宇宙戦艦ヤマト世界の元からヒャッハー宇宙で地球がこの先生き残るには……   作:親と兄姉の姿を見て立派に育った未子

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今回は地球人とイスカンダル人のほのぼの?共同生活の様子です!



イスカンダル人とお話ししました

 

 

 

 今、僕の目の前にはイスカンダルの恒星間連絡航宙船シェヘラザードから(勝手に)イスカンダル製次元波動エンジンを移設した宇宙船がある。

 

 波動実験艦——いや、これはもうほとんど“宇宙戦艦ヤマト”だ。

 

 イスカンダル製次元波動エンジンのデータも取れたし、いつか完全再現してイスカンダル式炉心が六連大炉心一基のイスカンダル式シンクロドライブ型次元波動エンジン作って搭載してみたい。

 

「いやー、それにしても……」

 

 灰色だった艦が、たった一つの“心臓”を得ただけで、急に生き物のように見える。

 

「……やっぱり、ヤマトはかっこいいな」

 

 ヤマトの勇姿を見ていると、つい独り言が漏れてしまった。

 

 戦艦は浪漫だ。その浪漫を体現している戦艦こそ大和型戦艦、そして宇宙戦艦ヤマトだ。

 

 あとは、ユリーシャに事後承諾貰って真田さんに改装してもらおう。

 

 勝手に次元波動エンジンを移設したのは悪いと思ってるけど、僕は滅びの方舟に備えるためなら何だってやる。

 

 それに古代アケーリアス文明派生文明家族の未子の地球文明のちょっとした粗相ぐらい、長男のイスカンダルも許してくれるだろう。

 

 既に成長期で派手に暴れ、ゴールデンエイジを存分に楽しんで、ようやく老後に反省した長男のイスカンダル。

 

 対して、地球はようやく太陽系という家の中をハイハイしていた赤子から卒業し、宇宙という家の外を歩けるようになったばかりの幼児の未子。

 

 ちなみに他の異星文明といういじめっ子たちに、外(宇宙)でいじめられることが確定している。

 

 だからもっと成長して早く大きくなりたい。いじめられたくない。痛い思いをしたくない……そう思うのは当然のことなのだ。

 

 とにかくこれで、この世界でも宇宙戦艦ヤマトが就役することになるだろう。

 

 やっぱりヤマトは地球最後の切り札として必要だ。

 

 それに、イスカンダルが仲介するガミラスとの講和会談は、スターシャ側の要望でイスカンダル星で行いたいらしい。

 

 さっき総司令部に呼ばれたとき、芹沢さんが眉間にシワ寄せながら教えてくれた。

 

『なぜわざわざ、敵陣のど真ん中にある星へ行かねばならんのだ……』

 

 と、ものすごく不満そうだった。

 

 でも、僕としてはサンクテルの記憶庫を一度生で見てみたいんだよなあ……

 

 イスカンダルの記憶庫——サンクテル。

 あれは、ブルーアースの中にあるメンタルモデルの記録庫の“完成形”ともいえるシステムだ。

 

 自分が目指している技術のゴールを、この目で見られるとか、行かない選択肢がない。

 

 となると、イスカンダルまでユリーシャと地球側の外交団を乗せていく船が必要に……やっぱりヤマトは必要だよね!

 

 ユリーシャが乗ってきたシェヘラザードは、基本一人用の高速連絡船。地球側の外交団は乗れない。

 

 何より、イスカンダルは現在戦争中のガミラス帝星の隣だ。

 

 確か2199時点のガミラスは内部でごたついていたはずだ。軍と親衛隊の対立、デスラー総統暗殺を企てる貴族派、デスラー総統もスターシャへの届かぬ愛と移住先が見つからない焦りでメンタル病んで暴走……というぐだぐだっぷりだったはず。

 

 間違いなく、イスカンダルへの航海は波乱に満ちたものになるだろう。

 

 さて、ヤマトもできたし事後承諾をもらうためにユリーシャを起こしにいくか。

 

 正直、イスカンダルの仲介による停戦はありがたい。これ以上ガミラス相手に人的資源を消費したくないからだ。

 

 ガミラスとの星間貿易もとても魅力的だ。

 

 ガミラスの広大な領宙から取れる大量の資源が手に入る。

 

 それがあれば、もっと軍拡できる。

 

 そして本命の相手であるガトランティス——滅びの方舟に備えることができる。

 

 ヤマトが奇跡を起こしてガミラスと安全保障条約結べるぐらい友好的な関係になれたらもう最高だ。

 

 ガトランティス相手には少しでも戦力がほしい。

 

