レゼさんじゅうろくさい   作:大学鯖

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遅くなりました、申し訳ございません。
映画も終わって、本編も終わりましたが未だにレゼロスから立ち直れません。
レゼ成分が摂取できなくて苦しい。

早く円盤が欲しい。




第五十九話

 俺は早川アキ。現在天使の悪魔とともに人形を駆逐し終えたところだ。

 

 幸い民間人は避難済なのでこれ以上は増えないだろう。

 そう思っていた矢先に緊急連絡が来た。

 マキマさんだった。

 

 「早川君、大至急大洗に向かってください」

 

 「大洗?……ですか?」

 

 何でそんなところにと思う間もなく、隊長の口から衝撃的な事実が告げられた。

 

 「銃の悪魔が来ます」

 

 「……!!何ですって!!」

 

 「私も現地に向かいます、先行してください」

 

 「……承知しました」

 

 「何だって?」

 

 天使の奴が能天気に聞いてくる。

 

 「大洗に向かうぞ」

 

 「今の季節はあんこうはないらしいよ」

 

 「銃の悪魔が来た。止めにいくぞ」

 

 「えぇー!やだよ、めんどくさい」

 

 「奴が上陸したら何人死ぬか分らんぞ」

 

 「はぁー、わかったよ、行こう」

 

 相変わらず面倒くさがりだ。だが根は善良だ。

 何だかんだ言いつつ人助けはする。

 そして、こいつの強さは本物だった。

 ただの剣の一振りで人形が為す術もなく吹っ飛んで動かなくなった。

 剣術でいうなら、俺より明らかに上だ。

 しかもコイツの武器は特別製だ。

 特に悪魔に対しての効き目が強すぎる。

 

 「そういえば生しらす丼ってのが美味しいらしいよ」

 

 「遊びに行くんじゃねんんだぞ!」

 

 「ハイハイ…んで、今のは誰から?」

 

 やはりコイツも気づいていたか。

 

 「マキマさんだ」

 

 「だろうね、ちょっと次のサービスエリアで止めてくれる?」

 

 天使が唐突に言い出す。

 

 「何でだ?急ぎだぞ」

 

 「トイレ休憩は必要じゃないか?あとアイスも」

 

 「てめえ、ふざけてる場合か!」

 

 「んじゃあ、はっきり言うよ。僕たちは向かうべきではない。向かうなら岸辺隊長たちを待つべきだ」

 

 「何だと?」

 

 「岸辺隊長の話を聞いてなかったのかい?マキマが何をしようとしているのか」

 

 「銃の悪魔を倒すんだろが!」

 

 「誰が倒してその後どうなる?」

 

 ……!そうだった。マキマさんは銃の悪魔を支配するつもりだった。なぜ忘れていた?

 

 「思い出したかい?今僕らが二人で向かってどうなる?マキマの駒になるだけだ。そうまでして銃の悪魔を討ちたいか?」

 

 確かにそうだ。銃の悪魔はこの手で殺したい。

 しかし、その後起こることを天使の奴が端的に言い切った。

 

 「言っとくけどアイツが銃の悪魔を手に入れたら終わりだよ。レゼだろうがデンジだろうがもう勝てない。ましてボクたちじゃどうあがいても無理だよ。そしてマキマはろくでもないことを考えている。早川アキ、選びなよ。アイツを殺すか、アイツに君の大事な人を皆殺しにされるか」

 

 「!!」

 

 「僕はそうやって大事なものを全部奴に奪われたんだ。キミもそんな後悔はしないほうがいいと思うけど」

 

 「……」

 

 「それともまだマキマが好きなのかい?」

 

 …否定はできない。ただそれも作られた感情だということらしい。

 

 やがてサービスエリアに着いたので、天使がアイスを買いに行く間に、岸辺隊長に連絡を入れる。電波の調子が悪いのか、あいにく繋がらなかった。

 

 その時突然、頭の中にとんでもない景色が浮かんできた。

 

 何だ!!何だ……これは!!

 

 デンジと戦ってるのは……俺か!?

 そして俺は腕についた銃をデンジに向けて……腕に銃だと!?

 どういうことだ!?

 

 ふとガラス窓を見る。そこには…

 頭が銃になった俺がいた。

 

 これは……魔人…なのか?

 銃の魔人……それは俺なのか?

 ということは…俺は死んで銃の悪魔に乗っ取られて……デンジを殺すのか、またはデンジに殺されるのか…?

