宇宙戦艦ヤマト世界の元からヒャッハー宇宙で地球がこの先生き残るには…… 作:親と兄姉の姿を見て立派に育った未子
西暦2186年
第二次内惑星戦争終戦から三年。
ついに、地球(国連)と火星自治政府の統合政府である地球連邦政府が正式に樹立された。
発足までの道のりは決して平坦ではなかった。
イオクの反乱や、地球・火星双方の政治的駆け引きや主導権争いなどさまざまな問題が発生した。
特に、地球・火星双方の一般民衆に対して、つい先日まで戦争をしていた相手との突然の統合についてどう説明するかが最大の課題だった。
実際、今回の統合政府構想には、地球・火星双方の一般市民から多様な賛否が巻き起こり、連日ネットやメディアも大騒ぎだった。
そこで地球・火星両政府は、すべてを吹き飛ばす“爆弾情報”の公開を決定した。
「火星にて高度な異星文明の痕跡を発見」
地球・火星両政府が、それまで非公式に扱ってきた“異星文明の存在”について、ついに公式に認めたのである。
また、新統合政府についても、「きたる高度異星文明との接触に備える必要があるからだ」と説明。
これらの情報が公開されたその瞬間……
情勢は一変した。
統合政府がどうとか、地球と火星の政治的主導権がどっちだとか……そんなことよりも、異星文明や異星人に対する議論の方が活発化し始めた。
反応はさまざまだった。
ある者は喜んだ。
この無限に広がる宇宙の中で、人類は、この宇宙で独りぼっちではなかったのだ、と。そして異星人との友好に期待し始めた。
ある者は恐れを抱いた。
もしもSF映画のように、異星人が地球に攻めてきたら、と。そして侵略されないように地球の軍拡を望んだ。
また、ある者は賢者のような状態で悟りながら思った。
異星人が美少女だったらいいなあ……と。そしてひそかにTo LOVEる展開を期待していた。
こうして、人々は宇宙への関心を高め、異星文明との接触の準備は一気に加速した。
地球連邦政府樹立記念式典当日。
「全世界のみなさん! 私は地球連邦政府初代大統領です!」
全世界、そして宇宙にまで中継された地球連邦政府の樹立を記念した式典では、太陽系の全市民投票で選ばれた初代大統領が高らかに演説した。
「本日、私たちはついに——宇宙での対立を乗り越えて、統一政府として歩き出す日を迎えました!」
大統領は地球と火星自治政府が手を取り合ったことへの喜びを語り、人類史上初の“統一政府”の誕生を誇らしげに宣言した。
「地球連邦政府は——皆さまもご存じの通り、この宇宙の隣人たちと向き合うために設立されました」
その言葉に、会場が静まり返る。
「火星にて確認された高度な文明の痕跡。この歴史的な発見により、宇宙には、私たち人類と同じ知的生命体が存在することが、もはや疑いようのない事実となりました」
ざわめきが漏れ、大統領はそれを手で抑えるようにしながら続けた。
「これは喜ばしい発見です。しかし同時に、私たちは……未知なる隣人に備えねばなりません」
そして——何より重要なのは、
異星文明との接触にどう備えるか。
「もちろん、私たちは未知なる隣人との友好を望みます。しかし同時に、異星文明が……もしも侵略的な文明であったならば……」
会場が静まり返る。
「……ですが、心配には及びません。すでに、我々地球連邦政府は地球・火星両軍の技術を結集して備えを進めています!」
大統領が指差した先、空を裂くように巨大な影がゆっくりと雲を抜けて現れる。
それは、二連装波動砲が並ぶ巨大な鋼鉄の戦艦だった。
地球と火星の共同開発によって建造が実現した、地球連邦艦隊の新たな旗艦。
地球連邦艦隊総旗艦アンドロメダ級前衛武装宇宙艦一番艦——戦艦『アンドロメダ』。
異星文明の脅威から地球人類を守護する、巨大で頼もしい宇宙戦艦の勇姿に、式典に参加していた観衆は一斉に歓声を上げた。
☆☆☆☆☆
吾輩はTS転生者である。
名前は明井里愛朱。
