月は堕ち、日は昇らない   作:ハイカスカス

4 / 6
書き溜めが無くなった事をお知らせします。
うせやろ?まだ4話目だぜ?なんも考えてなさすぎるだろうがよこの駄作者
ここすき、たすかります。小説書いてる中であれ見ながらニヤニヤするのが感想読む次ぐらいに楽しい瞬間まである。
誤字報告も助かります。オリ主、消えてたわね…

あと、前話の黒服のペラ回しとかは何も考えずに書いているので何も回収されない可能性大です。よろしくお願いします。



騒乱、その始まり

 

先生が来た次の日。別に何か変わるわけでもなく、私達の日常は続いていく。

…あ、近い内に薬の補充に行かないとな…あとグレネードもいくつか…

 

考え事をしていたら普通に学校に着いた。いやはや、慣れとは恐ろしいものだ。

がらがらと対策委員会の扉を開く。中には見慣れたピンク髪がぽつんと配置されていた。

 

「おはようございまーす」

「ふえぇ?ああ、おはよースラちゃん。どう?昨日はリフレッシュできた?」

「ええ、それはもう存分に。いい縁も繋げましたし、大満足です」

 

椅子に腰を下ろして身なりを整える。

正直に言ってやる事が無い。目の前で寝たふりをしているこの先輩とは話が弾まないし、装備の点検はこの前やった。先生のことを話そうにも、この時は大人に対して敵対心MAXの状態だったはずなので迂闊に話題に出せない。

なるほど、詰みだな。

いや、言い訳をさせてほしい。別にホシノ先輩と親睦を深めなかったわけではないのだ。ただこちらから何か行動を起こそうとすると何故かずっとこっちを監視してきてるような気がして…

 

そんな私の手持ち無沙汰を読み取ったのか、はたまたただの気まぐれか。気怠そうに頭を上げて口を開いた。

 

「スラちゃん、困ってることとかない?おじさん、話ぐらいは聞くよ〜?」

 

 

 


 

 

 

 

上廻スラ。私の目の前できょとんとして悩みなんてないと言う彼女。

絶対に何かあると感じるが、それでも弱みを見せない変な子。一昨日みたいに急に出かけると言うこともあれば、ずっと静かにしていることもある。

 

悩みなんてない。そのことが嘘じゃないのか、それとも彼女が自覚できてないような、もっともっと深い場所に根付いた問題なのか…

一年ぐらいはそれとなく、というより結構がっつりと探って見たけれど結局分からず終いだ。

 

「まあいいや…こうして話を聞くのも先輩の仕事だからね〜。気になったこととかがあれば遠慮なく言ってよ〜?」

「じゃあこの目の前に広がる黄色をなんとかして欲しいですかねぇ…」

「うへー手厳しい。流石にそれはおじさんでも無理だよぉ」

「でしょうねぇ…はあ…」

 

「「めんどくさいなぁ…」」

 

そう言葉がシンクロすると同時に机にぐでーんと広がる。お互いの手が触れ合った。どうやらスラちゃんも伸びているらしい。

 

「…まあ、悪くない生活だとは思いますよ。ここでのびのびきりきり借金返すのも」

「へぇ、それは良かった」

 

後輩達が来るまでこうしていよう。砂漠というだけあって、ここは日差しには困らない。朝らしくない穏やかな陽気が部屋中を包んでいた。

 

 

 


 

 

 

いつもの会議についてもつつがなく終わった。強いて言えばシャーレへ救援を出すことを提案した程度。そういった文章を書くのはアヤネが1番得意なので丸投げしている。適材適所、いい言葉だ。

 

「…よしっ!書けました!」

「お疲れ様、アヤネ。後は私がポストに入れてくる」

「待て待て砂狼(スナオオカミ)。私も連名で出そう。一応シャーレの先生とは知り合ったしな」

「え?知り合いなんですか?」

「おーよ。昨日シャーレのビル奪還に付き合ってた」

 

そういうことならとシロコが手紙を渡してくる。うん。いつ見てもアヤネの字は綺麗だ。さらさらと奥空アヤネの後ろに上廻スラと書いてシロコに返却した。

 

「というわけで、頼んだ砂狼」

「…いい加減その砂狼呼びを変えてほしいんだけど」

「やだ。変えてほしかったら私に勝ってからにするんだな」

「む…」

 

なぜ砂狼呼びかって?…ただのしょうもないプライドだよ。

 

 

 

 

 

 

 

とりあえずソシャゲのデイリー消化気分で襲撃してきたヘルメット団をブン殴って帰宅する。備品の弾薬も残り少ない。

やはり拳、拳で解決するしかないのか…?

