レゼさんじゅうろくさい   作:大学鯖

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評価、お気に入り登録ありがとうございます! オリジナル要素が増えてしまってすみません、長い目で見守ってもらえるとうれしいです。


第十二話

 私は……ジェーンだったもの、名前はない。

 

 あれから13年、私はソ連で並ぶもののないデビルハンターになっていた。

 ラーゲリに捕えた悪魔も数多くなっていた。特にスパイ活動に重宝する悪魔を捕えることができたのは僥倖だった。

 

 カメレオンの悪魔と沈黙の悪魔と蛾の悪魔という三体は特に重宝した。

 

 どれも、武術で鍛えた気配察知により本体を急襲して捕えた。

 この気配察知能力が上がったのは、実戦で修羅場をくぐり抜け続けた賜物だが、一対一の立ち合いからスパイ活動まで幅広く応用できた。

 この武術由来の能力に加えて、カメレオンの隠密性、沈黙の空間、そして蛾のソナーを組み合わせると、暗殺や諜報にはもってこいの能力になった。

 

 また、直接戦闘用にヒグマの悪魔も捕えた。狂暴な悪魔であったが、今の私の敵ではない。

 なお、台風の悪魔が暴れていたので捕えようとしたが、削り過ぎて小さくなったため逃げられた。

 

 ラーゲリはそのままにしておくと一杯になってしまうので、あまり使い道のない悪魔は釈放する必要があった。

 すると、たまに不思議な現象が起こった。

 

 大抵の悪魔は釈放しても、何も言わないか、もしくは吠えるような声を出すだけだが、たまにこちらに何か訴えようとしている悪魔が出てくることがあった。

 

 ある日、釈放された悪魔のうちの一匹が「ジョン」という言葉を言った気がした。

 

 (やはり彼はこの中にいるのかもしれない!)

 

 そう考えた私は、大量の悪魔をとらえては次々に釈放してみた。

 

 大体1割ぐらいの悪魔がメッセージを発することが分かってきた。

 これを繰り返して、ようやく一つの意味のある文章が現れた。

 

 「俺だ、ジョンだ……ジェーン………すまない………………銃の悪魔…………頼む……ジェーン……復讐…………俺の願い………」

 

 ここまでは聞き取ることができた。どうやらラーゲリの検閲が厳しく、短い文章を覚えて出るしか伝える方法がないようだった。

 

 胸が張り裂けそうだった、やはりジョンはここに囚われているようだった。でもなぜ?

 

このメッセージからは彼が復讐を望んでいるように思えた。でも本当にそうだろうか?彼の性格からするとありえない。彼はどんなに酷い目にあっても翌日にはケロッと忘れてるような人だった。

 

 この疑問を解き明かすには、より多く悪魔を集めていくしかなさそうだった。

 

 毎日、訓練と実戦で腕を磨き、悪魔を捕え、銃の悪魔の肉片を多数集めていった。その反面、心はいつもすり減っていきそうだった。

 酒もたばこもそんな中で、少しでも忘れられる、バカになれる時間を求めて手をだした。

 

 私を酔わせるには、ウォッカ以外は役に立たなかった。

 いつしかウォッカとたばこが手放せなくなっていた。

 

 (堕ちるとこまで堕ちたもんだ、あの人に顔向けできないや……)

 

 それでも、最大の目標は忘れず地道に配下をふやし、情報を集めていった。

 

 そして情報を集めれば集めるほど、ソ連という国が信用できなくなっていった。

 なんでも、かつて秘密の部屋を主導していた面々がここにきて力を取り戻しつつあるという。

 

 幸い、私の待遇はまだ変わっていないが、そのうち彼らは元モルモットの私をかつてのように使おうとしてくるのは時間の問題のように思えた。

 

 そして、そのような実績を上げる私を排除しようと刺客を送ってくる国もあった。

 一番多かったのはアメリカのデビルハンターだったが、たいていの場合は悪魔の能力を使うまでもなく制圧していった。

 

 この年月の間に最も手ごわかった、というか唯一引き分けに終わったのは中国の隻眼のデビルハンターだけだった。彼女との出会いはまたの話にしたいと思う。

 

 (そういえば、ハッピーに生きるコツはバカになることだっていうのは彼女の受け売りだったっけ……)

 

 ふと、思い出しまた会えたらいいなとは思う。

 

 そうこうしているうちに酔いが回ってきてやっと私の心に平穏が訪れた。

 

 (明日からはデンジ君とその周りの情報を集めないとね、あと岸辺さんかぁ……)

 

 明日のタスクを考えながら、私は眠りに落ちていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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