今は地球の技術者たちと一緒に新兵器開発に努めている。
そんな僕たち火星、地球合同技術班が初めて設計し、建造に携わった艦。
その一隻目が、今まさに地球連邦政府樹立記念式典の上空を悠然と飛行している。
式典会場の中継映像に映るその雄姿を見ていると、胸の奥がじんわり熱くなる。
火星と地球の宇宙海軍が統合し誕生した“連邦艦隊”を象徴する、新たな旗艦。
上層部から突きつけられた要求である「ドレッドノート級を超える性能の超弩級戦艦を作れ」という無茶ぶりを、僕たちはついに実現させた。
前衛武装宇宙戦艦『アンドロメダ』
全長:444m
乗員:200名
機関
主機『次元波動エンジン』×1基
補助機『ケルビンインパルスエンジン』×4基
兵装
連装次元波動爆縮放射器×1式
40.6cm三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×4基
速射魚雷発射管×4門
重力子スプレッド発射機×4基
四連装対艦グレネード投射機×2基
小型魚雷発射管×8門
亜空間魚雷発射機×4基
短魚雷発射管×16門
多連装ミサイル発射機×16基
ミサイル発射管×10門
司令塔防護ショックフィールド砲×3基
近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基
対空パルスレーザー砲塔×4基
拡散型対空パルスレーザー砲塔×1基
西暦2191年までに計五隻建造予定。
内二隻は空母への改装が計画されている。
このアンドロメダの勇姿は、僕が発明した電波を空間転移させる超広域通信システムによって、ほぼタイムラグなしに太陽系全土に中継されているはずだ。
ああ……アンドロメダ……かっこいいよお……
なんて完璧で、なんて凛々しくて、なんてロマンの塊なんだ……!
「明井くん、いつまでトリップしてるんだい……」
ここでも同僚になった、火星時代の上司のメガネ主任が呆れたような視線を向けてくる。
主任よ、あなたにはわかるまい。
前世で宇宙戦艦ヤマトを見ていた人間が、実際にアンドロメダの設計に関わり、そして実際に飛んでいる立派な勇姿を見せてくれた時の……この感動の震えがっ!!
おのれ白色彗星帝国め。
敵がお前のような作中最強クラスのクソチート巨大移動天体か滅びの方舟でさえなければ、アンドロメダはもっと、もっと活躍出来たのに……!
「そういえば、明井くんが開発していた例のアンドロイド型自律管制AIは結局乗せられたの?」
「ダメでした……お偉方にはメンタルモデルの素晴らしさがまるで伝わらなかったとです……」
ただ、僕が乗せたかった自律管制制御AIを却下されたのは納得がいかない!
「ですが主任、僕は諦めませんよ。銀河規模の星間文明に比べて人的資源に乏しい人類には、それを補うクローンやアンドロイドの存在がいずれ必要不可欠になるのです!」
「それなら、地球の人たちが開発を目指しているアナライザーでも十分……」
「はあ……いいですか、主任。アナライザーのようなマスコット系ロボットも悪くはないですが、やはり暗く、寂しい宇宙でクルーの精神を支えるのは……美少女アンドロイドの方が百倍いいんですよ!」
主任は呆れ顔だが、僕は諦めない。
次こそは——
次に建造予定の次元潜航艦には、絶対に僕が開発した美少女アンドロイド型自律管制制御AI——"メンタルモデル"を搭載してみせる!
次回『美少女アンドロイド型自律管制制御AIと、ついでに次元潜航艦を作りました
ガトランティス人は人間じゃないクローンのまま? それともバグって蛮族化?
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愛など不要! クローンのまま
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愛……愛愛愛愛ぃー ヒャッハー蛮族化