あれから一年…翔陽は身長が160センチ近くなった。まぁまだクラスでも下の方なんだけども…これ言うとキレてくるのがまだまだ子供の証拠だと言うのに
それに槙島さんや城戸さんのおかげでレシーブやトス、スパイクなど色んなことが平均的にまで出来るようなったのである。ことスパイクにおいてはその類稀なる跳躍力で310センチオーバーの跳躍を見せボールを打ち切ることが出来るようになった
大会には未だ人数不足で出たことないけど中堅クラスなら打ち抜けるくらいの力量はあるだろう
俺に関して言えば身長が1メートル80オーバーになったしフィジカルが出来上がってきたことで遥かに安定感が増し大学生相手にも点を取れるようになってきた。コーチ曰く俺の武器は父親譲りのパワーとバネ、それに左の強打からくり出されるスパイクサーブらしく、まだ大会に出たことないので実感はないがおそらく中学で止めれる奴はいないレベルらしい。
去年全中に出てた同じ宮城県にいる牛島?とかそれこそ東京都の佐久早なら対抗できるかも知れないとかなんとか…
雪ヶ丘中学のバレー部にも1人だが後輩が入ってきて今では翔陽も立派に先輩をしているのである。
あ、ちなみにキャプテンは俺で副キャプテンが翔陽ね
本当はキャプテンは翔陽がやりたがってたんだけどそれをみてた女子バレー部の皆さんとコーチ、それに後輩たちの票で俺になってしまったわけである
さ、今年も頑張るぞ〜!
●中学3年生 原作開始
とかなんとか言ったら間にもう中学も残すところあと一年…最高学年になっちまったよ。そう言えば去年のクリスマスに東京まで行ってアリサさんに無事告白して晴れてカップルになりました!ってのは置いといて
今年も部員が2人入って今では部員が6人もいる大所帯(笑)のバレー部ですが人数の関係で助っ人をお借りし晴れて初の公式戦に出場出来ることになったのである…
いざ大会当日
ードタドタドタドター
「翔ちゃん待ってよぉ〜」
走る翔陽を追いかけるのはバスケ部から助っ人に来てくれたイズミンこと泉行高くんとサッカー部から助っ人に来てくれたコージこと関向幸治くんである
「うわぁ〜デケェ〜」
体育館に入った翔陽は大きく息を吸い込み
「エアーサロンパスの匂い!」
「翔ちゃんちょっと緊張しすぎじゃ無い?」「お上りさんかよ!」
「だってちゃんとした大会初めてだから!3年目にしてやっとぉ〜」
「本当よく出場までこぎつけたな」
「あれ?てかリオは?」
「あぁ…リオは例の彼女さんと電話しに行ってるよ」
「「「先輩羨ましいっす」」」
体育館ではあらゆる学校の選手たちがアップを開始していた
「イズミンもコージも助っ人に来てくれてありがとう!」
「やめろ!」「俺たちひと足先に大会終わっちゃったしね」
「一年生も二年生もありがとう〜3人もいるなんて奇跡だよ〜」
泣き喚きながら歓喜する日向の後ろに…
「何泣いてんだ?翔陽?」
「!?泣いてない!」
「でも超涙目だよ!」
「あ、あのリオ先輩!そろそろアップとったほうが…」
「お、そうだな。とりあえず行くか!うし行くぞ!」
「やっぱ翔ちゃんよりリオの方がキャプテンっぽいね」「身長倍くらい違うんじゃないの?」
「うるさいやい!」
「てかさ相手の北川第一ってどうなの?」
「わかんねぇけど…大学生の知り合いの人が言うには…"優勝候補"って奴らしいぞ?」
「「「優勝候補!?」」」
「おい翔陽後ろ!」
コージが刺した言葉の先には翔陽の後ろの扉から今大会の俺たちの初戦の相手である北川第一の面々が現れたのだった。チームの平均身長1メートル80センチ以上…全員がジュニアクラブチーム上がりのエリート連中であり目下10年間県内ではベスト8以上を毎年のように叩き出してる文句なしの優勝候補である。普通の中学生ならそのオーラと威圧感に萎縮し道を開けてしまうものである
ーーがーー
ここにはもう1人その優勝候補と同等…いやそれ以上のフィジカルに才能…さらには度胸まで兼ね備えた選手が存在した
ぞろぞろと歩いてくるメンバー…どいつもこいつも俺の顔ばっか見てきやがって…
特に一番後ろの黒マッシュ…
「なに?そんなに人の顔見て」
「あ?」
「ちょちょちょリオやばいって!?」「おいやめろ!」
やけに目つきの悪いこいつにだけは下手に出る訳にはいかないと考えた俺はこいつより身長が高いことを理由に思いっきり上から見下してやった。
「てめぇ…」
「おい!影山!いくぞ!」「ちょおやめてくれよ!」
向こうもチームメイトに引きずられていったのだった。なんだあいつ…
「どうしたん、リオ…そんなに睨みつけて」
「いや、噂の優勝候補って奴がどんなもんか試してただけだ」
「にしちゃあ向こうも偉く喧嘩越しだったな」
「でもリオ先輩の方がおっきいし強そうでしたね!」
「当たり前だろ!リオ先輩が最強なんだから!」
「おい!一年たち!もう1人偉大な先輩が居るのを忘れてはいないかい!」
「「…いや日向先輩は…」」
「「ぶふっ!」」
「なんだ!その反応は!」
雪ヶ丘と北川第一が揉めているのをみた他のチームの選手たちは
「うわ!マジかよあそこの1番北川第一の"コート場の王様"に喧嘩売ってやがるぞ!」
「マジかよ超うめぇんだろ?」
それを聞いたイズミンとコージは
「ちょ!王様ってなんだよ」
「大丈夫!どんなに強敵でも撃ち抜いて見せる!
