アイ視点です
今日は久しぶりに、家族三人そろってのお休み。スケジュール帳に丸印が三つ並んでいるのを見たとき、思わず声が漏れた。「やった……!」
ずっと、こういう時間を作りたかった。仕事に、レッスンに、撮影に。気づけば子ども達も成長して、以前みたいに一緒にいられる時間は少なくなっていたから。
「どうする?どこか出かける?」とルビーが弾む声で聞いてくる。かわいい。
でも今日は、なんだか私が“お母さんらしいこと”をしたい気分だった。
「ううん、ご飯はママが作るから、二人はのんびりしてていいよ」
そう言うと、アクアは少し驚いたように目を瞬かせ、ルビーは「手伝う!」と手を挙げた。
アクアは、年のわりに落ち着いてて、身体もどこか大人っぽくて、ちょっと不思議な子。でも無口なだけで、本当はとても優しい。なんだかんだで私やルビーを気づかってくれる。今日も「ルビーが手伝うの危なくない?」と言いたげな表情。かわいいなあ、もう。
「じゃあね、ルビーには野菜を洗ってもらおうかな」
それくらいなら安心だし、手伝ってくれるのは嬉しい。
キッチンに立つのは久しぶりだけど、実はちょっとずつ練習してた。子ども達に、ちゃんと手料理を食べさせたいって思って。
ルビーは少しドジなところがあるから最初は心配だったけど、今日はがんばっている。落としそうなボウルを私がそっと支えてあげると、「ありがと、ママ」と照れ笑い。
その顔を見るだけで胸が温かくなる。
ふと横を見ると、リビングからアクアがこちらを見ていた。心配半分、あたたかい目半分。あの子のそういうところ、本当に好きだなと思う。
「アクア、運ぶの手伝ってくれる?」
声をかけると、すっと立ち上がって黙って皿を持ってくれる。こういうところが本当に頼もしい。
食卓に並んだ料理を三人で囲む。
ルビーは「ママすごーい!ちゃんとしたご飯だ!」なんて失礼なことを言うし、アクアは苦笑いしながらも「味はいい」と短く褒めてくれた。
その一言だけで、胸の奥がじんわり熱くなる。
三人でゆっくり食べて、他愛もない話をして、笑って。
仕事のことも、世間のことも、嫌なことも何もかも遠くに感じる。
こういう時間が、きっと私にとっての幸せなんだと思う。
気づけば、ルビーはデザートのプリンを嬉しそうに頬張り、アクアは静かに紅茶を飲んでいる。その姿を見ているだけで、胸がいっぱいになる。
——ああ、いつまでもこんな時間が続けばいいのに。
そんなことを思いながら、私はそっと二人を見つめた。
走馬灯ではありません
そんな鬱フラグはスタープラチナ先輩がへし折ります