レゼさんじゅうろくさい   作:大学鯖

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業務多忙でやっと復帰できました。
大変遅くなり、申し訳ございません。

しばらく離れていたら、映画のラスト得点が出たり、何よりもチェンソーマン本編が急展開どころか、まさかの次回最終回に……。

まさに浦島太郎の心境でした。

正直、本編がどうなるのか気になって仕方がないですが3月25日を待つしかないのと、たとえ本編がどうなろうとこの話は完結させていと思います。




第五十一話

 

 意外な提案だった、しかし合理的だ。ただ、先ほどの意趣返しとして聞いてみる。

 

 「私はソ連の刺客だよ?」

 

 するとマキマはニヤッと笑うような表情で答えた。

 

 「貴女はもうソ連の刺客ではない、でしょ?」

 

 やはりお見通しだったか。

 

 「さて、岸辺さんそれとみんな、こちらに海外からの刺客が来ています。彼らの目的はデンジ君、キミです」

 

 「え!?俺ぇ!?」

 

 ……デンジ君、さっきからその話してんのに聞いてなかったの!?

 

 「キミは一体何を聞いていたのかな?みんなその心臓をねらってるんだよ」

 

 マキマが呆れたように私と同じ感想を言った。

 

 「そういうわけで岸辺隊長、迎撃と民間人の避難を進めてください。あと吉田君、倉橋君。緊急事態ですので貴方たちも協力をお願いします」

 

 「まあ、俺はそのために呼ばれてたからいいけど…」

 

 吉田君があまりやる気がなさそうに答える。

 

 「え、僕もかい!?」

 

 マスターが驚いて答えるが

 

 「こんな時に遊ばせる戦力はありません」

 

 とマキマに一蹴された。

 

 「デンジ君とパワーちゃんは私とレゼさんと一緒に行動、刺客を迎撃します。それとレゼさん…」

 

 マキマがこちらを見ながら

 

 「ビームはそちらにいるのでしょう?」

 

 「お見通しでしたか」

 

 「そりゃあなたを監視させてて帰ってこなかったら…ねぇ」

 

 「…ちょっと別のとこに匿ってるのであとで呼んできますね」

 

 マキマの前でマトリョシカは使いたくなかった

 

 「……いいでしょう。あと特異4課の魔人も応援要請しています。プリンシとガルガリ、東山コベニはこちらに向かっています。早川アキと天使は民間人の避難誘導をさせています。岸辺隊長、そちらはお願いします」

 

 「…マキマ、相手は誰だ」

 

 岸辺隊長がマキマに問う

 

 「……世界です。具体的にはアメリカ、中国、ドイツ…そしてソ連」

 

 「「「!!!!」」」

 

 皆一様に驚いていた…私と岸辺隊長以外は。

 やはり岸辺隊長はこの情報は把握していたようだ。

 日本はスパイ天国と言われるほどの有様で、私もその情報は把握していた。だからこそ私のようなものが普通に日本に入ることができている。そして、ソ連がそのようなことを行うのなら当然他国も行っていると考えるのが自然だ。

 

 「各国それぞれ思惑はあるようですが、我々の目的は一つです。今チェンソーマンを渡すわけにはいかないということです」

 

 「……ってこたぁ奴もいるんだな。わかった民間人を避難させるのが最優先だ。吉田、行くぞ」

 

 「あいあい」

 

 バタンッ!!……カランカラン……

 

 二人が急いで出て行った。しばらく考え事をしていたデンジ君が口を開いた。

 

 「…ってこたぁ、そいつらみんなぶっ飛ばせばハッピーってことだな!」

 

 ちょっと…デンジ君、本気で言ってる?

 

 「でねぇとレゼも安心できねえんだろ?ならやってやるしかねえだろ!」

 

 「…!!!」

 

 本気で驚いた。本気で私を守る気なんだ…。その純粋さがとても眩しかった。それと同時にこんな純粋な子を死地に赴かせることへの罪悪感があった。

 

 しかしこうなればもう腹を括るしかない。本気で勝ちに行くことにする。例え私が文字通り世界を敵に回しても、そのために大勢の命を奪うこととなっても……。ソ連に隠してある奥の手を発動させることとなっても…。

 

 だが、その前にマキマが釘を刺した。

 

 「デンジ君、キミは保護対象です。今回の戦闘に関してはむしろ守られる側だということを理解してください。今回の敵は数で押してくる者がいます。私たちの戦力で数を相手にできるのは……倉橋君、そしてレゼさん。あなたたちが今回の主力です」

 

 まあそうだよね、私だよね…って、マスター!?

 

 「…どうしてもやんなきゃダメかい?」

 

 マスターがマキマに聞き返す。

 

 「……敵の中にサンタクロースがいます。これでお分かりですね」

 

 「…!!……ああ、そりゃ僕向きかもねえ…」

 

 「……!!!え!?マスター!?サンタクロース知ってるの!?」

 

 ちょっと待って!?なんでこの人サンタクロース知って、いや、知った上で生きてるの!?

