宇宙戦艦ヤマト世界の元からヒャッハー宇宙で地球がこの先生き残るには…… 作:親と兄姉の姿を見て立派に育った未子
作者がリメイク版で感動したのは、アンドロメダと主力戦艦の活躍の機会が増えた所です!
アンドロメダと山南艦長……
西暦2179年。
火星移民者たちによって設立された火星自治政府と、地球(国連)の関係は急速に悪化しつつあった。
そして事態を重く見た火星自治政府上層部は、中枢にて緊急安全保障会議を招集した。
「地球との開戦は……避けられん、ということか?」
会議室に響く重い声。
閣僚の一人が呟くように問うと、壁面スクリーンには国連宇宙海軍の最新鋭戦闘艦——金剛型宇宙戦艦の映像が映っていた。
その映像を背に、火星宇宙海軍司令長官が静かに頷く。
「残念ながら。地球側は新造艦の建造ペースを加速させています。今月だけでも既に村雨型宇宙巡洋艦が五隻、金剛型宇宙戦艦が三隻——このままでは、いずれ……」
会議室に重苦しい空気が広がる。
国連宇宙海軍の急速な軍拡に対抗すべく、火星側も身を削って軍拡を続けていた。
だがそれでも、地球との国力差は埋めがたいものだった。
「……すべては、地球に技術を盗まれた、我々の落ち度によるものか」
閣僚の一人が苦々しく吐き捨てる。
かつて火星宇宙海軍は、“質”で地球を圧倒していた。
火星に漂着していた異星文明の戦闘艦——ボラー連邦のクロトガ型戦闘艦を秘密裏に回収、研究し、その技術を基に建造したオーパーツに等しい新型戦闘艦の力で、火星自治政府は西暦2164年に勃発した第一次内惑星戦争を有利に進め、地球からの独立と自治を勝ち取ることに成功した経緯があった。
しかし、その最重要機密であるはずの異星文明由来の技術が後に地球側に流出。
地球側はその技術を基に、火星側の戦闘艦に対抗できる戦闘艦として村雨型宇宙巡洋艦や金剛型宇宙戦艦の開発、量産に成功し、ついに火星との技術格差を埋めてしまった。
もともと地球と火星の間には、国力・経済・人口すべてにおいて圧倒的な差がある。唯一勝っていた技術アドバンテージまでも失ってしまった火星側が、次の戦争で不利になるのは必然だった。
それでも。
「負けるわけにはいかないのだ! ここで自治権を手放せば……独立のため、我々がこれまで流してきた血の滲む努力が無駄になってしまう!」
長官が机を叩き、苦悶を押し殺した声で叫ぶ。
周囲の軍関係者も、呼応するように次々と強く頷いた。
だが、すぐに慎重派の閣僚が恐る恐る口を開く。
「しかしねえ……この戦力差では、とてもじゃないが勝算が……」
反論はもっともだった。
実際、開戦した場合火星側が圧倒的に不利なのは確かなのだ。
……だが、そのとき。
「――ご安心ください。勝算はあります」
突然響いた声が、会議室の不穏な空気を瞬く間に切り裂いた。
それは会議に招かれていた研究者の一人。
火星の科学力の源である“異星文明の戦闘艦”の解析チームを率いる主任研究者のものだった。
「勝算……だと!?」
「本当か!? それは一体……!」
ざわめく火星自治政府の閣僚たち。
主任研究者はかけていたメガネをキラリと光らせ、堂々と宣言する。
「我々、異星文明戦闘艦研究チームは……ついに未解明だった戦艦主機関——“コグダール機関”の解析に成功しました」
その報告に会議室が一瞬、どよめきに揺れた。
主任研究者はその反応を受け流し、さらに続ける。
「そして、つい先ほど、私の部下から新たな報告が入りました。この主機関から得られた技術を基に、我々の技術で新たに再設計した新型主機関——次元波動エンジンの開発に成功したそうです」
その報告は、火星の運命を根底から覆す“可能性”を示していた。
物量で勝てないのなら、質で圧倒するしかない。
それこそが、唯一といっていい火星側の勝ち筋だった。
かつての第一次内惑星戦争でも、そうやって火星自治政府は勝利を手にした。
だからこそ火星自治政府は、異星文明戦闘艦のリバースエンジニアリングにすべてを賭けていた。
そして、賭けに勝った。
最重要課題だった、主機関技術の解明。そして、得られた技術を基に挑んだ新型主機関の開発。
それは、人類が光の速度を超える技術を知り、生まれ育った恒星系の外に出ることさえ可能になったことを意味する成果だ。
