魔法少女リリカルなのはZ   作:りおんざーど

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A's編
新たな戦い 襲撃されるなのは


「――ッ!?」

 

6月4日の午前0時。

ベッドの上で横になりながら考え事をしていると、そこに突然として大きな魔力の波動が発生した事を感知した。

その魔力は純粋にして、妙に嫌な感じのするものが混じっている様な感覚を与えてくる。

しかもそれは少しどころでは無い。

大きくて邪悪な気の様なものが混じっているのだ。

 

「失礼するよ」

 

「うわっ! びっくりした……いきなり開けて入ってくるんじゃねえよ」

 

ドンッといった感じに自室の扉を勢い良く開き、「話は聞かせてもらった!」とでも言う様な感じに無断で部屋の中に入ってくるマッド。

彼は何処か嬉しそうな様子であり、声が上ずっている。

 

「闇の書だよ、闇の書! ああ、楽しみだなあ……。闇の書の闇はどの様な仕組みをしているのだろうか。そして、その主である彼女の側にはどのような転生者が居るのかな……」

 

マッドのその様子はとても無邪気なものだ。

子供の様に。とても、純粋で無邪気なのだ。

 

彼は何処か嬉しそうな様子であり、声が大きく上ずっている。

 

そんな彼の手の動きはとても不気味で、不自然さを感じさせる。

と言うよりも、その動きが感じさせてくるものはいやらしさだろうか。

まあ彼からすると純粋に楽しみなのだろうが。

彼の瞳はランランとしていて、何処までも自分の知識欲を満たそうとする事しか頭の中には無いのだろう。

 

「そっちか。というか、一応ここは俺の部屋だぞ! 監視カメラもあるし……ああ、そうか。俺にはプライバシーというモノは存在していないのか」

 

楽しそうにしているマッドを横に、俺は大きく息を吐き出す。

 

頭の中には、「此れからどのような事が起きてしまうのだろうか」という不安で一杯なのだ。

そんな気持ちに、今にも心が支配されそうなのだ。

 

 

 

 

12月1日の午前6時35分。

 

海鳴市にある保和家の地下24階では、5人の少年少女達が集まり、それぞれが意識を集中させながら身体と魔力をフル回転させている。

 

建物の外は季節が季節であるので気温は低いのだが、この修業室の中は室温や空調が整えられていて、実に快適なものだ。

 

「それじゃ、今朝の練習の仕上げ…シュート・コントロールやってみるね」

【Alright】

 

目を閉じて、意識を更に研ぎ澄ませていくなのは。

 

今の彼女は、自身の中に存在しているリンカーコアの動き、体の中を流れている魔力と気、そして自身の相棒であるレイジングハートのカウント音声の情報のみを意識している。

 

「リリカル・マジカル……ディバインシューター、シュート!」

 

彼女の足元には桃色に光る魔法陣が出現する。

 

その指にもまた、同様の光を放つエネルギーが集中し、放たれる。

 

魔力を多分に含んでいるエネルギー弾は、頭上で回転を続けながらも落ちて来るジュースの空き缶に向かって高速で迫っていく。

 

「コントロール……」

【18……19……20……21……】

「……アクセル!」

 

エネルギー弾は空き缶に当たりながらも、それを空へと高く打ち上げていく。

 

そのスピードも徐々に徐々に上がっていき、缶を更に高く打ち上げていくが、その魔法を行使する彼女の顔には少し苦悶の表情を見え始める。

 

【100……109……121……145……280……299……300】

「はぁ…」

 

閉じていた目と口を開き、大きく息を吐きだす。

彼女の小さな肩は上下に動いていて、顔には少量の汗が流れていた。

 

【Don't mind, my master】

「ありがとう、レイジングハート」

 

照れながらも、サポートをしてくれた自身の大切な相棒に対し、礼を述べるなのは。

 

先程まであったピンクに輝く光の弾は消え失せており、宙に浮いていた缶は重力に従い床へと落ちる。

 

「今日の練習、採点すると何点…?」

【About eighty points】

「そっか…」

 

そのレイジングハートによる採点に、笑顔を浮かべるなのは。

今までの練習時の点数と比べるとかなりの高得点を獲得したのだから。

 

「でも、皆と比べると……」

【Because he who is evildoer……】

 

 

 

 

「そらっ! 良いもんやるよ!」

 

