なんだけどな……)」

 

何の変わり映えも無く、他愛もない話を繰り広げていく。

 

話したいことを話して、相手が話していることをしっかりと聞いて。

 

巫山戯る時には巫山戯て、失敗をすれば謝って。

 

空気が読めずに思い付いた事を言葉にして話してしまったり。

 

そんな普遍的なことを繰り返していく。

 

それがどれだけ幸せな事なのかとしっかりと理解をする事が出来ずに。

 

「それにしても、大分心配したわよ…あんただけ帰ってきてなかったんだから」

 

「心配かけてすまない…そして、ありがとう……」

 

ジュエルシードを巡った数日前までの事件直後、俺は虚数空間に呑み込まれ、落ちていった。

皆を残して行方不明になっていたのだ。

 

そして紆余曲折があり、皆の元へと帰還する事が出来た。

 

その帰るまでの間、俺だけが顔を見せずにいなかった事に対し、なのはや雄介達は勿論、アリサとすずかもまた同じように不安と心配に心が支配されかけていたのだ。

 

「それよりも、来月発売のゲームの事なんだけどさ」

 

「少しは空気読めないのかな、志蓮君は…?」

 

そんな暗い雰囲気をぶち破るかの様に、空気を読めない風を装いながらも志蓮は話を別の話題へと転換していく。

 

それが、どれほど不自然なカタチであろうとも、淀み重くなっていた空気がガラリと正反対のモノへと反転した。

 

休み時間もあっという間に時間は過ぎて、授業が始まる。

 

先程までの暗い雰囲気などは俺達の中から消し飛んでいた。

 

 

 

 

「ただいま」

 

ガチャっとドアを開けて、家に入るとそこはいつも通りとは言えない空間が広がっていた。

 

見た目はこれといって違うと言えるようなものは存在しては居ない。

 

だが、異様なのだ。異質なのだ。

大きな違和感を感じるのだ。

 

今までとは違う生活を送る事になるであろう空間になっているのだ、この家が。

 

「気に入ってくれたかな」

 

予想通りだとでも言うべきなのだろうか、目の前にはその現状をつくりだしてくれたであろう存在が2階へと続く階段の上で腕組をしながら仁王立ちをしている。

 

「自動人形。これで、この家の家族構成という不自然さは消え失せる。因みにだが、私は君の兄という役回りだ」

「兄だあっ!? 冗談じゃあ無いぜ、素性もよく知りもしない相手に兄を演じて貰うだなんてよ」

「それもそうだな……あれは今から」

「長くなりそうだから却下で」

 

ドヤァァという表現が正しく当てはまるといった感じの表情をしているマッドを一蹴して、周囲を見渡してみる。

 

「で、デバイスの方は……?」

「ああ、そうだったね。これだよ」

 

差し出されたそれは、指輪だった。

無色透明で透き通った光を放っている。

角度を変えてみると、その光は無色から虹色へと変化した。

 

「随分と小さいな」

「まあね……技術というものは進歩し発展する都度に小型化や薄型化していくものだよ」

 

目を細くしながら、その指輪を指で掴みながら見つめる。

最初の頃とは違い、余りにも小さくなったそれに対し、俺はただ感嘆の溜め息を零すことしか出来ない。

 

「腐っても科学者か」

「酷いな……。性能と使い方だけど」

 

語りだした彼の瞳は強喜に満ち溢れていた。

童心に帰った壮年男子であるかの様に、自慢の子供を紹介するかの様に。

 

「1つ、重力操作…これは前回のデバイスの1000倍まで引き上げる事が出来る」

 

自身に掛かっている重力を操作する機能。

これが、健在であるというのは嬉しいと感じてしまう自分が何処かに居る。

更にそれが、強化されているのだ。

修行をする事が、痛みを感じて嫌な筈なのに。

身体が強くなっていく事を実感する度に充実度と、満足度。そして達成感を感じて嬉しいのだ。

 

「他にもマッピング機能や物体の量子変換システムだね……最大でだが、直径が20万kmものや質量が600億兆tの物体を収納できるぞ、しかもそれを318個もだ!!」

 

その果てしの無い数字に俺はただ耳を傾けて、口を開けている事しか出来ない。

 

その想像すらも出来ないほどの数字を聞いて俺はただただ「此奴、バカだ」といった言葉が頭の中に浮かび、口を閉ざした。

 

「重力操作の方だけどな……装着者に掛かる重力を倍加して、その重力が原因で周囲への負担や被害が出ないように調整をしたよ。あ、それと動力だ!」

 

サラッと重要な事を述べながらも、「これを忘れてしまっていては駄目だ」といった感じに大きな声を上げるマッド。

 

近所迷惑ではないのかと心配になるほどの、その大きな声に俺は一瞬だけ耳を塞いでしまう。

 

「君は確か気と魔力を操作するんだよね? 魔力の方は枯渇しても大丈夫、気の方はかなり消費を抑えられるよ」

「どういう意味だ?」

「そのままの意味だよ…そのデバイスには超小型のGNドライヴが搭載されていてね、そのGN粒子から作り出されるエネルギーを魔力や気に変換可能なシステムも積んでるんだ」

 

その意味不明な言葉に対して、俺はただ黙って聞いている事だけしか出来ない。

 

そんなものが可能になれば、世の中にはもっと凄い作品もあるのだが、他の二次創作物もビックリなほどのチート能力を手にした事になるのではないだろうか。

 

「(待てよ……GNドライヴ…?)」

 

