宇宙戦艦ヤマト世界の元からヒャッハー宇宙で地球がこの先生き残るには…… 作:親と兄姉の姿を見て立派に育った未子
時は少し遡り火星宇宙海軍残存艦隊にて。
「……総員、戦闘配置」
火星宇宙海軍司令長官の低く重い号令が、艦隊旗艦ドレッドノート艦橋に緊張をもたらす。
ついに、国連宇宙海軍の火星制圧艦隊が“絶対防衛ライン”に到達したのだ。
火星の命運を賭けた最終決戦が、静かに幕を開ける。
「敵艦隊、絶対防衛ラインへ進入!」
オペレーターの報告と同時に、艦橋正面の大型モニターには地球艦隊の雄姿が映し出される。
整然と並ぶ最新鋭艦群。
艦体に傷一つない大艦隊が、圧倒的な国力差を象徴するかのようにこちらに向かって迫って来ている。
対して火星側は、老朽艦・応急修理艦・増設武装だらけの輸送艦……まともに戦える艦などほとんどない。
火星艦隊の各艦から、絶望に満ちた声が漏れる。
「今の火星の戦力じゃ……とても……!」
その光景を黙って見つめていた長官は、ゆっくりと立ち上がる。
「……ならば、こちらも切り札を切るしかあるまい」
その視線は、艦首前方——まだ一度も使用されたことのない未知の兵器である波動砲へ向けられていた。
「——波動砲、発射用意」
静かに、しかし確実に戦局を変えるであろう命令を長官は下した。
副官がすぐさま声をあげる。
「長官! 波動砲の威力は未知数です! いきなり実戦投入するには……あまりにもリスクが高すぎます!」
ドレッドノートには波動防壁、陽電子衝撃砲、新型魚雷など、既に実証実験が終了している通常戦闘でも地球艦艇を圧倒できる武装がそろっている。
未検証兵器である波動砲を使わなくても、ある程度の戦果は望めた。
それでも――
「これは火星自治政府の決定だ」
長官は目を閉じ、小さく息を吐いた。
「“まずは波動砲の性能を確かめよ”——かの天才明井里愛朱殿が設計した兵器だから、と政府上層部は完全にこの兵器の性能を信じ込んでいるようだ」
副官は困惑と不安を隠しきれない。
波動砲は異星文明の技術を基にした、まさに“未知の力”。
暴走の危険も、艦体への負荷も、想定外のリスクも多すぎる。
それでも。
「例え、異星文明の技術由来の未知の兵器の力であろうとも、今はこの兵器の力を信じて頼るしかない」
長官が命令を撤回することはなかった。
「波動砲への回路を開け」
「了解! 回路開きます!!」
乗組員と管制AIが指示を実行に移す。
「安全装置解除」
長官の前に、波動砲管制用のターゲットスコープがせり上がってきた。
ヤマトでは戦術長の役割だったが、今回はまだ検証段階の兵器であるため、最終決断は長官自身に委ねられていた。
「目標、敵地球艦隊。収束波動砲から拡散波動砲へ」
敵へと狙いを定め、放つ波動砲の選択が完了する。
「発射十秒前、対ショック、対閃光防御っ!」
艦内が緊迫した空気で満たされる。
「九、八!」
波動エンジンが唸りをあげ、艦体が微振動を起こす。
「七、六……!」
長官はスコープ越しに、整然と迫る地球艦隊を見据えた。
「五、四、三……!」
敵艦隊がついに射程圏内に入る。
「二、一――」
そしてついに、
「――波動砲、発射ッ!!」
人類初となる波動砲による攻撃が行われた。
艦首から放たれた強烈な白と青の波動が、回転する螺旋の光輪を形成しながら宇宙空間を突き進む。
「な……なんだあれは……!」
そして地球艦隊目前で。
青白い花弁のような光が咲いた。
「……きれい……」
艦橋スクリーンの映像を見て、思わず誰かが呟いたほどだった。
ほんの一瞬だけ……宇宙に咲いたその拡散波動砲の花火は美しかった。
だが、すぐに。
花弁のような光がほどけ、数え切れないほどの小さな光片となって雨のように敵艦隊へ降り注いでいく。
