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ホテルのコラボでデンレゼルームがすごい。新婚初夜に紛れ込む一般人。デンレゼはやっぱりこのカップリングが至高。
私はレゼ、16歳。初めて彼の家に遊びに行くの。
もしかしたら、あんなこともこんなことも……キャッ♡
……バカだな、私。まずデンジ君凹んでたらしいので、そこからだとすると、そんなムードになりそうもないのに。
二道を出て、早川家へと向かう。念のため沈黙は発動させておく。
取り合えず魚屋さんで、大きい魚を探す。
……げ、結構高い。給料なくなりそう。
てか、私、無職じゃん。どうすんの今日から。
あれ、でもこれでソ連に帰れないとなると……
私はとても大事なものをソ連に置き忘れていたことに気が付いた。
ソ連の私の部屋に写真を置いたままだった。
大切な大切な写真。あれがあるからソ連に帰っていた。
(どうしよう、取りに帰らないと……でももう戻れない……)
私はまた大切なモノを失くしてしまうのか。
……いや、まだ手はある。完全に隠密状態で侵入する。
ここまで考えて、私はすごい思い違いをしているのに気づく。
(……デンジ君にそれ見せられるの?)
昨日デンジ君がマキマや他の女の事を言い出したのと何が違うのか?
そもそも私がデンジ君に対して持つこの感情は何なのか?
好意は間違いない。私はデンジ君が好きだ。でもその中身は?
純粋に恋愛としてなのか?母性本能なのか?私の「好き」は何なのか?
私は本当にデンジ君が好きなのか?
ジョンやミーシャを重ねてるだけじゃないのか?
違う、そうじゃない。デンジ君はデンジ君だ。
そう思う一方で未だにジョンを忘れられない私がいる。
(未練がましい……)
と自分でも思う。もうジョンはこの世に居ないのだ。
それでも、私は未だにあのころのままだ。姿が変わらないということは、心もそれに引きずられるのかもしれない。
私の中には未だあの頃のジェーンがいる。そしてデンジ君に恋心を持ち始めているレゼもいる。
私がマキマと私で揺れ動くデンジ君に対して不誠実だと怒る資格があるのか?
……私との初体験目前で他の女ともやってみたいは流石にないな。
うん、それは常識的におかしい。やっぱり教育は必要だ。怒るのではなく叱るのだ。
揺れ動きながら歩いているうちに、セーフハウスにたどり着いた。とりあえずマトリョシカを開く。
湖の階層にいくと、ビーム君がいた。
「キャキャキャ、水だ水だ!」
めっちゃ楽しそうに泳いでる、てか、ちょっと待って。何かデカい魚食べてる。
「ビーム君!」
「お、ボム来た、ここ良い。魚もいる」
「……魚買ってきたんだけどね」
「それも食べる。やっぱり海の魚の方がウマい」
といって、私が買ってきたカツオを頭からバリバリ食べた。
ヤバい、このペースで食べられるとお金がピンチ……。
「ウマいウマい。でもここ魚いるから毎日じゃなくてもいいぞ」
「ありがとー、ビーム君、助かる!」
「で、俺いつまでここにいる?」
「うーん、ちょっとマキマどうにかするまでは居てほしいかな」
「わかった、あとチェンソー様会わせろ」
「あ、じゃあ今晩みんなでご飯食べるから一緒に来る?」
「おーチェンソー様いる、ビーム行く」
なんだろう、すごく癒される。早川君に連絡を入れて、ビーム君も連れて行きたいというと、了解とのことだった。
そう思いながら、マトリョシカを出てデンジ君の家に行く準備をする。
(手土産くらい持ってった方がいいよね)
早川家への道すがら、皆で食べられるようにお菓子と飲み物を買っていった。
(おつまみとかのがいいのかな)
と、考えたけどデンジ君未成年だった。私?大丈夫、日本にはソフトドリンクしかないから…。
などと考え事をしていたら早川家に着いた。
(ここかな?)
ドアの前に立つと、呼び鈴を鳴らす
ピンポーン……
応答はない。鍵はかかっている。留守かな?
ピンポーン、ピンポーン……
あ、そっか。沈黙の範囲に入っちゃってるか。
まいったな、これ解くとマキマが察知しそう。
何となくだが、彼女の索敵は聴覚によるものではないかと思っている。
さっき早川君がメモで見せて、私が沈黙を使ったということは、視覚によるものだと無意味だ。
恐らく彼の上司の指示だろうと思う。
そうすると、デンジ君がチャイムに気づかないか。
(……しょうがない、開けるか)
職業柄、ピッキングはお手の物だった。
ヘアピンを取り出して、加工した。簡単な構造だったのですぐ開いた。
ガチャ
「お邪魔しま~す」
といいながら中に入ると、リビングに人がいる気配がした。
何かを握りしめて、考え事をしているみたいだ。
やっぱりデンジ君だった。
「デンジ君!」
「ん~アキか?もう帰ってきたの……え!?レゼ!?」
「あはは……こんにちは」
「え!?何!?なんでレゼがここに!?」
デンジ君が軽くパニックになっている。
「お見舞いにきたよ、デンジ君ごめんね。痛かったでしょ?」
「ああ……レゼ、レゼぇぇぇ!」
言うなり抱き着いてきた!
「ちょっ、ちょっと!?デンジ君、どうしたの?」
「レゼ、夢じゃねえよな?いきなり消えちまったから……」
私の存在を確かめるみたいに強く私を抱きしめている。
改めて彼を放置して帰ったのは大失敗だったと後悔した。
「ごめんね、デンジ君。私はここにいるよ」
「ごめん、レゼ。俺……バカなこと言って……レゼにフラれて…もう、もう会えねぇんじゃないかって……」
半ば泣きそうになりながら、彼が謝ってきた。
私は本当につまらないことでデンジ君という大切な存在を失うところだったのだと後悔した。
「ううん、私こそごめんね。突然居なくなって」
「夢みてえだ……」
私たちはお互いを抱きしめ合いながら、しばらく動けなかった。
しばらくすると落ち着いて、周りが見えるようになった。
すると、彼が握りしめていたものに目が向いた。
白い布だった。
……というか、それ、私の……
「……デンジ君、その、手に持ってるのは、何?」
もう既にそれが何かは分かっていたが、あえて聞いてみる。
「え、あ……いや、あの!これは違くて、その////////////」
「デンジ君のバカー!!!!!!」
彼の鳩尾にアッパーカットを入れる。
天井近くまで吹っ飛びテーブルの上に落ちてきた。
ガンガラガッシャーン!!
テーブルの上にあったものが派手に吹っ飛び散らばる。
未だにデンジ君の手には私のパンツが握りしめられていた。