 そしてデンジのチェンソーが迫ってきて…

 

 そこで映像は途切れた。

 

 「……未来の悪魔っ!いるなら答えろ!……これはなんだ?」

 

 「フフフ…未来最高…だろ?これはね、もうすぐ起こる未来。だからもう変えられない」

 

 「……」

 

 「そう、キミは最悪な死を迎える。前に言ったとおりに……ね」

 

 「……てめえ」

 

 「早川アキ…お前は面白い契約者だったよ。お前の未来は最悪で最高だ」

 

 「失せろっ!!」

 

 「どうしたのさ!急に?」

 

 天使の声で正気に返る。どうやら未来の悪魔は俺にしか見えないらしい。

 

 「……最悪な未来を見せられた」

 

 今の光景をかいつまんで話す。そして、その最悪な未来を避けるために天使に後を託す。

 

 「俺がもし…銃の悪魔に乗っ取られたら………俺を殺してくれ」

 

 これしかない。魔人ということは俺は死んでいる。ならせめてデンジは生きていてほしい。そしてコイツも…。

 

 「え~やだよ、めんどくさい。それに……」

 

 帰ってきた答えはいかにも天使らしい。しかし、そのあとが意外だった。

 

 「まだキミには死んでほしくないかな、早川アキ」

 

 「どういう風の吹き回しだ?」

 

 「僕はそれなりに君たちのことが気に入っている。デンジ、レゼ、パワーちゃん、そしてアキ、君たちのことがね。そして、僕たち一人一人だとその未来は変わらないかもしれない。でも君が見た未来はその最悪な結末まで見えたのかい?」

 

 よく考えれば、その先は見えなかった。

 しかし、俺が銃の魔人になったところまでは見えた。

 

 「それに…未来の悪魔は何かを隠していると思うよ。悪魔っていうのはそういうもんだ」

 

 天使が缶コーヒーを一つ差し出してきた。

 

 「まあ、飲みなよ。ヤバい時ほど平常心だよ」

 

 「……ああ、すまない」

 

 確かに俺は焦りすぎていた。

 銃の悪魔への復讐も大事だったが、今はそれよりもデンジやパワー、俺の周りの奴ら、コイツも含めて無事でいてくれる方が大事だった。

 

 そして、ふとどうすれば銃の悪魔を倒せるのか考えてみた。

 

 そして気づいた。

 ほとんどの奴が対抗策がないんじゃないか、と。

 

 今こちらサイドで銃の悪魔に通用しそうな攻撃手段があるとしたら、レゼさんぐらいしか浮かばなかった。デンジも隊長も暴力も近距離タイプだ。パワーはそこまで威力はないだろう。吉田という男は未知数だが考えにくい。マスターも完全に未知数だ。もしかしたら何かあるかもしれない。

 

 なら、コイツは?

 

 「天使、銃の悪魔が来たとして対抗策はあるのか?」

 

 「……できるだけ使いたくないけどあるよ」

 

 あるのか…。やはりコイツは底がしれない。

 

 「ただ、僕だけじゃ届かないかもね。だから可能な限り後続を待ちたい」

 

 確かに銃の悪魔に対するなら万全の戦力で挑みたかった。

 そしてマキマさんに対抗するにも…。

 

 しかし、そうはうまく行かないのが俺の人生なんだろう。

 

 「あれ、どうしたの二人とも?」

 

 ホットコーヒーを片手に一人の女性がこちらに向かってきた。

 マキマさんだった。

 

 「マキマさん!?」

 

 「現地に向かってって言ったよね?どうしてここに?」

 

 「天使がトイレに行かせろってごねて…。そういうマキマさんは?」

 

 「どうしてもコーヒーが飲みたかったんだけど…やっぱり二道の方が美味しいね」

 

 相変わらずわからない。

 この人が何を考えているのか。

 そもそも本当にこの人は悪魔なのか。

 そして…どこまで恐ろしいことを考えているのか。

 

 「マキマさん…貴女は…何をしようとしてるのですか?」

 

 それを聞いてマキマさんは少し意外そうに答えた。

 

 「岸辺さんから聞いてない?」

 

 「それは…聞きました。しかし、本当にそうなのか未だに信じられません」

 

 「ふうん…」

 

 と呟いたあと、マキマさんは何かいいことを思いついたような、そんないたずらっぽい笑顔で笑いかけてきた。

 

 「早川君、キミはもう寿命があまりないんだっけ。もしも……もっと生きられるとしたらどうする?」

 

 「……!!」

 

 そんなことが…できるはずはない。人間ならば。

 でもこの人は強大な悪魔。だとするとそんな力も…。

 そうしたらアイツらとまた…。

 

 「早川君、私と契約したらその方法を教えてあげるよ」

 

 「マキマさん…あなたは…」

 

 ダメだ、危険だと分かっているのにその誘惑に勝てない。

 断言できる。この人は悪魔だ。そしてこれは悪魔の契約だ。

 

 「早川君、守りたい人がいるのでしょ?」

 

 そうだ、俺はデンジやパワーを守りたい…。

 

 「私と契約すれば力をあげるよ」

 

 その力があれば…。

 

 「そう、その守れる力を…」

 

 マズい、これは…支配だ。

 この人は寿命を延ばすや力をあげると言いながら、デンジやパワーを守るとは一言も言ってない。

 俺に力を与えるのはそのためではない。

 抵抗しなければ…。

 

 「早川君、これは命令です。契約すると言いなさい」

 

 途端にマキマさんの目が金色に輝く。

 そしてその目の中に何重にも重なった円が渦巻く。

 

 そして俺は

 

 「……契約する」

 

 と言ったすぐ後に意識を失った。

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