レゼさんじゅうろくさい   作:大学鯖

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私事で恐縮ですが仕事が繁忙期に入ってきました。
なるべく更新頑張りますが、不定期になるかも知れませんのでご容赦ください。


第三十七話

 私はレゼ。元ソ連のスパイ。これからデンジ君を特訓する。

 

 マトリョシカの湖のある空間へ皆を呼ぶ。

 デンジ君の助っ人と献血要員をお願いする。

 とりあえず、みんなにアイスをおごることで納得してもらった。

 用意が整ったので、私も首のピンを抜きボムへと変身する。

 

 「ボン」

 

 ピンを抜きながら呟く、いつものルーティン。

 たちまち私の頭部が爆発を起こして飛び散る。

 

 「え!!!レゼ!…うわー聞いてたけどこりゃ…」

 

 デンジ君が驚いている。デンジ君だけでなくこの姿を初めて見たアキ君も驚いている。ビーム君と天使君は若干怯えが見える。なおパワーちゃんは完全に忘れているようだ。

 

 黒い導火線が私の腕と身体に纏わりついてボムの姿を形成する。頭は既に爆弾の形に覆われている。

 そして、私は爆弾の悪魔となった。デンジ君にはできれば見せたくなかった、私の悪魔の姿。それでも彼と一緒に生きるなら避けては通れない。彼はこの姿を見て何を思うのだろう…。

 

 「レゼ………おっぱいでっかくなってる!!」

 

 デンジ君が叫ぶ。思わずコケそうになる。私の悲壮な決意を返せ…。

 まあ、引かれていない分マシだったし、デンジ君なら…まあいいかな…。

 

 「さて、デンジ君…キミは今の実力を知らないといけない。早速だけど変身して」

 

 「おう、やってやるぜ!!」

 

 そう言いながら胸のスターターをふかす。

 ブウウウウウン…

 低い唸りを上げて途端に頭と腕からチェンソーが高速回転して飛び出してくる。

 

 「ヒャッハァー!!よっしゃ!いくぜレゼ!」

 

 そういいながら勢いよく突っ込んでくる。

 

 「おいで、デンジ君。私の戦い方ってのを…教えてあげる」

 

 私は両手を広げた状態で自然体で構える。

 

 彼がチェンソーを振り回してくるが、予備動作が大きすぎる。

 いわゆるテレフォンパンチになっている。最小限の動きでかわし続ける。

 

 そして、チェンソーの重さもあって攻撃の後の隙も大きい。

 しかも、どうも私を切るのをためらっている。女に甘い。これではマキマと対峙できない。

 なるほど…これは…教育のし甲斐がある。

 

 「デンジ君、ちゃんと私を殺すつもりでおいで」

 

 「んなこと言ってもよお…」

 

 「わかった…じゃあ殺しに行くよ」

 

 「え!?」

 

 まず甘えを捨ててもらおう。

 デンジ君の攻撃をかわすと、貫手で彼の腹部を貫く。

 

 「ガァッ!!」

 

 デンジ君がひるむ間にそのまま距離を取る。

 

 「デンジ君応用ができてないね。チェンソーぶん回すだけじゃだめだよ。もっと自分の力を理解しなくちゃ」

 

 「なんの、まだこれからだぜ!」

 

 「デンジ君。もう死んでるよ」

 

 「へ!?」

 

 「バン!」

 

 と言うと同時にデンジ君の胴体が内部から爆発してデンジ君バラバラに飛び散る。

 

 「まず一回」

 

 そう言いながらバラバラになったデンジ君に血を飲ませてスターターを吹かす。

 

 ブゥン

 

 「ハッ!!何が、何が起こった!?」

 

 「デンジ君の体に爆弾埋め込んで爆発させたの」

 

 事も無げに言うと、ギャラリーはドン引きしていた。

 

 「私の今の体は爆弾そのものだからね。触れたらほぼ終わり。あと…」

 

 「戦いの最中に敵に情けをかけちゃダメ。女の子相手でもね」

 

 これが今のところ彼の最大の弱点だ。どうしても女性相手には非情になり切れない。

 

 「ぐっ……のヤロウ!もう一回だ!」

 

 これが彼の戦士として素晴らしいところ。あんな凄惨な殺され方をしたのに怯えずに向かってくる。

 

 「じゃあ次はデンジ君助っ人頼んでもいいよ、なんなら全員でもいいよ。ただし他の人は死んだらマズイから私が急所に触れたらアウト判定で退場ね」

 

 流石にこの発言はギャラリーにも火をつけたようだ…。

 

 「あ~レゼ!?俺以外の金玉触んのかよ、エロ女!」

 

 違うよバカ!デンジ君の中では急所=金玉なのか…。

 

 「いや、急所って一撃で死ぬ所で別に…その…金玉だけじゃないと思うよ」

 

 天使君が突っ込んでくれた。助かる。

 

 「僕はアイス食べてるよ」

 

 天使君は早々にサボるようだ。

 

 「なんじゃあデンジ!情っけないのう!ワシならあんな小娘なんぞ瞬殺だぞ!」

 

 「パワ子、てめえレゼに黒焦げにされてただろが!」

 

 パワーちゃんが威勢のいいことを言っている。

 あそこまでボコボコにされたのを覚えていないのはある意味スゴイ。

 

 「っつてよー、俺の力ってチェンソー以外何があんだ?」

 

 「チェンソー様!!足超速い…でも移動するとき足だけじゃない…!」

 

 「お、ビームなんか知ってんのか?」

 

 「チェンソー様、昔チェンソーのチェーン使って移動してた!チェーン飛ばして引っ掛けて建物から建物へ…!」

 

 「そうか…!サムライソードは居合で移動してた。俺も自分の力を応用するべきなんだ!」

 

