レゼさんじゅうろくさい   作:大学鯖

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本来三十七話の予定でしたが、長くなり過ぎたので二話に分けました。


第三十八話

 私はレゼ、年齢不詳。現在公安特異4課相手に訓練中。

 

 とりあえず、パワーちゃん、アキ君は倒した。

 もうすぐデンジ君とビーム君が戻ってくる。

 

 将を射んとする者はまず馬を射よ。

 と、いうわけでビーム君を仕留めることにする。

 

 あの変態機動に当てるには、ただのミサイルではキツイ。

 なので、罠を張らせてもらう。

 

 10本の指から次々に火花を放つ。

 

 「レゼ、それじゃ当たんね~ぜ!」

 

 デンジ君が先ほどの攻撃と同じだと読んでビーム君に乗って躱していく。

 うん、私がそんな同じ攻撃をするような相手だと油断した時点で減点1。

 

 爆発させているのは約3分の1で、残りはそのまま空中に待機させてある。

 そうして、いわば機雷のように爆弾で作った檻の中にデンジ君が入った。

 

 片手を上げ、指を弾いて起爆させる。すると檻を構成するすべての爆弾が一斉に爆発する。

 

 ボン!!ボボボボボン!!

 

 まるで花火のような爆発で外からみると綺麗だが、中にいる者はたまったもんじゃない。

 

 「どぅわ!ウォ、ウォォォォ!!ビーム!!よけろー!!」

 

 「はいいい!チェンソー様ぁ!」

 

 爆弾の結界に囚われた二人は右往左往している。

 その隙に私は上空へ飛び上がり、左手をミサイルに変えて飛ばす。

 今度はさっきと違う、速度は同じマッハ2だが誘導ミサイルだ。

 

 「ビーム!デカいのが来る!よけろ!!」

 

 「はいいいいい!あああ!チェンソー様、こっち来ますー!」

 

 「何ぃぃ!」

 

 ちゅどーん!

 

 命中。デンジ君は振り落とされたようだ。

 今のうちにビーム君を仕留める。

 足の裏で爆発を起こし、私もミサイルのようなスピードで飛行し、ビーム君の頭を両足で踏みつける。前も思ったけどすごい弾力だ。

 

 「ぐぉ!」

 

 そして、ビーム君のお腹にパンチを連打して聞く。

 

 「降参する?」

 

 「ヴヴヴ……」

 

 「じゃないとまた爆発するよ、もう体内に埋め込んでるし」

 

 「…バクハツもうコリゴリ!!」

 

 さて、デンジ君だ。湖の近くの森の入り口の方に吹っ飛ばされている。

 空中で爆発を起こして追いかける。

 

 そして、今度は左足をミサイルに変えてデンジ君に叩き込む。

 

 シュバッ!

 

 マッハ2の誘導ミサイル、ビーム君なしでは躱せない。

 ドオオオン!

 

 轟音を上げてミサイルが命中して、デンジ君が木に叩きつけられる…

 と思っていたら、デンジ君は咄嗟に木にチェーンを巻き付けてその反動でこっちに飛び掛かってきた。

 

「うらああああ!」

 

 デンジ君が足のチェンソーを回転させながら飛び蹴りを入れてくる。

 早い!木の枝にチェーンを巻き付けて吹っ飛ばされた勢いのまま反転して飛んでくる。

 それだよ、デンジ君!さっきみんなが言ってたのは。

 

 デンジ君の戦闘センスは優秀だ。タイプは完全にジョンと同じ野生のカンで戦うタイプだけど、奇抜なアイデアを絡めてくる頭の良さもある。

 

 デンジ君の蹴りを躱しながら、すれ違いざまに腕を爆破する。

 

 「ギャ!がっ……」

 

 デンジ君が吹っ飛ぶ。そして私たちは再び相対する。

 

 「さて、デンジ君チェックメイトだよ」

 

 先ほどのように再び八極拳の構えを取る。

 

 「ど~かな?」

 

 さあ、私に君の才能を見せて、デンジ君。

 

 「もう逃げ道はないよ」

 

 そして、足を水平に上げ踏み出したと同時に彼が腕からチェーンを放つ。

 なるほど、このチェーンに対処すると私のスピードを殺せる。ならそのまま突っ込めば!

