レゼさんじゅうろくさい   作:大学鯖

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第四十七話

 私はレゼ、デンジ君の彼女であり、これからデンジ君を守る戦いに赴く者。

 

 早川家に着いた私たちは、昨日と同じく夕食を食べリビングでたわいもない話をした後、それぞれの部屋に戻った。

 

 デンジ君と一緒にお風呂に入って床に就く。

 明日は早いので今日はお預けだ。デンジ君が子犬のような目で見てくるが、ここは我慢だ。正直、私も欲しいけどまずは平和を手に入れてからだ。

 

 一緒にベッドで横になると、デンジ君がふと聞いてきた。

 

 「そういやさ、さっき話してたことだけどさ…」

 

 「ん?なぁに?」

 

 「何でマキマさんはポチタが欲しいんだ?」

 

 それは私も前から疑問に思っていた。私の任務もチェンソーマンの心臓を手に入れることだった。しかし、それを手に入れてどうするかは教えられなかった。ただ、一つ言えることがあった。

 

 「多分、ポチタ君はものすごく強い悪魔なんじゃないかな?」

 

 「え!?俺もポチタもゾンビみてえなのに殺されたぜ!だからむしろポチタって悪魔にしては強くないんじゃねえかな?」

 

 「でも、ポチタ君とデンジ君はその後融合してその悪魔に勝ってるんでしょ?」

 

 「おう、瞬殺だったぜ」

 

 「ならかなり強いんじゃないかな?だってデンジ君って訓練も何もしてなくてゾンビ倒したんでしょ?ゾンビってかなり恐れられてるから強いと思うよ」

 

 「…あ、そういやポチタって最初会った時すげえ弱ってたな」

 

 「うん、ビーム君が言うにはポチタ君って地獄でマキマとその仲間と戦ったんだって。で、その仲間の配下が銃の悪魔とか私の持ってる爆弾の悪魔とかだったらしいのね」

 

 「え!?じゃあマキマさんって…」

 

 「そう、人間じゃない。悪魔だよ」

 

 「…マキマさんが…悪魔」

 

 デンジ君がショックを受けている。これは伏せておいた方が良かったか。でもいずれは知らないといけないし、むしろこの方が戦いに躊躇がなくなって良いかも知れない。

 

 「まあ、マキマが悪魔であれ、人間であれこちらのやることは同じだよ。やっぱりマキマが戦力を集めるのを止めないといけない」

 

 そう、ここまでマキマが準備して戦うポチタ君はどこまで強いのだろう?

 マキマと同格の相手を複数相手にして、なお銃の悪魔や爆弾の悪魔などをまとめて戦ったということになるのだから、想像もつかないぐらいに強い。

 

 (と、いうことはデンジ君はその実力のほとんどを発揮していない。つまり伸びしろがすごい事になる)

 

 「ポチタってそこまで強ぇえのか。じゃあ俺はまだポチタの強さを引き出せてねえってことだな」

 

 さすがデンジ君、自分でそこに気づいたか!正解!天才!

 これはもっとデンジ君を育てれなければと思うが、残念ながらもう時間がない。あとは彼の天才的なひらめきに期待するしかない。

 

 「いずれにしてもポチタ君、いやチェンソーの悪魔がものすごく強いというのはほぼ間違いなさそうだね」

 

 「でも、なんでチェンソーにそんな力があんだよ?チェンソーって木を切る機械だろうがよ」

 

 そこが不思議ではあるが、悪魔の力の源が恐怖なら一つ心当たりはある。

 

 「…デンジ君、悪魔のいけにえって映画知ってる?」

 

 「…知らねぇ」

 

 「昔のアメリカのホラー映画でね、チェンソーを持った殺人鬼が犠牲者を切り刻んでいくの。これがヒットしてチェンソーが恐れられた、つまり悪魔として強くなる要素はあるんだよ」

 

 「うげえ、おっかね」

 