緑色に輝く無数のエネルギー弾が、雄介と志蓮に対して絨毯爆撃の様に空から降り注ぐ。

それらを避けたり防御をしたりと彼等は必死に対処をしていくが、あまり効果は無く、発生する爆風に煽られてその小さな身体は吹き飛ばされていく。

 

「こらー! 少しは手加減をしろ!」

「そうだそうだっ!」

「手加減って、なんだ?」

 

そんな彼等の訴えは無情にも切り捨てられ、先程より一層数の増えたエネルギー弾に翻弄され続ける2人。

 

彼等には余裕が無さそうに見えるが、ギリギリのところで回避をして直撃を避けている。

そして、その攻撃をしている俺に隙が出来るのを待っている。

 

「避けてるだけじゃ、意味が無いぞ」

 

降り続けるその緑色のエネルギーは、床に当たるその度に大きく膨らみ、立っているだけでも困難なほどの暴風を巻き起こす。

 

だが、それほどの威力を誇る力であっても、この室内の壁や床には少しの傷や凹みはたったの1つすらも出来てはいない。

存在していないのだ。

 

 

 

 

「今日はこれくらいにしておこうかな」

「「……ありがとうございました…」」

 

息も切れ切れといった感じに、彼等は床へと力無く座り込んでしまう。

2人の少年の服は、汗でビショビショになっていて、肌と密着している。

横になった彼等は大きく息をしながら、御腹を上下に動かしている。

 

「お疲れ様。それぞれ風呂に入ってくると良いよ」

 

そんな言葉を口にする俺の方は、日頃の修行の効果によるものか一滴も汗は流れておらず、疲れすらも感じてはいない。

 

俺の口から出たその提案に従い、雄介と志蓮、なのはの3人はエレベーターに向かっていく。

 

この前のデバイス開発と同時に行われた半日の間での改築で風呂場は大きくなり、更には男女別の温泉の様なものへと変貌したのだ。

 

彼等は移動をするその途中で、かなり嬉しそうな顔をしている白衣の青年と鉢合う。

 

「おはよう、諸君」

「おはようございます、マッドさん」

 

白衣を着用している彼はにこやかな様子で、目の前に居る3人の子供に対して、優しげな声色で口にする。

 

「お湯炊きは済ませてあるからね、存分に堪能してくると良いよ」

 

挨拶を終えると、雄介と志蓮、なのははエレベーターに乗り、地下21階へと上昇していく。

疲れた身体を癒す事を考えながら。

 

 

 

 

「で、何の用だ? マッド」

「兄さんと呼んでくれよ、哀しいな……」

 

長身の青年の瞳は金色に光り輝いている。

その光は何処までも綺麗なモノで、それに見つめられていると界王神とはまた違った意味で心のなかを見透かされているかのような錯覚を与えてくる。

だが、とても不気味なものだ。

自分の心が除かれているというのは、実に怖いものなのだから。

 

「もうすぐだ…・・もうすぐ始まるぞ」

「ああ」

「闇の書だよ、闇の書! ああ、楽しみだなあ…闇の書の闇はどの様な仕組みをしているのだろうか。そして、その主である彼女の側にはどのような転生者が居るのかな。ああ、闇の書を弄りたい」

「それ、前も言ってなかったか?」

 

 

 

「おじゃましました」

「しました~」

「またな」

 

3人の少年少女の湯上がりであるその身体は、外の空気に触れることによりあまりにも速いスピードで冷たくなっていく。

 

修行を終えた彼女達は、それぞれの自宅へと急いて足を向けて走りだす。

 

「さてと。修行の続きでもするかな」

「ふむ……戦闘民族としての自覚が出てきたのか。それともこの先の闇の書に向けてのものなのか……」

 

朝食の時間が来るまでの間修行を続けんだといった事で頭が一杯の俺には、マッドの言葉が聞こえてはいなかった。

 

マッドの、彼の言葉はとても小さな大きさの声であり、言った彼自身独り言の様なつもりで口にしたのだが。

 

 

 

 

次元空間航行艦船であるアースラは次元空間の中を航行していた。

 

アースラの目と鼻の先とでも表現をしても構わない位近くの座標に時空管理局の本部は存在している。

 

「管理局本局へのドッキング準備、全て完了です」

「うん。予定は順調……良いことね」

「失礼します。艦長、お茶のおかわりは如何ですか?」

 

背後から、執務官補佐をしているエイミィ・リミエッタが艦長のリンディ・ハラオウンに声を掛ける。

 