 私はチェーンを置き去りにして彼に肉薄した。貫手から体当たりに切り替えてデンジ君を吹っ飛ばす。

 しかし、彼は怯まずニヤリと笑う。

 

 「俺に泳ぎを教えたのは間違いだったな」

 

 ジャラララッ!! 後ろからチェーンが迫る!

 

 (これは、さっき木にかけてたチェーン!)

 

 デンジ君を飛ばしたスピードとチェーンを巻き取るスピードが重なり高速で絡め取られる。

 

 (やられた!!)

 

 「シケてても爆発できるのか~?」

 

 そう言って私を絡め取ったデンジ君はそのまま後ろの湖へとダイブした。

 スゴイ!デンジ君!!ものすごい戦闘センスだ。私の唯一の弱点は水中。

 それを瞬時に読み取って、しかもチェーンを飛ばして絡め取るという技も身に着けた。

 さらに移動用と誤認させることで本命のチェーンを後ろに配置した。

 

 (デンジ君、正解!天才!)

 

 これは私の負けでいい。

 事実、私単体ではこの状態から逃れる術はない。

 ここに私たち以外がいなければ相打ちだ。そしてデンジ君にはビーム君がいる。

 この時点で彼の勝ちだ。

 

 ……私が単体だったなら。

 

 「オルカ」

 

 私の水中対策用悪魔。当然私は自分の弱点を把握している。

 なので、水中に引きずり込まれた時のために水棲の悪魔を複数所有している。

 

 これはその中でも最強の北極海に住むシャチの悪魔。

 

 「な……レゼ、ズりぃぞ!」

 

 「デンジ君…奥の手は最後まで見せないものよ」

 

 こうしてオルカが私たちを陸まで引き上げて運ぶ。

 その間に私は関節を外して拘束を逃れる。

 

 「これにて訓練は終了です」

 

 「チキショー!!レゼに勝てねえ…あ~あ、またお預けかよ~!」

 

 デンジ君が見てわかるほどへこんでいる。

 大丈夫だよ、デンジ君。

 

 「ううん、デンジ君。これは私の反則負け。すごいよ!デンジ君!まさか私に勝つとは思わなかったよ!」

 

 「え……レゼ?じゃあ、俺の勝ちなのか!?」

 

 「デンジ君、正解!天才!」

 

 実際、土壇場での閃きは天才的だった。逆境に追い込むほど実力以上の力が出せるタイプだ。

 

 「よっしゃー!!うおー!!やったぜー!!」

 

 私は彼にこっそり耳打ちする。

 

 「だから今晩は……私を好きにして……いいよ」

 

 「レ、レゼ!!!…や…やったーーーーーー!!やったァアー!」

 

 デンジ君は有頂天という言葉がぴったりなほど浮かれて舞い上がっている。

 そこへようやくみんなが追い付いてきた。

 

 「レゼさん!デンジは!?」

 

 アキ君が走ってきた。やっぱりデンジ君が心配だったようだ。

 

 「このとおりだよ」

 

 浮かれて踊ってるデンジ君を指さす。

 

 「え……デンジ勝ったんですか?」

 

 「おうおう、さすがワシの作戦通りじゃ!」

 

 パワーちゃん、アンタ何もしてないでしょ…。

 

 「マジで!?チェンソー君やるなあ」

 

 天使君が素直に感心している。アイスを舐めながら。

 

 「はい、最後は私が反則でこれを呼びました」

 

 湖にやたらデカいシャチが浮いている。

 

 「シャチ、ヤバイヤバイ!」

 

 ビーム君が逃げようとする。そっか、シャチってサメの天敵だったっけ。

 

 「さて、そろそろ準備してください。オイ、デンジ!お前も準備しろ!」

 

 アキ君が準備って言い出した。準備…?

 

 「へ…?準備って?」

 

 デンジ君が何のことか分からず聞き返す。

 実は私も何のことか分かっていない。

 

 「公安に行くって話しただろうが!岸部先生のとこに行くぞ!」

 

 「「あ…!」」

 

 ……素で忘れてた。デンジ君も……私も……。

 

 もしかしたら今日もお預けかもね、デンジ君。

 横を見ると犬が長い待ての後で食べようとした餌を横取りされたような目をしたデンジ君がいた。

 

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