宇宙戦艦ヤマト世界の元からヒャッハー宇宙で地球がこの先生き残るには……   作:親と兄姉の姿を見て立派に育った未子

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銀河大戦の幕開け

 

 

 

 

 ガルマン星を移住先として求めるガミラスからの提案に、ガルマン星をはじめ、天の川銀河の大半を支配する超大国――ボラー連邦は、最初から応じる気など欠片もなかった。

 

 理由は単純だ。

 

 ボラー連邦にとって、ガミラスという種族は、自らが家畜奴隷として管理しているガルマン人と同様の劣等民族だからだ。

 

 なのでガミラス側が複数の資源惑星との交換。さらに、交換が成立した場合には、地球連邦から惑星移送船を借りてガルマン星はボラー連邦の勢力圏の外へと責任をもって移送する旨を伝えられても鼻で笑って受け入れなかった。

 

 それでも、ガミラス民族存続のため、デスラーがガミラス代表として最後の交渉のためガルマン星へ赴き、ガルマン星総督ヴィルキ・ボローズと面会。

 

「貴方方ボラーにとって、このガルマン星は辺境に位置する資源惑星の一つ。失っても、腹は痛まぬはず……」

 

 ガルマン星の人々の信仰の拠り所である神殿内。

 集められたガルマン人たちの目の前で、デスラーはボローズに頭を下げる。

 

「どうかお力添えを願いたい。滅びに瀕したガミラス民族を救うために……どうか……」

 

 その場にいる誰もが息を呑む中、デスラーはさらに言葉を続けた。

 

「もし、この星を譲っていただけるならば」

 

 低く、しかし確かな声で、

 

「ガミラスはボラー連邦の盟友となろう。我々の技術、軍事、知識のすべてをもって、貴連邦の発展に寄与することを誓おう」

 

 そうデスラーは宣言した。

 

 実際、もしもガミラスとボラーが手を結ぶことができれば、現在滅びの方舟を粉砕して一強状態の天の川銀河オリオン腕方面にある軍事超大国に——ほんのわずかではあるが対抗できる可能性が生まれていた。

 

 しかしボローズはデスラーの嘆願を聞いても心動かされることはなく、ただ嘲笑を浮かべるだけだった。

 

「ボラー連邦永久管理機構は寛大である。ガミラスにも慈悲を与えよう。デスラー、その首輪を拾え」

 

 そして隷属を要求し、逆らえば毒を流し込む家畜奴隷用の首輪をデスラーの足元に放り投げた。

 

「盟友とは片腹痛い」

 

 ボローズは、神殿中に響く声で言い放つ。

 

「ガルマンの家畜共と同様に貴様等は命尽きるまでボラーの血肉として尽くせ」

 

 同時に。

 

 ガルマン星軌道上では、デスラーの乗ってきた超ゲルバデス級が、ガルマン星守備艦隊によって完全に包囲されていた。

 

「無礼は忘れてやる……拾え、首輪を」

 

 ボローズが冷たく告げる。

 

 すると、デスラーは、ゆっくりと顔を上げた。

 

「……ならば」

 

 低く、鋭く。デスラーはボローズに告げる。

 

「お前たちにくれてやるのは、恐怖だけだ」

 

 交渉決裂。ガミラスは即座にボラー連邦へ宣戦布告。

 

 直後にゲシュタムウォールを装備したドメル艦隊がガルマン星守備艦隊を瞬殺し、ガミラス艦隊がガルマン星を武力で制圧した。

 

 同時に、神殿内では。

 

 群衆の中に紛れ込んでいたガミラス親衛隊が戦闘を開始し、瞬く間にボローズらボラー連邦の政治将校たちを制圧した。

 

「兄弟たちよ」

 

 解放されたガルマン人たちを前に、デスラーが高らかに宣言する。

 

「長き忍従の時は終わった」

 

 神殿に、解放されたガルマン人たちの歓声が広がる。

 

「この先の歴史は――青い血、青い肌の者たちが、手を携えて築く!」

 

 その日、デスラーは宣言した。

 

 ガルマン・ガミラスの建国を。

 

 ガルマン人たちもデスラーを王と認め、ガミラスと共に歩む道を選んだ。

 

 かつてイスカンダルによって引き裂かれた二つの民族が——再び一つとなった瞬間だった。

 

 一方、ボローズを含むボラー連邦永久管理機構の政治将校たちは、皆ガルマン星から追放された。

 

 そして。

 

 この失態の責任を問われたボローズは、天の川銀河オリオン腕方面軍の辺境艦隊へと左遷された。

 

 

 

 

 ガルマン星制圧から、ほどなくして。

 

 ガミラス民族の大移住計画が本格的に始動した。

 

 亜空間ゲートが移設され、ガミラス本星とガルマン星を結ぶ新たな航路が開かれる。

 

 その航路を利用する最初の移民船団がガミラス本星から旅立った。

 

 移民船団は、地球連邦が時間断層を用いて大量生産した巨大都市型移民居住船で構成されている。

 