そのマッドの言葉はかなり早口で、流暢で、速いものだ。

ただ聞いているだけなのならば、その単語を聞き逃してしまう所であっただろう。

 

そして、それに似たものを最近目にしたような気がするのだ。

 

「(地下26階の大型の物体……王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)に繋がっている宝物庫の中に存在する大型のエンジン……)」

 

それらから発せられていた緑色の光。

あれが、もしGN粒子なのだとしたら。

 

「お前かああああああ!!」

 

その声は屋内を響き渡り、家を揺らすほどの大きさだ。

近くにあったガラスは粉々に割れて、床に落ちていく。

 

「危ないじゃないか……」

「す、すまない」

 

その周りの惨状を見て、ただ謝ることしか出来なかった。

 

ガラスは勿論だが、開いていたドアは吹き飛び、床にはヒビが発生している。

 

余りの驚きに、気を込めて大声を出してしまったのだ。

 

「ま、直すから問題は無いのだけれどね」

 

マッドは、床に刺さっているガラス破片を避けながら、近づき、懐からリモコンを取り出してボタンを押す。

 

地下の方からスーパーにあるカートの様な見た目をした機械が多数出現する。整備メカである”カレル”だ。

その上にはボールの様な球体のロボットである”ハロ”が付いており、それぞれ破損した床などを修理して、片付けをしていく。

 

「こんな高性能なもの、嬉しいんだけどさ」

「大猿になった時の事が怖いのかい? 別に心配するような必要は無いよ、戦闘スーツの様に伸縮自在の材質を使用した指輪だ。触ってみると柔らかいだろ?」

「それもあるんだけど……見返りは?」

「僕自身の見返り……君に利点はあるが、私には無い。そう言いたいのかな?」

 

その質問に言葉ではなく、首肯で答えを返す。

 

マッドは少し考えるような素振りをするが、すぐにそんな様子は消え去り、笑いながらこう答えた。

 

「決まっている。データ収集だよ」

 

 

 

 

ベッドの上で、俺は横になりながらも寝ることは出来ずに今日1日の事を思い出していた。

 

今日の今日まで気が付くことが無かったが、同居をしていたマッド。

そのような存在など居ないと思い込んでいたのだ。

 

「彼は科学者でもあり、医者でもある」と自己紹介で述べていた筈だ。

彼は自分をつくりだした「親の様な存在」だとでも言っていた。

それはどういう意味なのだろうか。

 

彼の瞳。

それが、その疑問を解消する答えを全て語っている様にも感じられる。

 

オッドアイなのだ。右目が翡翠(グリューン)で、左目が紅玉(ロート)をしているのだ。

彼も自分と同じ聖王(かのじょ)のクローンなのか、その血を受け継ぐ者なのか。

 

そして、何よりも彼の特典と能力だ。

 

先ず浮かんでくるのはGNドライヴだ。

そのドライヴから発せられるGN粒子による影響なのか、彼の瞳はオッドアイから両目とも金色に変化し、輝いていた。

 

「(”純粋種”……”イノベイター”なのか)」

 

もしそうなのだとしたら、新しいデバイスを使用する自分にも、その影響は遠くないうちに現れるであろう。

 

2つ目に、1日で高性能なデバイスをつくりだす技術と能力だ。

 

彼は科学者だと自分で言っていた。

だとすると、物体の創作に関する能力を所持していると考えて問題は無いだろう。

 

枕元の時計を見てみると、時刻は23:45を指している。

 

「まじでそろそろ寝ないとな……」

 

今日はいつもとは違って修行をしようという考えすらも浮かんでこない。

 

俺はただ、大きな欠伸をして、眠気に誘われるままにベッドに横たわったのだ。

だが、眠ることが出来ずに、考え事をしている。

 

時計は何時の間にか23:59を指している。

 

カウントダウンを開始しているかのように時計の秒針が動く音がやけにハッキリと聞こえてくる。

 

「――ッ!?」

 

大きな魔力の波動を感じ取り、思わず身体を勢い良く起こしてしまう。

 

その魔力は、何かが目覚めた証なのか。

生命の産声であるのか。

 

それを感じ取った者は少なからずこの世界に存在していた。

地下26階でモニターをじっと見つめているマッド、ベッドに座りながらゲームをしている志蓮、机に向かいながら本を読んでいる雄介。

遥か上空に存在している神の宮殿内の天照大神(あまてらすおおみかみ)を始めとした地球の神々。

 

だが、そんな魔力に気付く事がない存在もまた居る。

 

 

2005年の6月4日。

3日の23:59分から丁度、4日の00:00に時間が動き、変化した時のことだった。




もっと時間を有意義に使って過ごして下さい。

皆さんにはそれが出来る筈です、きっと。

こんな何の面白みもない小説モドキを読むのではなく、もっと他のことをして楽しんで下さい。

時間は有限です。

大切にして下さい。



でも、読んでいてくれたり、お気に入り数が増えていてくれたり、評価してもらったり、感想をくれたりとしているのを知ると、少し嬉しく思います。

酷評でも構いません、評価してくれているだけでも嬉しいものです。
まあ、それを読んだり聞いたりした時にはイライラとした気持ちが湧いてきますが、時間が経てばその大切さが身に沁みるような気がします。

貴方方は希少種です。
こんなどうでも良い作品を読んでいる人というのは希少種です。
そんな珍しい人達と少しではあるが作者や読者というカタチで繋がっている事に感謝します。
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