 いや、悪魔をチェンソーで切り刻んでるキミが言うかな。

 

 「まあ、何かしらすごい力があるんじゃないかな。で、それが欲しいから銃の悪魔とか他にも戦力をいっぱい集めようとしてるんだと思うよ」

 

 「…ん?地獄でマキマさんがポチタと戦ってた時ってビーム居たの?」

 

 「彼が言うにはチェンソーマン、つまりポチタ君の仲間はパワーちゃん、ビーム君、天使君、暴力さんあと4人ほどいたらしいよ」

 

 「え、パワーってポチタの部下だったって事!?」

 

 「そう…なるのかな?」

 

 とてもそう見えないけどね。

 

 「で、マキマさんの方がその銃の悪魔とかの親玉と…」

 

 「あと2人いたらしいよ」

 

 「で、銃の悪魔とか爆弾の悪魔とか…」

 

 「もしかしたらそれが私たち武器人間の元の悪魔かもしれないね」

 

 「んじゃ、あのモミアゲマンもか?」

 

 「モミアゲマン?」

 

 「あいつ、あの刀のやつ。俺とアキが最強の大会でキンタマ潰したやつ」

 

 「ぶっ、あはははは!何それ~!?」

 

 いや、ホント何それ、どういうこと?

 

 「アイツが姫パイの仇なんだよな。んでアキと二人で最強の大会っつってどっちがデカい悲鳴上げさせるかキンタマ蹴って勝負してたんだよ」

 

 「ぶはっ、マジで何それ?」

 

 「そんでアキとちょっと仲良くなったんだよな」

 

 「え…ちょっと待って。もし私がソ連の指示通りデンジ君と戦って負けたら…その…最強の大会されてたの?」

 

 「ぶっ!!いや、しねえよ!レゼ…キンタマねえじゃん」

 

 「あっはははは!そうだよね!」

 

 「おう、金玉狙うのは男相手だけだぜ」

 

 「うん、良かった。デンジ君が変態じゃなくて」

 

 実際ソ連相手に負けた場合そんなものでは済まない凌辱が待っているだろう。そしてマキマに負けた場合はもっと悲惨な運命が待っているに違いない。

 

 「んじゃ、マキマさんはその武器人間ってのを集めようとしてんのかな?」

 

 「それはあると思う。多分そのモミアゲマンも支配されてると思う」

 

 「あれ、じゃあマキマさんレゼも狙ってたのか?」

 

 「実は岸辺隊長が言うにはそうらしいよ」

 

 「マジか、じゃあレゼがそのまま俺を殺してたら…」

 

 「多分マキマに捕らえられたと思う」

 

 そして、私の意志は塗りつぶされてマキマの為に戦う兵器になっていただろう。

 

 「んじゃ、俺たちみたいなやつ他にもいんのかな?」

 

 「…一人知ってる。中国最強のデビルハンター」

 

 「え、レゼなんで知ってんの」

 

 「戦ったことあるから、結果引き分け」

 

 「え、じゃあそいつ滅茶苦茶強ぇえじゃん」

 

 「うん、もしかしたら今回来るかも知れない。敵か味方か分からないけど」

 

 「ふーん…まあ俺たちの邪魔すんならキンタマ潰す」

 

 「…女性だよ」

 

 「え!?…じゃあどうしようか」

 

 「多分敵にはならないと思うけど…」

 

 クァンシが敵ならどうしようもない。ただでさえマキマや銃の悪魔を相手するのにクァンシまで敵なら勝ち目が無くなる。

 

 「まあ、これ以上は今考えてもしょうがないかな。さあ寝ようか」

 

 「なあ……レゼ」

 

 デンジ君が私を抱きしめてくる。

 

 「その……ダメかな?」

 

 そう言いながらじっと見つめてくる。ああ、もうその目は反則だ。どうしても甘やかしたくなってしまう。

 

 「……一回だけだからね」

 

 そう言いながら彼の首に手を回してキスをした。

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