 

 

 

 

 


 

 

 

私がキヴォトスにやってきて大体1週間。色々な任務をこなして業務にも慣れてきたので、アロナと一緒に溜まった書類をまとめて片付けることにした。

 

「“いやー、流石にこの量はちょっと堪えるね…”」

『ここ数日でシャーレに関する噂も広がりましたから!色々な生徒さんから助けを求めるお手紙が…おや?これは…』

「“なにかあった?”」

『いえ、ちょっと不穏な…これは先生に一度読んでもらった方が良いかなと』

 

手紙の場所が示されたので、書類の山を掘り進めて手紙を見つけ出す。

丁寧に施された封を開いて内容に目を通す。

 

連邦捜査部の先生へ

 

こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。

 

今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。

 

単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。それも、地域の暴力組織によってです。こうなってしまった事情は、かなり複雑ですが…

 

どうやら、私たちの学校の校舎が狙われているようです。今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底を突いてしまいます…

 

このままでは、暴力組織に学校を占領されてしまいそうな状況です。それで、今回先生にお願いできればと思いました。

 

先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?

 

アビドス廃校対策委員会 奥空アヤネ 上廻スラ

 

 

「“これって…”」

 

『アビドス高等学校ですか…昔はとても大きい自治区でしたけど、気候の変化で街が厳しい状況になっていると聞きました』

「“そうなの?スラはこの前何も無いって言ってたけど”」

 

『はい。街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるぐらい、だそうです。目印がなくてだだっ広いとなればそうなるのも仕方ないんですかね?』

 

アロナはこてんと首を傾げる。随分と可愛らしい仕草だ。

 

『でも、いくらなんでも街のど真ん中で遭難だなんて、さすがにちょっとした誇張だと思いますが。それより学校が暴力組織に攻撃されているなんて、ただ事ではなさそうですし。何があったんでしょうか?』

「“…とりあえず、アビドスに行ってみよう。出張ってことで”」

 

そう決めてエンジェル24へ行き、必要そうな物を整える。帽子と、水分と…食料も必要だろうか?日差しがキツいだろうし帽子も必要だろう。

…せっかくアビドスに行こうとしているのだし、スラにその辺を教えてもらった方がいいのだろうか?

 

まあいいか。とりあえず行ってみよう!

 

 

 

 

 

この連絡しないという選択を、数時間、数日後の私は後悔することになる。

 

 

 


 

 

登校中、蛇のように地面に這いつくばっている人影を見つけた。一瞬無視しようかとも思ったが、流石に情が勝ち声をかけようと近づく。

 

「…あの、大丈夫?」

「“う、ゔう…み、みずを…!”」

「ごめん、ミミズは持ってない」

 

訂正。蛇ではなくミミズだったようだ。

 

「“そうじゃなくて、水…を…!もっと欲を出すならご飯を…!”」

「…ええっと…ホームレス?」

 

一応事情を聞くと、この街に用事があって来たら何も無くてそのまま倒れてしまったらしい。話を聞く限り土地勘も無いようだし、旅行者か何かだろうか。

 

「“ところで、店どころか自動販売機すらもほとんどが売り切れだったんだけど…”」

「元々ここはそういう場所。食べ物のお店なんかはとっくの昔に撤退しちゃったし、自動販売機は補充されなくなって久しい。こんな場所じゃなくて、郊外ならある程度そういう店があると思うけど…」

 

あっ、話し続けてしまったが今はそれよりこの大人に水分を渡す方が先決だろう。よく見れば呼吸が薄くなってきている気がする。

急いでバッグを漁りエナジードリンクを取り出す。

 

「はい、これ。エナジードリンク。ライディング用なんだけど、今はそれぐらいしか持ってなくて。でも、お腹の足しと喉の乾きの対策ぐらいにはなる。えっと、コップは」

「“ありがとう!!”」

「あっ!」

 

バッグから何かカップにできる物が無いか半分ぶんどるように容器を取り上げられてしまう。そのまま遠慮なしに口を付けてぐびぐびと飲み干されてしまう。

 

「あの、それ、私の…」

「“…?”」

「…ごめん。気にしないで」

 

羞恥で少し顔が熱くなる。元々ライディングで体を温めていたのでそれほど違和感は無いはず…

むくりと起き上がったその大人の胸にあるカードには、連邦生徒会のマークとシャーレ、そして先生という文字が刻まれている。

 

「もしかして、目的はうちの学校?ついこの前にシャーレへアヤネが救援の手紙を出してたから、それかなって」

「“そう!私がシャーレの先生!あ、もしかしてアビドスの子?ならちょうど良かった。学校まで案内してほしいんだけど…”」

「それくらいお安いご用。ただ、この自転車は1人乗り…仕方ない。一旦手で押しながら行こう。歩ける?」

「“それぐらいなら背負われなくても行けるよ。早速行こう”」

 

…そう行って先に進もうとする先生を諫める。

迷子なのだから先に行かないでほしい。

 

 

 

 

 

なんとか校舎にたどり着いたが、結局先生は体力不足で倒れてしまったのでその場に自転車を置いて担いでいくことになった。体力は大いに越したことはない。色々と落ち着いたら、サイクリングに誘うのもいいかも。

 


 

 

 

 

…シロコの帰りが遅い。まあつまり、そういうことだろう。先生がそのまま砂漠で野垂れ死ぬことが無くて一安心だ。

 

っと、噂をすれば。

 

