陰の協力者になりたくて! 作:ペーパーはおいしい
「――今宵世界が、我らの名を知るだろう」
我らの主、シャドウ様が美しき黒コートを靡かせてそう言った。
あぁ!なんて美しいんでしょう!
そのままシャドウ様は張り付いていた騎士団の有象無象を一撃で切り刻まれた。
「明日には全て終わっている」
その、シャドウ様の技術と発言のいかに素晴らしい事か。
シャドウ様がコツコツとブーツを鳴らすと同時、各所から轟音が響いた。
「……デルタか」
シャドウ様がそう呟く。
そう、この轟音こそ合図。
私達の、そしてシャドウガーデンの。
■ ■
アレクシアが鎖を鍵で解き、剣を手にしてから水道脇の通路へと出た。
どのように逃げようかと悩んでいると、不愉快な声が耳に入った。
「勝手に逃げられたら困るね」
アレクシア・ミドガルは忌々し気にゼノン・グリフィを睨む。
「やっぱり胡散臭いと思ってたの」
恨み言を呟くが、ゼノンは何吹く風とばかりにアレクシアを煽り立てる。
遂にはアレクシアが一瞬にして剣を抜き、切りかかった。
だが、ゼノンが余裕でいつの間にか引き抜いていた剣でそれを受けた。
「――だが所詮は凡人の剣」
「だったら凡人の剣かどうか、試してみなさいよ!!」
アレクシアがそう叫ぶと同時、彼女の体から魔力が噴き出す。
その勢いに押され、ゼノンは驚いたように距離を取った。
「まさか、姉上の真似事とはね」
「はああああぁぁぁ!!」
驚くゼノンを傍らに、アレクシアが再び切りかかる。
再び散る火花。
だが忘れてはいけない。ゼノンは一応ミドガル王国屈指の実力者なのである。
気づけばアレクシアは剣を弾かれ、水道に這いつくばっていた。
「さて、付いてきて貰うよ」
ゼノンが呆れたような表情のまま、そう言った時だった。
突如、通路の奥から足音が響いた。
コツコツ。
気づいたゼノンがその方を見る。
すると、影から一人の男が出てきた。
漆黒のコートを纏い、優雅に歩いてきた。
「……そうか、貴様が最近教団に噛みつく野良犬か」
男は、それに答えるように、静かに、そして重い声で言った。
「―――――我が名はシャドウ。陰に潜み、影を狩る者」
しかし、それと同時だった。
反対の通路からもう一人の人物が現れた。
同じく漆黒のコートを羽織った少女。
藍色のショートカットが靡く。
その少女は、アルトの声で言った。
「―――――我が名はアンブラ。陰に顕れ、影を狩る者」
似た発言に、真ん中に立つ
深紅と深紅の瞳が交差する。
「「貴様、何者だ?」」
我らがシャドウさん。
(誰だあいつ!僕の登場シーンを遮って僕より実力者してるじゃないか!!)
我らがオリ主さん。
(誰だよあいつ!!僕より実力者っぽい雰囲気纏ってるじゃないか!!)
おや?どうやら二人は似たモノどうしのようだ。