 「チェンソー様、天才!チェンソー様、天才!」

 

 「チェーンを使った移動……!そういう事か!わかった!」

 

 「そういう事!そういう事!」

 

 「じゃあやってやるぜ!!ビーム!サメになれ!!」

 

 「はい!!」

 

 「こういう事だあア!!」

 

 そう言って変身したビーム君の口にチェーンを手綱のように引っ掛けて馬乗りになった

 思わずコケる。……絶対違うと思う。

 

 「俺がチェーンで調教して!ビームが馬みてえに走るってコトだ!」

 

 「チギャウ……チギャウ……」

 

 ビーム君は涙目になって否定している。

 

 「そういう事なの!?違うんじゃないか、なんかこうチェーンを腕から飛ばして建物とかに引っ掛けてさ」

 

 天使君も加勢するが

 

 「あ~?これが正解だよなあビーム!!」

 

 「正解!!正解!!正解!!正解!!」

 

 だめだこりゃ、ビーム君デンジ君の全肯定ファンだ…。

 

 「よっしゃーいくぜ!みんな!」

 

 そう言ってデンジ君がビーム君に乗って突撃してくる。ダメだ面白過ぎる。思わず笑いがこみ上げる。

 とはいうもののビーム君の足は速い。そして、アキ君は何か企んでいる。

 パワーちゃんはちょっと遅れて走ってくる。

 

 とりあえず森の中に逃げこんでカメレオンを発動させる。

 

 「森の中に逃げおった!こっちに匂いがするぞ!」

 

 パワーちゃんがこっちに向かってくる。やはり悪魔の嗅覚は侮れない。まず優先的に仕留めよう。

 

「そこじゃあ!テラサウザンドブラッドレイン!!!」

 

 そう叫ぶと大量の血でできた武器が私が先ほどまでいた位置に降りかかる。

 

 「どうじゃあ!見たかデンジ!ワシが最強じゃあ!」

 

 その瞬間後ろに回り込んだ私はパワーちゃんの首にタッチする。

 

 「はい、パワーちゃん退場」

 

 私は姿を現して宣告する。

 

 「なんの、ワシはこんなのきかんわ!!」

 

 こいつやっぱりルール分かってない。じゃあしょうがない。

 そのまま首根っこを掴んで吊るし上げて何回も爆発させる。

 

 ボン!ボボボン!

 

 中規模の爆発が連続して起こる、体中にパンチを浴びるくらいの威力に止めておいた。それでもパワーちゃんをKOするには十分だった。

 

 「キュウ…」

 

 すると後方から殺気がきてチェンソーがうなりを上げて飛んできた

 

 「オラアッ!」

 

 ブォン!!

 

 「なかなかいい攻撃だよ、デンジ君。ちゃんと殺意が入ってた」

 

 「ああ、レゼが滅茶苦茶強ぇのはわかった、こっから本気出すぜえ!!」

 

 ビーム君の移動能力とタフさにデンジ君の攻撃力が乗るとこれはかなり強い。なるほど、大抵の悪魔じゃ勝てないはずだ。

 

 とりあえず、パワーちゃんの時のように火花で弾幕を作る。

 しかし、ビーム君はかなりトリッキーな動きで躱してくる。

 

 「全然当たんね~な~!」

 

 デンジ君がチェンソーで攻撃してくるが、流石にこれは当たってあげられない。

 うん、見事だ。ならこれはどうかな?

 私は真上に飛び上がって躱し、エプロン状のダイナマイトをばら撒く。

 

 「おわっ!わっ、わっ!」

 

 先ほどとは圧の桁が違う弾幕にデンジ君は躱すので精一杯だ。そして、致命的なのは私の姿を見失ったことだ。

 

 「レゼはどこだ!?」

 

 その間に私はすでに左足をミサイルに変えて発射していた。

 さすがに約マッハ2で飛んでくるミサイルは避けられずビーム君に直撃して、デンジ君は振り落とされる。

 

 ドオオオン!!

 

 「どわあっ!!」

 

 「チェ~ンソ~様ぁぁぁぁぁ!!」

 

 先にビーム君を仕留めに行く。

 足の裏で爆発を起こし、私もミサイルのようなスピードで飛行し、ビーム君の頭を両足で踏みつける。

 前も思ったけどすごい弾力だ。

 

 「ぐぉ!」

 

 ビーム君を踏みつけ、降参を迫ろうとした。

 

 その刹那に後ろから斬撃が来る、かなり鋭い、が躱せる。

 そして、躱そうとすると突然刀の軌道が変わる。まるで私の移動先を読んでいたかのようだ。

 

 「…最高の判断」

 

 潜んでいたアキ君が姿を現して能力を使いながら斬り込んでくる。

 足の爆発で距離を取って仕切り直す。

 デンジ君は遠くに飛ばしたけど、ビーム君が合流しに行った。彼らが戻る前に仕留めよう。

 

 「アキさん…未来を見てるでしょ。でもね…」

 

 私は八極拳の構えから足を水平に上げる。途端にアキ君の顔色が変わる。

 

 「わかっていても反応できなければ無意味」

 

 前足が地面を強く踏み込む、いわゆる震脚に爆発を加えて加速する。八極拳箭疾歩。

 文字通り音速を超えるスピードでミサイルのようにアキ君の眼前に移動する。

 そしてアキ君の眼前で拳を止める。音速超えでノーモーションで撃たれる拳は予測しようが躱せない。

 

 「……!」

 

 「勝負あり…かな」

 

 「……参りました」

 

 そう、わかっていても避けられないなら未来を見ても無意味。

 この八極拳は私の爆発の能力と相性が良いので多用している。

 

 さて、間もなくデンジ君がやってくる。

 

 

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