彼女、エイミィ・リミエッタの仕事は基本的に執務官補佐であり、通信主任を兼任している。

だが、何も無い平時の状態では、リンディ・ハラオウンのお茶汲みとして働いている様なものだ。

 

「ありがとう、エイミィ。頂くわ」

 

湯呑みにトクトクとお茶が注がれていく。

その横にはお茶請けである羊羹が2個置かれている。

 

「本局にドッキングして、アースラも私達もやっと一休みね」

「ですね」

 

何時もと同じように彼女リンディ・ハラオウンは角砂糖を次々と入れていく。

1個、2個、3個と入れられていくその砂糖の数は、彼女がそれだけストレスを溜めてしまっているとう事なのだろうか。

 

「子供たちは?」

「今はゾイル特務執務官と一緒に6人で休憩中ですよ。さっきまで戦闘訓練してましたし……両執務官共に、それに対して付き合ってましたから」

「そう。明日は裁判の最終日だってのにマイペースねえ……」

「まあ、勝利確定の裁判ですから」

 

リンディは2個ある羊羹のうちの1個をエイミィに渡して、2人でその羊羹を味わう。

その2人の笑顔は、美味しいものを食べているという理由と、予定調和な事柄に対するものでもあった。

 

 

 

 

「さて、最終確認だ。被告席のフェイトは、裁判長の問にその内容通りに答えること」

「うん」

 

クロノとゾイルの執務官組、そしてフェイト、アルフ、ドゥーム、ユーノを合わせた6人はアースラ内にある食堂で裁判で話すことについての会議をしていた。

 

食堂は賑わっていて、かなりの数の局員が食事をしているのが目に入る。

席も殆どが埋まっていて、新しく来た局員が座る座席を探すのに一苦労だ。

 

「今回はアルフにも被告席に入ってもらう」

「わかった」

「で、僕とそこのフェレットモドキは証人席。質問にある回答は、其処にある通り」

「うん、わかった」

 

答えるべき事さえ答えてしまえば、筋書き通りにいけば勝利確定の裁判ではあるのだが、そうと分かってはいても緊張はするものだ。

彼等の間には、重い空気が流れている。

 

「てっ、おい!」

「何だ…?」

「誰がフェレットモドキだ! 誰が!」

「君だが……何か?」

 

その空気をハンマーで尽く粉砕していくかの様な大きく荒げた声で、ユーノはクロノに対して憤慨する。

 

対するクロノの方はというと素知らぬ風を装って、惚けている。

 

なのは達と一緒に行動していた時は、常にと言ってもいいほどに変身魔法でのフェレット形態を取っていたのだ。

それが、その名称の理由だろうか。

 

「そりゃ……動物形態でいる事も多いけど、僕にはユーノ・スクライアっていう立派な名前が!」

「ユーノ、まあまあ」

「クロノ、あんまり意地悪言っちゃ駄目だよ」

「大丈夫、場を和ませる軽いジョークだ」

 

ユーノも、実際のところそれほど怒ってはいないのかすぐにその喧騒は収まる。

 

「事実上、判決無罪…数年間の保護観察という結果は確実と言っていいんだが。一応、受け答えはしっかり頭のなかに入れておくように」

 

そのゾイルの言葉に、フェイトを始めとした被告側、そしてユーノは小さくではあるが、確かに首を振り、それを了承した。

 

 

 

 

《お疲れ様、リンディ提督。予定は順調?》

「ええ、レティ。そっちは問題ない?」

 

アースラ内にある艦長室にて、リンディは通信モニターを使い、本局に居る知り合いである提督へと連絡をしていた。

 

《う~ん……ドッキング受け入れと、アースラ整備の準備はね……》

 

モニターに映しだされているレティ・ロウランの顔色はあまり良いと言えるものではなく、何か良からぬ事が起きているという事は簡単に想像が出来てしまう。

 

「え……?」

《こっちの方では、あんまり嬉しくない事態が起こっているのよ…》

「嬉しくない事態って?」

《ロストロギアよ。一級捜索指定の掛かってる超危険物……幾つかの世界で痕跡が発見されているみたいで、捜索担当班はもう大騒ぎよ》

「そう……」

 

ロストロギアとは、遺失世界に眠っている、または眠っていた技術や魔法の総称だ。

危険なものが多数存在している。

そして、第一級捜索指定がなされているロストロギアとうのは、その中でも特に危険なものだと認定されたものなのだ。

 