 移民船団に乗せられた人々はガミラス本星から、新たな故郷――ガルマン星へと向かう。

 

 中には遠ざかる母星を見つめながら、涙を流す者もいた。

 

 そして到着したガルマン星では、解放されたガルマン人たちがガミラス人を快く迎え入れていた。

 

 同じ青い血。同じ言語を話す、遠い過去にイスカンダルの手で分かたれた、兄弟たちの再会。

 

 巨大都市型移民居住船が着陸するたびに、ガルマン星に新しい大都市が生まれていく。

 

 ガミラス人とガルマン人たちの手でガルマン星の開拓も順調に進んでいた。

 

 そしてついに、ガミラス人とガルマン人はイスカンダルの遺した遺産の発掘にも成功した。

 

 

 

 一方、ガルマン星を奪われたボラー連邦は、ガルマン星の奪還に苦慮していた。

 

 理由は明白だった。

 

 ガトランティス戦役の混乱の中で脱走した、無数のガトランティス艦隊。

 

 広大なボラー連邦領内へと雪崩れ込んできて、星間交易路を襲い、辺境惑星を略奪し、ボラー連邦軍の補給線を寸断している宇宙海賊たちへの対処に戦力の大半を投入しているからだ。

 

 さらに厄介なことに、ただの宇宙海賊から、ボラー連邦の圧政に不満を抱く独立勢力と結び、「解放軍の傭兵」として雇われるようになったガトランティスの大規模艦隊が複数現れ始めていた。

 

 そのため、ボラー連邦永久管理機構としては、ガミラスに奪われたガルマン星奪還よりも、まず宇宙海賊ガトランティスのせいで混乱中の国内の秩序回復こそが最優先課題だった。

 

 

 

 そんなボラー連邦にとって厳しい情勢の中で、辺境に左遷されたボローズは小規模な艦隊を率いて宇宙海賊狩りの任務についていた。

 

 ボローズはガルマン星総督という栄誉ある地位を失ってから、ガミラスへの恨みを拗らせて情緒不安定になっており、任務中でありながら艦橋で深酒を呷り、部下のレバルスに愚痴をこぼすという痴態を晒す日々を送っていた。

 

 だがある日、海賊化しているガトランティス艦隊の拠点を捜索していたボローズ艦隊は地球連邦の領宙を侵犯してしまう。

 

 これに、地球連邦国境守備艦隊が即応。

 

 ボローズ艦隊の進路を遮り、通信で警告を発した。

 

 ——ボラー連邦の言語で。

 

 ボローズは何故ボラー語を知っているのか地球側に問い詰める。

 

 すると地球側は漂着していたボラー艦から学んだことを告白。

 

 これを聞いたボローズの脳内で、辺境の劣等民族がワープできる宇宙船を持っている理由=我々ボラーの艦を勝手に漁って技術を盗んで発展した、という図式が完成。

 

 任務中なのに深酒をして判断能力が鈍っていたボローズと、何か手柄を挙げて中央に返り咲こうと功を焦った部下のレバルスは、さっそくボラー連邦から技術を盗んだおかげで多少発展した劣等民族への恫喝外交を開始した。

 

 流石はヤマト宇宙ではまだマシな方の星間国家として有名なボラー連邦。

 

 ほぼ会話も成立しなかったガミラスやガトランティスとのワーストコンタクトに比べたら、遥かにマシなワーストコンタクトだった。

 

 それでもボローズはボラー連邦の圧倒的国力と武力を誇示して恫喝。さらには、ブロル・ボラーナ型惑星破壊ミサイルの存在をちらつかせる脅迫的な外交姿勢に、総司令部から中継で会談内容を見守っていた地球連邦政府強硬派やその筆頭である芹沢が大激怒。

 

 ボラー連邦との最初の交渉は当然のように決裂した。

 

 ボローズはこの結果にとても不満そうにしており、後悔することになるぞ、と脅すような捨て台詞を残して一度艦隊を退却させた。

 

 もちろん失態を隠蔽するため、今回の件に関する本国への報告も非常に杜撰なものになった。

 

 だが、このボローズの対応は地球連邦政府の対ボラー連邦への外交方針を決定づける出来事だった。

 

 地球がボラー連邦相手にここまで強硬姿勢を見せていたのには理由があった。

 

 ガミラス、ガトランティス戦役。

 

 今でこそ和解したが、いずれも最悪の接触から始まり二連続の戦争にまで発展した過去の経験。

 

 この経験から、地球連邦政府は悟った。

 

 この宇宙では、対話は力を示して初めて成立する、と。

 

 野蛮な要求を突きつけてくる相手には、まず一度、圧倒的な力をもって徹底的に叩き潰す覚悟を示さなければ交渉の席にすら着けない。

 

 ガミラス、ガトランティス戦役を通してこの宇宙の()()()()()()()()を学んだ地球連邦は、すっかりこの宇宙の過激で野蛮な星間外交にも適応していた。

 

 また、仮想敵国筆頭のボラー連邦領内には既に幾度となく新型ステルス次元潜航艦を偵察任務に派遣していた。

 

