イナズマイレブン 運命のリバイバルロード   作:学校ではつなぎのソジ

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友達とゴッドハンド

 

 (雲明)の目からなんとか逃れた坑命は、サッカーコートに来ていた。

 

「よし、ここが俺のテリトリーだ、ようやく動画が撮れるぞ」

 

 坑命は意気揚々とカメラ立てを設置し、早速動画撮影に取り掛かろうとしていた。

 

「おい、そこのやつ!ここはオレらの場所だ、どけよ」

 

「ちょ、ちょっと、やめようって、話し合いの方がいいよ・・・・・・」

 

 坑命がカメラの録画開始ボタンを押そうとした時、二人ほどの、同年代くらいであろう子供が絡んできた。坑命は一瞬戸惑ったが、すぐに落ち着いた。

 

「何?君たち、俺は正式にこのサッカーコートの所有者から許可を貰っているんだけれど」

 

「バカなこと言ってんじゃねえよ、一人のクセに場所が取れるわけねえだろ」

 

 一人、言い換えればぼっちという発言にピキッと来てしまった坑命は提案をする。

 

「じゃあこの場所を使えるかは試合をして決めるべきじゃないかな?」

 

 この発言にリーダー格の方は予想外だったようで、一瞬驚いたが、引くにも引けなく、坑命の挑発に乗ってしまった。

 

「いいぜ、その試合受けて立つ」

 

「ルールは簡単、俺が一点取るか君たちが一点守り切るか、つまり、君たちは二人まとめてでいいよ」

 

 更に挑発したせいで、明らかにリーダー格は青筋を浮かべ、気の弱そうな方は頭を抱えているが、坑命はそれを気にする様子も無く簡易ゴールネットが閉まってある倉庫に向けて歩いていく。なぜ坑命がこうも余裕を露わにしているかというと、相手が自分と同年代くらいと見ているからである。だいたいこの年齢で必殺技など覚えている方が稀だからだ。だから坑命はサッカーに関して、兄以外の誰にも負ける気はしなかった。

 

 簡易ゴールネットを設置し終えた坑命と二人は向き合っている。

 

「俺の名前は笹波坑命」

 

「オレは三門柄群(みかどからむ)だ」

 

「ぼ、ぼくは小皇翔太(ここうしょうた)って言います」

 

 それぞれ、柄群がGKに、翔太がDFの位置についた。

 

「行くよ!」

 

 坑命は合図と同時にゴールへと走り出した。

 

「来い!」

 

 翔太とマッチアップした坑命だが、まるで興味が無いかのように抜き去ってしまった。

 

「なっ・・・・・・しまった!柄群君!」

 

 あっという間にGKと一対一になった坑命だったが、使えるはずの必殺技を使わずに普通にシュートを撃った。だが、今までの努力によるものだろうか、並大抵のシュートではない。

 

「くっ絶対止めてみせるっ!」

 

 柄群はなんと必殺技の体制に入る。

 

「ゴッドハンド!」

 

 その瞬間、坑命は驚いた。この年齢で必殺技を使える者は少ないはず、なのになぜこんな奴が、と思ったのも束の間、柄群の放ったゴッドハンドは必殺技と呼ぶには粗末なモノで、小さく、威圧感もなかった。

 

「ぐっだめだ、やっぱオレなんかじゃゴッドハンドは・・・・・・うわぁ!」

 

 そのままシュートがゴールネットに突き刺さる。

 

「ま、負けちゃった・・・・・」

 

「クソッ・・・・・・」

 

 しばらく柄群達は項垂れていたが、立ち上がると坑命の方へと寄ってきた。

 

「負けたよ、ここはお前のモンだよ、行くぞ翔太」

 

 二人が立ち去ろうとすると、坑命は二人を呼び止める。

 

「待って!」

 

 坑命はスマホを触り出し、納得したように頷いた。

 

「な、なんだよ、まだ何かあんのか?」

 

「やっぱりね、サッカーコートの所有者に、何かおかしいと思って連絡してみたんだけど、俺と君たちは同じ日に同じスペースを予約している事になってたんだ」

 

「はぇ?」

 

「え・・・・・・」

 

 二人はなんとも間抜けな顔で驚いていたが、すぐに納得したようだった。

 

「そう、だったのか、まあだとしてもオレ達は負けたんだから今日は譲るぜ、それでいいよな?翔太」

 

「ぼくは構わないよ、良い勝負ができたからね」

 

 坑命は少し考えると、二人にこれまた提案をする。

 

「良かったらで構わないんだけれど、俺と練習しない?友達、欲しかったんだよね」

 

 根が陰気な坑命にしては頑張って誘った方である。

 

「いいのか?オレ、お前の言ったことをバカにしたんだぞ?」

 

「気にしてないよ、元々所有者の人が悪いんだし」

 

 坑命そう言うと、二人は顔を見合わせて喜んだ。

 

「お前、けっこう良いヤツなんだな!」

 

「ぼくからもお礼を、ありがとう坑命君」

 

 このような扱いに慣れていない坑命は、内心ちょっと照れている。

 

「それで、柄群はどうして必殺技を使えるの?」

 

「ん?あぁ、使えてるかどうかは別として、あの雷門中のゴッドハンド見たらそれっぽいの覚えたんだよな」

 

 見たら覚えた、この発言にはさすがの坑命も驚いた。

 

「だけどさ、中々成功しないんだよな、ゴッドハンド」

 

「一つ聞くけど、柄群はあの円堂守さんに憧れてるの?」

 

「おう!そうだぜ、やっぱ伝説だからな、俺含め全サッカープレイヤーの憧れだよ」

 

 坑命は更に質問をする。

 

「じゃあ、雷門の方法を見様見真似でやってるんだよね?そうだとしたら柄群は絶対にゴッドハンドは習得できないよ」

 

「なっ・・・・・・どういうことだ?教えてくれ」

 

 そう言われた坑命はゴールネットの前に立つ。

 

「翔太、シュートを撃ってくれない?」

 

 翔太は頷くと、坑命の前に立ち、シュートを放った。

 

「柄群!ゴッドハンドを使う前の動作をよく意識するんだ!」

 

 坑命はそう言うと“右手に気を溜める″ような動きをした後、手を前に放った。

 

「ゴッドハンド!」

 

 しばらくボールの勢いが残っていたが、ゴッドハンドを放った手の中にボールが収まっている。

 

「これが、ゴッドハンド・・・・・・そうだったのか!俺は必殺技を放つ前に気を溜めていなかったんだ!」

 

「じゃ、次は柄群がやる番だよ、俺のシュートを止めるんだ」

 

 柄群は一瞬身構えたが、頬を叩き、根性で立ち上がった。

 

「オレ、今ならやれる気がするよ!」

 

 柄群がGKのポジションに立ち、坑命も向かい合うように立った。

 

「行くぞっ!」

 

 先ほどの勝負の時よりやや強い威力のシュートが放たれる。

 

「今度こそ止める!」

 

 柄群は右手に気を溜め、手を前に放った。

 

「ゴッドハンド!」

 

 凄まじい猛攻がゴッドハンドを襲うが、柄群はそれに耐えている。

 

「とまれぇぇぇぇぇ!」

 

 手の中にボールが収まった。よく見ると若干キーパーグローブが擦れて熱を帯びている。

 

「や、やった!よっしゃぁ!」




たしかゴッドハンドはこんな原理だったはず。
曖昧だけどこんな感じのはず。
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