《捜査員を派遣して、今はその子達の報告待ちね》

 

そんな2人の会話を、報告に来ていたクロノは聴いてしまっていた。

 

 

 

 

「雑魚いな…こんなんじゃ大した足しにもならないだろうけど」

 

赤い騎士服の様な服を着た少女が1人、そしてそこに2人の青年が倒れている。

彼等は苦しげに苦悶の表情を浮かべていた。

それとは反対に赤い服の少女は事も無げに涼し気な顔をしている。

 

そして、更に異様なものが1つ。

 

彼女の手には細長いハンマーと黒い外装をした洋風の書物が握られている。

赤色をしたゴシックロリィタの服装とは、かなりの不釣り合いさだ。

 

それが、彼女に異質さを与え、更にそれを引き立てている。

 

「お前らの魔力、闇の書の餌だ」

 

その書物は意思を持っているかのように、独りでに動き、宙へ浮かぶと同時にパラパラとページが捲れていく。

 

そこで風は吹いてはいないにも関わらず、だ。

 

何も書かれていない白紙のページが開かれると、倒れている青年たちは先程よりも更に苦し気な様子を見せて、その本は怪しく光りだした。

 

時刻にして12月2日の午前2時23分。

 

とあるオフィス街のビルの間での出来事だ。

 

 

 

 

同日の午後7時45分。

 

【Caution. Emergency】

「え? 結界!?」

 

レイジングハートの警告を聞くと同時に封時結界に似た別の魔法が展開される。

 

【It approaches at a high speed】

「近付いて来ている……こっちに?」

 

明日提出である学校の宿題をしていたなのはは、その作業を中断して外へと駆け出す。

 

外は不気味なくらいに静まり返っている。

 

感知している魔力は、確実に彼女に向けて一直線に飛んでいる。

 

 

 

 

「来たか……」

 

なのはの元へと移動している大きな魔力を感知したのは、何も彼女自身とレイジングハートだけではなかった。

その隣家に居る雄介はもちろん、志蓮も気が付いているだろう。

地下に居るマッドもだ。

 

「なのはに向かっている魔力、1つ……だけじゃない。2つ」

 

魔力の1つが移動しているという事は概ね原作通りだと言っても良いだろう。

 

だが、気になる事はもう1つの魔力だ。

その魔力は片方よりも遥かに巨大で、相手に対して威嚇をしているかの様な、威圧をしているかの様な程に大きく放出をしている。

 

「それとも、コントロールが出来ていないのか」

 

なのはの気を探り瞬間移動をしようとする時、突如として頭のなかにシェンの「闇の書には限界まで手を出さないで欲しいのです」という言葉が浮かび、それを思い出した。

 

そうだ、確かに約束をしたじゃないか。

下手に動いて募集されでもしてしまえば、後々に大きく歪み、取り返しのつかない事になるかもしれないのだ。

 

「(楽観的だが、今のなのは達の実力なら何とかなるかもしれない)。頼むぞ、皆……」

 

 

 

 

【Homing bullet】

 

前方から飛来して来る魔力の誘導弾に対し、Protectionを用いて防御をするなのは。

 

「テートリヒ・シュラアアークッ!!」

 

彼女の背後に向かい、ハンマーによる打撃攻撃が迫る。

だが、不意打ちに似たそんな攻撃にもなのはは冷静に対処していた。

 

「(あれ? 遅い…?)」

 

速い筈の相手の動きが、スローモーション再生を見ているかの様に感じ、対応する事が出来たのだ。

 

それぞれの方向に対し、シールドを張り防御をするなのは。

だが相手の少女の方が力が強いのか、それともデバイスによるものなのか折角取った防御の体勢は崩されてビルの間を転落してしまう。

 

「レイジングハート、お願い!」

【Standby, ready, setup】

 

落ちながらも、学校の制服に似た白を基調としているバリアジャケットに身を包みながら、杖となったレイジングハートを握りしめるなのは。

 

【Schwalbefliegen】

 

赤い服を着た少女は鉄球を高く投げ、それをハンマー型のデバイスで殴りつけてくる。

それは火花を散らしながら、変身を終えたなのはの元へと真っ直ぐに飛んで行く。

 

「おらあああっ!!」

 

防御の際に発生した煙が原因で命中したのかは分からないが、赤い少女は勢い良くなのはの方へと突っ込んで行く。

 