これは、かつて中途半端な解析技術で作った戦闘艦などとは比較にならない技術的優位を火星側にもたらすことになった。
「ということは、艦首主砲や搭載されていた陽電子砲技術についても……」
「ええ、革新的な主機関のおかげで実用化の目途が立ちました」
この新主機関技術によるブレイクスルーによって、戦闘艦研究チームは搭載されていた陽電子砲や艦首主砲についての技術研究を大きく進展させていた。
特に異星文明戦闘艦の艦首主砲。またの名をボラー砲。決戦兵器となりうる波動砲類似兵器の実戦投入も視野に入っていた。
だが、ここで再び現実的な問題が浮かび上がる。
「……しかし、量産は不可能か」
配布された新型主機関や新兵器の概要をまとめた資料に目を通しながら、長官が低く唸る。
資料に記されている新型主機関及び最新兵器開発に必要なコスト。それは、火星自治政府にとって非常に厳しいものだった。
他の閣僚たちも苦い表情で頷く。
「火星の工業力と保有資源では、新型主機関も艦首主砲も……数隻作るのが限界だろう」
それでも、当初は絶望の色を帯びていた会議室の人々の目には、新たに希望の光が宿っていた。
「1~2隻でも構わん。火星の命運を託した“決戦兵器”として作ればいい」
その一言で、火星の運命が決まった。
こうして秘密裏に“新型戦闘艦”の建造が始まり、戦争末期に就役したその艦は、後に国連宇宙海軍を震え上がらせることになる。
その艦の名は——
『ドレッドノート』
かつて、イギリスで開発され、就役と同時に他の戦艦全てを旧式に貶めてしまった革新の象徴と同じ艦名だった。
☆☆☆☆☆
吾輩は、TS転生者である。
名前は
今どこにいるかというと、火星の極秘研究施設である。
そして目の前には、火星に漂着しボロボロに朽ち果てた異星文明の戦闘艦——火星自治政府が回収に成功した、ボラー連邦のクロトガ型標準戦艦が座している。
全長:320m
機関:コグダール機関
武装:
ボラー砲(丸型)×1
隠顕式四連装陽電子砲×4(艦前方部に2基、艦橋近部に1基、艦後方部に1基)
隠顕式三連装小型陽電子砲×12(両舷前方部に4基、両舷中央部に6基、艦橋基部に2基)
隠顕式二連装空間機銃×14(両舷前方部に4基、両舷中央部に4基、艦底部に6基)
後方対応兵器群×4
空間魚雷発射管×6
ラデツキー行進曲をbgmにしてデザリアムに瞬殺されていたこの戦艦だが、今の地球や火星の戦闘艦ではまるで歯が立たないであろうオーパーツ超戦艦である。
そんな超技術の塊のリバースエンジニアリングを僕は最近頑張っている。
火星で生まれて15年。
凡ミスポンコツ神から貰った才能チートが思っていた以上に優秀だったおかげで、僕は若くして研究者兼技術者として火星自治政府の最最重要機密に関わることが許された。
簡単に言うと、僕の才能チートは頭脳、身体能力共に人類最高峰……というか、ややオーバースペック気味にまで成長するというものだった。
インフィニット・ストラトスというライトノベルの登場人物である篠ノ之束みたいになれるチートというのが、一番わかりやすい例えなのかもしれない。
例えば、チート頭脳のおかげで火星の言語学者たちが束になっても解析できていなかったボラー連邦の言語の完全解読に成功した。
僕の才能を火星のお偉いさんたちに売り込むためにやってみたけど、英検五級より簡単だった。
結果、火星の上層部からは頼りにされるようになり、言語学者たちは僕のことを見るたびに発狂するようになった。
おかしい、TS転生した僕の見た目は発狂されるほど恐ろしくないと思うのに。可愛いのに。
他にも、チート身体能力のおかげで僕を拉致(あるいは暗殺)しようとしてきた地球側のスパイを返り討ちにすることができた。
空間騎兵隊用のパワードスーツみたいな装甲宇宙服で襲ってきた相手を、逆に素手で制圧した。
壁を垂直に駆け上がったり、乱射されたマシンガンを身体を捻って全部回避したり——アクション映画みたいな戦闘ができて楽しかった。
ただ、目撃者たちに“化け物”を見るような目で見られた。
おかしいなあ。
僕、見た目は可憐な美少女なのに。
それに、ジレル人とかイスカンダル人もなんか凄い感覚や能力持ってるらしいから、この宇宙の人型知的生命としては別におかしくないと思う。
とまあこのバグり散らかしたチートボディと原作知識のおかげで、僕はボラー艦の研究をたった数年で一気に進めることができた。
