ワイ(男)「イズナの幼馴染です」 作:彼氏殿……彼氏殿だとぉっ!?
「数が多くて敵わない」
「お札使わなくて良いんすか」
「使いたいのは山々なんだけど、数が足りなくてね」
そもそもこれ、以前のじゃれあいの残りだからね。
だからあんまり残ってないし、新しく用意する時間もなく……。
こんなことになるなら一日一枚目安に量産しておけばよかったかな。
「余裕がある時は実力で対処しておかないと後に困るのさ」
「……それでどうやってこの先突き進むおつもりだったんです? 1人じゃさっきの場面でやられてそうっすけど」
「はは、返す言葉もないね」
その時はお札を使うのだが、いやあ仲正さんがいてくれて助かったよ、仲正さん万歳! おまえも仲正さん最高と叫びなさい、くれぐれも心の中で。
「なーんか、肝心な時に頼りなさそうな人っすねぇ」
「よく言われるよ。……まあ良いことだと思おう、2人ならお札を使わなきゃならない程危ない場面にならないってことなんだしな。今のところ」
「その代わり、助けが必要そうな人も見つかってないってことですけどね……」
仲正さんの顔は険しい。
まあそれも当然で、この先に進んだ正義実現委員会の仲間達……おそらくゲームで言うところのモブ絵の子達がいるらしい。
この状況を、その子達が自力で既に撤退していると考えるのであれば幸いだが、最悪……。
「やれることは急ぐことしかないだろう。くまなく探しながら来た結果が現状だ」
「わかってるっす」
幸いなことにその子達は小隊を組んで進んでいったとのこと、ならば最悪なんて早々起きるはずもない。
例えばほら、イレギュラー的な存在でもいない限り……。
「この……名前知らないな、ヒトガタでいいか」
「それがどうかしたんですか」
「……」
見たところ存在としては式神やら悪霊かなんかに近いんだろうけどね、このヒトガタ。
ちょっとなぁ。
「いや、気のせいだろう。先を急ごう」
「そう言われると気になるっすけど」
「ん? いや何、ただ……」
弱いと言うか、どう表すべきか。
要石的な存在がしっかり強いというか、強過ぎると言うほどなのに、個々の強さがそんなにでもないのは何故なのかと思ってな。
「釣り合ってない」
「はい?」
「そう思っただけだ」
「……意味わかんないっすね!」
まあその分を数と影響する範囲に割いているとすれば納得できなくもないし、ほんと考え過ぎなだけでしょう。
☆
その頃、彼らの先の先の戦場にて。
一際大きな、存在が一つ。
「急いで急いで! "あいつ"に追いつかれちゃうっ!」
それが見据えるのは、件の正義実現委員会。
「銃弾が全然通らないなんて聞いてない!」
「他のには効いたのにっ!」
『 ッ』
アンブロジウス、出現。