その振り下げたハンマーにより煙は切り裂かれ、なのははその場から飛行魔法であるFlier Finで移動し回避をする。

 

「いきなり襲い掛かられる理由は無いんだけど…何処の娘? 一体何でこんな事するの?」

 

その質問に、少女は魔法による攻撃で応える。

 

「教えてくれなきゃ、分からないってば!」

 

少女の背後には、予め待機させておいたエネルギー弾が飛んでいる。

 

その1つを除けた少女だが、もう1つの方は回避が間に合わないことを悟ったのかシールドを展開して防御をする。

 

「この野郎!」

【Flash Move. Shooting Mode】

「話を……」

【Divine……】

「聞いてってば!!」

【Buster】

 

懐に潜り込みハンマーを振りかざしてくる少女に対して、なのはは再度応戦をする。

 

彼女の放つ砲撃魔法少女の身体ギリギリのところを飛んで行く。

 

その際に、彼女が身に着けていた帽子が、離れ、燃えながら消えていく。

 

それが彼女の逆鱗に触れてしまったのか、強く睨みつけられたなのははすこしばかり萎縮してしまう。

 

「グラーフアイゼン、カートリッジロード!」

 

彼女の持つハンマーが伸縮して、その中から薬莢のようなものが飛び出す。

 

【Explosion. Raketenform】

「――えっ!?」

 

ハンマーはヘッド部分が推進剤噴射口に、反対側はスパイクに変形する。

 

その形態変化になのはは驚き、大きな隙が出来てしまう。

 

「ラケーテン……」

 

噴射口から大きな火花が発生し、少女のその小さな身体は振り回される様に回転を始める。

 

「うおおおおおお!!」

 

その勢いを保持したまま、彼女はなのはへと向かい飛んで行く。

 

防御シールドを展開する暇も無く、レイジングハートを盾代わりにしてしまう。

それが仇となったのか杖には大きくヒビが入り、2つに砕かれてしまう。

 

「――ハンマアアアアッ!!!」

 

その攻撃に耐えられず、なのはは身体を回転させながらコンクリートを壊しながらビルの中に飛ばされる。

 

発生した煙により咳をしてしまうが、相手は待ってくれる筈も無く、間髪入れずに赤い少女は攻撃を仕掛けてくる。

 

【Protection】

「打ち抜けええっ!!」

【Jawohl】

 

桃色に光る魔法陣は、そのハンマーによる打撃を防ぐ。

 

その防御は長く続かず、雄叫びをあげながらのグラーフアイゼンに付いているスパイク部分により薄い紙のように容易く突き破られてしまう。

そして、そのスパイクはそのままバリアジャケットにも当たり、防護服はガラスの鏡の様に割れて、解除されてしまう。

 

グラーフアイゼンからは大きく膨大な熱が排出され、魔力が籠められていた薬莢であるカートリッジが飛び出す。

 

息も絶え絶えの状態でレイジングハートを構えるなのはだが、そのレイジングハートの放つ光もまた同じように弱々しいものになっている。

 

レイジングハートを握り、赤い少女へと向けているその腕はプルプルと小刻みに震えている。

 

今にもハンマーを振りかざそうとしている少女の姿はぼやけて見えてしまい、かなりのダメージを負っている事を嫌でも理解させられた。

 

「(こんなので終わり? 嫌だ……雄介君、志蓮君、ブロン君、ユーノ君、クロノ君、フェイトちゃん!)」

 

目を閉じたその瞬間、強い金属音が鳴り響く。

 

恐る恐る開いたその視界には、見覚えのある黒いバリアジャケットを着た金髪の少女が居た。

 

「ごめん。なのは……遅くなった」

「ユーノ君…?」

「仲間か…!」

 

鍔迫り合いによる拮抗状態から、後ろに退がる事で抜け出す少女。

 

心優しき金の閃光は、相棒である閃光の戦斧を黒き鎌へと変形させ、掲げながら目の前に立っている赤く小さな少女に対して静かに口を開く。

 

【Scythe Form】

「……友達だ」




久し振りに投稿出来た。一ヶ月ぶりなのかな……。
なんだかんだでリアルの方で寝込んだり、遊んだりと文章にする時間が上手く作れなかった。
妄想はしてたけどな。

文章にするのは、やっぱりというか何と言うのか。
かなり骨が折れるね。
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