「敵艦隊中央部——反応消失! 前衛艦……第二艦列……後衛艦まで! 敵全艦……消滅!!」
報告は悲鳴に近かった。
美しさは一転、悍ましい破壊の光景に変わった。
村雨型宇宙巡洋艦が、金剛型宇宙戦艦が……光に穿たれて爆散する。
高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処する暇もなく……まるで蝋燭の火が灯り消えていくように、爆沈していく地球艦隊。
やがて、光が収まると……
モニターには、先ほどまで整然と並んでいた地球艦隊の姿が——なかった。
あるのは、原型を残していない無数の残骸と、敵艦消失の表示だけ。
この圧倒的戦果に、副官は呆然とした声を漏らした。
「……たった、一撃で……? あの大艦隊が……?」
長官もまた、言葉を失っていた。
「……なんという……これが……波動砲……」
その手は震えていた。
怒りでも、歓喜でもない。
ただ——実際に目の当たりにした“力”のあまりの異様さに、戦慄したのだ。
(このような兵器が……異星文明では……当然のように運用されているのか……!?)
波動砲の威力は、長官の想定を遥かに上回るものだった。
また、この戦闘の様子は、地球、火星側双方の観測船によって記録されていた。
そして、波動砲を放ったドレッドノートの戦果は、両政府の外交姿勢に多大な影響をもたらすことになった。
☆☆☆☆☆
吾輩はTS転生者である。
名前は明井里愛朱。
今どこでなにをしているかというと、火星宇宙海軍の宇宙港で新型艦の進水式に参加している。
今日の主役は二隻の姉妹艦。
ドレッドノート改フォボス級戦闘空母
全長:295m
全幅:77m
全高:98m
機関
主機:次元波動エンジン×1基
補機:ケルビンインパルスエンジン×3基
武装
次元波動爆縮放射機(波動砲)×1門(艦首)
30.5センチ三連装収束圧縮型衝撃波砲塔(改良ショックカノン)×2基(前甲板)
12.5センチ連装陽電子衝撃砲塔×2基(両舷)
六連大型エネルギー砲×1基(艦橋の天辺)
二連装対空パルスレーザー砲塔
艦橋両舷×2基
艦尾両舷×2基(艦橋のものより大型)
三連装対空パルスレーザー砲塔
艦橋両舷×2基
飛行甲板の両脇×4基(艦橋のものより小型)
拡散型三連装対空パルスレーザー砲塔×2基(艦尾両舷)
四連装魚雷発射管
爆雷発射機
近接戦闘用四連装側方光線投射砲(左舷)
近接戦闘用六連装側方光線投射砲(右舷)
四連装対艦グレネード投射機×2基
魚雷発射機×4門(艦首両舷各2)
小型魚雷発射管×7門(右舷4、左舷3)
八連装ミサイル発射機×2基(両舷)
単魚雷発射管×9門(右舷6、左舷3)
三連装魚雷発射管×2基(艦底)
ミサイル発射管×8門(艦底)
特殊装備:瞬間物質移送器
ドレッドノート改ダイモス級補給母艦
全長:278m
主機:次元波動エンジン×1基
補機
ケルビンインパルスエンジン・2軸ノズル×2基(艦尾複合ノズル)
ケルビンインパルスエンジン・3軸ノズル×1基(艦尾複合ノズル)
ケルビンインパルスエンジン・4軸ノズル×1基(艦底複合ノズル)
武装
30.5センチ三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×2基
六連装大型エネルギー砲(司令塔頭頂部)
四連装対艦グレネード投射機×2基(艦首両舷)
小型魚雷発射管×4門(艦首両舷)
中型魚雷発射管×8門(艦首両舷)
ミサイル発射管×8門(艦底)
短魚雷発射管×12門(両舷)
多連装ミサイル発射機×12基(両舷)
司令塔防護ショックフィールド砲×3基(司令塔前部および基部)
近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基(司令塔基部)