 奇跡的にガトランティスキラーのドメル将軍が生き残って援軍にでも来てくれたら感激の涙を流すだろう。

 

 

 

 

 病院の清潔な個室は、静かで、白かった。

 

 ベッドの上では、金髪の美女——ユリーシャ・イスカンダルが眠っている。

 

 頭コズミックイラの波動砲狂信者によるテロの後遺症はあるものの、命に別状はない。

 

 逆に言えば——命は助かったのに、意識だけが戻っていない状態が続いていた。

 

「マスター」

 

「ん?」

 

 僕がベッド脇の椅子に腰掛けると、横からメンタルモデル——アースが顔を覗き込んできた。

 

「ユリーシャお姉さん、ちゃんと“起きて”ますよ?」

 

「どういうこと?」

 

 アースに詳しく聞いてみた。

 

「感応波で、ずっとお話ししてました。ユリーシャお姉さんはとても物知りです」

 

 どうやら彼女、ユリーシャに呼ばれてアースはこの部屋に前から来ていたらしい。

 

 しかもそれだけじゃない。

 

 まだ意識の戻らないユリーシャの“お見舞い”に何度も通い、精神感応波でしっかり会話までしていたというのだ。

 

 感応波を使えば意識失ってても普通に会話できるんだ……流石はイスカンダル人。

 

 まあ、2199でもヤマトの自動航法装置内で眠っていながらガミロイドに話しかけたり、ジレル人のミレーネルの精神攻撃に反応してたしありえるか。

 

「マスター……ユリーシャお姉さんが言っていました。波動砲は危険だから絶対CRSで増幅して二十四連発なんかやっちゃだめだって……」

 

 おまけに、なんかアースに勝手に波動砲教育を行っていたらしい。

 

「アース。侵略するために波動砲を撃つのはダメだけど、守るために波動砲を撃つのは悪くないことだよ。だから、侵略してくるガトランティスとか滅びの方舟には遠慮なく撃っていいんだよ」

 

「そ、そうですよね! マスターが言うならそうに違いないのです!」

 

 アースは素直だ。

 そこが可愛いところでもあり、恐ろしいところでもある。

 

 ……よし。これ以上変なこと吹き込まれる前に、叩き起こそう。

 

 くらえ、ジレル式精神攻撃!

 

 僕はジレル人と同じテレパシーでユリーシャの脳内へと直接精神攻撃ショックを与えた。

 

 生まれた時から何か使えたこの能力。

 ポンコツ神がおまけで付けてくれたんだろう。

 結構便利だ。

 

「う……っ!」

 

 その瞬間。

 ユリーシャの指がぴくりと動いた。

 

「い、意識が戻った!? よかったっ!!」

 

 医師と看護師が慌ただしく駆け込み、バイタルをチェックする。

 

 数秒後。

 彼女の瞼が、ゆっくりと持ち上がった。

 

「ハ……テナ……?」

 

 かすれた声。

 けれど、意識は確かに戻っている。

 

 ユリーシャの瞳が、ぼんやりとこちらを捉えた。

 

「あ……あなたが……アースが言ってた……マスター……さん?」

 

「そうだよ。僕がアースを作った、明井里愛朱だよ」

 

「アケーリアス!?」

 

 ユリーシャがガバリと上半身を起こした。

 

 思ったより元気そうだ。

 

 医師が「まだ起き上がらないでください!」と慌てて押し戻していた。

 

 ちなみに僕と古代アケーリアス文明は何の関係もない。

 

 

 

 その後。

 

 ユリーシャの身柄は、再びテロに遭うリスクを避けるため、地球連邦政府の決定で“もっとも安全な場所”に匿われることになった。

 

 ——場所は、僕のいる最重要機密研究所だ。

 

 地球連邦政府からの僕に対する信頼が凄い。

 

 ちなみに僕の研究所のセキュリティが安全な理由は、警備を試作兵器たちに任せているからだ。

 

 ラージャラージャと可愛いバトルドロイドくんとか、多脚自律無人戦闘機械のレギオンくんとか、デカいハシュマルくんと子分のプルーマくんとか、ウルトロンくんとかメガトロンくんとか他にも色々いる。

 

 広大な研究所の敷地を、試作兵器たちがのそのそ、あるいはガシャガシャと今日も元気に歩き回っている。

 

「この兵器たち……全て、あなたが?」

 

「うん。まあ、ヒマさえあれば何か作ってるから」

 

「…………」

 

 初めて警備ロボットたちを見たユリーシャが、明らかに“警戒レベルを一段階上げました”って顔をしていた。

 

