この素晴らしい陰の実力者に祝福を!   作:魔力はどこだ!魔力ゥゥ

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見るが良い、これこそ世界一のモブ告白!…のはずだったのに…

あれから更に時が経った。

僕は15歳になり、王都のミドガル魔剣士学園に入学した。

そんな僕は、普段は目立たないモブ貴族としてパッとしない2人とつるんでいる。

そういえばここ最近になって、前にも言った魔王を倒した勇者がこの国まで来たらしい。巷では、この国の王女たちを鍛えにきたとかなんとか言われてるけど、モブ貴族の僕にはそんなの関係ない。

 

今はモブっぽいイベントを起こすことが最重要だ。

 

「アレクシア王女、どうか僕とお付き合いしてください!」

 

そんな声が聞こえてくる。どうやら、大衆の前で王女へ愛の告白をしているらしい。

花束も持ってるし、それだけ想いが強いのだろう、中々のイケメン貴族だ。

 

「興味がないわね。貴方には。」

 

どうやら、あのイケメンくんは振られたみたいだ。

ここ最近、彼女に告白するものが後を経たない。

皆、素敵な彼女と学園でロマンティックな恋愛をしたいらしい。

まあ、貴族にとって結婚は自由じゃないから、学生の時だ

けでも自由な恋愛を楽しみたいのだろう。

 

 

イベントと言えば、

主人公とかメインキャラっぽい生徒はもう既に見つけている。

 

その1人がさっきのアレクシア・ミドガル第2王女だ。

この国ミドガル王国の王族にして、剣の才能もあるとか。

本当はその姉の第一王女の方が強かったらしいけど、もう卒業してしまっているみたいだし、あんまり興味はない。

僕は未だにモブっぽいイベントが起こせていない。

 

 

そこで、今度のテストで一番成績が悪かった奴が罰ゲームとして、この学園にいる第2王女に告白をすることを提案した。

 

王女への告白イベントなんて、モブの王道だよね。

 

「王女様だ!う、うつくしすぎる!けっ、け、け、結婚してくだひゃい!」とか言うモブは定番だ。

だから僕は出来るだけ手を抜き、見事罰ゲームを受けることになった。

 

「シドくん、罰ゲームのこと、忘れてないですよね」

 

「大丈夫だって。ちゃんと考えてきたよ。」

 

そう、僕はこの時、この瞬間のためにさまざまなシチュエーションとパターンを予想し、一番モブらしい言葉遣い、振る舞い、空気を出せるよう練習を重ねたのだ。

 

そして、放課後の校舎裏へ王女を呼び出す。

 

見ていろ、これこそが世界一のモブだ!!

 

「ア、アッ、アレクシアおうにょ、

ど、どうか僕とけっ、け、結婚を前提に、つ、つつ、つきあってくだひゃぃぃぃ、、?

 

僕は呼び出した王女へ、地面へと視線を向けモジモジと体を動かしながらそういった。

このとき、相手を見ず、恥ずかしそうに地面へと視線を下ろすのがモブ告白のポイントだ。

 

どこからどう見てもモブの振る舞いだ!

相手を見ず、恥ずかしそうな振る舞いをし、そして疑問系で言葉を小さくしていく。

 

もし告白の審査員がいたら十中八九、

 

『まさにモブの告白だ!君にはモブの称号を与えよう!』

 

とか言ってくれるに違いない。

完璧にモブの告白をした僕は振られるに違いない。

さあ、早くあのことばを言ってくれ。

 

「こちらこそ、お願いします。」

 

は?

 

「それじゃあ、一緒に帰りましょう。」

 

 

「また明日。シド君」

 

 

 

 

 

 

「どうして、どうして

モテモテラブコメ主人公ルートに入ってるんだよォォォォ

 

 

 

 

世界を脅かす魔王を倒した日本からの勇者こと、

俺佐藤和真とその一行は、ベルゼルグ王国からミドガル王国へと移動していた。

なんでも、魔王を倒したイケメン勇者の腕前をミドガル王国の王女が一目見たいらしく、正直断りたかったが大事な妹のため、受けることにした。

 

「見て下さいカズマ、鉄の塊が動いてます!あの動く的に爆裂魔法を打ちたい!打って良いですか?良いですよね!」

 

「言い訳ねーだろ。こんな街中で打ったらいくら客人といえど処刑案件だよ!ってあれ、鉄道か?電車まで異世界に持ち込まれてたのか。それによく見ると隣走ってるの教科書とかで見た昔の車じゃん。この国はベルゼルグに比べて随分と進んでるな。」

 

「なんでもミドガル王国には優れた商会が存在するらしい。私も貴族だった頃に聞いたことがある。あのデンシャというものもその商会の開発したもののようだ。」

 

「人が多いとこには便利よねー。電車。そうだわ、せっかくこんなに人がいるんだし、アクシズ教に勧誘しなきゃ!」

 

そんな会話をしているといつの間にか目的地へとたどり着いていたようだ。馬車から降りるとそこには赤い髪の美人と銀髪の美少女がいた。

 

「この度は、このミドガル王国まで遠路はるばる来てくださり、感謝いたします、勇者様。私はこの国の第一王女のアイリスと申します。」

 

 

どうやらこの国の王女様は俺の大事な妹と同じ名前らしく、その繋がりで仲も良いらしい。彼女の隣にいるのは妹で、彼女は学校に通っているらしい。

学校って言っても前世みたいな基本的な知識を身に付けるようなものじゃなく主に貴族向けに剣術などを教えるようなものらしく、魔剣士を育てているのだとか。

 

「皆様のお部屋を案内させていただきます。」

 

着いていくとそこには、お城らしく豪華な部屋が。

 

「部屋にあるものは自由に使ってもらって構いません。」

 

そうして部屋を見ると、大きなベッドに金のかかってそうなフカフカのソファが。そして、豪華で上品な机の上には前世でも見たようなチョコレートらしきものが。

 

「このお菓子ってどこで売られているものなんですか?」

 

「そちらは、最近貴族たちの間で話題になられているミツゴシ商会から取り寄せたものでして、チョコレートといいます。上品な味わいで、とても美味しいそうです。」

 

ミツゴシ商会、チョコレート、電車か。

間違いなくそのミツゴシには地球からの転生者がいるな。

聞けばその商会は商品を売るだけでなく、建築、不動産、だったりまで展開しているらしい。久しぶりのチョコレートは懐かしい味がした。

 

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