「確かに翔ちゃんのジャンプ凄いしウチにはリオがいるもんね!」
「任せたぞ!」
「うぅぅぅその前に便所…」
意気揚々と息巻いていた翔陽であるが肝心のメンタル面ではこの試合が彼の初公式戦であり、ここまでついてきてくれた仲間や後輩たちの気持ちもあるため無碍にはできず彼の胃が悲鳴を上げることになったのだった。
「てかリオ!ぶっちゃけどうするの?俺たち初心者だし戦力として数えれるのは翔ちゃんとリオしかいないよ?」
イズミンが心配そうに聞いてくる
「ふふ。まぁそうだな。試合のことについてなんだが簡単に説明するとまずおそらく相手は俺を徹底的にマークしてくるだろうな。体格的にも番号的にも。そんでまずセッターは基本的に俺か翔陽がする。サーブについては回ってくるもんだからどうしようもないんだが基本的には俺からスタートしてレシーブについては後ろを4枚にして"佐藤"くんを主軸としてなんとか上げれそうなら体に当てても良いしとりあえず上にさえ上げてくれたらなんとかするから一回やってみて欲しい。攻撃についても俺と翔陽でなんとかするから気にしないでくれ」
佐藤くん…雪ヶ丘中学二年生であり去年リオと翔陽の勧誘によって何気なくついてきたせいで入ってしまった哀れな子羊…しかしリオと翔陽のアドバイスによってその辺の中堅中学レベルの実力はあり今大会もリオと翔陽がアタッカーとして存在するならば佐藤くんはレシーバーとしてリベロのポジション登録がなされている
北川第一サイド
ーーピィィィィィィィィィィィィ!!ーー
「「「お願いします!」」」
「相手チーム本当小せぇけど1人及川さんくらい怖ぇのいるな」
「見た目からしてハーフか?どっかで見たことあるような気するし」
主人公サイド
ーーピィィィィィィ!!ーー
笛が鳴ると同時に放たれた北川第一のサーブは迷わず初心者へ向けられた。
通常ならそのまま得点につながるはずだが――
「リオ先輩!」
「ナイスだ!任せろ!」
佐藤くんが横から滑り込むようにレシーブを持っていく。
腕に吸い付いたような完璧なAパスが上がる。
そしてそのままリオはトップスピードでネット下へ。
セッターの位置に入ると同時に、北川第一のブロッカー2枚が跳ぶ準備を始めた。
(どこに上げる? 真ん中か、小さい奴か……?)