 その後、シェヘラザードからイスカンダル製エンジンを勝手に抜き取ってヤマトに移設した件について、一応謝罪しておいた。

 

 ユリーシャは優しかった。

 

 講和のためにイスカンダルに向かう宇宙船を作るためだったと説明すると、勝手にシェヘラザードの次元波動エンジンを移設したのも許してくれた。改装のアドバイスまでくれた。

 

 なんか凄い複雑そうで意味深なジト目だったけど、ガミラスと講和してほしいから仕方なく妥協しました感はあったけど。

 

 おかげで波動実験艦ヤマトは宇宙戦艦ヤマトへとさらに近づいた。

 

 ただ、最近ユリーシャがずっと僕の研究開発に目を光らせてくるから居心地が悪い。

 

 きっかけは、ユリーシャが僕の開発している新兵器の設計図を見てしまった時。

 

「アケイ……今作っているのは何?」

 

「ボラー連邦の惑星破壊ミサイルに対抗して作ってる新型ミサイルだよ。名前は“コスモエレメントミサイル”」

 

「……名前からして嫌な予感しかしない」

 

「一発で星を丸ごとエレメント化できる優れものなんだ。ボラーの惑星破壊ミサイルだと星を吹き飛ばすだけだから、こっちは星ごとエレメント化して保管できるまだ人道的な兵器を開発しようと思ってね」

 

「…………」

 

 ユリーシャが、完全にドン引きしていた。

 

 その日からだった。

 

 ユリーシャ・イスカンダルによる、“監視”が本格化し始めたのは。

 

 気が付いたらいつの間にか後ろに立っていて、必ずこちらにジト目を向けてくる。まるでストーカーだ。おまけに一部兵器にはやたら高度な知識でイチャモン付けてくるので、毎回論破するためにゲリラ討論会が開催されている有様だ。

 

「アケイ……あなたはアケーリアス。だから危険。古代アケーリアスの高みに至るには、今の地球人類はまだ未熟で早すぎる」

 

 なんか露骨に僕がヤバい奴みたいな扱いされてる。

 

 僕が研究開発してるもの全てが宇宙の秩序を乱すものだとでも思っているのだろうか……

 

 あと、相変わらずアースにも勝手に色々吹き込んでる。

 

 なんで波動砲が危ないかとか、CRSを軍事転用するのがよくない理由とかをイスカンダルの知識と経験を使って色々と説明していた。まるで情操教育をしているみたいだった。

 

 地球人が波動砲を使うのをやめそうにないから、メンタルモデルの方を説得しようと方針転換したのだろうか。

 

「なるほど……緊急時にマスターを守る時以外は、出来るだけ波動砲の使用を控えます」

 

「いい子、アースはいい子。自重しないアケイとは違って……」

 

 おかげでアースもユリーシャに懐いちゃった。

 

 まあ、僕を守るという最優先事項を果たしてくれさえすればそれでいいから、アースの好きにさせておこう。滅びの方舟が消えた後のことを考えると、波動砲の引き金が重くなるのは別に悪いことじゃないし。

 

 ただ——もし、2205年にユリーシャがデザリアムのせいでイスカンダルと一緒に消えたら……

 

 懐ききったアースが、どれだけ悲しむか想像すると、ちょっと胃が重くなる。

 

 もしかしたら、アースが悲しみのあまり暴走するかもしれない。

 

 人に近づくということは、決していいことだけとは限らない。ガトランティスとズォーダーがそれを証明している。

 

 まあその時は、僕もアースの復讐に力を貸そう。

 

 イスカンダルが消滅したら、もう何の遠慮なく波動砲艦隊強化できるだろうし!

 

 デザリアムが関係しているウラリアの魔女が波動エネルギーを減衰させるなら、減衰しても問題ないぐらい威力の出る波動砲を作ればいいのだ。

 

 あとは、滅びの方舟を解析できれば、金星時間断層で建造中の敵性文明殲滅超巨大戦艦パラドックス級も……

 

 そうやって未来について考えていると、背後からユリーシャの声がした。

 

「アケイ……今、何か、とても危ないことを考えていたでしょ?」

 

「ん? そんなことないよ!」

 

「…………」

 

 僕に対して向けられるユリーシャの目は、今日もジト目だった。

 

 

 





次回『西暦2199年』

いよいよ原作開始の年になりました!

ガトランティス人は人間じゃないクローンのまま? それともバグって蛮族化?

  • 愛など不要! クローンのまま
  • 愛……愛愛愛愛ぃー ヒャッハー蛮族化
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