宇宙戦艦ヤマト世界の元からヒャッハー宇宙で地球がこの先生き残るには……   作:親と兄姉の姿を見て立派に育った未子

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ちなみにガミラス側にも少しバタフライエフェクトが起きてたりします……




西暦2199年

 

 

 

 

 ユリーシャの意識が戻ったことで、再び地球連邦政府上層部とユリーシャとの間で会談が行われた。

 

 今回はオブザーバーとして地球の波動エネルギー、星のエレメント関連技術の第一人者である明井里愛朱博士も参加。ちなみに博士が前回参加しなかったのはイスカンダルの宇宙船解析に夢中で予定をすっぽかしたからである。

 

 二度目の会談では、まず最初に大統領が立ち上がり、深々と頭を下げた。

 

「ユリーシャ・イスカンダル殿……この度は地球人類の不祥事により、あなたを傷つけてしまった。本当に申し訳ない」

 

 ユリーシャはこの謝罪を受け入れて地球側を許した。

 

 しかし、これで地球連邦政府はユリーシャに頭が上がらなくなってしまった。

 

 世論も完全にユリーシャを支持しており、講和の流れに逆らうのはもはや不可能だった。

 

「地球連邦政府は、イスカンダルの仲介による停戦交渉を正式に受け入れます」

 

 ここまでは、もう既定路線だった。

 

「ただし」

 

 今度は芹沢が前に進み出る。

 

「我々が七年間の戦争で奪還した宙域の保持。さらに、ガミラスの統治に反発している植民星の独立承認。および、太陽系侵略の賠償として相応の資源惑星の割譲。これが講和の最低条件だ」

 

 そうはっきりと言い切った。

 

 芹沢の声は揺るがない。

 

「地球は勝利している。停戦はするが条件で譲歩する理由はどこにもない!」

 

 大統領も頷きながらユリーシャに告げた。

 

「地球は歩み寄る。だが、敗者のようにへりくだることはしない。これが我々の姿勢です」

 

 ユリーシャは反論しなかった。

 むしろ——心のどこかで安堵していた。

 

 講和さえ結べれば、地球——全宇宙の脅威である明井里愛朱の暴走を止められるからだ。

 

 ユリーシャの脳内では、ガミラス帝星に波動砲を撃ちこんでエレメント化し、イスカンダルの自爆を何らかの方法で無効化した後イスカンダルが蓄えているすべての知識、技術を奪おうとする明井の悪魔のようなイメージが完全に定着していた。

 

 こうして、詳細はガミラス側と詰めることになるがおおよその講和条件が決まった。

 

 ちなみに、ガミラス側はイスカンダルの意向にはあまり逆らえない。

 

 何故なら、ガミラス人には、かつて全盛期のイスカンダルが念入りに施したマインドコントロールの影響が未だ残っているからだ。

 

 次に波動砲について。

 

 ユリーシャが静かに問う。

 

「……波動砲については、どうされるおつもりですか?」

 

 芹沢が答えかけた瞬間──

 

 明井博士がスッと手を挙げた。

 

「波動砲に関しては、僕から説明させてください」

 

 芹沢が驚いたような顔をして大統領の方を見ると、大統領が頷く。

 

 大統領は明井と裏で通じているため、この件は専門家の明井博士に一任するといって委ねてしまった。

 

 会議室の視線が一気に明井博士へと集まる。

 

「まず、今すぐ波動砲を手放すことは不可能です」

 

 そう言って、明井博士はガミラス艦隊とは異なる、最近接触した新たな脅威となる存在の映像を映し出した。

 

「例え、ガミラスとの戦争が終わっても、最近、太陽系外の領宙に侵入を繰り返してくる蛮族——ガトランティスに対応するために波動砲艦隊の力は必要不可欠です」

 

 これには満足そうに芹沢が頷く。

 

「しかし──侵略目的には絶対に使わない。使用は正当防衛のみに限る。など使用に制限はかけるべきです。波動砲が空間裂傷を引き起こす可能性は十分にありえます」

 