ブロックについていた影山は考える
読みが乱れた瞬間、選択したのは…
リオはトスではなく――
そのままジャンプ。
「はっ!? まさか自分で!?」
ブロックが遅れた。
その瞬間
リオの左腕がしなる。
「「「!?」」」
ーードパァァァァァァン!ーー
3枚ブロックの上から床に突き刺さるような轟音。
その瞬間会場全体がどよめきを帯びた大歓声に変わる
「「「うぉぉぉぉぉ!」」」「今の見たかよ!」「完全に裏をかいてたとはいえ北川第一の三枚ブロックの上から叩き込んだぞあの一番!」
「うぉぉぉ!ナイスだリオこのやろう!」「ナイスリオ!」「やっぱ凄いっすリオ先輩!」
チームメイトは称賛の声をあげ敵チームの北側第一はいきなりの先制攻撃に慄く展開となった
「セッター自らのツーアタック!? いきなり!?」
「問題はそこじゃねぇだろ…あのジャンプ力にパワー…まともに上がってたらブロックできるか?」
「あんな選手がなんでこんなチームに…」
北川第一の選手たちが互いに顔を見合わせる。
(セッターがエース級? クソっふざけるなよ……)
サーブ権が雪ヶ丘に移る。
サーブ順は――リオに渡る
リオはボールを胸の前で軽く弾ませ、数回バウンドさせたあと
まるで獲物を見つけた猛獣のような鋭い目になる。
「いくぜ……!」
数歩の助走、大きく跳躍、そして――
「まさか!?」
相手のセッターが気づくがもう遅い…というより気づいたところでこの男のサーブの前では意味をなさない
ーーダダンッ!ーー
ーーバギャァァァァァァン!!ーー
はたまたこの日2度目の轟音から放たれた弾丸サーブが北川第一のリベロ横に触れることさえ許さず突き刺さったのだった
雪ヶ丘中学の2点目。
早くもこの日2度目の大声援が会場中に広がる。
「「「うぉぉぉぉぉ!!!やべぇぇ!!」」」
「今の中坊ってジャンプサーブ打つのかよ!」「いやいや、全国でも中々いねぇだろ!しかもあのレベルのは確実にアイツだけだろ!」
盛り上がっていたのは選手や観客だけではなかった
まず西側…そこにいたのは白いユニフォームに紫色のラインが刻まれた宮城県屈指の名門校にして今年の全国三本指の大エースを筆頭に攻撃陣に関しては全国トップを自負する大鷲率いる常勝軍団 白鳥沢学園高校
「うっひゃぁ!なんだい今のサーブとスパイク!ワカトシくん見てるみたいだったね!」
「…スパイクはともかくサーブに関しては俺よりも洗練されているように見える…」
「笑ってるのワカトシくん?」
「コーチと監督に伝えよう…奴は敵になれば間違いなくウチにとって最大クラスの障壁となり得る男だ。今のうちに声をかけておいて損はない」
「「「…」」」
「ワカトシくんが年下…それも二つも下のやつにあそこまで言うのなんて初めて見たね。年下でさえ東京の変な回転のスパイク打ってくるあのチリチリパーマくらいだったのに」
そして北側…こちらに居座ってるのは白い純白のユニフォームに水色のラインが入った県内屈指の伝統校にして名門校筆頭…近年2年連続で最強・ウシワカこと牛島若利要する白鳥沢学園高校に敗北するも大鷲以外には土をつけられたことはなく…何よりバレー選手として総合力ではあのウシワカをも凌駕するほどの技量を持つ県内No. 1セッター及川徹要する青葉城西高校
「あの中坊及川よりイケメンでサーブもえぐいな。及川よりイケメンだし」
「岩ちゃん!2回も言わなくて良いし俺のがイケメンだしサーブも上だからね!」
「いやでもリアルなとこ威力では確実に負けてんべ。コースとか狙い絞ったら分かんねぇけど」
「ぐぐぐ」
「にしてもなんであんな奴が弱小校なんかに居んだ?」
「ほんとそれね。まぁ良かったんじゃない?早めに見つけておいて。この時期なら普通推薦とか特待とか決まってそうだけど運がいいことに彼は弱小校…まだ決まってないはずだし、何より彼がウチに来てくれるなら白鳥沢…ウシワカに対抗できる最強の矛になり得る。岩ちゃ〜んちょっと監督とコーチのとこ行ってくるからみんなのことよろしくね〜♩」
「おう。そんで一生戻ってくんな」
「てか及川があそこまで言うのやばくね?まぁ側から見ても体格やパワーそんであのスキル…間違いなくポテンシャルはウシワカ以上だもんな」
「ま、問題は反対側にその問題のウシワカたちも見てることだけどな」
そして最後に中央入り口…そちらに佇む4人の男女…黒いユニフォームに包まれたかつては最強・白鳥沢と優勝を争った宮城の雄…近年は名監督であった鳥養監督が休養に入り解任なされ、ここ数年は苦渋を舐めさせならているがその実力は未だ中堅クラス以上…エースにセッターそれにチームの要リベロ…選手だけを見ると粒揃いだが未だに上手くネジがハマり切らず足掻き続けている古豪 烏野高校
「なんなんすか!なんなんすか!あの一番!今の中坊ってスパイクサーブ打つんすか!威力もやべぇし!何よりあの顔!」
「田中うるさい…いやでも大地。あれは本当にやばくないか?他のチームに取られたら間違いなくそこが来年の優勝候補になる逸材だ」
「つってもウチみたいな近年成績の振るわない高校に来てくれるかね?」
「んなもん力づくで言わせればいいんすよ!ほらぐっと!」
「いやお前あの体格と運動能力みて自分が勝てると思ってることにも驚きだしそう言うのやめろ恥ずかしい!」
「ん?清水どうした?」
「あの子…どこかで…」