特に、未解明だった主機関コグダール機関や搭載されていた武装の技術解明。その研究で得ることができた情報技術を用いて火星独自で次元波動エンジンと波動砲を開発できる段階までいけたのは間違いなく僕の貢献あってこそだ。
そんな僕に、つい先日、火星自治政府から正式な命令が来た。
——得られた技術を結集し、決戦兵器となりうる新型戦艦を設計せよ……
まさに、僕の発明に火星の命運を託すというものだった。
よく無茶ぶりしてくるブラック上司のメガネ主任からも「お前ならできる! というか、上位異星文明の戦艦と同等以上の決戦兵器の設計なんて、お前以外は絶対無理だ……」というありがたいお言葉をいただいた。
一応、僕と違って原作知識も神様チートもなしに、ボラー連邦よりも遥かに高度文明のイスカンダルの宇宙船と主機関を解析しただけで地球製波動エンジンと波動砲を完成させた凄い技術者が地球にもいることを主任に教えてあげたけど、鼻で笑ってまるで信じて貰えなかった。げせぬ。真田さんは実在するのに……
とはいえ、任された以上全力を尽くすつもりだ。
これから僕が設定するのは、もちろん未来の傑作主力戦艦。
火星自治政府が切り札として、地球艦隊に大きな衝撃を与える兵器となり、そしていずれは地球の防衛を担う戦力の要になる艦。
主力戦艦『ドレッドノート』だ。
次元波動エンジンによる亜光速航行。
波動防壁による絶対防御。
陽電子衝撃砲による超高火力。
そして艦首に備えた波動砲による必殺の一撃。勿論収束・拡散切替え可能!
今の地球艦隊がこの戦艦を相手にするなら、“決戦兵器”どころか“理不尽の権化”としか思えない超戦艦だ。
……蹂躙されることが確定している地球艦隊には申し訳ない気持ちになる。
でも仕方がない。
これも全て、これからの地球人類の未来のためだ。
リメイク版で語られたように、二度にわたる内惑星戦争は……
——いつか訪れる異星文明との本番の戦争に向けた、人類同士の予行演習なのだから。
ただし、原作を知っている僕からすれば、この“予行演習”はあまりにも想定が甘すぎる。
なにせ、実際に起きる本番では……
相手に通常光学兵器は通用しない。
圧倒的に相手の方が物量が上。
ワープ航法で攻めてくる相手に、ワープなしで毎回戦力を展開して防衛しなければならない……という具合に、地球と火星の内惑星戦争がノーマルモードの戦争なら、これから経験することになるガミラスとの戦争はハードモードなんて生易しいレベルじゃない難易度ルナティックレベルの戦争に挑まなければならない。
おまけに、この戦争で生き残ることが出来ても、復興期間が一、二年あるかないかで白色彗星帝国のような同レベルの敵と連戦しなければならないというクソゲー仕様である。
だからこそ、まず地球側には“技術格差”という残酷な現実を早い段階で突きつける必要がある。
そして、もう一つ。
もし、ドレッドノートのような理不尽極まりない兵器を“敵”が投入してきたとき——
どう生き残るのか?
どう立て直すのか?
どう、最後まで諦めずに抗うのか?
その経験を、今のうちに積んでおいてもらわなければならないと思うからだ。
なぜかって?
白色彗星帝国とか、自動惑星ゴルバとか、重核子爆弾とか、ボラー連邦の惑星破壊ミサイルや機動要塞ゼスパーゼとか、ディンギルの惑星アクエリアス丸ごとワープとか、最悪古代アケーリアス文明産知的生命根絶兵器の“滅びの箱舟”とか……
次から次へと、地球の想定している脅威の一兆倍くらい絶望的な兵器が押し寄せてくる可能性が高いからである。
やっぱりヤマト宇宙の脅威度おかしいよ……
こいつらに比べたら、ドレッドノート一隻だけなんて、だいぶ良心的だと思う(白目)……
だから、今は心を鬼にしてでも地球側にこのヤマト宇宙の残酷な“現実”を叩き込むことにした。
次回『ドレッドノートショック』
ガトランティス人は人間じゃないクローンのまま? それともバグって蛮族化?
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愛など不要! クローンのまま
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愛……愛愛愛愛ぃー ヒャッハー蛮族化