 その言葉に芹沢が驚きを露わにした。

 一方、藤堂や沖田は力強く頷く。

 

 そもそも明井は、波動砲以外の戦略兵器の開発も普通に進めているので、滅びの方舟に対処し終えた2203年以降の波動砲の使用制限については別に構わないと考えていた。

 

 また、既にウラリアの魔女に波動砲を封じられた時に備えて、レギオネル・カノーネ、ブラックホール砲、ハイパーニュートロンビーム砲、コスモエレメントミサイル……と波動砲の代替となる安全保障兵器の試作版がいくつも時間断層で作られている。

 

「さらに、もしイスカンダルが主導して、近隣星間文明全体で対話可能な安全保障体制を確立し、波動砲の使用防止、不拡散条約を締結できるなら……その場合は将来的に地球も波動砲艦の削減を“検討する”ことも可能になるかと」

 

 一方こちらは、あくまでも検討ではあるが、それでも妥協点としてはかなり踏み込んだ内容だった。

 

 このまま明井里愛朱が生きている間に軍拡を続ければ、地球は全盛期のイスカンダルのレベルに到達し、やがてそれさえ超えて古代アケーリアス文明の高みに最も近い宇宙の覇権文明へと至るだろう。

 

 だがその前に、他の文明が一致団結して対話のテーブルに座りさえすれば、地球の軍拡を抑制できる可能性ができたのはイスカンダルとしても大きな意味があった。

 

 まあ、地球側はガミラスやボラーの様子からしてそれは不可能だろうと判断していたが。

 

 こうして会談は終了した。

 

 地球連邦政府はイスカンダルの仲介による停戦交渉のため、一時的に軍事行動を停止するとガミラス側に通達。ただし、ガミラス側が軍事行動を継続する場合は停戦の意思なしとみなしバラン星、大マゼランへの侵攻を示唆した。

 

 すると後日ガミラス側も総統府が公式に停戦を承認。

 

 地球とガミラスは一時的に停戦した。

 

 

 

 

 

 この世界では、西暦2145年に第二次世界大戦終結二百年祭で戦争遺物を復元して鎮魂を行うという催しが実施され、極東では戦艦大和が選ばれたことがある。

 

 なので平和外交のための船としては戦艦ヤマトが適任である、と明井博士が熱弁をふるった。

 

「この船なら、ガミラスも、イスカンダルも、地球の真意を理解してくれます!」

 

 イスカンダル人のユリーシャはまったく意図を理解できず困惑したが、結果、イスカンダルへ向かう外交用の宇宙船としてヤマトが選ばれた。

 

 こうして既に波動実験艦として(勝手に移設された)次元波動エンジンと波動エネルギー制御デバイスとして地球製CRSが取り付けられていたヤマトは、技術士官の真田志郎三佐によってイスカンダルへの航海に向けて改修が進められた。

 

 ちなみにCRSが取り付けられているのは、現時点での地球の技術レベルをイスカンダル側にアピールするためという名目だ。実際は、万が一イスカンダルへの旅路で波乱があり原作通り森雪が死んだ時に蘇生させるためである。

 

 また、クルーの選抜にも、ヤマトに搭載するメンタルモデルとの相性を考える必要がある、と明井がうるさいほど口を出し、結果として“ほぼ原作通りのメンバー”が揃った。

 

 艦長には沖田十三宙将。

 

 戦術長には古代進一等宙尉。

 

 船務長には森雪一等宙尉……

 

 などかなり大胆な人事となった。

 

 さらに在ガミラス・イスカンダル地球連邦大使館をイスカンダル星に置くことが決定し、古代守が駐在武官に選ばれた。

 

 西暦2199年2月11日。

 ヤマトは外交団を乗せて護衛艦ヒュウガ、アスカと共にイスカンダルへと旅立った。

 

 また、時同じくして、一隻の波動砲搭載型次元潜航艦が密命を帯びて亜空間へと潜航した。

 