対空パルスレーザー砲塔×4基(司令塔および基部)
拡散型対空パルスレーザー砲塔×3基(司令塔基部および後方)
拡散型対空パルスレーザー砲塔×2基(艦尾両舷)
多目的ランチャー×6門(両舷)
波動防壁弾(四式波動防壁展開弾)
特殊装備:波動共鳴導波装置
一番艦のドレッドノートが大活躍したことで建造が急がれた姉妹艦たち。どちらも僕が設計した艦だ。
せっかくだから2205の多目的護衛艦ヒュウガとアスカのようなコンセプトで作ってみた。名前は火星の衛星由来だ。
ただ、ヒュウガに相当するフォボスには、せっかくだから片手間で作った瞬間物質移送器を付けておいた。
この二隻にドレッドノートを加えた三隻でこれから地球艦隊相手に戦っていくことになる。
進水式の華やかさとは裏腹に、現在の火星宇宙海軍の実情は悲惨である。
主力艦隊は現在ほぼ壊滅状態。
新規艦の建造リソースは全部ドレッドノート級に使っているから、今火星宇宙海軍には応急処置で繋ぎとめているごく少数の残存艦しか残っていない。
まあそれでも、ドレッドノート+フォボス+ダイモスの三隻があれば、今の地球艦隊相手なら勝てるだろう。
それも圧倒的に、である。
ワープで地球軌道上を急襲。軌道上の防衛艦隊を蹴散らして地球に波動砲をチラつかせれば、それで戦争が終わるだろう。
戦いは数だよ兄貴! というけれど、それは途方もない技術格差がなかったらの話だ。
「凄まじいな……君の設計した艦は……」
進水式の観覧席で、二隻が飛び立つ様子を眺めていると、突然隣の席のブラックメガネ主任が深い溜息を漏らした。
主任の声は喜び半分、不安半分だった。
「なあ明井くん……太陽系の外では……この宇宙では、ドレッドノートやフォボス、ダイモスのような戦闘艦同士が……今も戦争を繰り広げているのだろうか……?」
ふと、主任が質問を投げかけてきた。
「少なくとも、火星の軍事技術の元になったボラー連邦は、ドレッドノート級より少し劣る程度の戦闘力を有するクロトガ型のような戦闘艦を“万単位”で運用してると思いますよ」
僕の言葉に、主任は顔を伏せた。
「そうか……恐ろしいな……異星人は……」
主任は震えていた。
異星文明の技術に。
そして異星人そのものに。
「もしもボラーが攻めてきたら……私たち火星人も地球人も……あっという間におしまいだな」
「大丈夫ですよ主任! これから波動砲艦を一万隻ぐらい建造して、波動砲艦隊で太陽系を護りましょう!」
「はは……火星の国力でそんなに作れるわけないだろう……」
僕の軽口でも、主任の顔の曇りは晴れなかった。
とはいえ、主任の不安は正しい。
確かに、今の火星と地球側ほどの技術格差があれば、物量を質だけで圧倒できる。
けれど、これがガミラスやボラーなどの強力な星間文明相手となるとそうはいかない。
技術力に殆ど差がないからだ。
結局、数隻の波動砲艦で抵抗しても、物量で圧倒されておしまいである。
最低でも、地球の物量と、火星の技術。その両方がなければ太陽系は守れない。
いや、やっぱり、それでも厳しいかな。
リメイク版の地球復興の要。
時間断層でもない限り、ガミラスやボラーのような強力な星間文明と並ぶ力を得るには……
まだ、あまりにも遠い。
次回『地球でクーデター騒ぎが起きましたが、無事に第二次内惑星戦争が終結しました』
ガトランティス人は人間じゃないクローンのまま? それともバグって蛮族化?
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愛など不要! クローンのまま
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愛……愛愛愛愛ぃー ヒャッハー蛮族化