「おかえりなさいシロコせんぱ…」

「ただいま」

「うぇあ!?何拾ってきたんですかシロコ先輩!?」

「わぁ大変!シロコちゃんが大人を拉致してきました!」

「砂狼、どこから拾ってきたのそれ。うちには面倒見る余裕なんてないんだから元居た場所に返してきなさい」

「ん。じゃあしょうがない。それじゃあ返してくる」

「“待って待って待って!?”」

 

担がれていた黒い物体がもぞもぞと動き、地面にぼとりと落ちる。はっきり言って滑稽だ。

 

「“ええっとそれじゃあ改めて…こんにちは!”」

 

 

「シロコ先輩、拉致じゃないんですよね…!?」

「ん、大丈夫。ちゃんと本人に同意の上で連れてきた。それに…」

 

「“……………こんにちはー!”」

 

「それじゃあお客様ですかね?こんにちは!お客様がいらっしゃるなんて、とっても久しぶりですね」

「それならいいですけど…来客の予定ってありましたか?」

 

…なんというか無視され続けて先生が若干涙目になり始めている。流石に可哀想になってきたのでパンパンと手を叩いて場を一旦リセットする。

 

「はーいみんなちゅうもーく」

 

先程までのざわめきが嘘のようにぴたりと話し声が止んだ。それでよし。

 

「先生、改めて自己紹介」

「“えっ、ああ、うん。みんなの手紙を読んで来ました、シャーレの先生です。よろしくね”」

 

おおーという感嘆の声が漏れる。まさか来てくれるとは思わず…ということだろう。連邦生徒会に半ば捨て置かれたアビドスに連邦生徒会直属の組織であるシャーレの人間がやってきた。これだけで十分希望になり得る。不信感というのも拭いきることはできないだろうが、それでも補給が来るという事実に皆は心を躍らせた。

 

「と、いうわけで無事にシャーレの助力により補給なんかが受けられるようになった。手紙を書いたアヤネとその手紙を読んでくれた先生、ここまで先生を運んできた砂狼。あとついでに私にも感謝しろよ」

「ん。みんな私にもっと感謝するべき」

 

とりあえず拍手しておこう。

 

「それじゃあ早速ホシノ先輩に知らせてこないと…あれ?ホシノ先輩は?」

「委員長なら隣の部屋で寝てるよ。私、起こしてくるわ」

 

セリカがここを離れてトタトタと廊下を走る。いつもだった廊下は走るなよーとでも言って茶化すのだが、まあ今回はさっさとホシノ(最高戦力)を引っ張ってきてもらってヘルメット団の迎撃に回ってもらった方がいいだろう。

 

そら、噂をすれば…

 

「ひゃ一っはははは!」

「撃て!撃ち続けろ!奴らはすでに弾薬の補給を絶たれている!前の見えていない認知症患者どもにありったけの鉛玉お届けしてやれ!!そうすりゃ嫌でも現実を見るだろうさ!」

 

銃声ととももにヘルメット団達の怒号が響いてきたのだが…君ら、というか特にそこの音頭とってる君、なんか口悪くない?そんな辛辣なこと言ってたっけ?

 

「武装集団…カタカタヘルメット団が接近しています!」

「あいつら…性懲りもなくっ…!」

 

さっきから煩い銃声の中からどたどたという足音を耳が捉える。そろそろ来るか。

 

「ホシノ先輩を連れてきたわ!先輩、寝ぼけてないで起きて!襲撃よ!」

「うへー、まだ起きる時間じゃないけど、しょうがないか。あれ?そっちの人は?」

「“シャーレの先生です。よろしくね”」

「先生ねー。よろしく。にしてもヘルメット団め。おじさんのお昼寝タイムを邪魔しちゃってー」

 

「さてみんな、準備はいいか?」

「問題ない。先生が補給物資を届けてくれたおかげで余裕はある」

「は〜い!早速、みんなで出撃です〜!」

「私はオペレートを担当しています。先生はこちらに残ってサポートをお願いします!」

 

各々弾薬や小物を持って、窓から外に飛び降りる。

 

 

戦闘の内容は語る必要は無いとは思うが、圧勝だった、と言っておく。やはり先生。先生は大体のことを解決してくれる…!

 





シャーレの先生
無事、砂漠で迷った。原作では主に食料不足で喘いでいたのだが、本作では水と食料両方で喘いでいる。
まだまだ若輩者。これからだぞ!先生。

久しぶり。そして初めまして。いつか見えるはずのその景色を、あなたと一緒に見てみたいんです。

砂狼シロコ
無事先生を運んできた。それはそれとしてスナオオカミ呼びにご立腹。なんかもっといい呼び方にして!

あなたは、どうか幸せに。彼女のような苦難に身を寄せることなく、私のような終わらない悪夢に堕ちることなく。せめて終わりには安寧を。


原作を見ると先生は数日間砂漠を彷徨っていたようでびっくり。そりゃあ食糧難にもなりますよね

上廻スラの結末は

  • 哀れな愚者に永遠の救済を
  • 幸せな咎人に寛大な天罰を
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。