 ヤマト、ヒュウガ、アスカの三隻は、ガミラス側と接触する最前線までは、ガトランティスを警戒して地球連邦艦隊最高練度の山南修宙将が指揮するアンドロメダを旗艦とする艦隊が護衛。

 

 順調にワープを繰り返し、地球とガミラスの最前線に到着した。

 

 最前線の両軍の支配宙域の境では、ようやく蛮族退治を終えた後、すぐに銀河方面でも酷使されているバンデベルの後任のエルク・ドメル銀河方面作戦司令長官とその艦隊が出迎え、ガミラス艦隊の旗艦ドメラーズⅢ世とヤマト、アンドロメダが対面した。

 

 その後ドメル将軍が幕僚らと共にヤマトに乗艦し、ユリーシャに謁見。

 

 ドメル将軍はユリーシャの真意を確認後、地球側との停戦を厳命し、部下のガイペロン級多層式航宙母艦ランベア艦長のフォムト・バーガー少佐、ゲルバデス級航宙戦闘母艦ミランガル艦長メリア・リッケ少佐に護衛艦隊を率いてユリーシャと地球外交団をイスカンダルまで護衛するように指示を出した。

 

 また、ヤマト艦内には航宙艦隊総司令官ガル・ディッツ提督の娘であるメルダ・ディッツ少尉が連絡要員として同乗することになった。

 

 そして、メルダは外交団やヤマトクルーとも顔を合わせることになる。

 

「初めまして、メルダ・ディッツ少尉。全天球レーダー室観測担当要員の篠ノ之束で~す」

 

「同じく蒼井星といいます。よろしくお願いします」

 

 こうしてヤマト、ヒュウガ、アスカの三隻はアンドロメダ艦隊から護衛を引き継いだガミラス艦隊と共にガミラス領宙を進み、イスカンダルへと向かった。

 

 見送ったドメル艦隊と山南率いる地球連邦艦隊は、その後また最前線での睨み合いを継続。

 

 もしも、この外交が失敗した場合、両艦隊が全面衝突することになる。

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆☆☆

 

 一方ガミラス側。

 

「スターシャが、テロン(地球)との停戦を望んでいる……か」

 

 スターシャの強い要望でデスラーは地球との一時停戦を承認した。

 

 しかし、

 

「なぜだスターシャ……」

 

 届かぬ愛。

 癒えぬ焦燥。

 滅びの近づく母星。

 移住計画の停滞。

 

 そして……代替案としての大統合ではなく、地球との和平。

 

「我々は今こそ“大統合”に邁進すべき時……ガミラスとイスカンダルが再び一つになれば、この滅びの危機は避けられたはず。なのになぜ……テロン人と組む……ッ!?」

 

 全てが、スターシャのたった一言で否定されたように、デスラーには思えて仕方がなかった。

 

 その感情は、ただの愛憎だけではない。

 自己否定にも似た危うい衝動だった。

 

 

 

 

 

 なお、現在反乱分子として潜伏中に停戦の噂を聞きつけたゼーリックは大激怒。

 

「テロンと停戦だとぉ!? ふざけおって!!」

 

 ワイングラスを床に叩きつけながらゼーリックが叫ぶ。

 

「ゼ、ゼーリック様……しかしですね……これは、イスカンダルの意向のようでして……」

 

「黙れぇぃッ!!」

 

 酒に溺れて悪酔いしているゼーリックの怒号が室内に響いた。

 

「今すぐに売国奴のデスラーを斃すぅうのだぁあ!! そして、劣等種族共の外交団もろとも地獄に叩き落とせぇい!」

 

 即座にデスラー暗殺と同時に外交団襲撃を命令した。

 

 

 





次回『明井……篠ノ之束の航海日誌』

次回は日記形式でダイジェストでヤマトでの日々をお届けします!

ガトランティス人は人間じゃないクローンのまま? それともバグって蛮族化?

  • 愛など不要! クローンのまま
  • 愛……愛愛愛愛ぃー ヒャッハー蛮族化
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