 

 「…まあ、やったことあるからねぇ…」

 

 「……マスター、あなたホントに何者ですか?」

 

 「……今はそれは知らなくていいよ」

 

 ……はぐらかされた。

 

 「すると迎撃はここでするのかい?」

 

 マスターがマキマに尋ねると

 

 「ええ、本来人のいないところがいいでしょうけど、便利なものもあるみたいだしね、レゼさん?」

 

 「……そうですね」

 

 ああ、やっぱりマトリョシカも知られていたか。そうするとやっぱり学校も見張られていたんだな。

 などと思っていると店の前に車が1台止まった。

 

 「チース!遅くなりましたぁ!」

 

 暴力さんだった。応援に来てくれたみたいだ。

 

 「あら、ガルガリ?貴方だけ?」

 

 マキマが暴力さんに尋ねると

 

 「いやぁ、なんか京都の方から応援に来たっつー人が今外に居ます。あとコベニちゃん車の中っす」

 

 「京都?スバルさんかな?」

 

 マキマに続いてマスターを除いて全員外に出ると、そこには傷だらけで包帯を巻いた男がいた。

 

 「マキマさん!!」

 

 「黒瀬君、どうしたの?その傷?」

 

 「こっちくる途中でやられました!スバルさんと天童が…!俺だけ辛うじて逃げれました!」

 

 後ろを見るとボロボロの車があった。

 窓ガラスは全て破損している、銃による破壊だ。

 血痕は致死量になる…3人分の。

 そもそもその2人の死体もない。

 どこかに置いてくるならこの車でここに来ない。

 つまりこいつは偽物だ。

 アメリカのデビルハンターに他人に成りすます奴がいたはずだ。

 

 「マキマさん、俺もこの作戦加えてください。どうしても仇討ちたいんです」

 

 「黒瀬君、まずは病院に行った方がいいよ」

 

 マキマが至極最もな答えを出す。

 

 「そんなん後でええですわ!それよかそいつらぶっ殺さんと気ぃすまへん!」

 

 黒瀬という男が激高する。

 私はみんなとこの男の距離を確認する。デンジ君が一番近いが幸い皆一撃が届く位置には居な……い……!?

 

 パワーちゃんが居ない!?

 どこ行った!?

 

 と、その時。突然車がこちらに突進してきた!!

 

 「デンジ君!!危ない!!」

 

 「へ?」

 

 ドゴンッ!!!

 

 猛スピードで突っ込んできた車は、デンジ君とその黒瀬という男を跳ね飛ばして停車した。

 二人とも首が変な方向に曲がっている。即死だ。

 

 「デンジ君!!!!」

 

 慌てて傍に駆け寄ったが、よく考えてたらスターター引けば大丈夫だということに気が付いた。それにしても心臓に悪い。とりあえずこの場でスターターを引くのはまずいので二道の中にデンジ君を運び込む。

 

 「デンジ君、しっかり!」

 

 スターターを引くと無事彼は蘇生した。

 マスターに見られたが、マスターもこっち側の人間らしいので問題はなさそうだ。

 

 「……デンジ君も人間じゃなかったんだね」

 

 どこか寂しそうなマスターのつぶやきを聞いて、何故か胸が苦しくなったが今は非常事態だ。あとでマスターとはしっかり話をしたいと思う。

 

 一方の黒瀬のところにはマキマがついていた。

 しかし彼女は慌てていなかった、恐らく彼女も偽物だと気づいていたのだろう。

 

 そうすると現状の問題は、あの車が何なのかということだったが、すぐに答えが出た。

 運転席でパワーちゃんが鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてハンドルを握っていた。その横に東山コベニが震えながら固まっていた。

 

 しばらく2人は茫然としていたが、パワーちゃんが運転席から飛び出してきた

 

 「ウヌの車じゃ、ワシのせいじゃない!」

 

 ……なんかもうつける薬がない。

 

 あまりの言い草にコベニが半泣きになって反論しようとするが

 

 「まさか人のせいにするのか!?この人殺しが!」

 

 と、さらに輪をかけてひどい発言が飛び出した。

 うーん、結果的に敵のスパイを倒したことになるからいいっちゃいいんだけど……。

 私がコベニの立場なら黒焦げにしてるだろうな……。

 

 などと呑気なことを考えていたら、黒瀬の顔が変わってきた。

 やはりアメリカの殺し屋のようだった。

 この前の学校の屋上の変態といい、アメリカのデビルハンターのレベルはだいぶ下がっているようだ。誰のせいかというとまあ私なんだけども……。

 

 そしてこいつらは3人組のはずだ。警戒を呼び掛けようとするとマキマが先にそれを言った。

 

 「この悪魔の契約者は3人で、こいつらは3兄弟です。ガルガリ、コベニちゃん、あと2人を探して始末してください」

 

 「あいよ!行くよ、コベニちゃん」

 

 暴力さんは軽く返事して、車の中で茫然としているコベニを連れて行った。

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