 当然、海賊化したガトランティスに苦しめられているボラー連邦の国内情勢やガルマン・ガミラスと戦争しているボラー連邦の軍事力についてかなり詳細な情報を得ていた。

 

 そしてパラドックス級超巨大戦艦を保有するに至った今の地球連邦艦隊の戦力があれば、内外に敵を抱えているボラー連邦相手にはほぼ確実に勝てるという分析結果が出ていた。

 

 さらに、ボラー連邦は現在ガルマン・ガミラスと戦争中であり、おまけに地球連邦に対してボラー連邦が宣戦布告をした場合、即座に地球から各種支援を受けている新政ガトランティスが恩に報いるため地球側で参戦することを新大帝ミルが確約していた。

 

 そうなれば、内外を敵に囲まれたボラー連邦はいくら超大国といえど敗北は免れないだろう。

 

 またガミラス大使改めガルマン・ガミラス大使に就任したバレル大使にとっても、圧倒的戦力を有する軍事超大国地球連邦が対ボラー戦に参戦してくれれば勝利が確定したようなものである。

 

 早速バレル大使は、ボラー連邦がガルマン星で行っていた非道な管理の実態や、事実上のガミラス代表であるデスラーに首輪を投げつけたボラー連邦の野蛮な外交姿勢を地球連邦市民に喧伝する広報活動を開始した。さらに、大軍拡の大義名分になるとして、大軍拡派がこれに同調。

 

 そして、ガルマン星が関わっているため、普段はあまり戦争にいい顔をしないユリーシャも沈黙を貫いた。

 

 結果、上層部も世論も対ボラー戦争を容認する姿勢を見せ、ボラー連邦との開戦は一気に秒読みの段階に入った。

 

 そしてガルマン・ガミラスの同盟国に圧力をかける目的でボラー連邦艦隊が国境侵犯を繰り返す事案が多発。

 

 地球連邦艦隊は即座に威嚇射撃と共に最終警告を実施。

 

 ボラー連邦側はまさか辺境の劣等民族の勢力である地球連邦が、超大国であるボラーとの戦争も辞さない強気の態度を見せたのは完全に予想外のことだった。

 

 結果、地球連邦艦隊とボラー連邦艦隊との間に偶発的な戦闘が発生し、そのまま開戦に至ってしまった。

 

 西暦2204年。地球連邦政府はボラー連邦に宣戦布告。

 

 地球連邦軍は太陽系各地にワープ阻害フィールドを展開可能な艦隊を集結させ、コスモエレメントミサイルの標的をボラー本星とボラー連邦の主要惑星へと設定。ボラー連邦が惑星破壊ミサイルを使用した場合即座に報復することを宣言。

 

 これに同調して大帝ミル率いる新政ガトランティスも支援を受けている地球への連帯を示しボラー連邦へと宣戦布告。さらに、安全保障を結んでいた各国も、地球連邦、ガルマン・ガミラス、新政ガトランティス連合軍を相手にボラー連邦が勝てる訳がないと判断。安全保障条約に基づいてボラー連邦に宣戦布告した。

 

 地球連邦は軍縮を中断。火星、金星時間断層を用いてパラドックス級を含めた各種艦艇の増産を決定。

 

 さらに直接ボラー連邦と対峙しているガルマン・ガミラスに火星時間断層の一部使用権を与え、波動防壁(ゲシュ=タムウォール)搭載型ガミラス艦艇の大規模レンドリース(武器貸与)等を開始。バレル大使とガルマン・ガミラス新総統デスラーは神の加護は我らと共にあると大喜びした。

 

 幸い、地球はガミラスの大移住特需で好景気を迎えて国力が増強されていたため、多少は軍拡の余裕があった。

 

 一方、国境を挟んで対峙するようになった地球連邦艦隊とボラー連邦艦隊による国境紛争は初期には回数も少なく規模も小さかったのが、次第に頻発・大規模化。

 

 ついには、地球連邦軍が対ボラー戦線にパラドックス級三番艦レクイエムを旗艦とする第三殲滅打撃群の派遣を決定。

 

 後の歴史家によると、天の川銀河における覇権国だった超大国ボラー連邦の凋落は、元ガルマン星総督ヴィルキ・ボローズのガミラス、地球連邦に対する最悪な外交無双から始まったという説が最有力だそうだ。

 

 

 





デザリアム「我々が領宙侵犯を繰り返すボラー連邦から地球を守ります!」

軍事超大国地球連邦「ボラー連邦? あいつらならとっくに俺たちの手で叩き潰したよ!」

デザリアム「ええ……タイムラインと全然違う……」

次回『星間国家会議』

西暦2205年。
ガミラスの移住支援や対ボラー戦争での波動砲使用について話し合う星間国家会議の開催が決定!

その場所は——イスカンダルの王都イスク・サン・アリア……

ガトランティス人は人間じゃないクローンのまま? それともバグって蛮族化?

  • 愛など不要! クローンのまま
  • 愛……愛愛愛愛ぃー ヒャッハー蛮族化
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